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第104回日商簿記検定試験2級解説
横浜簿記テクノビジネス専門学校 第104回日商簿記検定試験2級解説 第1問 1.貨物引換証の販売の処理 貨物引換証を受取っていた場合には、未着品勘定で処理されている。この貨物引換証を販売したときに は、未着品売上勘定で処理をする。 また、これに伴う売上原価は仕入勘定に振り替えるため、未着品勘定から仕入勘定に振り替える処理を する。 2.生産高比例法による減価償却費の計上の処理 直接法による会計処理であるため、航空機勘定を直接減額する処理をする。 生産高比例法 (取得原価−残存価額)÷推定総利用時間×実際の利用時間 1機当たり (¥2,000,000−¥2,000,000×10%)÷32,000 時間×4,000 時間=¥225,000 10機当たり ¥225,000×10機=¥2,250,000 3.消費税の計上の処理 会計処理方法は税込方式を採用しているため、仮払消費税勘定および仮受消費税勘定を用い て処理は行われていない。 また、仮払分の金額と仮受分の金額を見ると仮受分の金額のほうが多いため、仮払分と仮受分の差額を 租税公課勘定の借方に記入するとともに、未払消費税勘定の貸方に記入する。 4.売掛金の回収の処理(売上割引含む) 売上割引とは、一定の期日内に売掛金を回収した場合に代金の一部を免除することをいう。 売上割引の金額 ¥2,500,000×1.5%=¥37,500 5.社債の償還の処理(社債利息・社債発行差金の償却含む) 社債の発行総額は¥20,000,000 であるが、途中で¥10,000,000 分買入償還しているため、残 り¥10,000,000 分について考えればよい。 満期償還分 ¥10,000,000 社債利息 ¥10,000,000×1%÷2回=¥50,000 社債発行差金の償却額 ¥10,000,000÷¥100×(¥100−¥98)=¥200,000 ¥200,000÷5年間=¥40,000 当座預金勘定の金額(社債利息分含む) ¥10,000,000+¥50,000=¥10,050,000 社債利息勘定の金額(社債発行差金の償却分を含める) ¥50,000+¥40,000=¥90,000 社債発行差金勘定の金額(社債発行差金の減少分)¥40,000 -1- 横浜簿記テクノビジネス専門学校 第2問 〔資料1〕 仕訳 4月 1日 (支 払 家 賃) 500 (前 払 家 賃) 500 1日 (未 払 利 息) 300 (支 払 利 息) 300 10日 (貸 倒 引 当 金) 1,200 (売 金) 1,200 21日 (備 5,000 (当 座 預 金) 2,000 品) 掛 (未 払 金) 3,000 〔資料2〕 ( )内の金額 売掛金の貸方・・・・ 〔資料1〕4月10日より¥1,200 前受金の借方・・・・売上帳4月25日より¥2,000 未払利息の借方・・・ 〔資料1〕4月1日より¥300 貸倒引当金の借方・・ 〔資料1〕4月10日より¥1,200 給料の借方・・・・・当座預金出納帳4月15日より¥9,000 支払家賃の借方・・・ 〔資料1〕4月1日と当座預金出納帳4月30日の合計より¥4,500 (1)当座預金出納帳と売上帳・仕入帳の( )の語句・金額 当座預金出納帳 受取利息の金額・・ 〔資料2〕より¥1,000 貸方18日・・・・仕入帳より(仕入) 売上帳 貸方3日・・・・・当座預金出納帳より(当座預金) 仕入帳 前払金の金額・・・ 〔資料2〕より¥1,800 (2)合計試算表の作成(各勘定の金額) 当座預金の借方・・・ 〔資料2〕¥98,500+当座預金出納帳借方合計¥58,500=¥157,000 当座預金の貸方・・・当座預金出納帳貸方合計¥63,800 受取手形の借方・・・ 〔資料2〕より 受取手形の貸方・・・ 〔資料2〕より 売掛金の借方・・・・ 〔資料2〕¥88,000+売上帳売掛金襴の合計¥49,000=¥137,000 売掛金の貸方・ ・ ・ ・ 〔資料2〕¥1,200+当座預金出納帳売掛金襴の合計¥38,000+売上帳値引分¥800=¥40,000 前払金の借方・・・・ 〔資料2〕より 前払金の貸方・・・・ 〔資料2〕より 繰越商品の借方・・・ 〔資料2〕より 前払家賃の借方・・・ 〔資料2〕より 前払家賃の貸方・・・ 〔資料2〕より 備品の借方・・・・・ 〔資料2〕より 支払手形の貸方・・・ 〔資料2〕より 買掛金の借方・・・・当座預金出納帳買掛金襴の合計¥40,000+仕入帳戻し分¥2,000=¥42,000 買掛金の貸方・・・・ 〔資料2〕¥100,000+仕入帳買掛金蘭の合計¥25,000=¥125,000 未払金の貸方・・・・ 〔資料2〕より 前受金の借方・・・・ 〔資料2〕より 前受金の貸方・・・・ 〔資料2〕より 未払利息の借方・・・ 〔資料2〕より 未払利息の貸方・・・ 〔資料2〕より 貸倒引当金の借方・・ 〔資料2〕より -2- 横浜簿記テクノビジネス専門学校 貸倒引当金の貸方・・ 〔資料2〕より 備品減価償却累計額の貸方・・〔資料2〕より 借入金の貸方・・・・ 〔資料2〕より 資本金の貸方・・・・ 〔資料2〕より 売上の借方・・・・・売上帳値引分¥800 売上の貸方・・・・・売上帳合計(値引分を除く)¥74,000 受取利息の貸方・・・ 〔資料2〕より 仕入の借方・・・・・仕入帳合計(戻し分を除く)¥48,800 仕入の貸方・・・・・仕入戻し分¥2,000 給料の借方・・・・・ 〔資料2〕より 支払家賃の借方・・・ 〔資料2〕より 消耗品費の借方・・・ 〔資料2〕より 交通費の借方・・・・ 〔資料2〕より 支払利息の貸方・・・ 〔資料2〕より (3)各勘定の金額 受取手形 4/ 1 67,000 4/19 15,000 備 4/ 1 66,000 4/21 5,000 4/11 10,000 4/30 72,000 品 0 4/30 71,000 前受金 4/25 2,000 4/30 4,500 4/ 1 5,000 4/27 1,500 第3問 〔資料Ⅱ〕 1. (現 金) 60,000 (償却債権取立益) 60,000 2. (現 金) 40,000 (有価証券利 息) 40,000 3. (備 品 減 価 償 却 累 計 額 ) 392,000 (備 品) 500,000 (固定資産除却損) 108,000 〔資料Ⅲ〕 1. (¥655,000+¥535,000)×3%=¥35,700 ¥35,700−¥8,000=¥27,700 -3- 横浜簿記テクノビジネス専門学校 (貸倒引当金繰入) 27,700 (貸 倒 引 当 金) 27,700 2. @¥1,200 棚卸減耗費 商品評価損 @¥1,150 340 個 360 個 期末商品棚卸高 360 個×@¥1,200=¥432,000 棚卸減耗費 (360 個−340 個)×@¥1,200=¥24,000 商品評価損 (@¥1,200−@¥1,150)×340 個=¥17,000 (仕 入) 380,000 (繰 越 商 品) 380,000 (繰 越 商 品) 432,000 (仕 入) 432,000 (棚 卸 減 耗 費) 24,000 (繰 越 商 品) 24,000 (商 品 評 価 損) 17,000 (繰 越 商 品) 17,000 3. A社株式 ¥510,000−¥485,000=¥25,000(評価益) B社株式 ¥496,000−¥462,000=¥34,000(評価損) C社社債 ¥196,000−¥180,700=¥15,300(評価損) 評価損の金額 ¥34,000+¥15,300−¥25,000=¥24,300 (有価証券評価損) 24,300 (売買目的有価証券) 24,300 4.減価償却費の計上 建物 (¥6,000,000−¥6,000,000×10%)÷30 年=¥180,000 備品 取得原価 ¥2,000,000−¥500,000(除却分)=¥1,500,000 減価償却累計額 ¥542,000−¥392,000=¥150,000 (¥1,500,000−¥150,000)×20%=¥270,000 減価償却費合計 ¥180,000+¥270,000=¥450,000 (減 価 償 却 費) 450,000 (建 物 減 価 償 却 累 計 額) 180,000 (備 品 減 価 償 却 累 計 額) 270,000 5.満期保有目的債券の評価替え 償却原価法(定額法)・・・額面総額と購入価額との差額を均等に増加させる方法 差額 額面総額 ¥2,000,000 購入価額 ¥2,000,000÷¥100×¥94.50=¥1,890,000 ¥2,000,000−¥1,890,000=¥110,000 一期ごとの増加額 ¥110,000÷5 年=¥22,000 (満期保有目的有価証券) 22,000 (有価証券利 息) 22,000 6.営業権の償却 平成 12 年 4 月 1 日から平成 14 年 3 月 31 日までの2年間償却が終了している。 よって、残り3年間で償却する ¥810,000÷3年間=¥270,000 (営 業 権 償 却) 270,000 (営 業 7.修繕引当金の繰入 -4- 権) 270,000 横浜簿記テクノビジネス専門学校 (修 繕 引 当 金) 210,000 (修繕引当金戻入) 210,000 (修繕引当金繰入) 280,000 (修 繕 引 当 金) 280,000 8.未払利息の計上 平成 14 年 8 月 1 日から平成 15 年 3 月 31 日の8か月分 ¥1,500,000×3%÷12 か月×8 か月=¥30,000 (支 払 利 息) 30,000 (未 払 利 息) 30,000 9.受取家賃の前受分の繰延 受取家賃 平成 14 年 9 月 1 日から平成 15 年 8 月 31 日の1年間分 前受分 平成 15 年 4 月 1 日から平成 15 年 8 月 31 日の 5 か月分 ¥420,000÷12 か月×5 か月=¥175,000 (受 取 家 賃) 175,000 (前 受 家 賃) 175,000 10.保険料の前払いの計上 受取家賃 平成 14 年 11 月 1 日から平成 15 年 10 月 31 日の1年間分 前払い分 平成 15 年 4 月 1 日から平成 15 年 10 月 31 日の7か月分 ¥240,000÷12 か月×7 か月=¥140,000 (前 払 保 険 料) 140,000 (保 11.法人税の計上 険 料) 140,000 損益計算書作成後の税引前当期純利益より ¥1,618,000×40%=¥647,200 (法 人 税 等) 647,200 (未払法人税 等) 647,200 -5- 横浜簿記テクノビジネス専門学校 第4問 工程別総合原価計算による仕掛品勘定の作成 仕掛品−第1工程(平均法) 次工程振替高 ¥50,000+¥2,000,000 原料費 ×1,960 台= ¥2,009,000 1,960 台+40 台 ¥13,045+¥1,174,955 加工費 ×1,960 台= ¥1,176,000 1,960 台+40 台×1/2 月末有高 ¥50,000+¥2,000,000 原料費 ×40 台= ¥41,000 1,960 台+40 台 ¥13,045+¥1,174,955 加工費 ×40 台×1/2= ¥12,000 1,960 台+40 台×1/2 仕掛品−第2工程(先入先出法) 当月完成高 ¥3,185,000 前工程費 ×(1,970 台−100 台+30 台)+¥163,000 1,970 台−100 台+30 台+60 台 = ¥3,250,500 ¥1,970,000 加工費 ×(1,970 台−100 台×1/2+30 台) 1,970 台−100 台×1/2+30 台+60 台×1/3 +¥49,550=¥1,999,550 月末有高 ¥3,185,000 前工程費 × 60 台= ¥97,500 1,970 台−100 台+30 台+60 台 ¥1,970,000 加工費 × 60 台×1/3= ¥20,000 1,970 台−100 台×1/2+30 台+60 台×1/3 第5問 直接原価計算の問題 直接原価計算による損益計算書 売上高 @¥80,000×500 個 ¥40,000,000 変動費 -6- 横浜簿記テクノビジネス専門学校 変動製造原価 変動販売費 @¥36,000×500 個 @¥ 4,000×500 個 ¥18,000,000 ¥ 2,000,000 貢献利益 ¥20,000,000 ¥20,000,000 固定費 固定製造原価 ¥15,000,000 固定販売費・一般管理費 ¥ 1,000,000 営業利益 ¥16,000,000 ¥ 4,000,000 問1 (1)① 上記の損益計算書より ¥20,000,000 (2)② 損益分岐点とは、営業利益が¥0 のときの売上高である。 固定費合計÷(貢献利益÷売上高)で求められる。 ¥16,000,000÷(¥20,000,000÷¥40,000,000)=¥32,000,000 よって、販売数量は ¥32,000,000÷@¥80,000=400 個 問2 ③ 目標利益を獲得しようとする場合の貢献利益は、目標営業利益+固定費合計で求められる。 ¥5,000,000+¥16,000,000=¥21,000,000 ④ ②と同様に求める。 ¥21,000,000÷(¥20,000,000÷¥40,000,000)=¥42,000,000 ¥42,000,000÷@¥80,000=525 個 問3 変動販売費を追加した場合の損益計算書(510 個販売した場合) 売上高 @¥80,000×510 個 ¥40,800,000 変動費 変動製造原価 @¥36,000×510 個 ¥18,360,000 変動販売費 @¥ 5,000×510 個 ¥ 2,550,000 貢献利益 ¥20,910,000 ¥19,890,000 固定費 固定製造原価 ¥15,000,000 固定販売費・一般管理費 ¥ 1,000,000 営業利益 ⑤ 上記の損益計算書より ¥19,890,000 ¥16,000,000 ¥ 3,890,000 ⑥ 上記の損益計算書より ¥ 3,890,000 -7-