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平成24年12月に判明した漏水についての報告
資料2 平成 24 年 12 月に判明した漏水についての報告 ア.経緯 平成 24 年 12 月 7 日、総合児童センタープールにおいて漏水を確認したため、プール 棟管理委託業者による漏水調査を行ったが、漏水箇所の特定には至らず、12 月 28 日か ら営業を中止した。その後、市内業者に配管内の調査を依頼し、翌年 1 月 4 日に現場に て減水状況を確認したところ、プール槽の水が全て抜け、排水枡内部の排水管の下部に 水が滞留していた。この状況から排水枡に水を入れて調査したところ、排水枡内部の排 水管接続部分のモルタル破損箇所からの流出していることを確認した。排水管内部につ いては、1 月 16 日(水)に業者によるカメラ調査を行ったが、亀裂等による漏水は確 認されなかったが、平成 24 年 12 月 7 日に減水を確認してから多量の水がプール棟地下 に流出していることから、流出による地下空洞等調査を行うため、臨時議会で補正予算 を計上し、平成 25 年 2 月 22 日から 3 月 29 日まで漏水による影響等の調査を行った。 イ.調査内容 ①調査箇所 児童センタープール棟内部及び地中 児童センタープール棟外部周辺 ②調査概要 ・ボーリング調査 ・地中レーダー等探査 ・内部高低差測定調査 ・外部高低差測定調査 ・外部目視・打診調査 ウ.調査結果 調査結果では、プール棟付近は和光市の南西部に位置していて武蔵野台地の東端にあ たり、標高 30m程度の位置にある。また、洪水・液状化ハザードマップからみても浸 水の可能性の少ない地域とされている。 地質層は「ボーリング調査」の結果より、GL-1.4mから 6.2mまでが武蔵野ローム 層、GL-6.2mから 10.2mまでが武蔵野粘土層、GL-10.2 から 11mまでが東京層で あることが確認され、また、水位はGL-7.07mで認められたことから、漏れた水は武 蔵野ローム層を浸透してGL-7m付近で自然水と混ざり滞留した後、徐々に浸透して いると考えられる。 「内部高低差測定調査」では、内部床及びプール底部には、不等沈下や陥没などは確 認されなかったことから建物全体の傾き等の症状はないものと考えられる。地中レーダ ー探査によると、内部ではメインプール底部には空隙等の存在する可能性は低いと考察 されていることから、メインプールに大きな空隙による沈下・陥没等の危険性は低いと 考えられる。しかし、外部で南西部分(消防署・道路側)に空隙が確認され水ミチの可 1 資料2 能性が高いと推測されることから、メインプールから漏れた水は排水管底部を伝って道 路側に浸入しながら、徐々に浸透しているものと推察される。また、今回の漏水事例と は関わりないと思われるが、プール棟北部敷地内広場の地中の広い範囲で空隙が見られ る。これは、建築時より次第に地盤が沈下したものに、ここ数年の地震活動により空隙 が広がったものと考えられる。 また、1m深地温調査からも建屋南西部分に「水ミチ」が存在することを裏付けてい る。ただ、 「水ミチ」はGL-1.2m程度の深さで範囲はさほど広くないことから、建屋 の構造躯体である杭の深さに到達していないと考えられ、建屋の沈下・倒壊の危険性は 低いものと考えられる。地表の陥没も、地層・空隙規模等から現時点では考えにくいと 推察される。 漏水の現象箇所としては、目視検査・ボアホールカメラ探査等によりメインプール中 央の排水ピットと排水管のつなぎ目と断定できる。以上のことから、現時点では漏水が 建屋の構造上深刻な影響を及ぼしているとは断定できないが、このまま漏水が続くよう であれば建屋南西部分で陥没等の危険性が高まることが懸念される。 エ.改修方法 ①排水ピットと排水管経路周辺を掘り起こし、改修工事を行った後、補修を行いプー ル全体をFRP防水で行う方法 概算費用 約 3,000 万円 工期 約 2 ヶ月 短所 現在のタイルプールの仕様を変更せざるを得ない。(FRP露出仕 上げ) ②メインプールの内側にFRPプールを新設する改修方法 概算費用 約 6,000 万円 工期 約4ヶ 短所 工事費用が膨大になり、メインプールのサイズが小さくなってしま う。(25m×15m→22m×13m) 2 資料2 オ.提案された復旧方策の検討 ①の場合については、タイルプールの仕様が変更になり、今後についても排水管の老朽 化など将来的な不安もあるが、復旧方法として有効であると考える。 ②の場合は、配管関係を交換してFRPプールを新たに設置するというものだが、今後 のメンテナンスは容易になるが、プールのサイズが小さくなってしまうことを考えると 有効か疑問を生じる。 復旧する場合は今後休館して修繕が必要な箇所を併せて修繕した方が安定的に運営 できることを考えると、更なる検討と予算措置が必要になる。また、調査結果において、 プール棟北部敷地内広場の地中の広い範囲で空隙が見られるとの結果から、この部分に ついても修繕の必要があると考える。 3