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医学が認めた!食欲をコントロールできる技

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医学が認めた!食欲をコントロールできる技
NHK総合テレビ 毎週水曜日・午後8時から放送中
http://www.nhk.or.jp/gatten/
医学が認めた!食欲をコントロールできる技
2011年06月08日放送
今回の番組について
おいしい物はついつい食べすぎ
ついつい食べすぎてしまう。
ついつい食べすぎ
その「ついつい食べ過ぎ!」を抑えてくれる夢のような物質が見つかりました
夢のような物質が見つかりました。
夢のような物質が見つかりました
肥満の治療にその物質をうまく使うことで、たった半年で40kg以上のダイエット
たった半年で40kg以上のダイエットに
たった半年で40kg以上のダイエット
成功したという人もいます。また、その物質を使ったら7割以上の人が、ダイエットを意識せず
7割以上の人が、ダイエットを意識せず
体重を減らしたという研究データもあります。
体重を減らした
「あること」をすると脳の中にその物質が増え、自然と食欲が抑えられる
自然と食欲が抑えられるというのです。
実は「あること」をすると
「あること」をすると
自然と食欲が抑えられる
その物質の秘密と、効果的な食欲抑制方法をご紹介します。
番組ディレクターのひとこと
なぜ「そうめん」は食べ過ぎてしまうのか?
自分自身、食べることが大好き。
ごはんもめん類も大好物なので、ついつい食べ過ぎてしまうこともしばしば・・・
ついつい食べ過ぎてしまうこともしばしば・・・。
ついつい食べ過ぎてしまうこともしばしば・・・
中でも、よく食べ過ぎてしまうのが「カレー」、「おそば」、そして「そうめん」。
特に「そうめん」は
「そうめん」は、食べ終わってからいつも
いつも気持ち悪くなってしまうほど食べ過ぎてしまいます
食べ過ぎてしまいます。
「そうめん」は
いつも
食べ過ぎてしまいます
豪華なメニューじゃないのになぜだろうと、いつも不思議に感じていました。
今回の取材でその謎が解けました!
飲むように”食べてしまっていた
食べてしまっていたのです。
そうめんを、まるで”飲むように”
飲むように”
食べてしまっていた
科学的に言えば、そんな食べ方では満腹になりにくいのは当たり前のことでした。
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これからはそうめんにはキュウリやネギなど歯ごたえのある薬味をトッピングしたいと思います。
人はなぜ食べ過ぎてしまうの?
「過度な食欲」とはいったい何なのでしょう?
人の食べ過ぎを引き起こす「過度な食欲」
「過度な食欲」
一般に、野生の動物は必要な分だけ食べたら、
野生の動物は必要な分だけ食べたら、それ以上は食べない
野生の動物は必要な分だけ食べたら、それ以上は食べないと言われています。
それ以上は食べない
番組でもニホンザルに大量のサツマイモを与えたところ、必要以上には食べませんでした。
ところが、サツマイモにバターとハチミツを加えたとたん、いつもの4倍の量を完食
サツマイモにバターとハチミツを加えたとたん、いつもの4倍の量を完食してしまいました。
サツマイモにバターとハチミツを加えたとたん、いつもの4倍の量を完食
実は、甘みや油脂、だしなどおいしい物を食べると脳内でβエンドルフィン(快感物質)が
甘みや油脂、だしなどおいしい物を食べると脳内でβエンドルフィン(快感物質)が
出ることがわかっています。これが「過度の食欲」の原因のひとつ。
出ることがわかっています。
また、「ストレス」でも食欲がアップ
「ストレス」でも食欲がアップすることがわかっています。
「ストレス」でも食欲がアップ
さらに、最近の研究で「睡眠不足」でも食欲をアップ
「睡眠不足」でも食欲をアップさせるグレリンというホルモンが
「睡眠不足」でも食欲をアップ
増えることがわかってきました。
その上、グルメ情報や香り、見た目、アルコールなど
現代人は「過度な食欲」を大きくさせるものに囲まれているのです。
現代人は「過度な食欲」を大きくさせるものに囲まれている
一方、食べ過ぎを抑えるには「意志の力」とよく言われます。
そこで、ものを食べたときの脳の反応を調べてみました。
すると驚いたことに、おいしい物を食べたときには前頭前野(判断や意志決定をする部分)の
おいしい物を食べたときには前頭前野(判断や意志決定をする部分)の
活動が明らかに下がってしまったのです。
活動が明らかに下がってしまった
現代社会を生きる私たちは、食欲が大きくなりすぎて、とても意志だけでは
おいしい物に打ち勝つことができないのです。
おいしい物に打ち勝つことができない
医学が発見した食欲を抑える物質!
肥満治療の現場では、食欲を直接抑えるための研究が行われてきました。
そして発見されたのが「ヒスタミン」という物質の食欲を抑える効果
「ヒスタミン」という物質の食欲を抑える効果です。
「ヒスタミン」という物質の食欲を抑える効果
脳の中にヒスタミンが増えると、食べる量が減り、ヒスタミンが減ると、食べる量が増えるのです。
ところが一方で、ヒスタミンは「鼻づまりやかゆみなどアレルギー症状を引き起こす」
ヒスタミンは「鼻づまりやかゆみなどアレルギー症状を引き起こす」
やっかいな物質です。
やっかいな物質
さらに、血管脳関門と呼ばれるゲートを通ることができないため、脳内の細胞に届かず
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薬のようにヒスタミンを飲んでも無意味です。
薬のようにヒスタミンを飲んでも無意味
どうすればいいのか?
実は、「噛(か)むという行為」がなんと脳の中だけでヒスタミンを増やす
「噛(か)むという行為」がなんと脳の中だけでヒスタミンを増やすことがわかってきました。
「噛(か)むという行為」がなんと脳の中だけでヒスタミンを増やす
噛(か)んだ刺激が脳内の結節乳頭核という部分に届き、ヒスタミンを量産させるのです。
そしてヒスタミンが満腹中枢を刺激することで、満腹感が高まるという仕組みです。
さらにうれしいことには、脳内のヒスタミンは内臓脂肪も減少させる
脳内のヒスタミンは内臓脂肪も減少させることもわかってきました。
脳内のヒスタミンは内臓脂肪も減少させる
昔から「よく噛(か)みなさい」と言われてきましたが、噛(か)むことには、直接満腹感を高めてくれるという
効果があったのです。
43kg減量させた咀嚼(そしゃく)法とは?
ヒスタミンの効果を発見した医師は、肥満治療に「咀嚼(そしゃく)法」
肥満治療に「咀嚼(そしゃく)法」を取り入れています。
肥満治療に「咀嚼(そしゃく)法」
これは食事の際、ひとくちにつき30回きっちり噛んでから飲み込むことを目標にした方法です。
ひとくちごとに30回ピッタリだったら○、
30回を越えてしまったり届かなかった場合は×を記録していきます。
「噛めば噛むほどいいのでは?」と思いがちですが、30回程度が長続きしやすいこと、
さらに30回ピッタリで飲み込めるひとくちの量を探ることで口数を増やすという効果があります。
慣れるまでは、「修行」のような食事と感じますが、慣れてくれば、薄味でも自然の食材の味が
よくわかるようになるといいます。
食べて脳内ヒスタミンを増やす!
栄養調査を元にした研究から、食材に含まれるある成分を多くとると食事の量が減る
ある成分を多くとると食事の量が減ることが
ある成分を多くとると食事の量が減る
わかってきました。また、ネズミの実験からも同様のことが確認されました。
その成分とは「ヒスチジン」
「ヒスチジン」。アミノ酸の一種で、ヒスタミンの原料になります。
「ヒスチジン」
ヒスチジンは血液脳関門を通過することができ、脳内でヒスタミンに変わるのです。
ヒスチジンが多く含まれている食材は、まぐろ、かつお、ぶり、さば、さんま、などの青魚です。
※1日にどれくらい食べれば効果が出るのかについては現在研究中です。
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今回のお役立ち情報
食欲コントロールの考え方
おいしい物はついつい食べすぎてしまいます。
その「ついつい食べ過ぎ!」を抑えてくれる夢のような物質が見つかりました。
といっても薬ではなく脳内物質の「ヒスタミン」です。
ヒスタミンは鼻づまりやかゆみなどのアレルギー症状を引き起こすやっかいな物質ですが、
脳の中では満腹中枢を刺激して、満腹感を高めてくれる物質です。
そのヒスタミンを脳内だけで増やす方法が「よく噛(か)む」ことです。
ひとくち30回ピッタリを目指す「咀嚼(そしゃく)法」をお勧めします。
咀嚼法とは?
1. 食事を一食ごとに開始時間と終了時間を記録します。
2. 噛む回数が多ければ多いほどいいというものではありません。
一口ごとに30回ピッタリ噛んでから飲み込めたら○、それより多くても少なくても×を
記録していきます。
3. 30回ちょうどで噛めるよう、食材ごとに一口の量を調整します。
4. 食事のすべてが○印になることを目指します。
※30回ちょうどの○が増えてくると、一食平均で30~35口程度の口数になります。
食欲コントロールのQ&A
Q.ヒスタミンは薬として服用できるのですか?
A.ヒスタミンは脳以外では鼻づまりやかゆみなどのアレルギー症状を引き起こす物質なので、
服用することはできません。また、脳にある関門を通ることができないので、たとえ服用しても
食欲を下げる効果はありません。
Q.ガムじゃダメなんですか?
A.ガムを噛めば食欲を抑える効果はあります。
しかし、ガムを噛んでダイエットを目指すという考え方は、なかなか習慣になりにくいこと、
間食をするという習慣が抜けにくくなることから、専門家によるとあまりお勧めできないとのことです。
あくまで、日常の食事でしっかりと噛んで食べることをお勧めします。
Q.かつおはどれくらい食べればいいのですか?他の魚はどうですか?
A.かつお、まぐろ、ぶり、さば、さんま、などの青魚を多く食べている人はトータルの摂取カロリーが
少ないことがわかってきました。これらの食材に入っている「ヒスチジン」という成分が脳内でヒスタミンに
変化するからだと考えられています。
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ただし、どれくらい食べればいいのかについては現在研究中で、まだはっきりとはわかっていません。
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