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No.106__3月

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No.106__3月
鉄 道 友 の会 福 井 支 部 報
わ
だ
wa
da
(▲ 2006 年 2 月 26 日
JR西日本
ち
No. 106
chi
JR 富山駅にて
475 系国鉄色
平成18年3月号
撮影
森家和治)
ありがとう富山港線!
JR西日本は、富山~岩瀬浜間の富山港線の営業を 2 月 28 日で終了し、新
会社「富山ライトレール」に経営を引き継ぎました。
福井支部
URL
ホームページアドレス
http://www.geocities.jp/railfan_fukui/
ヨーロッパの路面電車(ストラスブール篇)
その2
高田
欣一
トラムの運転手は見慣れぬ東洋人が乗ってきたので、後ろを向いたり計器パネルに足を
上げたりと、フライブルクのドイツ人運転手の厳格な執務ぶりとは対照的である。市街地
を抜けて道も広くなるとトラムはかなりのスピードで走り、フライブルクのトラム同様に
乗り心地は良く、車両と同様に線路も吟味してあるのかも知れない。終点の手前で東方へ
曲がっており、将来はここから真直ぐにライン川を渡りドイツ側へも延長の計画もあると
か聞いている。
さて帰りは反対側の終点 ILLKIRCH LIXENBUHL まで通すことにしたが問題発生、そ
れは私が小銭を使ってしまって乗車券が買えなくなってしまったのだ。(券売機が使用で
きない。)同行の K 氏も自分の分しかない。両替できる所や買物する所もなく弱っていた
ら、後続のトラムからツアーで同行の高専の Y 教授が降りてこられたので小銭を借りる
ことができホッとした。トラムで再び市街地に入り、2 ケ月後に営業開始する B 系統と交
差する HOMME DE FER 停留所(写真 1)を通り、急カーブで川に沿って地下に入りスト
ラスブール駅(写真 2)の下をくぐりぬけて到着した終点は、北の終点よりも高級に見え
る住宅地だった。どちらの終点もループ状になっておらず、これは新しい車両(両側にド
アがある。)だけしか走っていないからだ。次はストラスブール駅で下車し、SNCF の駅
を見に行った。例によって勝手にホームに行き、EL (写真 3)・DL (写真 4)・PP 用の
客車(写真 5)や日本では見られない旧式の連結器(写真 6)などを見てからホテルまで
徒歩で戻った。
フライブルクのように予めの資料も準備されていなかったので、ガイドに聞いたりパン
フレットを参考にしたりしたが解らない事が多く、この文を書くにあたっては、「都市と
路面交通」
(欧米にみる交通政策と施設)<学芸出版社>を参考にさせてもらった。今は B
系統も営業を開始していて、ストラスブールの公共交通の改善に役立っている事を信じて、
この文を終わりたい。
写真 1
A 系統と
B 系統の
交差点
写真 2
ストラスブール(国鉄)駅
写真 3
フランス国鉄の新鋭 EL(ストラスブール駅)
トラム開業律の利用客数の変化(平日)
9 月期
10 月期
1995 年(開業後) 1994 年(開業前) 1995 年(開業後)
1994 年(開業前)
トラム
60,000
63,000
バス
146、000(-6 %)
155,000
157,000(- 7 %)
169,000
合計
206,000(+ 6 %)
155,000
222,000(+ 30 %)
169,000
写真 4 フランス国鉄の DL (ストラスブール駅)
写真 5 PP 用客車
写真 6 旧式の連結器
福井鉄道
4 月 1 日新型車両導入・ダイヤ改正
岸本
雅行
福井鉄道では、4 月 1 日から低床形の新型車両(元名鉄 600V 線車両)の運行を開始し
ます。また、同時にダイヤ改正も行われ、現在よりもかなり利用しやすいダイヤとなりま
す。現在、ホームの切り下げ工事もほぼ完成し、新型車両の走行を待つばかりといった状
況ですが、これらの最新情報を、福井鉄道からいただいた情報をもとに報告したいと思い
ます。
まず車両ですが、昨年搬入された 770 形(2 両× 4)・800 形(1 両× 2)が 4 月 1 日か
ら運行を開始します。残りの 880 形(2 両× 5)は、3 月 22 日・24 日に搬入され、4 月中
旬より登場する予定です。特に 800 形は鉄道友の会ローレル賞を受賞した床面の高さ 42cm
の低床車(正確には部分低床車)で、車イスで乗車できる画期的な車両です。平成 13 年
の福井駅前トランジットモール社会実験の際は、1 両を名鉄から借り入れて市街地を走行
し、市民の間では大好評でした。「こんな素敵な電車が福井にもあったらいいな」という
声が多く聞かれましたが、何と 5 年後に実現してしまいました。岐阜の廃線のおかげで実
現したということで、複雑な気持ちは否定できませんが。新型車両の導入に伴い、現在の
大型車両は順次廃車となり解体されますが、新型車両だけではラッシュ時に対応できない
ので、200 形・600 形・610 形は最終的に残るそうです。120 形か 140 形の旧型車を動態保
存してはどうかという声もでているようですが、まだはっきりした方針は出ていないよう
です。
次に新ダイヤの大きな特徴は、昼間時間帯の 20 分ヘッドの普通が上り・下りとも全て
福井駅前へ入るようになったことです。今までは上りは全て福井駅前経由でしたが、下り
は 1 時間のうち 1 本が福井駅前行、2 本が福井駅前へ入らずに田原町行と、慣れない乗客
にとっては非常にわかりにくい変則的なダイヤでした。今回の改正では、いままで不可能
であった福井駅前から田原町への乗車も可能となりました。また、武生新発下り終電車の
10 分繰り下げ(21:50)、田原町発上り終電車の 30 分繰り下げ(福井駅前発 22:20)の
ほか、武生新発 7:00 の田原町行急行の新設など、かなりのサービス向上が図られていま
す。
さらに新型車両運転・市内運転系統の変更を記念して、4 月 1 日から 6 月 30 日まで、
福井市内軌道部分(福井新~田原町)の均一運賃が大人 150 円(子供 80 円)に値引きさ
れます。
4 月 1 日には、新型車両運転・ホーム工事完成を記念して、午前 9 時から武生新駅で発
車式が行われます。鉄道友の会福井支部では、この発車式にあわせて、武生新駅で写真展
(福井鉄道関係の車両を中心に)を計画しています。多くの会員の皆様のご協力をお待ち
しています。新型車両導入・ダイヤ改正を契機に乗客が増加し、福井鉄道がますます発展
することを期待します。鉄道友の会福井支部としても、微力ながら支援していきたいと思
います。
福井鉄道
4 月 1 日からの新ダイヤ
福鉄電車
最後の力走
新型電車の導入にともない従来の大型車両の多くは引退します。廃車が確実な車両の、
雪の中での最後の力走の姿です。(撮影 : 岸本雅行)
80 型 (福井市内)
300 型
(家久~上鯖江)
2006.1.8
2006.1.9
300 型
80 型
(家久~上鯖江)
2006.1.15
(三十八社~浅水)
2006.1.21
JR西 日 本
~
ありがとう富山港線
富山ライトレールヘの変換
JR 西日本富山港線は、北陸本線富山駅か
ら富山港近くの岩瀬浜駅間の約 8.0 キロを
結ぶ都市近郊線である。私もその存在は知
っていたが、あまりに地味な路線だったの
で、旧型国電が走っていた昭和 60 年くら
いに一度乗ったきりだったが、この度 JR
西日本から富山ライトレールに経営が引き
継がれ、2 月一杯で一旦休止になるという
ことで、数回訪れることにした。
■富山ライトレール路線図
①路線の歴史
富山港線の前身は富岩鉄道という私鉄で、
大正 13 年 7 月に富山口~岩瀬港を直流電
化で開業、昭和 2 年 12 月に富山~富山口
が開業し、全線開業となり、昭和 18 年 6
月に国有化された。JR 化前の昭和 60 年ま
~
森家
和治
ではスカイブルー塗装の 73 系旧型国電が
2 両編成で走っていて、全国的にも希少と
なった旧国電が活躍する、交流電化の中の
直流支線という珍しい路線であった。
②沿線風景
北陸一の工業都市の中心地、富山駅は多く
の乗客でにぎわい、「サンダーバード」「は
くたか」などがひっきりなしに行き交う。
さらに高山線の「ひだ」が加わるはずだが、
不通区間があるため、今は富山に到達して
いない。その富山駅の北口近くの 6 番線が
富山港線のホームであるが、人が少なく閑
散としている。ホームからは、建設中のラ
イトレールの新駅が見える。
▲ 富山駅にて キハ 120 形
客待ちしていたのは、富山鉄道部のキハ
120 形で、高山線と共通仕様だ。隣には、
ラストランの目玉として旧国鉄急行色に塗
り替えられた 475 系 3 連が待機していた
が、日中はワンマンディーゼル車の単行と
なるので、夕方まで出番はない。発車時間
が迫るとほぼ満員となった。 富山駅を出
発すると、しばらく本線と併走し、交直セ
クションの渡り線を右に見るが、富山港線
ホームは直流電化なので交直切り替えはし
ない。本線から分かれ、左カーブの途中の
「富山口」に到着。まだ 0.7 キロしか進ん
でいない。住宅密集地を進む雰囲気は JR
線というより、私鉄の方が似合う。それゆ
え、ここを急行形の 475 系や架線下のディ
ーゼル車が走るのはちょっとミスマッチで
ある。スピードもゆったりしたもので、駅
発車時はエンジンをふかすが、それもしば
らくだけで、あとは惰行で 50 キロ程度の
速度だ。右手に大きな医薬品の工場が見え
たところで「下奥井」に到着。乗降客は割
りと多い。住宅地の中を「越中中島」、「城
川原」へと進む。この駅は、旧国電時代に
富山機関区城川原派出所が置かれたところ
で、直流電車の車庫、検修場があった。現
在はその跡地にライトレールの車両基地が
建設中である。線内で唯一すれ違いができ
る対向式のホームをもつ。
▲ 城川原にて
キハ 120 形
この駅を出ると、左側に廃線跡が寄り添っ
てくるが、これは貨物線の跡で、
「城川原」
から富山操車場を結んでいた短絡線であ
る。次の「蓮町」は貨物線の広いヤードが
あったが、今は住宅と高層マンションが建
設され、当時を偲ぶものは何もない。ここ
から貨物線跡が左右に見られ、「大広田」
に到着。振り返ると前の駅が見える、その
距離 600 メートル。この駅のホームが Y
字形になっているのは、左に貨物線が港方
面へ分岐していた名残である。次の「東岩
瀬」まで 500 メートルですぐ到着。さて、
本日は富山競輪の開催日であるため、臨時
の「競輪場前」で停車する。スポーツ新聞
を片手に、気合の入ったギャンブラーたち
が降車していく。帰りはホクホク顔である
ことを祈る?。ここから大きな化学工場が
見え、船だまりのある運河を渡り、臨港線
らしくなってきたところで、終着「岩瀬浜」
に到着。以前はさらに港まで貨物線が延び
ていたが、その跡が車止めの向こうに続く。
ここで、約 20 分の旅は終了、古い木造駅
舎で折り返しまでの時間を過ごすが、この
ような懐かしい木造駅舎も少なくなってき
た。ここもあとしばらくで見納めである。
きた時と同じ列車で、富山へと戻った。
▲ 終着 岩瀬浜駅
③富山ライトレール事業
現在の富山港線は朝夕は 475 系 3 連で 30
分毎、日中は 1 時間毎の単行で運行されて
いて、短区間の都市近郊輸送としては頻度
が低い。自家用車の保有率が全国トップク
ラスの県なので、利用者減は理解できるが、
これでは乗客減→運転本数減→さらに利用
者減→廃止という悪循環に陥った、末期的
症状であった。ここで、富山駅の高架化工
事とあわせ、富山地鉄の市内線と高架下で
直結し、分断されていた駅北側と南側の市
内交通を一体化するという構想で、「公設
民営」の富山ライトレール㈱が設立された。
JR との違いは電車の路面化であり、現在
の高いホームから低床車用の低いホームへ
の切下げが行われる。これで乗り降りのし
やすい LRT 化が達成され、市内線の路面
併用区間にも乗り入れできる。これは、今
春リニューアルする福井鉄道の方が先輩で
あり、その成果に期待がかかる。 ライト
レールには、高岡市の万葉線と同じ車両が
導入され、4 月 29 日から営業開始の予定
である。ぜひ再訪し、感想を述べたいと思う。
(続く かも?) 取材日 18 年 2 月 11 日
事 務 局 だ よ り
◎福井支部創立 40 周年記念『わだち』特集号完成
福井支部創立 40 周年記念『わだち』特集号(105 号)がようやく完成しました。福井
支部会員には無料で 1 冊お渡ししていますが、希望者には 1 冊 1000 円(郵送料込み)の
実費で販売しております。定額小為替などで 1000 円を福井支部事務局までご送金いただ
ければ、『わだち』特集号を 1 冊送らせていただきます。今回の『わだち』特集号の発刊
には多大な費用がかかり、かなりの赤字が見込まれます。1 冊でも多くご購入いただき、
支部財政赤字の減少にご協力願います。
◎平成 18 年度福井支部会員募集中
来年度から、居住地域以外の支部にも自由に所属することができるようになりました。
本部会員資格のある方は、どなたでも福井支部への入会が可能です。福井支部入会希望者
は、定額小為替などで年会費 1600 円を福井支部事務局までご送金願います。福井県内の
鉄道の最新情報をお届けするとともに、見学会・試乗会などのご案内を差し上げます。ま
た、福井県内居住者で支部会費未納の方も、ぜひ福井支部への所属をお願い申し上げます。
福井支部例会などにご来場いただいての納入でも結構です。
◎福井鉄道武生新駅で写真展
4 月 1 日(土)に福井鉄道新型車両運転の発車式が武生新駅で行われますが、福井支部
ではこれを記念して写真展を計画しています。(展示期間は現在のところ未定ですが、4
月 1 日をはさんだ前後数日間の予定です。)9 時からの発車式には大勢が参加して、スタ
ートを祝いたいと思います。 都合のつく会員はぜひご参加願います。
《終着駅》
平成十 八年三月ダイ ヤ改正で、また寝台
特急が廃止となりました 。その名は「出雲 」。
東 京と山陰 地方を結ぶブル ートレインでし
た。その ネーミング と独特のデザインの ヘ
ッドマ ーク、
51機関車の組 み合わせ
が 美しく、よ く見に行ったも のです。長い
間 、お疲れ様でした 。北陸線では 、
「日本海 」
「きた ぐに」が 健在で、いつでも夜 行列車
の旅が満喫できるのは、うれしい限りです。
福 井鉄道で は、今春のリニ ューアルを目
前に、各 駅の工事も 完了しつつあります 。
ホー ムが低いと 目線がさがり、駅 の屋根が
高 く思える のとともに、レ ールと足元が近
くなり、 乗降しやすい ように感じます。岐
阜で別れた車両とも再会できた喜びを感じ、
これ からも当 地で親しまれる ことを願いま
す。
(文 森家)
発行 鉄道友の会福井支部 事務局
編集
〒915―0801
越前市家久町79の30
岸本 雅行
〒916―0013
鯖江市鳥羽2丁目1の11
森家 和治
D
D
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