...

仙丈ヶ岳~塩見岳

by user

on
Category: Documents
25

views

Report

Comments

Transcript

仙丈ヶ岳~塩見岳
鈴蘭山の会
南ア・仙丈ヶ岳~塩見岳縦走
報告:武村 恵理子
 日程
2015 年 7 月 18 日(土)~20 日(月)(前夜発2泊3日)
 メンバー L : 武村恵、武村盛、三田、他2名
塩見岳は北岳か、仙丈ヶ岳から縦走したいと思っていたが、計画してもいつも雨で中止になり南アの百
名山で唯一残していた。今回は土曜日だけ雨を我慢して登れば日月は台風一過を期待できそうだったので出
発することにしたが、予報は外れて中日は雨の中の縦走となってしまった。最終日は快晴の中、塩見岳に登
ることができ、塩見岳のロケーションのよさに感動、夏に向けてのいいトレーニングにもなった。
7 月 18 日(土)小雨時々曇り
前夜、JR八王子駅に集合し、5名パンパンに乗って八王子ICから中央道に乗る。伊那ICで降り、北
沢峠行きのバス停である仙流荘へ行く。駐車場にテントを張り朝まで仮眠する。本日は馬の背ヒュッテまで
なので8時のバスに乗り北沢峠へ。
小雨の降る中雨具を着て出発。
登山道には所々大きな雪渓が残っていた。
11時に馬の背ヒュッテに到着。仙丈小屋は予約でいっぱいと断られ、馬の背ヒュッテを予約していたが、
この天気でキャンセルが出ていて泊まれるかもしれないと思い、念のため電話をしてみる。すると5名泊め
てもらえるとのことなので、
馬の背ヒュッテをキャンセルし、
小雨の中さらに仙丈小屋まで登ることにした。
そうと決まればここで少し休憩しお腹も空いたので行動食を食べて行くことになった。45分ほど登ると仙
丈小屋に到着。素泊まりでというと、寝具付きならすぐに案内してくれるが寝具無しなら夕飯が終わったあ
とになると言われ、500 円の違いなので寝具付きでお願いし、素泊まり部屋へ案内してもらった。外観から
見たよりは素泊まり部屋は悪かった。荷物を置き談話室へ行く。こちらは食事付きの部屋なのでストーブも
炊かれていて部屋も立派だった。濡れた雨具やシャツを干したかったが北アの小屋のように乾燥室はなく、
玄関前でハンガーにかけて干したが乾きそうもない。乾いたシャツに着替えてビールで乾杯。やっと落ち着
いた。夕飯までの時間は各自持参のお酒とつまみでのんびりする。あとからどんどん登山者が到着し小屋も
賑わってきた。そろそろ夕飯と思い自炊室に行くと隙間だらけの掘っ立て小屋でテーブルも椅子もびしょ濡
れ。入口近くにボイラー室があり、開けてみると暖かくここに干したら濡れたものも乾きそうなので雨具か
ら登山靴まで持ち込んで乾かした。夕飯は三田さんお得意のホワイトシチュー。美味しゅうございました。
お腹がいっぱいになり明日も早いので部屋に戻って就寝。濡れたシャツも乾きよかった。
コースタイム:北沢峠登山口 9:05~馬の背ヒュッテ 11:30:12:00~仙丈小屋 12:40
7 月 19 日(日)ガス一時晴れ、その後大雨
3時起床。朝食を食べ4時20分ガスガスの中出発。出発前に見た予報では晴れだったので、そのうち晴
れてくるだろうと期待。4時45分に仙丈ヶ岳山頂に到着。残念ながら眺めはない。初登頂の三田さんはガ
ッカリしたようだ。大仙丈ヶ岳に着く頃には晴れるといいね~と言いながら先へ向けて出発。ここから先は
私も未知の世界。さらに40分ほど歩くと大仙丈ヶ岳へ到着した。相変わらずガスは晴れない為、何も眺め
のない山頂で記念写真を撮る。今日は熊ノ平まで歩くので先は長い。このルートはネットで見ると倒木が多
-1-
鈴蘭山の会
く歩きづらいと書いてあったが思ったほど悪くなかった。時々稜線に出てはまた樹林帯へ戻って行く。暫く
歩いているとガスも取れ周りの景色も見えてきた。伊那荒倉岳を過ぎて(ここも樹林帯の中)暫く歩いてい
ると後ろから声をかけられた。振り返ると会社山岳部のトレランをやっているUさんだった。聞くと本日朝
一番に北沢峠を出発してここまで来たという。
今日はなんと三伏峠まで行くという・・・ビックリ!明日は更に
赤石岳を越えて聖岳まで行き、翌日は光岳まで行き下山するという。いくら荷物が軽くても超人的だ。何で
もジャパントレイルに参加したくそのための練習だそうだ。気をつけてね~と声をかけると、あっという間
に見えなくなってしまった。
我々も先へと歩いて行くと突然景色が広がり独標に着く。やっと眺めがよいピークについた。北岳や間ノ
岳が正面に見え、進行方向のずっと先には塩見岳が見えた。この角度からの北岳も初めてなので感動する。
メンバー暫し写真を撮りながら休憩する。この先も晴れてずっとこんな眺めが続けばいいな~と思いながら
更に進む。両俣小屋への分岐を過ぎると、やっと三峰岳への登りに入る。ここから三峰岳山頂まではコース
タイムで3時間。長い登りを覚悟して登っていると正面から見覚えのある赤パンの男性が下ってくる。関西
カラーの赤パンである。なんと鈴木信さんであった。聞いて見ると、昨日広河原から入山し北岳肩ノ小屋へ
泊り、今日は北岳~間ノ岳を回り仙塩尾根で仙丈小屋まで行くという。昨日は甲府を10時のバスに乗り、
雨の中広河原から3時間で肩ノ小屋へ登ったそうだ。10時のバスには鈴木裕子さんも乗っていて広河原か
ら北沢峠へ行ったという。みんなこの南アルプスの界隈を歩いているのがなんだか面白い。鈴木信さんと別
れ三峰岳への登りは更にキツくなる。そうこうしているうちに雨がパラパラとしはじめ、そのうち強くなっ
てきた。三峰岳頂上近くになると風も強くなりカッパもザックカバーの中のザックもびしょ濡れになってし
まった。休憩することもできず無言で歩き続けてやっと山頂へ到着。ここからは熊ノ平へ下るだけなのであ
と少しの辛抱だ。ここで熊ノ平と間ノ岳への分岐となる。予想外の大雨で明日の天気も心配になる。明日は
三伏峠を越えて一気に鳥倉登山口へ下山するため長時間行動になる。エスケープルートはないのでこんな雨
の中12時間以上も歩きたくないね~とメンバーで話すが、一番若いSさんは雨の中でも歩く気満々だ。私
は明日下山するならどこから下山するのが一番早いかを歩きながら考えていた。1時間ほど下るとやっと熊
ノ平のテント場が見えてきた。ちょうど雨もポツポツになったのでいい場所を探してテントを張った。雨で
あまりに冷えたので細かいことは男性に任せて女性陣は小屋の手続きを兼ねて暖を取りに小屋へ行った。小
屋は思ったより登山客で多く賑わっていた。各自うどんやおでんを注文し食堂へ入る。ストーブの周りはす
でにいっぱいだったので離れたところに座り、とりあえず端っこの暗いところで濡れたものを脱いで着替え
る。うどんもおでんもとてもおいしく身体が温まった。男性陣も来て温かい小屋で一腹する。普通はテント
泊には冷たい小屋が多いが、ここのご主人は親切だった。私の登山靴は雨で沢靴のようにびしょ濡れになっ
たが、ご主人からいただいた新聞紙を靴の中に詰めてだいぶましになった。また三田さんが靴の中敷きを余
分に持っていたので貸して下さり非常に助かった。この靴は雨予報の場合はNGだ。小屋でアミノバイタル
のサンプルをもらいトイレを済ませてテントへ戻ると雨も止んでいた。テントに入ると早速火を焚き、濡れ
たカッパや靴下などを干す。あっという間に暑いくらいになる。夕飯はジフィーズのポルチーニ茸のクリー
ムペンネ。Sさんお勧めだがなかなかおいしかった。ここは携帯が通じずネットで天気予報を見れないので
明日の天気に不安を覚えつつ就寝した。
-2-
鈴蘭山の会
コースタイム:仙丈小屋 4:20~仙丈ヶ岳 4:45~大仙丈ヶ岳 5:25~伊那荒倉岳 7:37~独標 8:20~野呂川越 9:35~
三峰岳 12:57~熊ノ平小屋 14:10
7 月 20 日(月)快晴
2時起床、仕度をして4時出発。まだ真っ暗で天気はなんとも言えないが予定通り塩見岳へ向かうことに
する。5時過ぎると明るくなってきて雲が多いながらも晴れそうな感じ。相変わらずカッパを着て歩く。初
めは樹林帯の歩行だが安部荒倉岳を過ぎるとだんだん見晴らしがよくなってきた。北荒川岳を過ぎると塩見
岳がドーンと見えた。富士山もきれいに見えて 360 度の素晴らしい眺めになる。天気も回復しこの3日間で
やっと会えた青空に一同テンションが上がる。これから登る塩見岳まではまだまだ遠く、昨年登った八幡平
~岩手山の縦走路に似ていた。雪投沢は昔テントが張れたが今は禁止。熊ノ平から次のテント場は三伏峠ま
でないので、ここに張れると便利なのに。塩見岳の山頂まではとても気持ちのよい縦走路だった。塩見岳は
双耳峰となっており、東峰(3052m)に到着。そこから少し歩くと西峰(3047m)に到着。こちらの方が低
いが標識も立派で大勢の登山客がいた。ほとんどの人が三伏峠からのピストンであった。山頂からの眺めも
素晴らしく、南ア北部の北岳、間ノ岳、甲斐駒、仙丈ヶ岳、さらに南部の聖岳、赤石岳方面もよく見えこの
ようなロケーションは初めてだった。仙丈ヶ岳が遠くに見えよくこれだけ歩いてきたなぁと思った。昨日は
雨でめげたけど歩き通してよかったと思う。ここで大休憩しそれぞれが写真を撮ったり行動食を食べたりの
んびり過ごす。名残惜しいが下山開始。塩見小屋は今年建て替え工事で休業だが売店だけやっていてトイレ
も使うことができた。聞いて見ると素泊まりなら泊まれるという。塩見小屋はおかみさんの評判が悪く二度
と泊まりたくないと聞いたが、売店のお姉さんはとても感じがよかった。樹林帯の中を本谷山、三伏山とア
ップダウンが続き14:35三伏峠に着く。ここからはいよいよ最後の下りとなるので、大休憩とした。
小屋でコーヒーを注文し、最後の行動食を食べる。三田さんは足が疲れてきているので下りに備えてテー
ピングをしてもらう。登山口にタクシーに迎えに来てもらうために電話をかけ15:10下山開始。長い長
い下りを下って行く。バス停のある登山口に16:45到着。ここからダラダラと林道を歩き17時半に登
山口の駐車場に到着。やっと長い歩きが終わった。迎えに来てくれたタクシーに乗り、マイカーをデポして
-3-
鈴蘭山の会
ある仙流荘に19:15頃到着。仙流荘で汗を流し伊那ICから高速に乗り帰京した。塩見岳は縦走する場
合、公共交通機関を使うと鳥倉登山口まで入る登山バスを使うことになる、がこちらは8/25くらいで終
了してしまうため、梅雨の明けない7月連休に計画することが多かったが、タクシーを頼めば9月連休等で
も計画することができ人数が揃えばバスより便利であると思った。
例年では7月の南アルプスは 3000mでも
暑くダウンも不要だが、
今回は雨の為か気温が低く、
ペラペラシュラフとインナーダウン無しでは寒かった。
でも最終日の塩見岳は晴れて気持ちのいい中登頂することができ満足な山行だった。
コースタイム:熊ノ平小屋 3:52~安部荒倉岳 4:35~北荒川岳 7:26~塩見岳東峰 9:53~塩見岳西峰 10:11~塩見小
屋 11:32~本谷山 13:25~三伏山 13:43~三伏峠小屋 14:37 15:10~鳥倉登山口 16:47~駐車場 17:30
-4-
Fly UP