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基本的な事項編<全体版>(PDF : 4661KB)
【参考資料】 〈基本的な事項〉 1 我が国農業における畜産の地位 ・ 平成26年の農業産出額は8兆3,639億円。うち畜産は2兆9,448億円となっており、産出額の約35%を占める。 ・ 畜産の産出額のうち、生乳が24%、肉用牛が20%、豚が21%、鶏が29%となっている。 野菜 27% 果実 9% その他 12% 農業産出額 8兆3,639億円 米 17% 資料:農林水産省「平成26年農業総産出額(全国)」 畜産 35% 鶏 8,530億円 29% その他 1,680億円 6% 生乳 6,967億円 24% 畜産の産出額 2兆9,448億円 豚 6,331億円 21% 肉用牛 5,940億円 20% 1 畜産の都道府県別産出額 ・ 産出額を都道府県別に見ると、1,000億円以上が8道県(北海道、岩手県、茨城県、群馬県、千葉県、熊本県、宮崎県、鹿児 島県)となっており、この8道県で全国の約56%を占める。 北海道 岩手県 6,032 億円 1,410億 円 茨城県 群馬県 千葉県 熊本県 宮崎県 1,200 億円 1,040 億円 1,248 億円 1,070 億円 1,983 億円 鹿児島 県 2,710 億円 計 1兆6,693億円 ÷2兆9,912億円(全国)≒55.8% 1,000億円~ 500~1,000億円 100~ 500億円 ~ 100億円 資料:農林水産省「平成26年農業産出額(都道府県別)」 注:都道府県別の数値は中間生産物(子豚等)が重複計上されているため、前ページの数値とは一致しない。 2 家畜・家きんの種類:乳用牛 子牛を産んだ乳用牛の雌牛から、「生乳(せいにゅう)」を搾乳(さくにゅう)し、飲用牛乳やバター、チーズ、ヨーグルトなどの乳製 品を生産。 ・ 乳用牛が1年間に生産する生乳は、平均で約8500kg(S40年は現在の半分の約4300kg)。平均搾乳期間は370日程度。平成 27年度の我が国の生乳生産量は741万トン。 注:生産物である生乳は、リットルなどではなくキログラムやトンで数えます。 ホルスタイン種 ジャージー種 雄牛 我が国で飼養されている乳用牛の およそ99%がホルスタイン種。 「種雄牛(しゅゆう ぎゅう)」と言い、雌 に交配するための 精液を生産するた めの雄牛。家畜人 工授精(かちくじん こうじゅせい)によ り、沢山の雌牛と交 配できるため、精液 販売の専門業者な ど、限られたところ でしか飼養されてい ない。 雌牛 写真提供:(社)全国肉用牛振興基金協会 写真提供:(公社)中央畜産会 我が国ではホルスタイン種の次に頭数が多く、その雌牛の 頭数は約1万頭。ホルスタイン種に比べ、乳量は少ないが、 乳脂率が高いという特徴がある。主に岡山県の蒜山高原な どで飼養されている。 ひるぜん 3 家畜・家きんの種類:肉用牛 ・ 肉用牛には3種の区分があり、それぞれ「肉専用種」「乳用種(国産若牛)」「交雑種(F1)」と呼ばれている。 ・ 「肉専用種」はそもそも牛肉を生産する目的で改良された牛。「乳用種」は酪農経営の副産物である雄牛で牛肉生産向けに肥 育(ひいく)されている牛。「交雑種」は乳用牛の雌牛と肉専用種の雄牛を交配して生産される牛で、乳用種よりも肉質が良い。 肉専用種 和牛(4品種) ○黒毛和種(くろげわしゅ) 在来牛にブラウンスイス種等を交配し て改良が進められた品種。被毛色は黒 褐単色。和牛全体の95%以上 を占 め、肉質は特に脂肪交雑(いわゆる 「サシ」の面で優れる。 ○無角和種(むかくわしゅ) 在来牛にアバディーンアンガス種を交 配 して改良が進められた品種。被毛色 は黒色で黒毛和種より黒味が強い。粗 飼料利用性が高い。主産県は山口県。 乳用種(国産若牛) ○ホルスタイン種 (♂) 酪農経営の副産 物で ある雄牛を肥 育。肉質の点で輸 入牛肉と競合。 この他「ジャージー種」なども ※「乳用種」「交雑種」の初生牛(ヌレ子:子供の牛) は酪農経営で生産される。 交雑種(F1) ○日本短角種(にほんたんかくしゅ) 東北地方北部で飼われていた南部牛 にショートホーン種を交配して改良が進 められた品種。被毛色は濃褐色。耐寒 性に優れ、粗飼料利用性も高い。主産 県は岩手県。 ○褐毛和種(あかげわしゅ) 熊本県と高知県で飼われていた朝鮮 牛を基礎とした在来牛にシンメンタール 種等を交配して改良が進められた品種。 被毛色は黄褐色から赤褐色。耐暑性に 優れ、粗飼料利用性も高い。主産県は 熊本県及び高知県。 この他、外国種(アンガス、ヘレフォードなど)も ○黒毛和種(♂)× ホルスタイン種(♀) 乳用種の雌牛に、 肉質向上を目的と して、肉専用種であ る黒毛和種の雄牛 を交配し生産。 写真提供:(一社)全国肉用牛振興基金協会 乳用種は(公社)中央畜産会 4 家畜・家きんの種類:豚 ・ 養豚は主として、異なる品種を掛け合わせることによってそれぞれの両親や祖父母が持つ特徴を活かして、肉質、発育性、多 産性などを向上させ、経済効率を高めながら、豚肉生産が行われている(三元交配(さんげんこうはい)など)。 ・ また、純粋種としても生産され、我が国では「黒豚(バークシャー種)」が有名。 大ヨークシャー種 デンマーク原産。 背脂肪が薄く赤肉率も高 く、発育も極めて早いのが 特徴。 米国原産。 顔は長めで、顔面は わずかにしゃくれ、色 は褐色。主要な雄系 品種として飼養頭数 も多い。 英国原産。 発育性(増体)は劣るが、 肉質(きめ細かさ・柔らか さ)が良いのが特徴で、 「黒豚」と呼ばれている。 鹿児島が主産県。 英国原産。 赤肉率が高く、加工 品の原料として高い 評価を得ている。 ランドレース種 バークシャー種 デュロック種 写真提供:(一社)日本養豚協会 5 家畜・家きんの種類:鶏 ・ 鶏には、主として、卵を生産する「卵用種」と、ブロイラーなど肉用として飼養される「肉用種」がある。 ・ 在来鶏に、その特徴を生かしつつ卵の生産性の高い品種などを交配することにより、「地どり」の生産が行われている。 ※ 「卵肉兼用種」もある。 肉用種 卵用種 白色レグホン 白色プリマスロック 代表的な卵用種。 産卵数は供用初年 度で250~290個と 多産。 この雌と「白色コー ニッシュ」という品種の 雄を掛け合わせたも のが、ブロイラーの主 流。 卵肉兼用種 1人・1年当たりの 鶏卵消費量 S35年 116個 ↓ H元年 311個 ↓ H26 329個 岡崎おうはん 代表的な卵肉 兼用種。産卵数 は卵用鶏と遜色 なく多産。食肉と しても美味。 比内地鶏 写真は比内鶏 (在来鶏)。この雄 と「ロードアイラン ドレッド」という品 種の雌を掛け合 わせて「比内地 鶏」という銘柄で 食用に供されて いる。 写真提供:(独)家畜改良センター 6 飼養動向:乳用牛 ・ 飼養戸数は、毎年、年率4%程度の減少傾向で推移し、28年は4.0%の減少。飼養頭数は、減少傾向で推移。 ・ 一戸当たり経産牛飼養頭数は、増加傾向で推移しており、経営規模の大規模化が拡大。 ・ 乳用牛の遺伝的な泌乳能力は、改良の結果年々上昇しており、27年度の経産牛一頭当たり乳量は対前年で195kg/頭の増加。 区 分 / 年 乳用牛飼養戸数(千戸) うち成畜50頭以上層(千戸) 戸数シェア(%) 乳用牛飼養頭数(千頭) 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 25.4 24.4 23.1 21.9 21.0 20.1 19.4 18.6 17.7 17.0 (▲4.5) (▲3.9) (▲5.3) (▲5.2) (▲4.1) (▲4.3) (▲3.5) (▲4.1) (▲4.8) (▲4.0) 7.6 7.6 7.8 7.3 7.1 7.0 6.9 6.8 6.4 6.5 (30.4) (31.4) (34.1) (33.7) (34.1) (34.9) (35.9) (37.3) (36.9) (38.9) 1,592 1,533 1,500 1,484 1,467 1,449 1,423 1,395 1,371 1,345 (▲2.7) (▲3.7) (▲2.2) (▲1.1) (▲1.1) (▲1.2) (▲1.8) (▲2.0) (▲1.7) (▲1.9) 971 961 986 983 987 980 944 948 940 949 頭数シェア(%) (61.9) (63.8) (66.7) (67.3) (68.5) (68.9) (67.8) (69.7) (70.4) (72.5) うち 経産牛頭数 1,011 998 985 964 933 943 923 893 870 871 うち成畜50頭以上層(千頭) 一戸当たり 全 国 39.8 40.9 42.6 44.0 44.4 46.9 47.6 48.0 49.1 51.2 経産牛頭数(頭) 北海道 56.8 59.5 62.4 63.6 63.9 68.1 68.1 68.2 68.8 72.6 都府県 31.5 31.7 32.5 33.2 33.6 34.9 35.9 36.2 37.2 38.1 全 国 7,988 8,012 8,088 8,047 8,034 8,154 8,306 8,316 8511 - 北海道 8,032 8,046 8,027 8,046 7,988 8,017 8,056 8,216 8382 - 経産牛一頭当たり 乳量(㎏) 資料:農林水産省 「畜産統計」、「牛乳乳製品統計」 注:各年とも2月1日現在の数値である。ただし、経産牛一頭当たり乳量は年度の数値である。 7 飼養動向:肉用牛 ・ ・ ・ ・ 飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、28年は4.6%の減少。 飼養頭数は、18年以降、緩やかに増加傾向であったが、22年以降減少に転じ、28年は微減(▲0.4%)。 飼養戸数、飼養頭数ともに減少しているものの、肥育牛を中心に一戸当たり飼養頭数は増加傾向。 子取り用めす牛の飼養頭数は、22年をピークに減少していたが、28年は増加基調に転じ、9千頭強増加。 ○ 肉用牛飼養戸数・頭数の推移 区 分 / 年 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 戸 数(千戸) 82.3 80.4 77.3 74.4 69.6 65.2 61.3 57.5 54.4 51.9 (対前年増減率)(▲3.9) (▲2.3) (▲3.9) (▲3.8) (▲6.5) (▲6.3) (▲6.0) (▲6.2) (▲5.4) (▲4.6) 肉用牛 頭 数(千頭) 2,806 2,890 2,923 2,892 2,763 2,723 2,642 2,567 2,489 2,479 (対前年増減率) (1.9) (3.0) (1.1) (▲1.1) (▲4.5) (▲1.4) (▲3.0) (▲2.8) (▲3.0) (▲0.4) 1戸当たり(頭) 34.1 35.9 37.8 38.9 39.7 41.8 43.1 44.6 45.8 47.8 うち 戸 数(千戸) 71.1 69.7 66.6 63.9 59.1 56.1 53.0 50.0 47.2 44.3 子 取 用 頭 数(千頭) 636 667 682 684 668 642 618 595 580 589 め す 牛 1戸当たり(頭) 8.9 9.6 10.2 10.7 11.3 11.4 11.7 11.9 12.3 13.3 うち 戸 数(千戸) 16.7 16.5 16.8 15.9 15.2 14.3 13.5 13.1 11.6 11.7 肥 育 牛 頭 数(千頭) 1,801 1,837 1,842 1,812 1,718 1,702 1,663 1,623 1,568 1,557 ダミー 1戸当たり(頭) 107.9 111.3 109.6 114.0 113.0 119.0 123.2 123.9 135.2 133.1 資料:農林水産省「畜産統計」(各年2月1日現在) 注1:子取用めす牛と肥育牛を重複して飼養している場合もあることから、両者の飼養戸数は肉用牛飼養戸数とは一致しない。 注2:肥育牛は、肉用種の肥育用牛と、乳用種の和としている。 8 飼養動向:豚 ・ 飼養戸数は、小規模飼養者層を中心に減少傾向。 ・ 飼養頭数は、15年はBSE発生による豚肉需要の増加に支えられ、大規模飼養者層における規模拡大等によりやや増加した が、16年以降は増減を繰り返しており、23年以降は減少傾向。 ・ 一戸当たり飼養頭数及び子取用雌豚頭数は着実に増加しており、経営規模の大規模化が拡大。 区 分 / 年 飼養戸数(千戸) 18 19 20 21 23 24 25 26 28 7.8 7.6 7.2 6.9 6.0 5.8 5.6 5.3 4.8 (▲12.2) (▲3.2) (▲4.2) (▲4.7) (▲12.8) (▲2.8) (▲4.6) (▲5.4) (▲8.3) 2.0 2.0 2.1 2.1 2.0 2.0 1.9 1.9 1.8 戸数シェア(%) (30.7) (31.0) (33.7) (34.2) (37.0) (38.7) (38.4) (40.7) (41.5) 飼養頭数(千頭) 9,620 9,759 9,745 9,899 9,768 9,735 9,685 9,537 9,313 (▲1.1) (1.4) (▲0.1) (1.6) (▲1.3) (▲0.3) (▲0.5) (▲1.5) (▲2.3) 907 915 910 937 902 900 900 (▲1.1) (0.9) (▲0.5) (2.9) (▲3.7) (▲0.2) (0.0) (▲1.6) (▲4.6) うち肥育豚千頭以上層(千頭) 7,232 7,379 7,500 7,833 8,022 7,974 8,007 7,980 7,806 頭数シェア(%) ( 79.0) ( 79.7) ( 80.8) ( 82.3) ( 84.8) ( 84.9) (85.5) (86.4) (86.6) うち肥育豚千頭以上層(千戸) うち子取用雌豚(千頭) 885 845 一戸当たり平均 飼養頭数(頭) 1,233.3 1,292.6 1,347.9 1,436.7 1,625.3 1,667.0 1738.8 1809.7 1928.2 一戸当たり平均 子取用雌豚頭数(頭) 133.8 139.5 145.6 158.0 176.5 183.7 194.7 206.4 資料:農林水産省「畜産統計」 (各年2月1日現在) 注:17年,22年及び27年は世界農林業センサスの調査年であるため比較できるデータがない。 また、18年及び23年の( )内の数値は、それぞれ16年、21年との比較である。 214.4 9 飼養動向:鶏(採卵鶏) ・ 飼養戸数は、近年、小規模飼養者層を中心に年率4~8%の割合で減少。 ・ 成鶏めす飼養羽数は、平成11年以降減少傾向で推移した後、19年は増加したが、20年以降、再び減少。26年以降は増加し、 28年は0.8%増加。一戸当たり飼養羽数は、増加傾向で推移しており、経営規模の大規模化が拡大。 ○採卵鶏飼養戸数・羽数の推移 区 分 / 年 飼養戸数(戸) 18 19 20 21 23 24 25 26 28 3,600 3,460 3,300 3,110 2,930 2,810 2,650 2,560 2,440 (▲5.8) 336 (▲4.1) 327 (▲5.7) 328 (▲3.4) 324 (▲4.7) 347 (▲12.0) (▲3.9) (▲4.6) (▲5.8) うち成鶏めす10万羽以上層(戸) 352 365 356 350 戸数シェア(%) 成鶏めす飼養羽数(千羽) ( 10.7) ( 11.6) ( 11.9) ( 12.4) ( 12.5) ( 12.8) ( 13.5) ( 14.0) ( 15.7) 136,894 142,765 142,523 139,910 137,352 135,477 133,085 133,506 134,569 うち10万羽以上層(千羽) (▲0.2) 82,260 ( 4.3) 88,453 (▲0.2) (▲1.8) 91,543 91,001 羽数シェア(%) ( 60.1) ( 62.0) ( 64.3) ( 65.2) (▲1.8) 90,083 (▲1.4) 90,314 (▲1.8) 91,556 ( 0.3) 93,476 ( 0.8) 99,395 (65.7) (66.8) (68.8) (70.0) (73.9) 48.2 50.2 52.2 55.2 一戸当たり平均 成鶏めす飼養羽数(千羽) 38.0 41.3 43.2 45.0 46.9 資料:農林水産省「畜産統計」(各年2月1日現在) 注1:種鶏のみの飼養者を除く。 注2:数値は成鶏めす羽数1,000羽未満の飼養者を除く数値である。 注3:22年及び27年は世界農林業センサスの調査年であるため比較できるデータがない。 また、18年および23年の( )内の数値は、それぞれ16年、21年との比較である。 10 飼養動向:鶏(ブロイラー) ・ 飼養戸数は、近年、小規模飼養者層を中心に年率1~5%の割合で減少。飼養羽数は、増減を繰り返して推移。 ・ 一戸当たり飼養羽数及び出荷羽数は増加傾向で推移し、特に大規模層(年間出荷羽数50万羽以上)のシェアは拡大傾向。 ○ ブ ロ イ ラ ー 飼 養 戸 数 ・ 羽 数 の 推 移 17 18 19 20 21 25 26 28 2,652 2,590 2,583 2,456 2,392 2,420 2,380 2,360 (対前年増減率) (▲4.5) (▲2.3) (▲0.3) (▲4.9) (▲2.6) (-) (▲1.7) (▲0.8) 飼養羽数(千羽) 102,277 103,687 105,287 102,987 107,141 (対前年増減率) (▲2.5) (1.4) 3,120 3,065 2,991 2,925 170 185 194 (5.4) (6.0) (6.5) 区 分 / 年 飼養戸数(戸) 出荷戸数(戸) うち50万羽以上層(戸) 戸数シェア(%) 出荷羽数(千羽) うち50万羽以上層(千羽) 羽数シェア(%) 一戸当たり平均 飼養羽数(千羽) 一戸当たり平均 出荷羽数(千羽) 131,624 135,747 134,395 (-) (3.0) (▲1.0) - 2,440 2,410 2,360 203 - 225 230 266 (6.9) - (9.2) (9.5) (11.3) 606,898 621,820 622,834 629,766 - 649,778 652,441 667,438 195,529 211,470 217,617 225,436 - 270,778 270,971 294,138 (1.5) (▲2.2) (32.2) (34.0) (34.9) (35.8) 38.6 40.0 40.8 41.9 194.5 202.9 208.2 215.3 (4.0) 44.8 - (41.7) (41.5) (44.1) 54.4 57 56.9 266.3 270.7 282.8 資料:農林水産省「畜産物流通統計」、「畜産統計」 注1:飼養戸数及び羽数は各年2月1日 2:21年までは畜産物流通統計、25年は畜産統計における調査となっており、21年以前の数値とは接続しない。 3:25年以降の数値は、年間出荷羽数3,000羽未満の飼養者を除く数値である。 4:平成27年は、世界農林業センサスの調査年であるため比較できるデータがない。 11 牛乳乳製品の製造工程 飲用牛乳 加熱殺菌 はっ酵乳 加工乳・乳飲料 生 生クリーム クリーム 乳脂肪分 遠心分離により 乳脂肪分を分離 生乳100kgから 約9kg生産 液体 空気・水分を 抜きながら練る バター 生乳100kgから 約5kg生産 固体 乳 濃縮して乾燥 生乳100kgから 約9kg生産 粉状 脱脂乳 その他 脱脂粉乳 濃縮 脱脂濃縮乳 生乳100kgから 約29kg生産 液体 酵素を加えて凝固 したものを分離 カード 熟成 チーズ 乾燥 ホエイパウダー 生乳100kgから 約10kg生産 凝固 ホエイ 液体 パン、菓子、 飲料等 12 牛乳乳製品の流通 飲用牛乳等用生乳 北海道 <飲用乳価> 消費者 卸・小売 (処理・殺菌) 牛乳、はっ酵乳等 酪農家 東 北 指定生乳生産者団体 委 託 販 売 乳業メーカー 関 東 相対交渉 製品納入 北 陸 東 海 生クリーム等用生乳 <生クリーム等向け乳価> (加工) 生クリーム等 価格は両 者が個別 に決定 販売 近 畿 生クリーム 中 国 四 国 九 州 沖 縄 相対交渉 加工原料用生乳 <加工原料乳価> 価格は両 者が個別 に決定 (加工) バター、脱脂粉乳、チーズ等 販売 実需者 パン工場 飲料メーカー 販売 等 相対交渉 <国からの補給金> (加工原料乳地域の生乳の再生産を 確保することを旨として定められる) 13 牛肉・豚肉の流通 【消費地近郊に立地】 ○ 消費地における集分荷・物流機能(豊富な品揃え、迅速・確実な集分荷、決済) ○ 多数の購買者が価格をセリ合い一番高い価格をつけた者が買い 受ける「セリ売」により枝肉卸売価格を形成(→建値形成の機能) 生産農家 食肉卸売市場 外食店 食肉 センター 量販店 卸売業者 その他 と畜場 食肉加工業者 小売店 【産地近郊に立地】 ○ と畜・解体から部分肉処理を 行い、合理的な物流を実現する 供給基地の役割 ○ 卸売市場の価格を参考にした 取引(建値取引) 輸入 食肉 【参考:食肉(牛肉・豚肉)の歩留まり】 枝肉 生体 牛肉 (和牛) 豚肉 部分肉 精肉 約750kg 約63% 約470kg 約71% 約330kg 約90% 約300kg 約110kg 約70% 約80kg 約70% 約60kg 約90% 約50kg 14 牛肉の格付けの仕組み ① 格付は、「枝肉」(図-1)の状態で、「歩留等級(A~C、表-1)」と「肉質等級(5~1、表-2)」を組み合 わせた15段階(表-3)で格付。 ② 「肉質等級」は4項目について判定し、その項目別等級のうち、最も低い等級に決定(表-2)して格付 。 表-1 歩留等級区分 等級 表-3 格付規格の表示区分 歩留基準値 歩 留 A 72以上 部分肉歩留が標準より良いもの B 69以上72未満 部分肉歩留の標準のもの C 69未満 部分肉歩留が標準より劣るもの 表-2 歩留等級 高 低 肉 質 等 級 5 4 3 2 1 A A5 A4 A3 A2 A1 B B5 B4 B3 B2 B1 C C5 C4 C3 C2 C1 肉質等級判定 肉質等級 (例) 3 脂肪交雑 4 肉の色沢 4 肉の締まり及びきめ 3 脂肪の色沢と質 4 図-1 枝肉 図-2 3等級の枝肉 図-3 5等級の枝肉 資料:(社)日本食肉格付協会 15 肉用牛の生産構造(平成27年度) 和牛生産 繁殖農家 牛肉供給量 約820千㌧ (部分肉ベース) 和牛経産牛 子取り用めす牛頭数 (H26→27) 580 →588千頭 肥育農家 肥育もと牛 繁殖・肥育一貫農家 育成・肥育一貫農家 肥育牛 約721千頭 と畜頭数 約473千頭 和牛 約151千㌧ (18.4%) 受精卵移植産子 ヌレ子 交雑種(F 1) 生産 ( 和牛♂ 乳 ×用種♀) 酪農家 国産 育成農家 肥育農家 と畜頭数 約219千頭 肥育もと牛 育成・肥育一貫農家 2歳以上頭数 (H26→27) 934→937千頭 交雑種(F1) 約75千㌧ (9.2%) 交雑種(F1) 約505千頭 約332千㌧ (40.5%) 乳用種 約102千㌧ (12.5%) その他 約4千㌧ (0.5%) 乳用種生産 乳用種経産牛 ヌレ子 育成農家 肥育農家 肥育もと牛 育成・肥育一貫農家 肥育もと牛輸入 海外繁殖農家 肥育もと牛 生体輸入 肥育農家 乳用種 約332千頭 と畜頭数 約381千頭 輸入 約487千㌧ (59.5%) と畜頭数 約9千頭 輸入牛肉 冷蔵・冷凍 約487千㌧ (部分肉ベース) ※その他には、子牛を含む 資料:農林水産省「畜産統計(28年2月現在)」、「食肉流通統計」、財務省「日本貿易統計」、(独)家畜改良センター「牛個体識別全国データベースの集計(26年度)」 16 鶏肉・鶏卵の流通 養鶏農家 消費者 食鳥処理場 卸・小売 販売 加工業者 食鳥処理場: と殺・解体・部分肉処理を行う 養鶏農家 GPセンター 鶏卵問屋 消費者 卸・小売 加工業者 販売 GPセンター: 鶏卵の格付(選別)包装施設 17 牛乳乳製品の輸出 ○ 牛乳乳製品の主な輸出先は、香港、中国、台湾等であり、近年、輸出量は増加傾向で推移してきたが、平成23年の東京電力福島原子力発電 所事故の発生に伴い大きく減少(なお、中国向けの輸出については、平成22年の我が国における口蹄疫の発生以降輸出が禁止されており、輸 出再開に向けた協議を実施しているところ)。 ○ 「輸出総合サポートプロジェクト」、「6次産業化支援事業」等を活用し、輸出に取り組む事業者等の課題の解決策の特定、生産者等が行う新 商品開発及び販路拡大の取組を支援していく。 主要品目の国別輸出額(平成27年(2015年)) 品目別輸出金額の推移 (億円) LL牛乳 159.6 160 140.9 140 120 LL牛乳 育児用粉乳 チーズ アイスクリームその他氷菓 その他 80 64.5 60 0 27.2 8.9 6.5 香港 台湾 台湾 タイ ベトナム 7.9 シンガポール 6.4 総額 52.7億円 アイスクリームその他氷菓 36.6 3.7 27.3 1.6 1.9 7.2 2.5 パキスタン その他 (億円) 0.41 0.39 台湾 中華人民共和国 シンガポール 香港 アメリカ合衆国 3.3 香港 チーズ 台湾 総額 20.1億円 25.2 9.5 (億円) 45.6 40 20 67.8 60.4 (億円) 3.6 総額 7.2億円 95.7 100 育児用粉乳 (億円) 0.24 0.28 0.34 180 3.9 総額 8.3億円 3.6 香港 タイ その他 その他 資料:財務省「貿易統計」 18 国産牛肉の輸出 ○ 平成17年12月に、我が国におけるBSE発生を理由に輸出が停止していた米国及びカナダ向け輸出が再開。その後、平成19 年4月には香港等にも輸出が可能になり、輸出が本格化。 ○ 口蹄疫の発生(平成22年4月)、福島第一原子力発電所事故(平成23年3月)の影響により輸出が一時停止したが、平成24年 8月には対米輸出が再開し、好調に推移。 ○ 平成27年の輸出実績は、米国、EU向け輸出等が増加したことから、110億円(1,611トン)と4年連続で過去最高を更新。 ○ 平成28年5月に「農林水産業・地域の活力創造本部」において、「農林水産業の輸出力強化戦略」がとりまとめられ、平成32年 の輸出額1兆円目標(うち牛肉では250億円(4千トン相当))の前倒し達成を目指すこととしている。 前年同期比 数量:129% 金額:135% 日本産牛肉の輸出実績 (貿易統計ベース) 110.0 1,800 (トン) 1,600 輸出量(トン) 1,400 1,200 1,000 800 40.5 37.7 34.0 34.6 600 400 20.4 200 4.7 6.5 0 72 74 582 565 541 570 270 50.6 80 57.7 1,251 863 908 120(億円) 1,611 タイ, 116 トン シンガポール, 164 トン ベトナム 24 トン 60 40 H27年 輸出量 1,611トン カンボジア , 204 トン カナダ, 12 トン EU, 115 トン 20 0 【国別戦略重点国(輸出可能国)】 香港、シンガポール、インドネシア タイ、ベトナム、UAE、カタール、 米国、カナダ、EU、ロシア 香港, 532 トン 【検疫協議・施設認定の状況】 ○ 平成27年には、ロシア、バーレーン、ベラルーシ、ミャンマー、ブラジル との検疫協議が完了し、輸出が可能となった。 ○ 輸出国別の施設認定状況は別表の通り。 (ただし、ブラジルは、認定された施設がまだない。) TPP参加国 410トン (25.4%) 米国, 206 トン その他, 233 ト ン 100 81.7 輸出額(億円) 日本産牛肉の輸出実績(国別) 輸出国別の施設認定状況 施設数 米国 カナダ メキシコ EU ロシア等 NZ 香港 UAE カタール 10 8 8 4 2 10 10 4 2 H28.9現在 バーレー シンガ フィリピン マカオ ポール ン 2 12 7 58 タイ 53 インド ベトナム ミャンマー ネシア 59 42 1 19 家畜飼料の種類 粗飼料 濃厚飼料 ○ 粗飼料は茎葉を乾草(乾燥)、サイレージ(乳酸発酵させて貯蔵性を高めたエサ、塩ヌキの漬け物の ようなもの)にして貯蔵できる。 ○ 濃厚飼料に比べると粗繊維質量が多く、エネルギーやたんぱく質量が少ない飼料。しかし、草食動物 である牛にとっては栄養源となるだけでなく、消化機能を安定させるため、生理的に必須の飼料。 ○ 穀類(とうもろこし、こうりゃん等)、大豆油粕、糠(フスマ、米ヌカ 等)等がある。 ○ エネルギーやたんぱく質が豊富で、これらの供給源として重要な飼料。 牛・羊等草食家畜の飼料 豚・鶏用飼料(粗飼料は通常給与しない) 自給率の現状(平成27年度概算)と目標(平成37年度) : <粗飼料>79%→100% <濃厚飼料>14%→20% <全体>28%→40% 牧 草 刈り取り ロールベーラーでの梱包 細断 とうもろこし 大麦 こうりゃん サイレージ(ラップで密封) サイロ詰め(バンカーサイロ) サイレージ 給 ※稲発酵粗飼料(稲WCS)は粗飼料、飼料用米は濃厚飼料である。 餌 20 (参考)飼料用米を活用した畜産物の高付加価値化に向けた取組 コガネ ○ 黄金そだち(北海道) ○ こめたま(青森県) ■ 取組者 生活協同組合コープさっぽろ ■ 特 徴 北海道産米を給与して生産 した畜産物(牛乳、豚肉、鶏 卵、鶏肉)を「黄金そだち」シ リーズとしてブランド化。 ■ 取組者 (農)トキワ養鶏 ■ 特 徴 青森県産の飼料用米を68%配合した飼料 を給与し、卵黄の色が淡く、レモンイエロー となる特色を活かして、鶏卵をブランド化。 マイギュウ ブタマイ ○ まい米牛(島根県) ○ やまと豚米らぶ(岩手県) ■ 取組者 JAしまね出雲地区 ■ 特 徴 水田の有効活用のため、地域をあげて飼 料用米の生産・利用を推進。島根県産の飼 料用米を2割以上配合した飼料を給与し、 肉用牛をブランド化。 トヨ ■ 取組者 (株)フリーデン ■ 特 徴 地域で生産された飼料用米を15%配合した飼料 を給与し、豚肉のブランド化を図るとともに、堆肥を 活用した資源循環型農業を実現。 コメタマゴ ○ 豊の米卵(大分県) ■ 取組者 (有)鈴木養鶏場 ■ 特 徴 大分県産の飼料 用米を1~3割配合した飼料を給与 し、鶏卵をブランド化。 ワ ノ カ トン ヤソハチ タマゴ ○ オクノの玉子(兵庫県) ■ 取組者 (株)オクノ ■ 特 徴 飼料用米の他、釧路産 サンマ魚粉、地元農協の 米糠、赤穂の塩等、厳選した国産原料を 自家配合した飼料を給与し、鶏卵をブランド化。 ○ 和之家豚八十八(茨城県) ■ 取組者 ワケ (株)和家養豚場 ■ 特 徴 飼料用米を自社専用 の仕上用飼料に10~20 %の割合で配合・給与し豚肉をブランド化。 21 (参考)放牧の取組 乳牛の放牧(北海道H牧場) 公共牧場(北海道U牧場) 平成22年に放牧畜産 実践牧場の認証(※)を 取得。放牧牛の牛乳を 利用しアイスクリームの 生産・販売も手がける。 乳量の追求だけでなく、 飼料費や衛生費の低減 を見据えた経営を展開。 地域内の乳用育成 牛を預かって、集約的 な放牧管理を実施。 地域の高齢化による 労働力不足の解消や 増頭に貢献。 <概況> 放牧面積180ha、草地面積200ha 夏期放牧750頭、冬期舎飼530頭、哺育育成130頭 <概況>放牧面積21.6ha、草地面積57ha、乳用牛97頭 耕作放棄地放牧(山口県) 水田放牧(青森県N牧場) 転作田の採草地に 電気牧柵等を整備し 放牧地として利用(5 ~11月)。家畜の管理 者の近隣で飼養する ことにより、分娩後の きめ細やかな個体管 理が可能となり繁殖 成績が向上。 小規模な耕作放棄地 等を利用して移動しなが ら行う放牧を「山口型放 牧」と称している。省力 化、低コスト化、耕作放 棄地の解消、景観の保 全等への貢献が高く、県 域全域に幅広く普及。 <概況>放牧面積2.3ha、繁殖牛8頭 <概況>山口型放牧面積370ha、放牧箇所数299箇所 肉用牛の放牧(熊本県K牧野組合) 子牛生産だけでなく 肥育全期間に粗飼料 を多給する肥育方法を あかげ 取り入れた褐毛和種 の繁殖肥育一貫生産 を実施。消費者を牧場 に招く等、生産者と消 費者との交流を推進。 <概況>放牧面積284ha、肥育牛50頭、繁殖牛314頭 放牧による獣害対策(富山県) ※放牧畜産基準認証制度とは 放牧畜産の促進と消費 者の理解醸成を図るため、 放牧を実践する牧場や放 牧によって生産される畜産 物等について認証を行う制 度。 このうち、放牧管理等の基準を満たした 牧場を放牧畜産実践牧場として(一社)日 本草地畜産種子協会で認証している。 イノシシ等による食 害対策として農園周 辺等にカウベルト (放牧帯)を設置。放 牧地の景観の保持 と農作物被害の減 少等に有効。 <概況>放牧面積14.3ha、放牧箇所数9箇所、繁殖牛20頭 22