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AEO制度について

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AEO制度について
AEO制度説明会 (平成26年3月11日)
AEO制度について
東京税関 業務部
総括認定事業者管理官(AEOセンター)
税関の使命
安全・安心な社会の実現
不正薬物・銃砲等の密輸阻止を最重要課題とするとともに、我が国における
テロ行為等を未然に防止することにより「世界一安全な国、日本」を築く
適正かつ公平な関税等の徴収
約5.6兆円すなわち国税収入の約1割を徴収する歳入官庁として、適正かつ
公平に関税等を徴収する
貿易の円滑化
国際物流におけるセキュリティを確保しつつ、通関手続を一層迅速化する
関税法違反事件の取締り状況(平成25年)
1.不正薬物
不正薬物 約1,007kg ・・・押収量が1トンを上回るのは平成16年以来9年ぶり
◯覚醒剤
約859kg ・・・押収量は、大幅に増加
押収量が800kgを上回るのは、平成12年以来13年ぶり
◯麻薬事犯 約135kg ・・・押収量は、大幅に増加(前年比12.4倍)
◯大麻
約13kg ・・・押収量は、対前年比90%減
2.その他
◯北朝鮮関連事犯として、仕向地を韓国や中国と偽って、北
朝鮮向けに中古タイヤや自動車を輸出したものを告発
◯知的財産侵害事犯として、痩身用マッサージ器や携帯電
話用ケースの密輸入事犯を告発
※平成26年2月18日財務省発表「平成25年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況」より
関税法違反事件の取締り状況(平成24年)
不正薬物の摘発件数と押収量の推移
(押収量:kg)
1,500
(摘発件数:件)
600
覚醒剤
大麻
その他
件数
500
1,200
400
900
300
600
200
300
100
0
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
25年
1,358
679
378
816
498
403
364
509
626
1,007
84
2
41
39
3
18
15
50
11
135
大麻
889
588
196
491
87
52
27
57
132
13
覚醒剤
386
88
140
287
408
333
322
402
482
859
件数
569
343
391
395
313
402
296
326
308
382
合計
その他
0
摘発事例
※平成26年2月18日財務省発表「平成25年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況」より
[事例1]
製粉機の内部に隠匿
平成25年3月、横浜税関は、メキシコから横浜港へ到着し
た海上コンテナ貨物の検査において、製粉機のローラー内
部に隠匿していた 覚醒剤 約240㎏ を摘発した。
摘発事例
※平成26年2月18日財務省発表「平成25年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況」より
[事例2]
模造鉄鉱石の内部に隠匿
平成25年5月、神戸税関は、メキシコから神戸港へ
到着した海上コンテナ貨物の検査において、模造鉄
鉱石に隠匿していた 覚醒剤 約194㎏ を摘発した。
摘発事例
旅客が体内に飲み込んで
隠匿していた覚醒剤
郵便物の衣類等に染み込ませて
隠匿していたコカイン
シロイ クロイ
連絡先:密輸ダイヤル(0120-461-961)
大量の知的財産侵害物品
テロ事例
AEO制度を巡る世界の動き
○ 1995年 3月20日 地下鉄サリン事件
○ 2001年 9月11日 アメリカ同時多発テロ事件
○ 2005年 7月 7日 ロンドン地下鉄・バス爆破事件
○ 2013年 1月16日 アルジェリア人質拘束事件
○ 2013年 4月15日 ボストンマラソン爆発事件
○ 2013年 9月21日 ケニアショッピングモール襲撃事件
AEO制度を巡る世界の動き
2001年9月11日 同時多発テロ発生(米国)
輸入貨物検査の強化
⇒物流の停滞
⇒セキュリティ確保と貿易の円滑化の両立の必要性
米国がC-TPAT(Customs-Trade Partnership Against Terrorism)を導入(2002年4月)
国際標準の策定
<WCO(世界税関機構)総会>
・AEOの概要を含む国際貿易の安全確保及び円滑化のための「基準の枠組み」を採択
(2005年6月)
・AEO(Authorized Economic Operator)ガイドラインを採択(2006年6月)
・AEOガイドラインを組み込んだ「基準の枠組み」を採択(2007年6月)
日本をはじめ、ニュージーランド、EU、韓国、
シンガポール、カナダ等諸外国がAEO制度を導入
AEO制度とは
AEO(Authorized Economic Operator:認定事業者)制度
国際的な背景
• 米国同時多発テロ事件以降、国際貿易における安全確保と貿易円滑化
の両立が世界的な課題として浮上
→ テロ対策の側面からのサプライチェーン全体の取締りの強化
• 貨物のセキュリティとコンプライアンス(法令遵守)の体制が整備
された事業者を税関が認定し、税関手続の簡素化・迅速化等の
メリットを得る制度
• 民間企業と税関の信頼関係(パートナーシップ)によって国際貿
易におけるセキュリティの確保と効率化の双方を実現する取組
み
我が国のAEO制度
~サプライチェーンのセキュリティ確保~
AEO制度により、サプライチェーン全体をカバー
〔輸出〕
通関業者
保税地域
税 関
航空会社
運送者
輸出者
船会社
AEO制度の対象となる事業者(計522者)
税関
輸入者(87者)
輸出者(237者)
製造者
倉庫業者
(113者)
通関業者
(78者)
運送者
(7者)
海外の
輸出入者
※ 図中の事業者数は、平成26年3月6日現在
通関業者
〔輸入〕
保税地域
航空会社
運送者
税 関
輸入者
船会社
貨物のセキュリティとコンプライアンスの体制が整備されたAEO事業者
に対しては、税関手続上の緩和措置を提供。
AEO事業者に対するメリット(国内制度)
貨物のセキュリティとコンプライアンスの体制が整備された
AEO事業者に対しては、税関手続上の緩和措置を提供
各事業者に対する緩和措置
(輸入者:特例輸入申告制度)
(倉庫業者:特定保税承認制度)
・倉庫等に外国貨物を保管するために必要な税関の許可が
不要(税関への届出のみ)
・税関に届け出た倉庫における帳簿の保存期間を、一般の
保税倉庫(2年)と比べて短縮(1年)
・税関に届け出た倉庫等における保税地域許可手数料を免除
・貨物の国内到着前に輸入許可を受けることが可能
・輸入申告時に納税に関する申告項目を軽減
・輸入申告時に書類審査・貨物検査を軽減
・関税等の納税申告と納税を後日一括して行うことが可能
(輸出者:特定輸出申告制度)
(通関業者:認定通関業者制度)
・輸入貨物が日本に到着する前に通関手続を開始し、また、
一定の条件のもと、輸出貨物を工場・倉庫等に置いたまま
輸出許可を受けることが可能
・関税等の納税申告と納税を後日一括して行うことが可能
・特定の税関官署の管轄区域内に蔵置されている貨物について、
予め選択した税関官署に輸出入申告を行うことが可能
・貨物が自社倉庫にある状態で輸出許可を受けることが可能
・輸出申告時に書類審査・貨物検査を軽減
(運送者:特定保税運送制度)
・保税運送ごとの保税運送承認が不要
※時間は、輸入申告から輸入許可までの時間
(メリットの具体的効果:輸入手続所要時間調査結果)
1991年実施
2012年実施
一般海上貨物
一般海上貨物
AEO貨物
26.1時間
2.6時間
0.1時間
10
20
30(時間)
11
AEO相互承認
AEO相互承認とは:
AEO制度を有する二国間で、それぞれのAEO制度(AEO事業者)を相互に
承認することにより、二国間物流におけるセキュリティレベルを向上させつ
つ、国内外一貫した一層の物流円滑化を目指すもの
日本のAEO事業者に対するAEO相互承認の効果:
①自社が関与する輸出入貨物について日本税関のみならず、相手国
における税関手続でも書類審査・検査の負担が軽減される等の追加
的メリットが発生
②AEOとしての企業ステータスが国際的に認知される
AEO相互承認の効果
日
相手国
本
AEO制度がない状態
リードタイム
輸出者
(輸出申告)
相互承認前
輸入者
(輸入申告)
審査・検査が軽減等
(日本国内措置)
輸入者
AEO輸出者
(輸出申告)
相互承認後
審査・検査が軽減等
(日本国内措置)
(輸入申告)
相手国税関は、輸入書類審査・検
査において輸出者が日本のAEO
事業者であることを評価
審査・検査が軽減
(AEO相互承認効果)
AEO輸出者
輸入者
(輸出申告)
(輸入申告)
各国との相互承認
の内容に応じて、
この他種々のメリッ
トが加わりうる。
AEO制度とは
AEO = Authorized Economic Operator
我が国では、国際物流における一層の円滑化と適正な通関の両立を図り、あわせて我が国
の国際競争力を強化するため、国際標準に則ったAEO制度を2006年3月に導入
貨物のセキュリティ管理とコンプライアンス(法令遵守)に優れた事業者を税関が認定し、
認定を受けた者に対して税関手続の緩和・簡素化策を提供する制度
 コンプライアンスに優れた者にとっては、税関の関与の減少
 税関にとっては、コンプライアンスに優れた者以外にマンパワーを投入
→事業者・税関相互にメリットのある制度
民間企業と官(税関)のパートナーシップ
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