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第17回 資料
第17回 2012.11.30 東北労災病院外科 コレステロール結石 (あり) 胆汁色素結石 音響陰影 数 形態 (軽度~なし) 日本医師会雑誌「実践エコー診断」 径10mm以上の大胆石 径10mm未満の小胆石 胆道疾患におけるB モード超音波診断 竹内和男 Jpn J Med Ultrasonics Vol.33 No.1 (2006) 胆石のエコーは何を表現しているのか 胆石が発する高エコーは、胆石に入射した超音波が、 どの程度まで胆石内に侵入できるかを表す 超音波の減衰が高度のものでは胆石表面のエコーにとどまり、 減衰が軽度のものでは胆石のほぼ全体像が描出される。 胆石エコーは胆石の割面構造が連続性か不連続性かによって、 様々なパターンを呈することになる 連続構造ではエコーの減衰は徐々にみられ、 不連続構造では不連続の部分で明らかにエコーは減衰する 純コレステロール結石 混成石・混合石 色素石 ビリルビンカルシウム石 黒色石 純コレステロール結石 混成石・混合石 色素石 ビリルビンカルシウム石 黒色石 径10mm以上の大胆石 Ⅰ型 Ia型 胆石エコー部分がcomet tail artifact様所見により胆石後面をも越えてエコーのみられるもの Ib型 ほぼ半月状 石灰化を伴わない混合石はⅠb型を呈する Ic型 三日月状に見られるもの 辺縁に軽度の石灰化(CTで診断できる程度)をもつコレステロール石でみられる Ia型 Ib型 純コレステロール結石 混合石・混成石 と比較すると結石 前面のエコーが 厚い Ia,b,IIb,堆積型 a,b,浮遊型で 15mm 以下(10mm以下が望ましい)のものが 経口胆石溶解療法の対象となる ESWL は I 型が適応となる。 Ⅱ型胆石は、胆石エコーが胆石の表面近くで急激 急激に減衰する 急激 不連続構造 Ⅱ型 Ⅱa型 胆石前面が幅の狭い弧状の高エコーを示し強い音響陰影を伴う 辺縁に明らかな層状の石灰化(腹部単純撮影で認められる)をもつ混成石 Ⅱb型 胆石表面と内部が線状の二重エコ-(内部エコーが点状にみられるものもある)で示される しばしば浮遊してみられる 裂隙をもつ混合石(含気性胆石)でみられる Ⅲ型胆石は、色素石が示すエコー像で、胆石の全体像が描出され、 音響陰影は通常 音響陰影は通常弱い 陰影は通常弱い Ⅲ型 Ⅲa型 肝実質と同様か、やや高い輝度及び音響陰影ともに弱い ビリルビンカルシウム石 Ⅲb型 胆石のエコーは均一な輝度で強く, 音響陰影は弱く見られた 黒色石 Ⅲc型 層構造をもつエコー像 輝度及び音響陰影ともにIIIa型より強い傾向であつた 他の混成石(内層が黒色石、外層がビリルビンカルシウム石) 大胆石の基本構造と石灰化の関係 放射状構造は石灰化 (0/14) が無く, 層状構造は石灰化 (32/50) が多い傾向にあつた. 微細層状ないし無構造は石灰化 (3/18) に乏しかつた. 径10mm未満の小胆石 充満型・堆積a型・堆積b型・浮遊型はコレステロール胆石 堆積c型・塊状型は色素石の所見 堆積型は頻度も多く、胆汁酸溶解療法の適応となる混合石が示す所見 堆積型は胆嚢内腔を認め, 胆石像が堆積してみられるものとした 堆積型 堆積a型 混合石 胆石の表面近くだけが高エコーを呈し, 胆嚢後面が音響陰影のため描出できないもの 堆積b型 混合石 堆積した胆石の全体が高エコーを呈し胆石の comet tail artifact 様のエコーにより 胆嚢後面ないし, 胆石最下層のエコーラインが明らかに不明瞭であるもの ほぼ下層まで高エコーとして描出される 堆積c型 黒色石 ビリルビンカルシウム石 堆積胆石の全体像が描出され胆嚢後面ないし堆積した胆石の最下層のエコーラインを ほぼ明瞭に認めるもの 音響陰影は堆積型a, bで強く, 堆積型cで弱かつた. 堆積a型 混合石 堆積b型 混合石 堆積c型 黒色石 遊離型 黒色石 ビリルビンカルシウム石 径5mm以下で高エコーがそれぞれ遊離して見られるものとした ポリープの鑑別は移動性で確認 浮遊型 混合石 音響陰影を伴う高エコーが胆嚢内に浮遊して認めるものとした. 帯状の浮遊は示さず,一部は胆嚢後面に接してみられた コメットエコーを伴う 堆積型bと合併することも多い 塊状型 ビリルビンカルシウム石 肝実質と類似のエコーパターンを示し腫瘤様に見られるものとし, 音響陰影は弱かつた. 腫瘤を形成する胆泥様エコー 小さなビリルビンカルシウム石の集合 結石の成因 コレステロール結石 コレステロール過飽和胆汁 コレステロール胆石は約70%がコレステロール結晶からなる。 コレステロールは通常は不溶性であるが、胆汁酸・リン脂質と混合ミセルを 形成し胆汁中に溶解している この3者の相対的関係によりミセル溶解能が決定される。 コレステロールの生合成に関与するHMG-CoA還元酵素阻害薬の投与を中止するとコレステロールの 胆汁への分泌は増加し飽和度が高くなるが示されている コレステロール過飽和胆汁は特に特に胆嚢内でムチンゲルとともに 結晶化し胆泥を形成する この胆泥が凝集し結石になると考えられている 胆嚢収縮能の低下 胆嚢収縮能の低下もコレステロール結石の成因の一つである。 微細な結晶がが存在しても胆嚢が良好に収縮する状態では容易に腸管内に 流出するため、結石とはならないと考えられている。 妊娠・肥満・急激な体重減少・糖尿病・完全静脈栄養 胆石症の高リスク群である妊娠・肥満・急激な体重減少・糖尿病・完全静脈栄養 などの際には胆嚢収縮能はしばしば低下する。 正常の胆嚢は十二指腸から分泌されるコレシストキニン(CCK)により収縮するが、 胆嚢結石症の患者はCCKへの反応が消失していると報告されている。 ソマトスタチンアナログ投与時にはCCK分泌が低下し、高トリグリセリド血症ではCCKの感受性が低下し 胆嚢収縮能が低下し胆嚢結石の高リスク群とされる ソマトスタチンアナログとは ソマトスタチンは1973年、ヒツジの視床下部抽出物中に存在する成長ホルモン(GH)分泌抑 制因子として発見されたポリペプチドホルモンです。 ソマトスタチンの作用はソマトスタチン受容体を介して発現します。 ソマトスタチン受容体は下垂体腫瘍や消化管神経内分泌腫瘍など多くの腫瘍において認め られ、ソ マトスタチンは、これらの腫瘍からのホルモン産生を抑制します 近年、の成因として細菌感染も注目されており、コレステロール結石内から PCR法により細菌の存在が証明されつつある また、疫学的調査や家系内調査などによりコレステロール結石の一部には 遺伝的因子が関与していることが推定されている ビリルビンカルシウム石 黒色石 コレステロール結石 コレステロール結石 胆汁 コレステ コレ ロール ステ 胆汁酸 能力の低下 分解 ビリルビン 量の増加 カルシウム 胆 石 胆汁に含まれるコレステロール胆石は、もともと脂質の一種なので、 水に溶けにくい 分離せずに存在できるのは、水とも脂と相性のよい胆汁酸やレシチンに よってつくられる小さな粒子の中に包まれ、乳化されて存在するからです。 水に溶けにくいコレステロールですが、このように胆汁酸とレシチンのお かげで、固まることなく流れることができるわけです。 ところが、コレステロールを溶かすにも限度があります つまり、もうこれ以上溶けないという飽和状態になると、 コレステロール胆石ができやすくなる 胆石形成指数という目安があります この数値が1.0を越えているときには、飽和状態にあることを示します。 そうなると、胆汁酸とレシチンがコレステロールを包み込む力が弱くなって、 結晶しやすくなります。 コレステロール 胆石形成指数= 胆汁酸+レシチン 胆石形成指数が1.0 1.0以上 1.0以上になるとコレステロール胆石が生じやすくなる 以上 過飽和の状態になるのは • コレステロールが異常に多くなった場合と、 • 逆に胆汁酸とレシチンが減ってしまった場合 • またはその両方が同時に起こったとき 特に胆嚢では、胆汁が貯められて濃くなるため、 この比率の差がなお開くことになるので、 コレストロール胆石が発生しやすくなる コレステロール結石 胆汁 コレステ コレ ロール ステ 胆汁酸 能力の低下 分解 ビリルビン 量の増加 カルシウム 胆 石 では、どうしてコレステロールが増えたり、 胆汁酸やレシチンが減ったりするのでしょうか? コレステロールが増えるのは 肝臓に何らかの障害がある場合で、なかでも肝臓でつくられるコレステロール 代謝(合成と分解)の役に立っている酵素の働きに異常がある場合や、 糖尿病がある場合 胆汁酸が少なくなるのは 胆道や腸などに炎症が生じ、胆汁酸の吸収に異常が起きたりとか、 先天的な胆汁酸の代謝異常がある場合です。 コレステロール胆石が形成されるには3つの事象が不可欠である (1) (2) (3) 胆汁がコレステロール過飽和となる。正常では,非水溶性のコレステロールが胆 汁塩およびレシチンと結合し,混合ミセルを形成することによって水溶性となる。 胆汁がコレステロール過飽和状態となるのは,コレステロール過剰分泌(糖尿病 などのように),胆汁塩の分泌低下(例,脂肪の吸収不良)またはレシチンの欠乏 (例,一種の進行性家族性肝内胆汁うっ滞を引き起こす遺伝性疾患にみられる) によると考えられる。 過剰コレステロールが液体から固体の微小結晶となって沈殿する。この沈殿はム チン,フィブロネクチン,α1-グロブリンまたは免疫グロブリンによって促進される。 アポリポ蛋白A-ⅠおよびA-Ⅱがこの過程を抑制すると考えられる。 微小結晶が凝集する。この凝集は,ムチン,胆嚢収縮性の障害(胆汁自体の過剰 コレステロールによる),小腸通過の遅滞のため細菌がコール酸をデオキシコール 酸へ変換することによって促進される。 メルクマニュアル18版 日本語版 純コレステロール結石 •結石像は円形・楕円形のきれいな形 •結石像は前面のエコーが最も強く、徐々に弱くなり、音響陰影に移行する •結石像は体位変換で移動する、結石は1個のことが多い 胆道疾患におけるB モード超音波診断 竹内和男 Jpn J Med Ultrasonics Vol.33 No.1 (2006) 純コレステロール結石 •結石像は円形・楕円形のきれいな形 •結石像は前面のエコーが最も強く、徐々に弱くなり、音響陰影に移行する •結石像は体位変換で移動する、結石は1個のことが多い コレステロール石のCT値は、胆汁とほぼ同じであるため診断能はあまり高くない CTで石灰化の判定に有用で、カルシウム含有率が1%以上あれば判定できる 混成石 東北労災病院外科 球形ないし卵形 混成石(外層の厚いもの) 結石エコーは結石の前面が描出され、ほぼ同じ厚みの半円周状を呈する 音響陰影は半円周状の結石エコーの直後から明瞭に現れる 結石は1個のことが多い 混成石 混成石(外層が薄いもの) 結石像は中空となる 音響陰影は現れるが不明瞭となる 結石は1個のことが多い 混成石(外層が薄いもの) 混合石 混合石 球形状及び多面体 結石像は結石の前面のみが描出され、三日月状、半月状、三角形状などの多彩なパターンを示す 胆嚢が収縮するたびに狭い胆嚢内で互い研磨し合い,多彩な形状となる 結石像の厚み、強さは必ずも均一でない 音響陰影は結石像の直後から明瞭 多数の結石が集合していることが多い 接面形成が明らかな複数の結石 混合石 堆積型混合石 コレステロールとビリルビンが混在する混合石 含気性胆石 (中心裂隙を有する)に多い (gas-containing gallstones) コレステロールとビリルビンが混在する混合石(中心裂隙を有する)に多い Mercedes-Benz sign 含気性胆石(gas-containing gallstones)とは,結石内部にガスが存在する胆石を言う. 胆石の形成段階で急激な固形化や結晶化が起こり,結石内部に生じた陰圧により結 石内部にガスを伴い星芒状の亀裂が形成されると言われ,ガスの組成はほとんどが 窒素で,少量の酸素と二酸化炭素とされている. 腹部単純X線写真で特徴的な,三放射線状の”Mercedes-Benz”signを呈する胆石と して古くから知られている.CTではその形は必ずしも星芒状とは限らず,卵円形もしく は不整形を示す場合も少なくない.結石自体のdensityが胆汁とほぼ等しい場合単に 胆嚢内のガスとして描出されるので,気腫性胆嚢炎の診断の際注意を要する. 含気性胆石 Author:黒崎敦子(虎の門病院(共済)), 竹内和男 Source:日本臨床(0047-1852)別冊肝・胆道系症候群 肝外胆道編 Page394-396(1996.02) 浮遊結石 US では, 稀に胆嚢内腔に浮遊する結石像を認める. 体位変換により反重力方向に移動するか, 動きが見られず中空に止まって 観察されるのが特徴である 単一の結石のみが浮遊する以外に, 複数の結石が浮遊する場合もある. このような浮遊現象を示す結石は混合石である 含気結石(gas-containing gallstone) 胆石の形成段階で急激な固形化や結晶化が起こり, 結石内部に生じた陰圧によって星芒状の亀裂が生じ, この亀裂の内部にガスが存在する場合がある(含気結石) US では, 結石後方の音響陰影にガス特有の多重エコーを含むのが特 徴で, 比重が軽いため種々の程度で浮遊して観察される この多重エコーは結石表面と内部のガスとの間で生じると考えられ, 音 波が結石内部をある程度透過することが必要である. したがって, 結石の石灰化が高度で音がほとんど通らない場合にはこ の特徴は見られない. ガスが少量の場合では, 結石表面の三日月状のエコーとその後方の 点状高エコー(double echo sign)を呈するが多重エコーは見られない. 胆道疾患におけるB モード超音波診断 竹内和男 Jpn J Med Ultrasonics Vol.33 No.1 (2006) より 含気結石(gas-containing gallstone) 浮遊結石 ビリルビン結石 赤血球が壊れると(赤血球の寿命は約150日)ヘモグロビンが血液中に放出されます。 ヘモグロビンはそのあと白血球によってビリルビンにされたあと肝臓に取り込まれてます。 ビリルビンはもともと脂溶性ですが、これを肝臓で水溶性にして胆汁と一緒に排泄します 胆管内が大腸菌に感染していると、大腸菌がせっかく水溶性にした ビリルビンを再び脂溶性のものに変えてしまうので、それによってビリルビンが 固まり、石になってしまうわけです。 また、赤血球が多く壊されてしまうような溶血性貧血などでは、生じるビリルビン の量が多くなるので、石ができることがあります ビリルビン結石は総胆管結石、肝内結石に多く見られます 肝機能が低下することでビリルビンと言う物質が血液中に増加し、 それが胆汁と結びついて結晶化するビリルビン系胆石や炭酸カルシウム石、 脂肪酸カルシウム石などカルシウムが原因となる結石もあります。 ビリルビンカルシウム胆石ができるのは? 胆汁の細菌感染がきっかけになる 胆管に胆石が詰まったりして胆汁の流れが悪くなると、細菌感染が起こります。 すると、細菌が出す酵素の働きでビリルビンの性質が変わり、 カルシウムと結合しやすくなります。 こうしてビリルビンカルシウム石が形成されます。 ビリルビンは胆汁色素で、黄色っぽい色をしています。 もともと赤血球のヘモグロビンからつくられます。 寿命がきて、いらなくなった赤血球の中のヘモグロビンは、ヘムとグロビンに分解されます。 これが酵素の働きで変化してできるのが間接ビリルビン(非抱合ビリルビン)です。 それがさらに肝臓に運ばれてゆき、そこでまた酵素の働きで、今度は水に溶けやすい 直接ビリルビン〔抱合ビリルビン〕になります。そして胆道に排泄されるわけです。 ビリルビンカルシウム胆石ができるのは? 胆汁の細菌感染がきっかけになる 胆道の細菌感染は、 腸の内容物が胆管へ逆流することによって起こる場合と、 門脈血を通して血液から伝わる場合があります。 とくに大腸菌による胆道感染の場合は、大腸菌のもっているβグルクロニダーゼという 酵素が作用して、直接ビリルビンが水に溶けない遊離型ビリルビンに分解されます。 さらにそれがカルシウムと結合して、ビリルビンカルシウム石ができやすくなるのです 東北労災病院外科 塊状で音響陰影の弱いもの わずかに音響陰影を認める ポリープとの鑑別には 体位変換 黒色石 東北労災病院外科 黒色石 欧米では色素胆石の大部分は黒色石であり,わが国でも最近非常に 増加している. 溶血性貧血,肝硬変,心臓弁置換術後の患者によくみられる. また胃切除後には10~20%に胆石発生がみられ,このうち30%が黒色 石である. 胃切除後の胆石の発生機序としては,迷走神経切離術(迷切)による胆 道系(特に胆嚢)の運動機能の異常による胆汁うっ滞が一因と考えられ ている 主構成成分は黒色色素であり,この色素はビリルビンカルシウムの重 合体とされ,同様にリン酸カルシウムや炭酸カルシウムなどのカルシウ ム塩がかなり含まれている. 小型でゴツゴツした形状で複数あることが多い。 反射輝度が高い割に音響陰影が淡いのでポリープと誤診 されることがある。 この場合も可動性の確認が有効である 黒色石 胃切り 49歳 女性 貧血あり 49歳 女性 貧血あり 2012年 基準値 赤血球 509 380~500(女性) ヘモグロビン 12.3 11.5~15.0(女性) ヘマトクリット 40.7 34.8~45.0(女性) 総ビリルビン 0.7 0.2~1.2 石灰乳胆汁 limy bile,milk of calcium bile 胆嚢管閉塞により発生する胆嚢疾患 石灰化胆嚢(porcelain gallbladder) 磁器様胆嚢 石灰乳胆汁(milk of caicium bile,limy)(limy bile) 石灰乳胆汁 形状 a.乳液状 b.練乳状 c.糊状ー練り歯磨き状 d.白墨様結石 など USで特徴的な像を呈し石灰乳胆汁と診断できるのは、流動性を呈する 乳液状と乳液状であり、 輝度のきわめて高い結石エコーとして描出され、明瞭な音響陰影を伴い、 液状のものは重力方向に対し水平面を形成する 石灰乳胆汁は胆囊内に炭酸カルシウムを主成分とする物質の貯留をきたす疾患 石灰乳胆汁は近年,胆囊管閉塞のない症例もみられるが,通常,胆囊管不完全閉塞 と慢性胆囊炎はあるが軽度で感染がないことが必要でこの条件下で胆囊内胆汁の 酸性化障害(アルカリ化)により炭酸カルシウムの析出がおこり生成される 胆囊管閉塞はその成因に感染が関与しないコレステロール石によるものが 最も多く,その他に癌や腺筋腫症などがあるが,色素石は非常に少ない 病 態: 結石や腫瘍により胆嚢管または胆嚢頚部が閉塞すると、胆汁の出入りが不良になり、 胆汁組成に変化をきたす。 一般的に、胆汁内の炭酸カルシウム沈着が増加する。 超音波像: カルシウム含有部は堆積性の高エコーになるが、一般的に結石エコーよりは弱い。 後方はしばしば音響陰影を伴う。 石灰乳胆汁の貯留状態に応じて超音波像は変化し、さらに体位変換により、移動や変形 を呈する。 このような症例に出くわしたら必ず体位変換を 鑑別: debris、胆砂、腫瘍。 より Floating stone and a layer of milk of calcium bile より This plain abdominal radiograph shows milk-of-calcium bile and a calculus that obstructs the Hartmann pouch. 胆石症を合併しやすい病態 胆石症を合併しやすい病態 • 肝硬変 胆汁産生の低下、胆嚢内胆汁の鬱滞、脾機能亢進 肝硬変症例の15~30%に胆石の合併 黒色石が多い(CTで石灰化陽性例ではほとんどが黒色石) • 糖尿病 糖尿病神経障害による胆嚢収縮能異常、胆汁内のコレステロール飽和 糖尿病の13~20%に胆石の合併 急性胆嚢炎を合併すると重症化することが多い • 胃切除後 迷走神経離断術による胆道系の運動機能の異常による胆汁鬱滞が一因 と考えられているが、詳細は不明 10~20%に胆石の合併(そのうち30%が黒色石) • 溶血性貧血 脾機能亢進により黒色石が形成される 50%前後の頻度 胆石症の病因 溶血性疾患 • • • • • • • 鎌状赤血球症(7-37%) 遺伝性球状赤血球症(43~85%)、 サラセミア(地中海性貧血) 悪性貧血(16-20%) 人工心臓弁+僧帽弁狭窄症(溶血) 肝硬変(脾機能亢進症による二次性の溶血) ABO血液型不適合(周産期) 代謝性疾患=胆石形成指数の異常 • • • • • • • • • • • 糖尿病 肥満 膵臓病 嚢胞性線維症 高コレステロール血症 高脂血症タイプ4 ヘモジデローシス(20%) 副甲状腺機能亢進症 甲状腺機能低下症 エストロゲン/プロゲステロンの長期使用 妊娠 胆汁鬱滞 • • • • • 肝機能障害:肝炎、新生児敗血症 胆管系の奇形:カロリ病 胆道閉塞:寄生虫感染症、良性/悪性の狭窄、異物(縫合糸、回虫症) 長時間の絶食(完全静脈栄養) メタドン使用 小腸吸収不良 • • • • 胆石形成のリスクが10倍 -炎症性腸疾患:クローン病(28~34%) -回腸切除 -バイパス手術 遺伝的素因=家族性 • ナバホ、ピマ、チペワインディアン その他 • 筋ジストロフィー 胆石症を合併しやすい病態 • 肝硬変 胆汁産生の低下、胆嚢内胆汁の鬱滞、脾機能亢進 肝硬変症例の15~30%に胆石の合併 黒色石が多い(CTで石灰化陽性例ではほとんどが黒色石) • 糖尿病 糖尿病神経障害による胆嚢収縮能異常、胆汁内のコレステロール飽和 糖尿病の13~20%に胆石の合併 急性胆嚢炎を合併すると重症化することが多い • 胃切除後 迷走神経離断術による胆道系の運動機能の異常による胆汁鬱滞が一因 と考えられているが、詳細は不明 10~20%に胆石の合併(そのうち30%が黒色石) • 溶血性貧血 脾機能亢進により黒色石が形成される 50%前後の頻度 1.肝硬変 肝硬変では胆汁産生の低下や胆嚢内胆汁欝帯、脾機能亢進があり 胆石の保有率が高いといわれている 肝硬変症例の15~30%前後に結石の合併があり、なかでも黒色石 が多く、CT上石灰化陽性の場合が多い 胆汁産生の低下:ビリルビンの排泄が低下し、血中に大量に流れ込む 胆嚢内胆汁欝帯:結晶化しやすくなる 脾機能亢進: 脾機能亢進症と胆石 脾機能亢進症によって赤血球がこわされやすくなると、赤血球の寿命が短くなります その結果貧血が生じ、そのほか、酸素を運ぶ働きをしているヘモグロビンがたくさん 血中に出てきます ヘモグロビンはヘモジデリンから肝臓でビリルビンに代謝され、胆汁中に排泄されます。 脾機能亢進症によってビリルビン代謝も亢進します 脾機能亢進症が長く続くと、ビリルビンカルシウムが胆嚢内に沈着し、胆石を生じます。 この胆石はまっ黒い色をした金平糖状をしており、門脈圧亢進症に特徴的な結石です。 肝硬変では胆汁中のカルシウム濃度が上昇するためにビリルビンとカルシウムによる 黒色結石が形成されやすくなる。 脾機能亢進症 脾機能亢進症は脾腫によって起こる血球減少症である 脾機能亢進症は,あらゆる原因の脾腫に誘発される二次過程である。 脾腫は脾臓の機械的なフィルター機能および赤血球の破壊,またしばしば 白血球と血小板の破壊を亢進する 胆汁とは? 胆汁とは? 胆汁は、肝臓で毎日約500ml産生される 胆汁は、 ・水分 97% ・胆汁酸塩 (毎日4g分泌される) ・胆汁色素 (毎日1.5g分泌される) ・塩化ナトリウム ・重炭酸ナトリウム などからできていて、すべて肝細胞で作られる 胆汁で重要なのは、胆汁酸塩である。 胆汁酸塩が胆汁の役割をはたしている。 胆汁の役割は、簡単にいうと、脂肪の消化を助けることである ●胆汁酸塩とは? 胆汁酸塩とは? 胆汁酸塩は、脂肪溶解剤である。 簡単に言えば、小腸での脂肪の消化をよくするためのものである。 胆汁酸塩の役割は ・大きな脂肪滴を小さく分割する ・胆汁酸塩は、水にも脂肪にも溶ける性質をもっている ・胆汁酸塩によって小さく分割された脂肪滴は、乳化といわれる。 ・乳化された脂肪は、膵臓から分泌されるリパーゼによって容易に効率よく 消化されて分解される。 ・リパーゼによって分解された消化産物である、モノグリセリドと脂肪酸は、 胆汁酸塩とひっついて、脂質ミセルを形成する。 ・脂質ミセルは小腸粘膜から容易に吸収される。 胆汁酸塩は ・コール酸 ・デオキシコール酸 があり、肝細胞で、コレステロールから形成される 毎日4g分泌され、大部分は小腸で再吸収されて再び肝臓に戻る ●胆汁色素とは? 胆汁色素とは? 胆汁色素とは、ビリルビンである。 ビリルビンとは、赤血球の破壊で生じた、代謝物質である。 胆汁色素に役割はなく、排泄物質である。 破壊された赤血球から遊離したヘモグロビンのタンパク質部分から切り 離されたヘムが、肝臓の細胞で代謝され黄色のビリルビンに変化する。 ビリルビンは肝臓でグルクロン酸抱合を受けて水溶性が高められて 胆汁色素として胆汁とともに分泌される アルコール性肝硬変+胆嚢結石 45歳 女性 胆石症を合併しやすい病態 • 肝硬変 胆汁産生の低下、胆嚢内胆汁の鬱滞、脾機能亢進 肝硬変症例の15~30%に胆石の合併 黒色石が多い(CTで石灰化陽性例ではほとんどが黒色石) • 糖尿病 糖尿病神経障害による胆嚢収縮能異常、胆汁内のコレステロール飽和 糖尿病の13~20%に胆石の合併 急性胆嚢炎を合併すると重症化することが多い • 胃切除後 迷走神経離断術による胆道系の運動機能の異常による胆汁鬱滞が一因 と考えられているが、詳細は不明 10~20%に胆石の合併(そのうち30%が黒色石) • 溶血性貧血 脾機能亢進により黒色石が形成される 50%前後の頻度 胃切除後胆石 胃切除後胆石症 病態生理 胆嚢内の胆汁うっ帯により胆石が形成される. 胃癌術後ではリンパ節郭清にともなう迷走神経切離により胆嚢収縮が低下し, また消化管ホルモンの作用に対するOddi筋の反応低下が生じ胆汁排泄が障害 される. さらに胃切除後は胆道感染をおこすことがあり,これによりビリルビンカルシウム を析出させ胆石の発生に関与する. 胃切除後胆石発生頻度は15~20%と言われている 臨床症状 胆嚢炎などを併発することは少なく,多くは無症状である.コレステロ-ル胆石 より黒色石やビリルビンカルシウム石の色素胆石が多い 胃切除後胆石症 最近の動向 以前は予防的に胆嚢摘出をおこなうことが多かったが,最近はリンパ節郭清を縮 小できる症例などにおいて迷走神経肝枝を温存する手術が積極的に行われてお り,予防的胆嚢摘出は減ってきている. 迷走神経肝枝を温存した場合の胆石発生率は約4~10%である. また,迷走神経肝枝のみならず腹腔枝も温存した方が胆石発生をさらに予防でき るとする報告もある. なお,術後長期の絶食や高カロリ-輸液は胆汁うっ帯を助長するが,最近は食事 開始時期が早まり,高カロリ-輸液も使わないため問題はないと言われている 交感神経と副交感神経 交感神経 胆嚢・胆嚢管を弛緩させる 副交感神経(迷走神経) 胆嚢・胆管を収縮(胆汁分泌)させる 手術直後には胆嚢内に高頻度にsludge echoを認め(術後1ヵ月で45%), このようなsludgeを経過観察していると, 泥状から次第に固形化して最終的に 結石エコーに変化する場合がある その多くはビリルビン石灰石で, 同様な性質の総胆管結石を伴うこともある. 胃切除後 胆石(色素系) 2009年 2010年 2011年 胃切除後は音響陰影が出現しない場合がある 胆嚢ポリープと間違える可能性が高い 胃切除者と分っている場合は胆石とポリープを考えて検査する必要がある 2001年 41歳 2002年 2003年 ポリープと判断している 2004年 2005年 2006年 AS(+) 2007年 2008年 2011年 胃の切除範囲と胆石症の関連 全摘の胆石発症率 :27.9% 部分切除の胆石発症率: 7.8% リンパ節郭清の程度と胆石症の関連 D1,D2での胆石発症率 D3での胆石発症率 : 8.5% :16.3% 「胆嚢の神経支配」 金沢大学 易 勤 胆と膵 Vol 32 2011 胃全摘の場合は、前・後肝神経叢に含まれる迷走神経が両方とも損傷され、 高い胆石発生率をもたらす 胆石症を合併しやすい病態 • 肝硬変 胆汁産生の低下、胆嚢内胆汁の鬱滞、脾機能亢進 肝硬変症例の15~30%に胆石の合併 黒色石が多い(CTで石灰化陽性例ではほとんどが黒色石) • 糖尿病 糖尿病神経障害による胆嚢収縮能異常、胆汁内のコレステロール飽和 糖尿病の13~20%に胆石の合併 急性胆嚢炎を合併すると重症化することが多い • 胃切除後 迷走神経離断術による胆道系の運動機能の異常による胆汁鬱滞が一因 と考えられているが、詳細は不明 10~20%に胆石の合併(そのうち30%が黒色石) • 溶血性貧血 脾機能亢進により黒色石が形成される 50%前後の頻度 糖尿病と胆石 糖尿病の合弁症で自律神経障害が起きると、胆嚢の収縮機能が低下して、 胆汁の流れが滞る これらの要因が重なって起きるので、糖尿病の人は胆石症になりやすい コレステロール過剰分泌 溶血性貧血 溶血性貧血 赤血球の膜が破壊されやすい病気で、 MCH、MCVともに通常正常だが、赤血球形態異常がみられる 溶血性貧血の診断基準(厚労省研究班:平成16年) 1. 臨床所見として、通常貧血と黄疸を認め、しばしば脾腫を触知する。 ヘモグロビン尿や胆石を伴うことがある。 2. 以下の検査所見がみられる。 1) 2) 3) 4) 5) 6) ヘモグロビン濃度低下 網赤血球増加 血清間接ビリルビン上昇 尿中・便中ウロビリン体増加 血清ハプトグロビン値低下 骨髄赤芽球増加 溶血性貧血の診断基準(厚労省研究班:平成16年) 3. 貧血と黄疸を伴うが、溶血を主因としない他の疾患(巨赤芽球性貧血、 骨髄異形成症候群、赤白血病、congenital dyserythropoietic anemia、 肝胆道疾患、体質性黄疸など)を除外する。 4. 1および2により溶血性貧血を疑い、3により他疾患を除外し、診断の確実性 を増す。 しかし、溶血性貧血の診断だけでは不十分であり、特異性の高い検査により 病型を確定する。 ■ 貧血の分類 貧血は平均赤血球容積(MCV)により次の3つのタイプに分類される 小球性貧血:MCVが80未満のもの 正球性貧血:MCVが80~100(正常)のもの 大球性貧血:MCVが100より大きいもの ※MCVはヘマトクリットを赤血球数で割ったもので、赤血球1個あたりの大きさをあらわす指標です。 例えば、赤血球450万、ヘマトクリット30%でしたら、MCVは66.6となり小球性の貧血と言うことになります。 MCVによる貧血の分類 1)小球性貧血(MCV<80) 1.鉄欠乏性貧血:慢性の出血によることが多い。血性鉄↓、フェリチン↓ 2.サラセミア:グロビン合成能の先天的な低下による 3.鉄芽球性貧血:ヘム合成の異常で、鉄芽球の増加が特徴的 4.慢性疾患に伴う貧血:慢性感染症・慢性炎症性疾患・悪性腫瘍に伴う貧血など 2)正球性貧血(80<MCV<100) 1.急性出血による貧血:消化管出血など 2.溶血性貧血 a)赤血球自身に原因: 先天性→遺伝性球状赤血球症(HS) 後天性→発作性夜間血色素尿症(PNH) b)赤血球以外に原因: 抗体によるもの→自己免疫性溶血性貧血 抗体以外→機械的障害による溶血性貧血 3.再生不良性貧血 4.骨髄癆性貧血:癌の骨髄転移・白血病・骨髄繊維症など 5.続発性貧血:腎疾患・内分泌疾患・肝疾患・慢性感染症・悪性腫瘍 3)大球性貧血(MCV>100) 1.巨赤芽球性貧血 a)ビタミンB12欠乏:悪性貧血・胃摘出後 b)葉酸欠乏性:吸収障害・菜食主義者・薬剤 c)赤白血病 2.その他の大球性貧血:肝疾患・再生不良性貧血・溶血性貧血の一部 原因は先天性と後天性に分けられる 先天性 鎌状赤血球症 : 血色素異常によって溶血する 遺伝性球状赤血球症 : 膜蛋白の異常によって溶血する サラセミア : 血色素異常によって溶血する グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症 後天性 自己免疫性溶血性貧血 : 自己抗体によって溶血する 発作性夜間血色素尿症 : 造血幹細胞の異状によって溶血する バンチ症候群 : 脾機能の亢進によって溶血する 脾腫と胆石(黒色石) 2008年 結石(ー) 51歳 男性 脾腫 2009年 2011年 2010年 2012年 2012年 55歳 55才 男性 赤血球低下症 色素系結石 2012年 2011年 2010年 2009年 基準値 赤血球 419 425 413 431 430~570(男性) ヘモグロビン 14.0 14.1 13.2 14.4 13.5~17.5(男性) ヘマトクリット 43.6 42.8 41.9 44.4 39.7~52.4(男性) 総ビリルビン 0.9 1.2 1.1 1.4 0.2~1.2 人工心臓弁+僧帽弁狭窄症と胆石 人工心臓弁+僧帽弁狭窄症と胆石 溶血性貧血とは、血液中の赤血球が破壊されることから引き起こされる貧血のことをいいます その原因としては弁置換術を受けられた方の場合 (1)人工弁(特に機械弁)の開閉 (2)弁付近に生じる血液の逆流 (3)人工弁と自己弁の弁輪との間に生じる隙間 が考えられます この中で最も頻度が高いのは、(3)です。 ホースで水をまくとき、先端をぎゅっと押さえると水の勢いが強くなりますが、これと同じ原理で 心臓の中で血液が狭い隙間を勢いよく通ることにより、赤血球の破壊が起こります。 人工弁機能不全の可能性 また、ときどき逆流の出方によっては赤血球が壊される溶血症状が出ることがあります。 この場合は血尿や貧血が見られます 胆石をポリープと判断してしまった 症例1 2005年 2006年 2007年 症例2 2008年 2009年 2010年 症例3 最初はポリープと認識 検査途中で移動しているが分かる 疑わしい場合は最後にもう一度 観察することで判断つくことがある 症例4 2007年 ポリープと判断 2008年 症例4 最初はポリープと認識 2009年 ポリープと判断 2008年 途中で移動しているが分かる 症例5 2010年 ポリープと判断 2011年 前年と変化していることより胆石と判断できる 以前の画像は必ず 確認しておく 症例6 2008年 2009年 2008年・2009年はポリープと判断 症例6 2010年 音響陰影を認め結石と判断できる 症例6 2008年 ポリープと判断 よく見ると音響陰影あり 対象物だけではなく全体にも目を配らせる 症例6 2010年 胆石とポリープとの判断にも 必ず 体位変換を 症例7 2009年 ポリープと判断 2010年 前年と形態が変化している 症例7 前回も疑わしいので体位変換(四つん這い)にしていれば判断可能と思われる 体位変換は超音波検査には必需 胆石とポリープと判断が困難例 症例1 2010年 わずかに音響陰影あり 体位変換で確認 症例1 1年後では音響陰影もはっきりせず容易ではない 2010年 2011年 症例2 ポリープとの判断困難な小結石 疑ったらとにかく体位変換 症例3 粘張度の高い結石はすぐには移動しない 坐位にて1個のみ移動 もう一度臥位 坐位にした後にもう一度 臥位で見ると判断出来る場合がある 最初と比較すると少し移動 症例4 肥満体の胆嚢頸部に高エコー 前回とはやや変化あり 胆石とポリープの鑑別が必要 粘稠度高い結石の可能性ありと考え 床でジュンプしてもらい、やっと少し動いたことが確認できた 症例4 2012年1月13日 ポリープと判断していた 症例4 2012年1月13日 2012年11月2日 これも判断困難 症例4 2012年11月2日 床でジュンプ後 やや移動したことが確認できた 床でジュンプ継りで 肥満体 頸部に胆泥 床でジャンプ後 胆砂が移動 2009年胆泥(+) 2010年胆泥(+) 2012年 胆泥(ー) 72M 2011年 胆泥(ー) 胆嚢ポリープと胆石の鑑別 体位変換 症例1 検査最初と最後で画像の大きな変化なし 胆嚢ポリープと胆砂の鑑別のため「四つん這い」にして 鑑別がつく 症例1 stone? polyp? 体位変換 (臥位 → 四つん這い) hand-knee supine polyp 症例2 腺筋症 底部に結石? 壁肥厚? この 体位変換では判断困難 四つん這いで判断できた 症例3 音響陰影が明瞭でない結石 体位変換で移動確認 体位変換後で僅かに音響陰 影を認める 音圧や入射方向で音響陰影が 出現したり、しなかったりする 混合石・混成石の後方は何があっても分からない 体位変換後に小ポリープが出現 ポリープで良かった、もし腫瘤だったら……… 混合石・混成石の後方は何があっても分からない 必ず 体位変換を 音響陰影に、もし腫瘤が存在していたら どうします、この次のドックは1年後ですよ shell sign 胆石が胆嚢内に充満し、内腔が描出されない場合に、 強い音響陰影を伴った貝殻(shell)に似た弧状の ストロングエコーが胆嚢窩に一致して描出される 〔充満型胆嚢結石、磁器様胆嚢、気腫性胆嚢炎〕 shell sign この様にstrong echoの直下から明瞭な音響陰影をclean shadowと呼ぶ それに対して消化管ガスの後方の音響陰影をdirty shadowという shell sign 2009年 2011年 69歳 女性 59歳 女性 追加分 腹痛は3種類 その発生メカニズムから内臓痛、体性痛、関連痛の三つ 内臓痛 胃や小腸、大腸、胆嚢など管状の臓器の急激な収縮、つまり痙攣により生じる 痛みで、おなかの痛みの代表的なものです。 漠然とした上腹部痛や右上腹部痛、下腹部痛といった場合が多く、痛みの性状 としては周期的に強まったり、やわらいだりするのが特徴です。 痛みが強い場合には、吐き気や嘔吐をともないます。 いわゆる「さしこみ」と呼ばれる痛みがこれにあたります 体性痛 内臓をとりまく腹膜や腸間膜(腸と腸との間にある膜)などに、炎症や刺激が 加わり生じるもので、内臓痛よりも痛みの部位がはっきりとしています。 一般に刺すような鋭い痛みで持続的です。 通常、その部位を圧迫すると強い痛みがみられます。 関連痛 痛みの原因となった臓器とはまったく異なる場所に感じる痛み。 これは神経支配によって生じるもので、たとえば胆嚢の痛みが右肩に、心臓の 痛みが左肩に感じられる場合 胆石症の痛み 胆嚢の中にできる胆石はそれだけではなんの症状もありません。 いわゆる「無症状胆石」の状態です。 しかし胆石が胆嚢の出口である細い胆嚢管につまると急に強い痛みが生じます。 これが胆石発作と呼ばれるものです。 この痛みは、胆嚢が過緊張あるいは痙攣しておこる内臓痛で、上腹部や右上腹部に 差し込むような間欠的な痛みが特徴です。 この状態が長く続いたり、細菌感染が加わると胆嚢炎がおこってきます。 このような状態になると胆嚢の炎症が周囲の腹膜を刺激し、体性痛が生じ、右上腹部 に限局した強い持続痛がみられます 同時に右上腹部にはっきりとした圧痛も認められるようになります。 このほか、胆石発作や胆嚢炎では右上腹部の痛みとともに右肩に痛みを感じることが よくあります。 これは関連痛によるものです