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板ガラスの安全、防犯、防弾基準 - 旭硝子の Glass Plaza
4-4 板ガラスの安全、防犯、防弾基準 1板ガラスの安全基準 表 1 JISによる耐衝撃性能基準 ●人体衝突に対する安全設計法 JIS R 3206 強化ガラス (安全設計指針) 「ガラスを用いた開口部の安全設計指針」 (建設 省住宅局建築指導課長名、昭和61年5月31日付 通達、平成3年4月4日付改訂版の通達) が、人体 衝突が起こりやすいガラス開口部を対象とした 試験方法 安全なガラスの選定方法の指針として定められ ています。 詳細は「4-5 板ガラス開口部の安全設計」を参 強度・安全 4-4 照ください。 なお本指針は平成23年2月に、 「安全・安心ガラ ス設計施工指針」の中のひとつの項目としてと りまとめられました。 JIS R 3205 合わせガラス に示す装置を用い、加撃体(45kg鉛粒入ショットバッグ) を種類に応じた落下高さから 振子式に落下させて中心点付近を加撃し、ガラスを破壊する。 (Ⅰ類:破砕試験のみ) (Ⅰ類:落球試験による衝撃はく離のみ) Ⅲ類:破砕試験に加えて、落下高さは落下 以下では落球衝撃はく離試験に加えて、落 高さ30、75、120cmの3ステップの 下高さは ショットバッグ試験を行います。 Ⅱ−1類:落下高さ 120cm Ⅱ−2類:落下高さ 75cm Ⅲ類 :落下高さ 30〜230cmの間の 10ステップ (ガラス厚計16ミリ以下に適用) のショット バッグ試験を行います。 (1)ガラスが破壊した場合、供試体4枚に (1)ガラスが破壊した場合、供試体4枚に 対して、破壊より5分以内に最も大きい 対して、破壊部分に直径75mmの球が 10個の破片を選び、その質量の合計が 自由に通過する開口を生じてはならな 供試体65cm2に相当する質量以下であ い。 ること。 (ただし、Ⅲ類にあっては、構成するガ (2)落 下高さ120cmでガラスが破壊しな ラス2枚とも破壊した場合の直径で判 いこと。 定する) (2)ガラスが破壊しないこと。 図1 判定方法 ●人体等による加撃破壊試験 (ショットバッグ試験) 建 築 用ガラスの人 体 衝 撃 に対する安 全 基 準 は、強化ガラス、合わせガラスのJIS( 各々JIS R ●防犯性能基準 ショットバッグ試験が定められています。この基 近年、ガラス破りによる住宅への侵入犯罪が急 準では、人体衝撃に対するガラスの安全性は、 増しました。このような背景から、侵入犯罪を ガラスが割れないことよりも、万一割れた場合 防止するため、ドア、窓、シャッター等の建物 に、人体に対して安全な割れ方をすることが、よ 部品の防犯性能を高めて、これらを普及させて り重要であることを示しています。 表 1 図 1 いくことを目的して「防犯性能の高い建物部品 単位 mm の開発・普及に関する官民合同会議(以下、官 民合同会議)」が2002年に設置されました。官 建物などへの侵入を目的とした故意の攻撃に対 に関する細則を作成し、2004年には一定の防 して、ガラスの破損はさけられません。したがっ 犯性能があると認定されたものについて「防犯 て、ガラスが破損しても手を入れてクレセントな 性能の高い建物部品目録」を公表しています。 表2 可能な開口が生じない耐貫通性の高いガラスが 一方、板硝子協会では (財)都市防犯研究セン 必要となります。 ター協力のもと実験等を行って、犯罪手口に即 板ガラスの貫通性能は、強靭な中間膜を持つ した防犯ガラスの評価基準を「ガラスの防犯性 合わせガラスが最も優れており、その中でも 能に関する板硝子協会基準」として2002年に公 防 犯 性 能をもつガラスの例としては、ガラス 表しています。 の 総 厚 が6ミリ以 上で 中 間 膜 の 厚さが30mil 官民合同会議の基準は、ガラスやサッシ、ドア、 (0.76mm)以上の合わせガラス、またはそのよ 錠前などの建物部品で、防犯性能が高い部品を うな合わせガラスを用いた複層ガラスなどがあ 商品ごとに認定する制度です。 ります。防犯用途にはこれらのガラスを使用し これに対し、板硝子協会の基準はガラスそのも なければなりません。 のに適用されるもので、使用者が性能に応じて 中間膜厚が15mil(0.38mm)の合わせガラス、 選択できるように、防犯性能に応じてガラス商 網入板ガラス、強化ガラスは侵入を目的とした 品をグレード分けしています。 攻撃に対しては防犯用途としての耐貫通性が十 官民合同会議の基準を満足しているすべての防 分ではありませんのでご注意ください。 犯ガラスが板硝子協会の基準も満足していま す。代表的な合わせガラスに関して官民合同会 議の基準と板硝子協会基準、ISO 16936-1の適 合をまとめると 表 3 となります。 4-4-1 固定壁 最小914 り線 どを開錠できるような開口や、人間の出入りが 供試体寸法-19 3 民合同会議では建物部品別に防犯性能の試験 径約 ●防犯性能の考え方 木製締め枠 鋼よ 2板ガラスの防犯基準 試験枠 供試体寸法-19 3206、JIS R 3205)のなかに規 定され、45kg 補強フレーム どちらかの 方法で支える 落下高さ 供試体の中央線 バッグを自由につり下げた とき最大13 木製締め枠 ボルトで 床に固定 図1 試験枠 最小914 最小1524 ショットバッグ試験のフレーム・加撃体