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日本企業部門ニュースレター
日本企業部門ニュースレター 本ニュース掲載情報は一般参考情報であり、 各情報につき総合的な分析はされておりませ ん。個別事情につき何らかの判断をする場合 は、専門家にご相談ください。本ニュース掲 載情報に基づいた行為(不作為)につき、PwC は何ら責任を負いません。 チェコ 連絡先: 山崎 俊幸 シニアマネージャー Tel: 420-251-152-343 [email protected] 発行人: 森山 進 地域統括パートナー Tel: 48-22-523-4971 [email protected] PwC オフィス PwC チェコ www.pwc.com/cz/en/ PwC ベルギー・中東欧 www.pwc.com/jp/ja/japandesk/belgium 2015年10月 給与関連データ(チェコ 2015)のご紹介 PwCチェコ – 給与サーベイ であったことを鑑みると、実際の賃上げ圧力は想 弊社では毎年、給与水準や従業員の福利厚生プ 定以上であり、着実に賃金水準が上昇していると 考えられます。特に、金融、製薬、情報通信分野 ログラムの最新動向を調査しております (“PayWell Survey”、2015年度は 137の企業の皆様 での上昇傾向が顕著です。 にご協力いただきました)。皆様も、自社の給与 賃金、福利厚生等、包括的な報酬パッケージが魅 給与・賃金上昇率 力的で競争力を有するものか否かの分析を実施さ 2013 れているかと思いますが、そのご参考とさせてい 2.4% 平均値 ただくべく、主たる調査結果をご紹介させていた 2.2% 中央値 だきます。 2014 2.3% 2.0% (意思決定に利用されるデータは、多くの場合、メジ 昇給率の産業別・年度別内訳 アン値(中央値)であり、続いてミーン値(平均値) となっています) 業種 自動車 給与・賃金上昇率 製薬 約8割の会社は定期的に給与水準を検証しており、 金融機関 41%は1月に、36%は4月に見直し作業を行ってい ます。年に数回見直す会社もあります。右記の表 情報通信・ハイテク は、従業員の全職位を包括して、2013年から2016 卸・小売業 年までの給与賃金の上昇傾向を表したものです。 製造業 今回調査(2015)の昇給率は、平均 2.8%でした。 日用消費財 昨年調査時では、2015年計画の昇給予想率が 2.5% エネルギー業界 2014 2.2% 2.8% 2.9% 2.9% 1.6% 2.4% 2.2% 0.9% 2015 2.8% 2.5% 2015 2.6% 2.6% 3.5% 4.1% 2.3% 2.6% 3.8% 1.8% 2016計画 2.8% 3.0% 2016計画 2.5% 3.0% 4.2% 3.0% 2.6% 2.7% - 日本企業部門ニュースレター 2ページ 2015年10月 給与関連データ(チェコ 2015)のご紹介 業績連動型報酬の管理 大半の企業は、業績連動型の報酬体系(業績給)をすべての職階の従業員に導入しています。特にトップマネジメントの報酬に導 入している組織は 94%にも上ります。以下の表は、「年間の基本給与に占める目標業績給の割合(基本給を100とする)」を職階ご とに示したものです(「業績給の目標額」とは、目標・条件を達成した場合に、その従業員が得ることのできる報酬達成目標額をいう)。ワーカークラ スであっても、何らかの業績連動給が一定割合で設定されています。 平均値 中央値 Top Management 29% 25% Middle Management 21% 18% Professionals Admin. Staff Workers 17% 15% 14% 12% 17% 13% 枢要な人材 本調査にご参加頂いた企業の57%は、主要な従業員グループを定義づけしています。このうち約7割の会社では、主要な従業員に 対する特別な「引き留め対応策」を有しています。とくにここ最近、労働市場が逼迫しており、よりよい労働条件を求めての離職が 増えています。ある日突然、能力の高いキーパーソンを喪失しないためにも、事前に対応を講じておくことが肝要です。 退職手当 退職一時金を支払う必要がある場合、大半の会社は法定の最低支給額に留めています。ただ、トップマネジメントに対しては、法 定最低限度額以上の退職金を支払うケースが多いようです。法定支給額以上の退職手当を支払う場合でも、従業員の職階に応じて対 応が異なります: • トップマネジメントへは • 中間管理職 • その他の従業員 43% の会社が追加支給(以下同様) 29% 25% また、19%の会社では、特定の従業員(マネージャーなどの主要ポジション、スペシャリストなど)との契約書に「競業避止義務 条項」を盛り込んでいます。設定期間は、12ヶ月が平均です。 日本企業部門ニュースレター 3ページ 2015年10月 給与関連データ(チェコ 2015)のご紹介 従業員ベネフィット 2015年度調査の結果、「総報酬額に占める従業員ベネフィッ 労働対価、報酬の一要素として、従業員の福利厚生制度があり ト関連費用の割合」は 4%でした(メジアン値)。 ます。これは通常の場合、直接のパフォーマンスとは連動せず、 また、「従業員一人当たりに費やされたベネフィット関連コス 雇用の安定という機能を有しています(従業員の保持目的)。 ト」は、年間 22 616コルナです(メジアン値、税務上の影響額 雇用者が、福利厚生の形態や内容を決定する際には市場データ を除く)。 を参照することが必須です。単に競合他社が提供しているからで はなく、どのような形態が一般的で、自社水準は他社と比較して、 30%の会社では、福利厚生のカフェテリア制が採用されていま どう位置づけられるのか、市場(地域、業界)における妥当な水 す。 準を認識しておくことが求められます。 従業員の立場からは「公平性」が重要な要素となり、敏感に反 年金プランは、73%の会社が設定しており、依然として最もよ 応する傾向にあります。 く提供される類の福利厚生の一つです。46%の会社は、生命保険 プログラムも有しています。 従業員向け福利厚生のトップ 10 (2015) ただ、年金や生命保険のプログラムは、会社側からはよく提供 されるプログラムですが、実際のところ、平均 69%の従業員が 採用している会社の割合: 年金プランのベネフィットを利用し、生命保険の場合は 45%程 1 携帯電話の貸与(少なくとも一部社員へ) 99% 度の利用に留まっています。 2 社用車制度(少なくとも一部社員へ) 87% 社用車は 87%の会社で、少なくとも一部の従業員向け(シニ 3 5 週間の有給休暇 76% アマネジメントクラス)に提供されています。業務目的というよ 4 食事券 73% りも、ステータスシンボルとしての性格が濃くなっています。 5 年金制度 73% 社用車自体を提供する代わりに、車購入のための財務的支援を 6 職場のリフレッシュメント 71% 行う会社の割合は、12%となっています。 7 記念品の贈呈 67% 食事券を利用する会社は 73%に上り、「1日あたりの平均食事 8 交流イベント 47% 券額」は 80コルナでした。雇用者側が、平均 48コルナを支給し 9 在宅療養(医者の診断書なし) 47% ています。 10 クリスマスプレゼント 47% 日本企業部門ニュースレター 4ページ 2015年10月 給与関連データ(チェコ 2015)のご紹介 いずれのベネフィットを提供する場合であっても、その効果を 当案件に関する詳細情報、その他ご関心事項などがございまし 確実に期するためには、個々のプログラムが確かに従業員の期待 たら、お気軽に山崎までご連絡ください。 を反映したものとなっているかを継続的にモニターすることが重 要です。チェコの労働者にとって福利厚生制度の内容は、勤務先 を決定する際の重要な検討要素といわれています。 山崎 俊幸 Senior Manager 労働の態様 Tel.: + 420 251 152 343 Email: [email protected] 何らかの形態で、フレキシブルな労働条件を提供している会社 は 8割にも上りました(例、4週間を一つのタームとしたフレッ クス制)。 57%の会社では、在宅勤務制度を採用しています(これらの会 社の大半は、在宅勤務が許容される日数の制限を設けていません でした)。在宅勤務が許容される職階として、専門職人材向けに 提供する会社が 47%、続いてトップマネジメント向けに 44%、 そして中間管理職でも制度利用が可能な会社は 40% でした。 おわりに これらのデータは、チェコ全体を俯瞰した平均値を示したもの に過ぎませんが、チェコで事業活動を展開される際のご参考とし ていただければと思います。ご興味がございましたら、各社個別 の指標データを用いて、産業別ベンチマーク分析を実施させてい ただくことも可能です(有料)。指標比較分析から得られる発見 事項を通して、経営管理改善の一助となれば幸いに思います。 www.pwc.com/cz/en Andrea Linhartová Palánová Manager / HRM Consulting Tel.: +420 251 152 568 Email: [email protected] Martin Valenta Consultant / HRM Consulting Tel.: +420 251 152 514 Email: [email protected] © 2015 PricewaterhouseCoopers Česká republika, s.r.o. All rights reserved. In this document, “PwC” refers to PricewaterhouseCoopers Česká republika, s.r.o., which is a member firm of PricewaterhouseCoopers International Limited, each member firm of which is a separate legal entity.