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Evaluation of Nonenzymatic Posttranslational
Evaluation of Nonenzymatic Posttranslational Modification–Derived Products as Biomarkers of Molecular Aging of Proteins Stéphane Jaisson1 and Philippe Gillery1,* 1 Laboratory of Paediatric Biology and Research, American Memorial Hospital, University Hospital of Reims and Laboratory of Biochemistry and Molecular Biology, UMR CNRS/URCA no. 6237, Faculty of Medicine, Reims, France. * Address correspondence to this author at: Laboratoire de Biologie et de Recherche Pédiatriques, American Memorial Hospital, CHU de Reims, 47 Rue Cognacq-Jay, F-51092 Reims Cedex, France. Fax 33-3-26-78-38-82; e-mail [email protected]. Clinical Chemistry 2010; 56: 1401-1412 老化の分子バイオマーカーとしての、非酵素反応により生成する翻訳後修飾タンパク質の評価 背景:生物が生きてゆく過程で、タンパク質は常に累積的に、分子の老化の原因である不可逆 な、非酵素的な翻訳後修飾にさらされている。 これらのダメージを受けたタンパク質が、糖尿 病、腎不全、アテローム性動脈硬化症あるいは神経変性病のような,代謝・老化に関連する疾 病で知られている多くの機能異常分子の、基本構造になっていることはよく確証されている。 従って、これらの反応に由来した特定の最終生成物は、これらの疾病の潜在的に有用なバイオ マーカーと考えられる。 内容:この調査の目標は、非酵素的な翻訳後修飾を受けたタンパク質の概要、ならびにそれら の生体内での影響を示し、翻訳後修飾を受けた物質の測定法として、利用可能な分析手法の一 覧を示し、タンパク質分子の老化のマーカーとして、それらの臨床使用のための新技術の潜在 的な可能性を評価することである。 要約:臨床的に適切であるにもかかわらず、タンパク質の翻訳後修飾のバイオマーカーは、そ れらの複雑な分析手法のために、従来、臨床研究という枠内の中でのみで研究されてきた。 よ り高い特異性および感度を提供する質量分析という手法にもとずいた、臨床化学専門ラボでの 最近の応用は、これらの物質の測定を前進させた。しかしながら、これらのマーカーは、現在 1 日常検査法として、臨床医によって使用されていない。また、代謝・老化に伴う疾病の長期の 合併症の検知、およびモニタリングの効率的なツールとして、これらのマーカーを使用する前 に、標準化のような多くの挑戦に直面しなければならない。 過去 40 年間の主な医学の進歩として、ヒトゲノムの知識が増大し、その分子生物学的手段の使 用が、ヒト疾病の病因についての新しい概念をたらした。しかしながら、老化と疾病の病態の 関係には、遺伝的素因以外のメカニズムも存在している。これには生体内タンパク質の構造 的・生物学的な特性を変えてしまう、非酵素反応による翻訳後修飾が関与している。この用語 は、タンパク質の生合成プロセスの後に生じる、広範囲な化学反応を指し、蛋白質分子の老化 の証と考えられていると。それらは酸化、ラセミ化、異性化、deamidation、ニトロ化、カルボ ニル化、carbamylation および糖化(あるいは glycoxidation)を含んでいる(1)。すべての蛋白質の 寿命に影響するこれらの累積的・不可逆的修飾は、小さな代謝物質がタンパク質のフリーの反 応基と結合し、それに伴って分子を再構成するという特徴を持っている。この現象が老化に伴 って次第に増加し、糖尿病、慢性腎不全あるいはアテローム性動脈硬化症のような、様々な疾 病において増幅される。 ダメージを受けたタンパク質は、代謝、老化に関連する疾病に見られる、多くの機能異常分子 の基礎を構成する。従って非酵素反応による翻訳後の修飾に由来する産物 (PTMDP)[2]は、 これらの疾病の有用なバイオマーカーと考えられている(2),( 3)。しかしながら、有望な可能性 があるにもかかわらず、糖尿病の治療ならびに管理のゴールド・スタンダードと考えられてい る糖化蛋白 hemoglobin(Hb A1c)以外は、日常検査としては使用されていない。臨床検査室におけ る質量分析、またはプロテオミクスのような新技術の採用は、それらの今後の使用展開にあた って決定的なステップを提供してきたが、測定法の標準化の不足という大きな問題点を解決し なければならない。 この調査の目的は、(a) 分子の老化に関与する、非酵素反応により翻訳後修飾されたタンパク質 について概説すること、(b) PTMDP の測定法として可能な、既存の技術を網羅的に評価する こと、(c) タンパク質分子の老化の生物学的マーカーとして、新しい PTMDP 測定法の臨床使用 の可能性を評価することである。 2 人体が生存してゆくためには、新しく生合成された蛋白と、退化変性した蛋白の分解のバラン スを確保するという、タンパク質機能の最適な割合を維持する必要がある。ホメオスタシスに もとずく保護メカニズムによって、ほとんどの細胞はそれら変性蛋白の蓄積を防ぐために、常 に監視ならびに急速分解を行っている。いくつかの疾病では、このホメオスタシスの機能が作 動せず、特定の合併症の発症に関与する非酵素反応による「老化分子」タンパク質が蓄積する ことを、特徴としている (図 1)。 図 1 タンパク質分子の老化。MPO、ミエロペルオキシダーゼ;ROS、活性酸素種 3 最も一般的な反応は、グルコースあるいは他の還元糖の、タンパク質への結合を示すグリケー ション(糖化)である。タンパク質のアミノ基と、糖のカルボニル基の最初の反応は、 Amadori 反応と呼ばれ、安定したケトアミン分子を再構築し、シッフ塩基を生成する。Amadori 反応生成物は、さらに酸化に関連した不可逆反応(glycoxidation)によって、さらに処理される。 それらは脱水、環状化、切断および酸化を含んでいて、糖化最終生成物(AGE)と呼ばれる、幅 広い異種の混合化合物を生成する(4)。いくつかの AGE は、pentosidine または -(カルボキシメ チル)リジン(CML)の特徴を有しているが、糖化が単純な還元糖だけでなく、グリセルアルデヒ ド-3-リン酸あるいは果糖-6-リン酸塩のような、様々な糖の代謝物質でも生じるので、他の多く のものはこれには分類されない(5)。Amadori 反応を含む生成過程においていくつかの AGE は、 タンパク質のアルギニン残基と、優先的に glyoxal、methyglyoxal および 3-deoxyglucosone(3DG) を含む活性化カルボニル化合物(RCC)と直接反応して生成され、副産物として hydroimidazolones を生成する(6)。 酸化は AGE の生成だけでなく、活性酸素種(例えばペプチド結合の切断、ニトロ化、chloration) によって蛋白質が直接修飾される場合、タンパク質の老化にも関係する(1),( 7)。用語「AOPP」 は、最初特定の基準となる構造の定義のない、共通の分光特性を持つタンパク質グループの酸 化という意味で用いられた。主な AOPP は、メチオニン・スルホキシド(メチオニン酸化によっ て生成)および 3−ニトロチロシン(チロシン・ニトロ化によって生成)である(8)。 酸化ストレスによって生成された RCC は、強力な糖化反応として働くだけでなく、カルボニル 化反応を促進して、lipoxidation 最終生成物(ALE)の 生成に関与している。なぜなら、 malondialdehyde(MDA)や 4-hydroxynonenal(4-HNE)のようなほとんどのカルボニル化合物は、脂 質過酸化反応に由来しているからである (9–11)。 最終生成物を分類するために使用される用語は、3 つ反応過程 (糖化、酸化およびカルボニル 化)がしばしば絡み合うので、時々用語の使われ方が不適当であることに注意すべきである。 他のタンパク質の非酵素反応による翻訳後修飾として、アミノ基のイソシアン酸の結合による carbamylation がある。特に - lysine 残基の NH2 グループと反応して、最も特有の carbamylation 生成物(CDP)である homocitrulline が生成される。イソシアン酸は尿素からの自発的に遊離する 4 か(12)、あるいは酸素過酸化物の存在下での、ミエロペルオキシダーゼによるチオシアン酸塩 の転換によって生成される(13)。 さらに他の反応により、Asn/Asp 残基の異性化、deamidation あるいはラセミ化が知られている。 これらの反応は、生理的であると考えられるが、同時にタンパク質構造の重要な変化を引き起 こし、著しい退化変性を引き起こすかもしれない(14)。 図 2 に主な PTMDP の構造を示した。それらは「chemome」を定義するために使用した(2)。 また、体液中のこれら生成物の濃度は、老化関連並びに代謝異常による長期合併症の進展と関 連している(1),( 4), (7), (9–24),(表 1)。生体内ではこれら生成物は、タンパク質あるいはペプチド と結合して見出されるか、フリーの形で見出される。なぜならダメージを受けたタンパク質は、 その分解が抑制されたり、酸化、carbamylated、糖化ペプチドまたはアミノ酸の、尿のへの排泄 が制限される(6)。 表1 老化と疾病におけるタンパク質の非酵素反応による翻訳後修飾の関与 5 6 図 2 PTMDP 特有の構造 について。(A)一般的な前駆物質として、Amadori 反応生成物を含む 糖化に由来する AGE。MOLD;methylglyoxal-derived リジン 2 量体、 GOLD methylglyoxal- derived リジン 2 量体。 (B) 主として RCC の直接結合に由来する Hydroimidazolones AGE。GH1;glyoxaly 由来 hydroimidazolone 、MG-H1; methylglyoxal-由来 hydroimidazolone、3DGH1;3-deoxyglucosone 由来 hydroimidazolone。 (C)AOPP。MetSO;メチオニン・スルホキシ ド、3-NT;3−ニトロチロシン。 (D)、ALE。HNE リジン、 4-hydroxynonenal-リジン(;)MDA リジン、malondialdehyde-リジン。(E)最も代表的な CDP タンパク質分子の老化は、非酵素的な翻訳後修飾に付随して発生し、様々な病態生理のメカニ ズムと以下のような関係がある: • 物理化学的または機械的変性を伴う組織において、その分解に抵抗性を示すか、凝集し た老化タンパク質の蓄積を促進する。アミロイド斑の沈着は、アルツハイマー病のよう な老化関連の疾病の特性である(17), 23)。 • 蛋白−蛋白あるいは細胞−蛋白の相互作用(例えばセル・マトリックス相互作用)の損傷 に関連した、老化タンパク質の生物学的機能の喪失 • (25–27)。 炎症反応を引き起こす新しい免疫原性のエピトープ、あるいは活性酸素種の生成促進 (28、 29). • 変性タンパク質と細胞受容体の、不適当な生物学的相互作用を引き起こす(13), 15)。 これらの様々な出来事のコンビネーションは、様々なレベルの生理学的作用の変化に結びつく。 例えば糖尿病では、glycoxidation は腎臓、網膜、あるいはアテローム斑を含む様々な器官およ び組織で蓄積する AGE を生成し、特定の生化学プロセスによる微小血管ならびに大血管の合 併症を促進させる(30)。 いくつかの研究から、特定の受容体を備えた AGE、特に RAGE(糖化最 終生成物の受容体)と、細胞内シグナリングの相互作用が、これらの疾病の進行に重要な役割を 果たす可能性が示唆された(15)。この受容体の役割は最近競って研究されたが、ほとんどの RAGE と AGE の反応の研究は、高濃度の糖化ならびに凝集蛋白による、in vitro の結果から得 られている (31), (32)。 RAGE は多くのリガンドと反応する受容体として知られている。そ の最も有望な生理学的リガンドは、AGE ではなく、炎症、神経変性病あるいは癌(例えば S100/calgranulins(アミロイド) - ペプチドおよび amphoterin)のような、他の病態で見出される 7 ペプチドである(15)。 しかしながら、その活性化が glyoxalaseIの発現をダウンレギュレートす るので、RAGE の役割は glycoxidation に密接に関係し、結果として glyoxalase I の基質(例えば、 glyoxal、また methylglyoxal)の濃度 を増加させる。 タンパク質分子中の限られた数の - リジン残基の NH2 と競争する、多くの反応が一般的には含 まれているので、タンパク質分子の老化の進行状況の、正確なメカニズムを解明するのは難し い(33)。 すべての反応がそれぞれの特性を引き次ぐので、これらの反応の相対的な優位性が非 常に重要である。また、推論として、各反応を個別に考察するのはあまり意味がない。それら の相互関係は、いくつかの病態に分けて例証される。例えば、動脈硬化はタンパク質の酸化、 糖化、カルボニル化、carbamylation 等の、多くの翻訳後修飾を含んでいる多元的な疾病である。 LDL の酸化が、アテローム性動脈硬化の開始のプロセスの、重要なステップであることはすで に確立されている。さらに最近の研究から、AOPPs の慢性的な蓄積と、アテローム性動脈硬化 症の関係 が証明されている(21)。糖化も AGE による内皮細胞活性化、RAGE 依存のシグナル経 路の活性化 (15)、glycoxidated リポ蛋白の認識を増大させたマクロファージ・スカベンジャー受 容体(35]、抗動脈硬化作用の特性を失った糖化 HDL(36)等の、様々なメカニズムがアテローム 性動脈硬化症の進行に寄与すると報告されている(34)。 他の化学反応によっても、アテロー ム性動脈硬化症の進行を促進することができる:LDL の carbamylation あるいはカルボニル化は、 それら変性 LDL のアポリポ蛋白質 B/E 受容体への取り込みを低下させてしまう(11), (13)。 多くの実験的および臨床研究から、タンパク質の非酵素反応による翻訳後修飾が、ヒトの病態 形成に関与することを立証する証拠が提供されたが、生体反応の複雑さおよび多様性が、適切 なバイオマーカーの選択を遅らせた。簡便な分析手法の開発の過程で、以下の 2 つの大問題に 遭遇した: 1.反応成物の構造ならびに生物学的半減期が、非常に変わりやすいこと:それらの内のいくつ かは、安定した蛍光性の生成物 (例えば AGE)で容易に検知できるが、他のものは反応性が高 く不安定(例えば RCC)。 2. ほとんどの非酵素の翻訳後修飾物は低濃度で存在し、これらのタンパク質分子の老化の検 出法としての、鋭敏で特異的な測定方法が不足していた。 8 従来、比色定量分析、蛍光測定、免疫学的方法およびガス及び液体クロマトグラフィーに連結 あるなしの質量分析法含む、多くの技術が記述された(表 2)。これらの方法は、AGE または homocitrulline のような最終生成物だけではなく、中間生成物 (例えば Amadori 反応生成物)、 活性化代謝物質(例えば RCC)、あるいは特定の変性タンパク質も検知することを可能にした。 AMADORI 反応生成物 糖化ヘモグロビンおよび fructosamines は、典型的な Amadori 反応生成物で、糖化の初期のステ ップの間に形成された、安定した生成物である。日常臨床での評価は、血糖のコントロール(6 −8 週間の反応の糖化ヘモグロビンと、2-3 週間 の反応の fructosamines)の後ろ向き表示の提供 により、糖尿病の臨床管理上の重要な手段を提供している。 Hb A1c は、ヘモグロビンの最も豊 富な糖が化学的に結合している亜分画で、グロビン 鎖の N-末端のバリン残基にグルコース が反応したものであり、糖尿病の診断のゴールド・スタンダードと考えられている。様々な測 定原理に基づいた多くの実施法が、特に Hb A1c あるいは糖化 hemoglobin の測定法として開発さ れてきたが、分析法の標準化が不十分であった(37)。Hb A1c は、特にイオン交換クロマトグラ フィー(ミニカラム、低圧の液体クロマトグラフィー、HPLC)あるいはイムノアッセイにより測 定されてきた(39)。しかし臨床の目的にあう、十分な感度あるいは特異性を出せなかった。 他 の方法として、ミニカラム、バッチ法あるいは HPLC を使用して、ボロン酸をもちいたクロマ トグラフィーによって、結合している糖の総量を測定するヘモグロビン、糖化ヘモグロビン測 定が提案された(40)。 残念ながらこれらの様々な異なった測定値に対して、国際標準化を進めるための基準分析法の 開発と、標準物質の定義が求められた。この目的のために、エレクトロスプレー・イオン化質 量分析により、ヘモグロビン鎖の上のグルコース量の正確な定量化が提案された(41)。 この検 討に基づいて、IFCC は Hb A1c を基準測定物質に認定し、hexapeptide ヘモグロビン 鎖 (endoGlu-C プロテイナーゼ消化によって得られた) の N-末端糖化量を、エレクトロスプレイ・ ELISA 法を開発するための免疫原としての AGE の特性は、例えば CML の代替解決策として、 使用された(50)。しかしながら、これらの手製の技術(サンプル前処理手続きを省略する等)は、 自己抗体による測定系の妨害および低い特異性のような、重大な分析的な問題を含んでいる。 さらに、標準化の不足により、ラボ間のデータ比較はできない。 9 表2 生体液中の PTMDP 測定のための分析手法 10 イオン質量分析検知につないだ HPLC、あるいは紫外線(UV)の検知器を備えたキャピラリー電 気泳動と HPLC の、2 ステップのアプローチでの Hb A1c 測定法を開発した(42)。 用いた 測 定原理にかかわらず、すべての Hb A1c は国際的に認定された IFCC の基準測定法で、トレース が可能でなければならない(43)。 fructosamines を測定するに当たり、1 つの技術だけがラボでのルーチン検査目的に使用された。 この比色定量の技術は、ketoamines (つまり fructosamines)が、アルカリ性溶液中でニトロブル ー・テトラゾリウム塩類を減少させる反応を利用している(44)。 しかしながら、タンパク質の 酸性加水分解中に fructosamines の分解によって生じる、furosine の HPLC による測定は、さら に価値のある情報を提供することができる(45)。 糖化最終産物 糖化ヘモグロビンおよび fructosamines の測定に比較して、AGE の測定は多くの方法が開発され ているが、いまだに研究用の生体サンプルの測定に限られている。 最初の測定法グループは、特定の波長(励起 370nm/放射 440nm)を用いて、いくつかの AGE が 蛍光を発生する能力を利用している(46)。同じ特性を使用して、非侵入の専用装置と皮膚自己 蛍光を比較することにより、皮膚のタンパク質中の AGE の蓄積を評価するために開発されて いる。いくつかの研究は、血漿 AGE 濃度と糖尿病、腎不全あるいはアテローム性動脈硬化症 に関連する合併症例で、自己蛍光スコアと相関することを実証した(47)。 そのような分析法は、行なうのが簡単で、サンプル前処理を要求しない。それらは、AGE の一 部だけが蛍光性であるので、AGE の総量を測定することを主張している。さらに、これらの方 法は、特に N-formylkynurenine(トリプトファン酸化の副産物)のような蛍光性の AOPP が共存す る状態では、干渉作用をもつ可能性があり、特異度や感度が低いというような、多くの分析的 な限界が知られている。これらの理由で、特定の AGE (例えば pentosidine と CML)の測定に焦 点をしぼった、より特殊な方法が好まれる。 pentosidine の定量には、一般的に非特異的な蛍光性成分の妨害を少なくするために、単一のク ロマトグラフィーのステップの後に、その蛍光特性の評価を行っている(48)。さらに CML の定 量は、同じアプローチを使用して、HPLC によって行うことができるが、事前に検知のために 11 CML を誘導体にする必要がある (49)。argpyrimidine を含む他の AGE は、HPLC に基づいた技 術によって、定量することができる(49)。 GC-MS 法は、尿中の CML の定量法として記述されている(51)。しかし CML を揮発性にするた めの、予備の誘導体合成のステップが要求される。 この長く多いステップのプロセスは、測定 法の正確性および確実性を変えてしまう。そのような理由で、LC-MS 法はより好まれている。 さらにタンデン質量分析(MS/MS)は、検知器の技術の感度を著しく増加させ、その結果 LCMS/MS の方法は、より高い特異性および感度を組み合わせを持つ、最適な方法であるように見 える。この方法は AGE を含む、CML、N- -(カルボキシエチル)リジン(CEL)、pentosidine、 hydroimidazolones、ビス(リシル)imidazolonium AGE およびモノリシル AGE (52) の定量検査のた めに、開発されている。 標準化が最も難しい理由は、特に便利な標準物質(AGE の純品、アイ ソトープ標識)の使用が、自由にできない事にある。さらに前処理の問題は、酸性加水分解中で 特定の AGE を安定化できたように、将来解決されるに違いない(53)。 高度な LIPOXIDATION 最終生成物 タンパク質のダメージに関連する、脂質過酸化反応の測定に用いられたほとんどの方法は、 ALE ではなく、MDA や 4-HNE のような活性化生成物を測定している。 特定の最終生成物を測 定するただ一つの試みとして、酸性加水分解および誘導体合成ステップの前に、測定対象物の 安定化を改善するため、NaBH4 によるサンプルの還元を行って後、GC/MS によって LDL のリ ジン残基への MDA および 4-HNE 結合量を測定している(54)。 高度な酸化タンパク生成物 AOPP は簡単、迅速であるが、非特異的な比色法といえるかもしれない。それは、ジチロシン のような他の酸化ストレス・マーカーの測定と、オーバーラップするように見える。 しかしな がらこの測定法は、タンパク質分子の老化の酸化状態の測定を、反映することにはならない (55)。 AOPP の構造多様性のスペクトル特性は、ジチロシン、カルボニル化合物および pentosidine のような、いくつかの発色団に由来する。GC-MS 法は、特に生体サンプル中のジチ ロシン、3-ニトロチロシン、クロロチロシンおよびメチオニン・スルホキシド (56), (57)のよう な、様々な AOPP の量を測定すると説明されている。 AGE の場合には、LC-MS/MS 法が、メ 12 チオニン・スルホキシド、ジチロシンおよび 3-ニトロチロシンを測定すると説明されている (52), (58)。 CARBAMYLATION 由来の生成物 - NH2 グループへの carbamylation は、すべてのタンパク質に共通する生成物を産生しないが、 その代り一般的に N 末端の違いにより異なる物質を生成する、 (12)。 しかしながら、いくつか の特定の生成物の測定には、特に適切である。例えば、carbamylated されたヘモグロビンは、 グロビン 鎖の酸性加水分解の後に得られた、バリン・ヒダントイン由来の N-末端のカルバ ミル・バリン残基として、HPLC/UV 測定法により測定される( 59)。Carbamylated されたヘ モグロビンは、慢性腎不全のマーカーと考えられている(60)。そしてそれは、腎疾患患者の Hb A1c 測定を妨害することが知られている(61)。 対照的に、リジン残基の側鎖の carbamylation は、homocitrulline (タンパク質一次構造に組み入 れられた特有のアミノ酸残基)を生成する。carbamylated タンパク質の比色定量法は、血漿の分 析法として記述されている(61)。しかし、この分析法は、homocitrulline 測定に特異性を示さな い。 最近、LC-MS/MS による血漿 homocitrulline の定量法 (13)が、タンパク質 carbamylation の 生成速度の判定に、より高い特異性および感度をもたらした。 反応中間体生成物 反応中間体の定量に関しては、わずかな研究しか報告されていない。AGE/ALE 前駆物質(例え ば RCC)を測定するために、チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)の測定法を含む、最も広範 囲な技術である 4-HNE および MDA の測定法が、非常に特異性が低いか、あるいは非特異法で あるにも関わらず、長年使用されてきた(63)。RCC の測定には、特に良いかもしれない。し かし、それらの化学反応性は、ジニトロフェニルヒドラジン誘導体として、安定化を必要とし て、試料調製の邪魔をするかもしれない(11)。RCC 誘導体は、さらにそれらと対応するヒドラ ゾンに変換され、GC-MS あるいは HPLC によって分離分析することができる(64),(65)。 血清 3DG(AGE 生成の重要な中間体)は、GC-MS (66)、あるいは 3DG 誘導体(2,3-ジアミノ-ベン ゼン誘導体)の単クローン抗体を使用した免疫測定法(67) によって、測定が可能かもしれない。 13 不安定であるが、carbamylation 反応の間に、リジン残基に反応する化合物であるイソシアン酸 は、便利な誘導体の作成および分離の後に、測定に使用できるかもれるかもしれない。分光測 光法(68)ならびに蛍光測定器(69)はともに使用できるが、蛍光測定法の方が血漿濃度測定には、 よりよい感度を提供する。 特異変性タンパク質 別のアプローチとして、翻訳後修飾によって変性した特定のタンパク質を分析する方法がある。 例えば、アルブミンの Amadori 反応生成物を測定する、直接免疫測定法が報告された(70)。同 様に、免疫測定法と組み合わせたアフィニティー・クロマトグラフィーによって、糖化アポリ ポ蛋白質[つまり apoAI および apo(a)]が、測定できるかもられるかもしれない(71),(72)。 酸化な らびに carbamylated LDL が、酵素免疫定量法によって測定できるかもしれない(73),(74)。 こ れらの様々な変性タンパク質は、糖尿病やアテローム性動脈硬化症の、興味深いバイオマーカ ーになるとおもわれる。しかしながら、これらの限定的なアプローチが、特定の最終生産物の 測定より適切であるという証拠はまだない。 実験室医学の中で、老化タンパク質として測定するための PTMDP の効果的な用途は、最も適 切なマーカーおよび最も適切な分析手法の正確な定義、ならびにその結果の説明の標準的ガイ ドラインの確率を必要とするであろう。 最初の関心としては、何を最も適切なバイオマーカーとして選択するかである。最良の候補は、 高い反応性と不安定という 落とし穴 をもつ反応中間体というより、むしろ最終産生物である。 それは構造上定義された生成物 (例えば pentosidine、CML あるいは homocitrulline)で、 公表さ れた臨床研究で既に使用されているものを推称することであり、かつタンパク質老化に関与す る、すべての反応マーカーの組み合わせを代表する事になる。どのマーカーを使用するべきか の次に、測定する PTMDP の内容(総量、タンパク質との結合量、ペプチドとの結合量、ある いは遊離型)を定義することが必要である。 これらの物質のうち、加工食品中の熱に由来した AGE のような、いくつかが外因性かもしれないことも考慮に入れられるべきである(33)。 さら に、サンプリング条件と同様に、使用する生体試料(つまり血漿または尿)の分析前の状態を、 考慮しなければならない。例えば、いくつかの研究により、糖化アミノ酸の尿中排泄の割合が、 空腹時と食後では異なることが見いだされている(75)。 14 更に、タンパク質の修復のメカニズムに関与する酵素 (例えば 糖化タンパク質の fructosamines の除去を触媒する glyoxalases あるいは fructosamine-3-キナーゼ)のような、新しいマーカーを考 慮することができるかもしれない(76)。 遺伝子もマーカーになるかもしれない。例えば、いく つかの glyoxalase I および RAGE の遺伝子多形は、様々な病態(例えば糖尿病の合併症、血管損 傷)に関連していることが示されている(77)。 今後選択された集団での、個々のレベルでのそれ らの有用性を明確にする必要がある。 二番目の関心は、測定法に関してである。最近の十年間に、大幅に材料費の低下をもたらした 技術的進歩は、ハイ・レベルの技術を研究室から臨床検査ラボへの移転を可能にしたことであ る。実施する方法は、感度ならびに特異性、簡便性と確実性の基準を満たさなければならない。 一般に、長い時間を必要とするステップと特定の技術を要求する手法 単で特性の低い 手法 (例えば GC-MS)と、簡 (例えば比色法)との妥協点は、必ず見つかるに違いない。自動化 ELISA 法の使用は、この目的に合致する。しかしながら、それを幅広く使用するためには、ラボ間の データ比較を可能にするための、どれくらいの標準化ができるかにかかっている。それに代わ る解決策としては、 広範囲な誘導体作成ステップを必要としないで、生体試料中の特定測定対 象物をトレースする能力があると認められている LC-MS/MS 法の使用である。これらの方法は、 実験室医学の様々な分野で、ますますルーチン的に使用されている。これらの方法が最も有効 に使用されるためには、高度に精製された標準物質やキャリブレーターの利用が可能であるこ と、基準分析法を確立すること、効率的な品質保証体制が確立される事等が、要求される。そ のような条件が揃えば、標準化された基礎的手順を踏まえて、十分に定義された基準正常値範 囲の設定を可能にするであろう。しかしながら現在までの利用可能なデータは、施設間で大幅 に異なっている(48–52), (54–58)。 プロテオミクスおよび分光法のような他の技術は、おそらくタンパク質老化の検討分野に導入 される、次の技術であろう。例えば、MALDI-MS 分析は、糖化の範囲、およびタンパク質内の AGE の局在性の決定のために、既に使用されている(78)。まだ多少の改善や工夫は必要である が、すでにいくつかの研究により、臨床化学におけるこの技術の有用性の、大きな可能性を認 めている。特定のスペクトルの情報を、血漿成分の識別ならびに定量に使用する分光法は、さ らに有望な手段となるであろう(79)。PTMDP が特定のスペクトルの「指紋」を生成するので、 それらの使用は血漿蛋白分子の老化のモニターに期待されている。ラマンの分光学は、AGE に 15 よって引き起こされる、ブルッフ膜の変化による眼球の老化の進展予測の検査に、非侵入性の 検査法として最近使用されている(80)。 3 番目の関心として、日常臨床でのこれらのマーカーの採用が遅れた理由について説明する。 それはこれらの生成物が、同時かつ競合な種種の反応の結果を表わすので、与えられた臨床状 況の結果を解釈する複雑さである。数学的なアルゴリズムを使用するいくつかのマーカーのコ ンビネーションは、タンパク質分子の老化の「スコア」を提供する実行可能なアプローチかも しれない。そのようなアプローチが、肝臓繊維化の非侵入性の評価、あるいはダウン症の出生 前スクリーニングのために開発されている。タンパク質老化の分野で、このアプローチは、特 に代謝・老化に関連する疾病のような、典型的な合併症を備えた多変数のスコアとの相関性に 関して、さらに臨床での確認が求められるであろう。そのようなデータとして、日常臨床の中 で、これらのマーカーの潜在的な有用性に関する新しい証拠が提供されるであろう。確かに、 タンパク質分子の老化を観察することは、生体の「代謝の記録」を反映すること言えるであろ う(81)。 しかしながら、これらのゴールを達成することができないとすれば、これらのマーカーは恐ら く今後も、基礎研究の範囲に限定され続けるであろう。 タンパク質分子の老化は、代謝または慢性病による長期の合併症の進展への関与がよく確立さ れており、多くの個別の化学反応を含んでいる複雑な現象である。これらの反応の最終生成物 は、可能性の高いバイオマーカーといえるであろう。しかしそれらは日常臨床の場では、適切 な分析手法がないこと、また臨床状況の把握の確かな有用性がまだ確立していないために、現 在使用されていない。 臨床検査ラボへの LC-MS/MS のような鋭敏な技術の移転が、日常臨床へのこれらのマーカーの 導入の主要なステップンになるかもしれない。しかしながら、測定法の標準化、および特定の 病理所見の解釈に対するガイドラインの確立のような、いくつかの挑戦が必要とされるであろ う。これらの挑戦への対応は、臨床医、臨床研究者、科学者およびエンジニアを含む、多くの 専門家の参加と、体外診断薬メーカーの支援を必要とするであろう。 16 Footnotes 2 Nonstandard abbreviations:PTMDP, nonenzymatic posttranslational modifications–derived product; Hb A1c, glycated hemoglobin; AGE, advanced glycation end product; CML, N (carboxymethyl)lysine; RCC, reactive carbonyl compound; 3DG, 3- deoxyglucosone; AOPP, advanced oxidation protein product; ALE, advanced lipoxidation end product; MDA, malondialdehyde; 4-HNE, 4-hydroxynonenal; CDP, carbamylation-derived product; RAGE, receptor for advanced glycation end products; UV, ultraviolet; MS/MS, tandem mass spectrometry; CEL, N -(carboxyethyl)lysine; TBARS, thiobarbituric acid reactive substances. Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article. Authors' Disclosures of Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest. Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript. Received for publication February 23, 2010. Accepted for publication May 25, 2010. 17 References 1. Soskic V, Groebe K, Schrattenholz A. Nonenzymatic posttranslational protein modifications in ageing. Exp Gerontol 2008;43:247–57. 2. Baynes JW. 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