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会議録 - 札幌市

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会議録 - 札幌市
第
6
回
札幌市動物愛護管理のあり方検討委員会
議
事
録
日
時:平成27年8月31日(月)午後7時開会
場
所:札 幌 市 動 物 管 理 セ ン タ ー
2階
会議室
1.開
会
○事務局(向井動物管理センター所長)
それでは、ただいまより、第6回札幌市動物愛
護管理のあり方検討委員会を開催いたします。
私は、札幌市動物管理センター所長の向井と申します。どうぞよろしくお願いいたしま
す。
まず、本会議の内容についてでございますが、原則公開となっておりまして、道新の記
者が来られる予定と聞いております。また、一般の方も傍聴可能となっておりますので、
傍聴席を設けております。
また、本日の会議につきましても、会議録を作成するため、録音をさせていただいてお
ります。これについても、あらかじめご了承願います。会議録の作成に当たりまして、ま
た皆様にご照会したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
なお、会議録については、会議終了後、札幌市のホームページにも随時掲載してまいり
たいと考えております。よろしくお願いいたします。
次に、この4月に事務局において人事異動がございました。生活衛生担当部長に着任し
ました石田より、一言、ご挨拶申し上げます。よろしくお願いします。
○石田生活衛生担当部長
皆さん、こんばんは。
ただいまご紹介いただきました札幌市保健所生活衛生担当部長の石田と申します。
この4月までは医療分野にいたのですが、所内異動でこの職につくことになりました。
よろしくお願いいたします。
私ごとですが、私は、ちょうど10年ほど前の平成17年、18年と動物管理センター
で指導担当課長という職を受けておりまして、獣医師ではないのですが、動物愛護の関係
を中心にいろいろと業務をさせていただきました。当時は、10年ほど前ですので、まだ
殺処分という悲しい現実をどうしても避けて通れない時代でございました。それが、今、
10年ぶりに戻ってまいりますと、平成25年に動愛法が改正されて、市民の愛護に関す
る考え方もかなり変わってきております。さらには、私はとてもいいことだと思ったのは、
多くのいろいろな関係団体の方々と譲渡会や普及啓発事業というさまざまな活動を行政と
一緒にやっていただいて、当時の私としてはうらやましい環境にあると思っています。
その中で、今日、皆様方にお話をするのは、札幌市動物愛護管理基本構想の策定の報告
と、新たに私どもで検討しております条例の制定について、皆様方にお諮りしたいと思っ
ております。
条例につきましては、基本構想の実現に向けての第一歩になるものと私どもは考えてお
ります。その先には、人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろ、この共生社会の実現に
向けての第一歩でもあろうと考えておりますので、本日は、各委員の皆様に忌憚のないご
意見をいただきながら、その実現に向けて我々も頑張ってまいりたいと思います。どうか
よろしくお願いしたいと思います。
簡単ではございますが、挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。
- 1 -
○事務局(向井動物管理センター所長)
ここからは、座って進行させていただきたいと
思います。
続きまして、事務局から、本日の出席状況及び配付資料について確認させていただきた
いと思います。
委員の出席状況についてでございますが、樋原委員から欠席のご連絡をいただいており
ます。本日の出席委員は9名でございます。委員総数10名の過半数に達しておりますの
で、この会議は成立していることをご報告いたします。
次に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
まず、式次第がございます。委員名簿、座席表、資料1として、札幌市動物愛護管理基
本構想の冊子になります。資料2として、札幌市動物愛護管理基本構想・概要版というA
3判の資料です。資料3として、札幌市動物の愛護及び管理に関する条例(案)について、
資料4として、犬の鑑札・狂犬病予防注射済票(注票)の変更案です。
以上ですが、足りない資料はございませんか。
それでは、ここからの議事進行については髙橋委員長にお願いしたいと思います。どう
ぞよろしくお願いいたします。
2.議
○髙橋委員長
事
お久しぶりでございます。
第6回札幌市動物愛護管理のあり方検討委員会を進めさせていただきます。
今、向井所長から今日の資料等のご説明がありましたので、これに沿って進めていきた
いと思います。
皆さんと5回にわたっていろいろ検討して、札幌市にも書類等は出しましたので、今日
からは、そこから一歩進んだ形で検討していきたいと思っております。
今日の議事は、次第に書いてありますとおり、札幌市動物愛護管理基本構想の策定報告
について、(仮称)札幌市動物の愛護及び管理に関する条例の制定について、その他とな
っております。
この条例については、前回までに皆さんといろいろ話している中でも、必ず条例までつ
くっていこうという話を進めておりましたので、今日は、そのことも踏まえて皆さんと検
討していきたいと思います。
まず最初に、基本構想の策定報告について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局(高田指導係長)
指導係長の高田でございます。
A3判の2枚物の資料に沿ってご説明させていただきたいと思います。
まず、1枚目は、基本構想策定の経緯でございます。
近年、犬猫等のペットにつきましては、家族の一員として、飼い主と深いかかわりを持
つようになってまいりましたが、その一方で、犬の鳴き声や糞の放置、あるいは、飼い主
のいない猫への餌やりなどの迷惑行為や多頭飼育の崩壊、あるいは、虐待事件が社会問題
- 2 -
化するなど、さまざまな問題が発生しております。
これらの問題解決に向けまして、外部の意見を聞くため、札幌市保健所運営協議会の専
門部会として、札幌市動物愛護管理のあり方検討委員会を設置させていただきまして、今
後の札幌市の動物愛護管理のあり方についてご審議いただきまして、その結果、昨年11
月28日に提言書を市長宛てに手交いただきました。そして、この基本構想という一つの
形にできたと思っております。
基本構想の位置づけでございますけれども、動物愛護管理に基づきます札幌市の動物愛
護管理の推進に当たっての中長期的な指針でございまして、市民、行政、事業者、関係機
関などが協働して動物愛護管理を推進するための基本的な考え方となるものでございます。
次に、第1章の動物愛護管理行政の現状と札幌市が抱える課題という部分をごらんくだ
さい。
まず、1の国の動きとしましては、昭和48年に制定されました動物の愛護及び管理に
関する法律が、飼い主による終生飼育を努力義務として明示したことや、いわゆるペット
ショップなどの動物取扱業に対する規制を強化したこと、加えて、罰則を強化したことな
ど大幅に改正され、平成25年9月に施行されました。また、これにあわせて、動物の愛
護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針も平成25年度に改正さ
れまして、今後は、各自治体が中心となった関係者間の協働関係の構築や基盤の整備など、
施策別の取り組みが示されました。
さらに、環境省では、平成25年11月に、人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジ
ェクトを発足しまして、殺処分ゼロを目指し、また、翌年の26年6月には、アクション
プランとして、当時の環境大臣政務官のお名前をつけた、いわゆる牧原プランを公表しま
して、飼い主、事業者、ボランティア、NPO、行政などが一体となって取り組みを展開、
推進していくことを推奨しております。
しかしながら、依然としまして、全国の行政に引き取られる犬猫の頭数は、平成25年
度で約17万5,000頭に上りまして、そのうちの75%に当たる約13万頭が殺処分
されているような状況にございます。
次に、2の北海道の動きとしましては、平成13年3月に、北海道動物の愛護及び管理
に関する条例を制定しまして、また、平成20年2月には、動物愛護管理法に基づき、北
海道における動物愛護管理に関する実行計画として、北海道動物愛護管理推進計画を策定
しております。
続きまして、3の札幌市の現状についてご説明いたします。
まず、(1)の札幌市動物管理センターについてですが、こちらの西区八軒にございま
す本所は、昭和60年に改築し、業務全体の管理運営を担うとともに、犬の捕獲や苦情相
談対応など、実働部隊としての機能を持っております。もう一方の北区篠路福移にござい
ます福移支所につきましては、平成13年に改築され、動物の収容管理や譲渡、殺処分及
びペットの火葬などを行っております。施設の利用者数としましては、平成25年度は本
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所と支所を合わせて約1万4,000人であり、電話対応件数も合わせて1万3,000
件と多くの市民に利用されている状況にございます。
次に、資料の右上の(2)の犬猫の収容状況をごらんください。
平成21年度から平成25年度までの5年間の犬と猫の収容した頭数を棒グラフで、処
分頭数と返還または譲渡した割合を折れ線グラフでそれぞれ示しております。
まず、アのグラフの犬についてですが、捕獲した頭数と放棄した頭数がともに減少した
ことによりまして、収容頭数全体が年々減少傾向にございます。
また、譲渡を推進したことによりまして、赤線で示した返還譲渡率、我々は生存率と呼
んでおりますけれども、こちらの割合が向上し、その結果、黒い線で示しました殺処分の
頭数は大幅に減少いたしました。
平成25年度は、犬の殺処分頭数が8頭、そして、平成26年度につきましては、犬の
殺処分数はゼロを達成できたところでございます。
一方、イのグラフの猫についても、飼い主不明の頭数と放棄された頭数が減少したこと
によりまして、収容頭数全体は年々減少傾向にございます。また、譲渡を推進した結果、
返還譲渡率が徐々に向上し、その結果、殺処分頭数は減少傾向にございますが、左側の犬
と比べるとまだ少ない数とは言えません。猫の殺処分頭数は、昨年度に初めて1,000
頭を切り、764頭でございました。今年度は、さらに500頭台まで減少するという状
況になりました。
続きまして、ウは、犬猫の飼育環境についてでございますが、動物管理センターに保護、
収容される犬猫は、極端に痩せていたり、体の毛や爪が手入れをされずに伸びていたり、
病気を持っていたりすることが大変多い上、攻撃性があったり、極端に怯えていたり、し
つけもされず、精神面でも健全ではないことがございます。このような猫につきましては、
なかなか譲渡に結びつかず、やむを得ず殺処分となってしまう場合もございます。
先進国では、犬猫の健康管理については、シェルターメディスンという考え方が導入さ
れておりまして、保護・収容施設でありますシェルター内で暮らす動物たちの健康を維持
しながら、個体管理や感染症の予防のための衛生管理を行うことにより、心身ともに健康
な犬猫を一頭でも多く譲渡することを目的として、大変大きな成果を上げております。
我が国におきましても、同様の考え方によりまして、動物用の医療施設を持ち、譲渡の
対象となる犬猫に対して、避妊・去勢手術やトリミングなどのケアを施して成果を上げて
いる自治体が数多くございます。
次に、資料のエの左側の折れ線グラフは、犬猫1頭当たりの平均収容期間を示したもの
であり、譲渡を推進し、殺処分を減らしてきた結果、収容期間が長期化してございます。
昨年12月現在の数値を赤字で示しておりますが、犬では1頭当たり平均10.7日、
成猫では16.6日、子猫でも10.8日となっており、特に譲渡する割合が高くなって
いる成猫で顕著に長期化しております。
また、右側の表は、各年度における1日当たりの平均保管頭数と、施設の収容能力を超
- 4 -
えた日数の割合を示したものでございますが、赤色で示しているとおり、平成26年度で
見ると、犬猫とも1日当たりの平均保管頭数が収容可能頭数を超えており、特に猫は25
年度に比べると2倍近く増加しております。また、収容頭数を超えた日数で見ると、犬で
は年間約7割が超過となっており、その結果、収容環境の悪化が現場の課題となっており
ます。
右下の(3)では、犬猫に関する苦情・相談件数を示しておりますが、そのうちのアは、
現地に出向いて対応した件数であり、年間1,500件から1,800件と横ばい傾向で
ありまして、主な苦情の内容としましては、犬では糞の放置などによる不衛生行為、ある
いは鳴き声、公園などの公共の場での放し飼いでございます。一方、猫では、糞尿等によ
る不衛生行為、外猫、いわゆる野良猫への餌やり行為でございます。
イの多頭飼育の問題・相談ですけれども、適切に飼育できる頭数を超えて問題となるい
わゆる多頭飼育が崩壊した事案を処理して、10頭以上の犬猫を引き取った件数とその合
計頭数を示しておりまして、平成24年度では猫だけで14件、295頭、15年度では
犬猫を合わせて8件、290頭、16年度では猫だけで9件、208頭をやむを得ず引き
取っています。
このうち、猫の場合は、赤色で示したとおり、毎年放棄頭数全体の50%以上を多頭飼
育によるものが占めておりますことから、これを未然に防止するためには、多頭飼育の状
況を事前に把握し、問題となる前に適切に指導することが重要と考えております。
概要版の2枚目をごらんください。
4は、1枚目でご説明しました現状に基づきまして、札幌市が抱える課題を整理したも
のでございます。
これまでの取り組みによりまして、犬猫の譲渡が進み、殺処分数が減少するなど、一定
の効果があらわれてきましたが、動物愛護管理法の趣旨や市民からの要望などを勘案いた
しますと、現状、問題とされる事象の解決に向けては、ここに示しました三つの事項を重
点課題として整理し、取り組んでいく必要があると考えております。
まず、(1)の動物に対する愛護についてでございますが、改正動物愛護管理法では、
動物の終生飼育が努力義務として明記されましたが、札幌市の現状を見ると、犬猫の放棄
や殺処分は依然として一定の頭数に上っていることから、これまで以上に市民の動物愛護
の精神を育んでいくことが重要と考えております。
また、国の基本指針に示されたとおり、子どもを対象とした動物愛護に関する情操教育
が重要であることや、社会問題となっているペットの虐待への対応として、ペットを飼う、
飼わないにかかわらず、動物愛護の精神が広く普及することも重要であると考えます。さ
らには、市民、事業者、行政、関係機関が連携、協働して取り組みを進めていくためには、
その担い手となる人材が不足していることから、このような人材の確保や育成も進めてい
く必要があると考えております。
次に、(2)飼育動物の適正管理についてでございます。
- 5 -
動物愛護管理法では、飼い主の責務としまして、飼育する動物の適正管理が規定されて
おりますが、現状として、札幌市では、犬猫の飼い方に関する多くの市民相談が寄せられ
ております。また、多頭飼育が崩壊することによりまして、周辺の住民に迷惑が及ぶこと
から、その実態を事前に把握し、適切に対応することが求められております。
狂犬病予防注射につきましては、3割程度の飼い犬が接種していない状況でありますこ
とから、飼い主一人一人が狂犬病に関して正しい知識を持ち、飼い主の登録と予防注射を
確実に行っていくよう、さらに普及啓発していく必要がございます。さらに、改正動物愛
護管理法では、動物取扱業者に対する規制が強化されましたことから、道内の業者の3分
の1が集中しております札幌市におきましては、監視、指導のさらなる強化が必要となっ
ております。
次に、(3)の動物の飼育環境への配慮についてでございます。
犬猫の遺棄や虐待などが社会問題化する中、動物愛護法の改正により、適正飼育が明記
されたことから、札幌市におきましても、劣悪な環境で飼育されている動物の生活の質の
向上を目指し、飼い主に対しまして飼育環境の適正化を求めていくことは大変重要である
と考えております。
また、現在、動物管理センターで収容している動物につきましても、収容能力の限界を
超えて、長期間収容せざるを得ない状況でありますことから、今後は、先ほど申し上げま
したシェルターメディスンの考え方を取り入れた健康管理を行い、収容動物が快適に暮ら
せるよう配慮するとともに、他都市における先進的取り組みを積極的に取り組むための検
討が必要と考えております。
次に、これらの課題の解決に向けて取組みの体系を示したものが第2章、動物愛護管理
の基本的な考え方であり、基本構想としてまとめております。
まず、基本構想の位置づけとしましては、中長期的な指針であるとともに、市民、行政、
関係機関などが協働して動物愛護管理を推進していくための基本的な考え方を示すもので
ございます。
概要版では、基本構想の体系図を示しておりますが、札幌市では、動物愛護管理法の基
本原則にのっとり、人と動物が共生する社会の実現を目標として掲げ、動物を命あるもの
として尊重し、犬猫の殺処分を減らしていき、最終的に殺処分ゼロを目指すための具体的
な対策を推進することによりまして、命を大切にし、優しさのあふれる人と動物が幸せに
暮らせるまち・さっぽろを目指してまいりたいと考えております。
この目標の実現に向けまして、三つの基本施策を立てております。
まず一つ目として、動物愛護精神の涵養でございます。動物が命あるものと理解を深め
るとともに、動物の命を尊重し、終生飼育や適正飼育ができるよう、動物愛護の精神を育
みます。
二つ目は、動物の適正管理の推進でございます。飼育している動物が人やその他の動物
に危害や迷惑を与えることを防止するとともに、周辺の生活環境の保全に努め、必要な措
- 6 -
置を講じます。施策の方向性としましては、適正飼育の普及啓発、監視指導の強化、犬の
登録と狂犬病予防注射の実施率の向上、あるいは、災害時における対応策の構築を図って
まいります。
三つ目は、動物の福祉の向上でございます。飼育されている全ての動物の健康及び安全
を保持するだけでなく、動物がその種類や習性等に合わせて動物らしく生活できるよう、
飼育環境の質の向上を目指してまいります。
施策の方向性としましては、保護・収容動物の福祉の向上、虐待や動物の遺棄等に対す
る関係機関との対応体制の構築を図ってまいります。
また、関係する主体としましては、行政、市民、動物取扱業者及び大学などの教育機関
や愛護団体などの関係団体でございまして、それぞれの役割を明確にした上で、連携、協
働できる体制を構築し、一体となって動物愛護管理に関する取組みを推進していく必要が
あるものと考えております。
続きまして、右上の第3章の基本構想の実現に向けてでございます。
以下の三つの事項に今後優先的に取組んでまいります。
まず一つ目として、きょうの二つ目の議題でもございます札幌市の動物愛護管理に関す
る条例の制定でございます。
まず、条例制定の必要性についてでございますけれども、改正動物愛護管理法に基づき、
自治体に対して動物愛護に関する取組みのさらなる推進が求められておりまして、札幌市
の場合、現在、犬については、動物愛護管理法、北海道動物愛護管理条例並びに札幌市畜
犬取締り及び野犬掃とう条例に基づきまして事業を行っておりますが、札幌市の条例につ
きましては、昭和46年の制定から既に40年以上が経過しておりまして、動物の健康と
安全の保持や動物の飼育環境の質の向上に係る規定が不足しており、現状にそぐわない内
容となってございます。
一方、猫につきましては、動物愛護管理法及び北海道の条例に基づきまして事業を行っ
ておりますが、その対象は、主に人が飼育する猫でございまして、現状では、飼い主のい
ない猫の扱いに関する規定がございません。その他、多頭飼育の届け出制や引き取り手数
料の有料化、行政及び関係機関の役割の明確化などの規定が必要となっておりますことか
ら、これらの内容を盛り込んだ新たな条例の制定が必要と考えております。
次に、二つ目としまして、(仮称)札幌市動物愛護管理推進計画の策定についてでござ
います。
これにつきましては、具体的かつ中期的な数値目標を明確にしまして、計画的かつ統一
的な施策の遂行を目的とした実行計画として策定したいと考えております。
次に、三つ目の動物環境センターのあり方の検討についてでございます。
まず、(1)としまして、動物愛護教育や動物関係団体等との連携、協働など、ここに
示しましたような機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
また、(2)の動物管理センターの名称の変更につきましては、今後求められる役割を
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果たすためにふさわしい名称への変更、あるいは、市民が親しみやすいような愛称なども
検討してまいりたいと考えております。
最後になりますけれども、基本構想実現に向けたプロセスの概念図を右下に示しており
ます。
図の左側から、あり方検討委員会からの提言を踏まえまして、札幌市動物愛護管理基本
構想の策定を進めまして、さらに、動物愛護管理に関する条例の制定、動物愛護管理推進
計画の策定、また、動物管理センターのあり方の検討などを行ってまいりたいと考えてお
ります。
また、条例に基づきまして、動物愛護管理推進協議会を設置いたしまして、札幌市の施
策等に関して第三者としての評価、助言、提案などをいただきながら、多くの関係者の連
携と協働のもとで、さまざまな取組みを進めることによりまして、目標でございます人と
動物が共生する社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
長くなりましたけれども、基本構想の内容については以上でございます。
○髙橋委員長
ありがとうございます。
今、事務局からお話しいただいたのは、私たちが5回にわたって話をしながらまとめて
いただきました札幌市としての基本的な構想の考え方です。この基本構想については、パ
ブリックコメントを終了して、既に公表しておりますので、修正することは難しいと思い
ますけれども、何か発言があれば出していただいて、少し議論をしたいと思います。
いかがでしょうか。
○上杉委員
資料3の狂犬病予防注射は、3割が未実施とありますが、これは登録されて
いる犬に対して、3割が接種していないということでしょうか。
○事務局(高田指導係長)
○上杉委員
そのとおりです。
また、ペット業者の3分の1が集中しているとありますが、業者にはブリー
ダーや販売等、全て含まれていますか。
○事務局(高田指導係長)
動物取扱業として法に基づいて登録されている施設は600
施設ございまして、道内の3分の1が札幌に集中している現状にございます。
○上杉委員
登録している業者ということですね。
○事務局(高田指導係長)
はい。ペットショップも含まれておりますし、動物園ももち
ろん含まれております。
○髙橋委員長
600施設以上あるのですね。
ほかによろしいですか。
(「なし」と発言する者あり)
○髙橋委員長
冊子をうまくまとめていただきましたので、わかりやすいです。ありがと
うございます。
それでは、1番目の議題についてはこれで終わらせていただいてよろしいですか。
(「異議なし」と発言する者あり)
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○髙橋委員長
2番目は、(仮称)札幌市動物愛護管理に関する条例の制定について、事
務局から説明をお願いしたいと思います。
○事務局(坪松職員)
動物管理センター指導係の坪松です。よろしくお願いします。
条例については、私から説明させていただきます。
まず、皆様のお手元に、本日の資料3として、札幌市動物の愛護及び管理に関する条例
(案)についてというものをお配りしております。
本来は、近くにパブリックコメントを予定しておりまして、その資料を用いて説明をと
思っていたのですが、内部での調整が間に合わず、概要だけの説明になってしまうことを
ご了承ください。
まず、新条例については、現在ございます札幌市畜犬取締り及び野犬掃とう条例と北海
道動物愛護及び管理に関する条例の二つの内容を取りまとめ、札幌市独自の条例を制定す
るというものになります。
新条例の制定については、基本構想の第3章の1で挙げているとおり、条例制定の必要
性、皆様からいただいた提言、この基本構想の三つの基本施策を踏まえた上で内容を現在
検討しているところです。
まず、資料1の1ページ目でございます。
これらを踏まえた上で、現在、内容を検討しているところでございます。
まず、資料の1枚目ですが、条例の今後のスケジュールについて説明させていただきま
す。
まず、この後、9月中旬から10月にかけて、パブリックコメントを実施させていただ
きます。パブリックコメントでは、ここでは出せない内容も含めて、市民の皆様に義務を
課す条例になりますので、細かなところまで提示をさせていただき、皆様の意見をお伺い
する形になると思います。
そして、パブリックコメントの意見募集が終了した後、それらの意見を踏まえて条例案
を修正いたしまして、年明けの平成28年2月の定例議会に提出させていただく予定とな
っております。
議会で無事に条例が通れば、平成28年3月に条例を交付し、義務が含まれているもの
ですから、半年間、10月までの周知期間を踏まえて、平成28年10月に条例施行を予
定しております。
なお、条例の施行とともに、この中では札幌市動物愛護推進協議会を新たに設置する内
容に含まれているのですけれども、これについては、条例施行と同時に会を設置できるよ
うな形で事務手続を進めていく予定になっています。後ほど、これについては詳しく説明
させていただきます。
それでは、1枚めくっていただきまして、条例の中身について簡単に説明させていただ
きます。
基本構想の26ページにございます条例化を検討する事項もあわせてご確認しながらお
- 9 -
聞きいただきたいと思います。
まず、条例の目的、関係者、行政、市、市民、動物取扱業者、動物関係団体、ここでい
う動物関係団体というのは、大学などの教育機関やボランティア団体の方々、獣医師会な
どが含まれております。それらの関係者の責務について、基本構想の第2章に役割という
形で取りまとめさせていただいておりますが、それをもとに条例の中に盛り込もうと考え
ております。
ここについては、具体的な内容が決まっておりまして、主に基本構想のとおりにはなっ
ていますが、市の責務としては、動物愛護管理に係る普及啓発等の必要な施策の策定実施
に努めること。普及啓発等の必要な施策というのは、以下のことを含む形になります。も
ちろん、これ以外も含まれています。重点を置きたいのは(ア)から(ウ)になりまして、
(ア)市民及び事業者等の学習の機会の提供、広報活動の充実、(イ)動物愛護教育の推
進、(ウ)普及啓発に係る人材の育成となっております。
その次に、市の責務として、市民、動物取扱業者及び動物関係団体が互いに連携、協働
し、施策を実施するための調整を行うということです。市が中心となって連携、協働でき
る体制づくりを行うということです。
ウとして、国、他の地方公共団体その他の関係団体との綿密な連携に努めることという
ことです。やはり、動物愛護に関する施策については、環境省や他自治体との情報共有や
連絡等が密になることから、そういうものを市が積極的にやっていくという内容です。
最後のエは、動物愛護管理に関する施策の推進に必要な財政上の措置及び必要な施設等
の整備に努めるということです。もちろん、動物の愛護管理に関するいろいろな施策を策
定、実施していくためには、財政上の必要なものもありますし、ハード、ソフトの両面か
ら必要になるものがございますので、そういうものを市が整備するよう努めることと入れ
させていただきました。
次に、市民の責務ですが、この市民というのは札幌市民全ての方が該当いたします。ま
ずは、動物愛護管理に対する理解と実践ということで、動物が命あるものであることを理
解して、かつ、愛護精神に伴うような行動を実践していただく、また、市が行うさまざま
な施策に対して積極的に参加、協力をいただくということを市民の責務として盛り込ませ
ていただきました。
次に、動物取扱業者の責務です。まずは、動物愛護管理に関する普及啓発等の自主的取
り組みの施策実施です。こちらは、動物取扱業者も、動物を取り扱うプロとして、動物愛
護管理に関するものについて普及啓発に自主的に取り組んでいただき、条例で求める、基
本構想で掲げる目標に向かって協力していただきたいという内容になります。
また、動物取扱業者は、実際に動物を取扱っておりますので、基本構想でも挙げている
ように、取扱う動物の福祉の向上ということで、これから札幌市はこれをメーンに打ち出
そうと考えているのですけれども、ただ動物を飼うだけではなくて、動物が健康と安全の
保持をする上で、動物が精神的にもリラックスできる環境を整えていくことが重要ではな
- 10 -
いかと考え、動物取扱業者が自ら、こういう責務を果たしていくことで、ひいては飼い主、
新しく飼いたい方へ普及できればと考えております。
次に、動物関係団体の責務です。動物関係団体の方々は、実際に動物を取扱う方々なの
ですが、必ずしも飼養等をしているわけではないので、アの動物愛護管理に関する普及啓
発等の自主的な取組みの施策・実施をすることということのみ、記載させていただく形に
なります。
その他として、これら関係団体は、常時以外にも、震災、火災そのほかの災害が発生し
た場合は、互いに協力して動物の救助に努めることというように、東北の大震災などもあ
りましたけれども、そういう緊急時にも連携して動物愛護に対応していけるような日々の
連携づくりが必要と考え、こういうことを条文に加えさせていただく予定となっています。
次に、本来は、ここに動物の飼い主の遵守事項を入れていたのですけれども、まだまだ
調整が不足していますので、基本構想をもとにお話しできるところだけ申し上げます。
まず、飼い主の遵守事項として、基本構想に書かれているとおり、動物の飼育環境の質
の向上を含む全ての動物、犬、猫それぞれの飼い主、特定動物の飼い主の遵守事項を条例
の中で定めております。おおむね市の札幌市畜犬取締及び野犬掃とう条例と北海道条例を
もとにしておりますが、動物の飼育環境の質の向上という部分で新たに追加する条文も予
定されております。
また、動物の飼い主の遵守事項の中では、北海道条例にはない、飼い主のいない猫に餌
を与える者の遵守事項というものも盛り込ませていただいております。
昨今、京都市や和歌山県などで禁止条例が出てきておりますが、札幌市の場合は、餌や
りを禁止するというわけではなくて、餌を与えるその責務について考えていただいて、人
と外にいる猫たちがどういうふうに共生してかかわっていったらいいかということを考え
ていただくための条文ということで、餌やりを禁止するような項目にはなっていませんの
で、ご注意ください。
飼い主の遵守事項としてもう一つ大きいものは、多頭飼育の届け出についてです。こち
らも条例に盛り込む予定となっておりまして、犬及び猫の2種について、合計10頭以上
を飼育する場合は義務化を考えております。検討委員会の中からは、ウサギなどのお話も
挙がってきておりましたが、今後の現状を踏まえて、動物種については、さらに追加とい
う形もとられると思いますが、まずは犬猫でスタートしたいと考えております。
飼い主の遵守事項として大きなことは、この三つに係ると思います。ただ、それ以外に
ついても、現状を踏まえた上で、今ある条例を見直し、項目や文言を修正しているところ
がございますので、それについてはパブリックコメントを参考にしていただければと思い
ますので、よろしくお願いします。
次に、現在、保健所運営協議会の部会ということで、皆様にあり方検討委員会の委員を
委嘱しておりますけれども、今後は、札幌市の新条例に基づいて、(仮称)札幌市動物愛
護管理推進協議会を附属機関として設置する予定になっております。
- 11 -
この附属機関については、札幌市が行う動物の愛護及び管理行政について、第三者が評
価、助言、提案できる場として、皆様のような有識者や市民をもとに構成されたものにな
ります。
これについては、先ほどスケジュールのところでもご説明したとおり、まず、3月に条
例が交付された後、市民公募や委員の依頼等を経て、10月に附属機関の設置を考えてお
ります。なお、その際には、今後、継続して附属機関が設置される形になりますので、運
営状況等についてはまだ具体的に考えていませんが、皆様におかれましては、委員をご依
頼する場合があると思いますので、そのときはどうぞよろしくお願いいたします。
また、今後、推進協議会の中で、基本構想で挙げました推進計画、そのほかの犬猫のガ
イドラインなど、具体的な指針なども検討していきたいと思っておりますので、今後とも
長いつき合いをよろしくお願いします。
また、条例に関してですけれども、この条例には各種の手数料が盛り込まれております。
この手数料の中で、提言等を受けて、現在、犬猫を飼えなくなった飼い主から引取る際は、
無料という形で行っているのですが、犬猫の引取り手数料を新たに設定する予定となって
おります。
また、動物愛護法や狂犬病予防法等で収容された犬の返還手数料が今のところかかって
いるのですが、動物愛護法で収容された猫の返還手数料は今までございませんでした。そ
ういう意味で、今後は、収容した猫の返還手数料も新たに設定する予定となっております
ので、お知らせいたします。
基本的には、もっと話すつもりだったのですが、概要だけになってしまいましたので、
条例の中身についてはこのようなところで説明を終わらせたいと思います。
今後、パブリックコメントの資料ができましたら、改めてご提供させていただきたいと
思っております。その際、パブリックコメントの中身についてご意見をいただいて結構で
ございますので、中身をご確認いただいて、よりよい条例にするために意見をいただけれ
ばと思います。
拙い説明になりましたけれども、以上です。どうもありがとうございました。
○髙橋委員長
ありがとうございました。
ただいま、詳しく説明していただいたのですが、いずれにしましても、先ほどお話があ
ったとおり、9月にはパブリックコメントをするということで、市民としていろいろな意
見が言えるわけですね。その辺を踏まえながら、今までの説明の中で何かご質問、ご意見
があれば発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
条例ですから、罰則規定も出てきますね。そういう意味では、もっと深く皆さんが考え
ながら発言していただいたほうがいいのではないかと思います。
各動物病院から出てくる話では、生活が苦しくなったから、私はお金を払えないけれど
もということで連れてくる方が割と見られます。このときに、条例の中でどう解決してい
くのかということですね。例えば、料金を設定しても何をしても、私は生活できないのよ
- 12 -
というところは、ちょっと考えていかないと難しいと思います。
そういうところで気になる方がいらっしゃいましたら、ご意見いただきたいと思います。
○上杉委員
北海道の保健所では、ペットを放棄する際の引取り手数料が有料となってい
ますが、生活が立ち行かなくなりペットを放棄したいものの、引取り手数料を支払えない
飼い主の話を時折耳にします。また、他党飼育放棄は、引取り手数料も多額になるだけで
なく、引取らなければ悲惨な飼育状況のペットを放置することにつながります。改正され
た動物愛護法でも、終生飼育は飼い主の義務であると明記されていることからも、放棄の
際に引取り手数料を支払うことは、飼い主の義務と責任であることは、言うまでもありま
せん。しかし、引取り手数料を支払えない飼い主からどう徴収するかは大変難しい問題だ
と思います。例えば、いくつかの条件を掲げ、該当すれば引取り手数料を免除することも、
ペットの福祉や周辺の環境悪化を防ぐためには必要なことだと思います。
○髙橋委員長
最近、新聞紙上やニュースで、生活保護を受けるための基準について、大
変人数が多くなってきて、いろいろな事例が出ていますね。そういうことを考えますと、
我々は、今、動物を扱う立場にいるので、そういうことは絶対にあってはならないと思い
つつも、もしかしたら市民の中からいろいろな事例が出てくる可能性があると思います。
これは条例ですから、それをそのままぼやかすわけにはいかないので、パブリックコメン
トでいろいろな意見が出てきたときに、どこかで整理をしなければいけないという気がし
ています。
そのほかに何かありませんか。
事務局から追加はありませんか。
○事務局(坪松職員)
○髙橋委員長
ありません。
それでは、仮称ですが、札幌市動物の愛護及び管理に関する条例の制定と
いうことで進めていくとなると、動物愛護管理推進協議会で進めていく可能性が大という
ことですね。
それでは、2番目の議題についてはよろしいですか。
(「異議なし」と発言する者あり)
○髙橋委員長
それでは、2番目も終わらせていただきます。
次に、その他ですが、犬の鑑札・狂犬病予防注射済票(注票)の変更案について、事務
局からお願いいたします。
○事務局(上田職員)
管理係の上田と申します。よろしくお願いします。
今回、内部で検討しております犬の鑑札・狂犬病予防注射済票(注票)の変更について
説明させていただきます。
今までの2点については報告もあったと思いますが、これは、提案ということで、ご意
見をいただきたいので、よろしくお願いいたします。
犬の鑑札・注票については、狂犬病予防法に基づいて、登録、狂犬病予防注射の実施と
ともに義務づけられていますが、装着率については、実際のデータはないのですけれども、
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日ごろの業務で見ている中ではほとんど装着されていないと言っていいくらいの低さです。
この注票の役割、意義については、犬も身分証明書で、子ども扱いにすると迷子札にな
りますけれども、これがついていることによって、迷子になったときの対応、もしくは狂
犬病発生時の対応がスムーズになるということで義務づけられていると考えております。
装着率が実際になぜ上がらないのか、なぜ皆さんがつけないのかということについてこ
ちらで考えていることが幾つかあるのですけれども、一番改善しやすいところで考えられ
ているのは、一番下の装着困難、装着時の不具合です。もともと最初に鑑札ができたとき
には、金属のものが多く使われておりました。今も札幌市は金属で使用しておりますけれ
ども、鑑札と注票の両方をつけることによって、金属音が鳴ってしまう、もしくは、そも
そもこのデザインのものをつけたくないということでつけないという市民の意見をよく聞
きます。
次のページに移っていきますけれども、鑑札・注票について満たすべき要件が提示され
まして、平成19年から、この表のオレンジの枠の中にある要件を満たせば自由に様式を
決めることができるようになりました。
それに伴って、現状、札幌市のほうでは、骨型の鑑札、また、四角いけれども、角に丸
みをつけた注射済票ということで、もともとのものと比べて小型化することによって装着
率を上げることを考えて変更してきました。
ただ、現状としても、装着率の数字は出ていないのですが、収容される犬については、
こういうものをつけていることはほとんどありません。つけていれば飼えるということも
あると思いますが、迷子で預かっていますというときに鑑札がついているかといっても、
何もついていません。そもそも首輪がついていないということも多々あります。
デザイン変更で全てが変わるとは思っていないのですが、鑑札・注射済票がありますと
いうことと、つけないといけないということを周知していくため、そのきっかけとして、
今回はデザイン変更を考えております。
では、どのように変更するのかということですが、今回、資料の案①、案②、案③とし
て出しました。いろいろ考えてみたのですが、案①の東京都大田区で既に使っているデザ
インを超えるものが思い浮かびません。超えるかどうかについては、皆さんのご意見をお
伺いしたいのですが、まず一つは、案①の大田区を参考とした鑑札・注票のデザインに変
更することを考えても構いませんでしょうか、このデザインにしたときにどのような問題
点が考えられるかということをお伺いしたいと思います。
もう一点としましては、案2、案3を見てもらってもいいのですけれども、ほかにこう
いうものを使ったほうがいいのではないかということについてお伺いしたいと思います。
参考ですが、大田区のものについては、鑑札のサイズは、今、私どもで使っている骨型
のものとそこまでは変わりません。大きく違うのは、注票はポリエステルとひも状のもの
でできていまして、鑑札をつけるときに注票を使うことができるという点と、注票がつい
ていることが一目でわかるという点が特によいと思っております。
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駆け足で説明しましたので、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。
以上です。
○髙橋委員長
ありがとうございます。
犬の鑑札・注票の変更案について、今、事務局からお話がありました。皆さんからご意
見があればお願いいたします。
最初に口火を切らせていただきますけれども、余り仕事をしていない私が感じるのは、
最近の室内犬の場合は首輪をしていない子がすごく多いのです。多分、狂犬病予防法が出
たころは、番犬としての犬だったので、ほとんど首輪をつけていたはずです。それで、狂
犬病予防法の中で鑑札や注票のデザインが目視できること、そこがいまだに残っているの
が行政にしても我々にしてもものすごく辛いのです。例えば、これを札幌市が打破できな
いのかと思っています。
漫画的な発想で、これが議事録に残っていいのかどうかと思いますが、これは余りにも
次元を超えているので独自のものをつくってみたということで、マイクロチップにぴしっ
と変えてしまう。そのかわり、全て、リーダーを持っていて、いつでもそのリーダーで見
られるような状況にするということができて、それと同時に条例をつくったら、条例を守
られる確率は非常に高くなるのではないかという気がします。
これは夢物語ですが、それよりももっと現実的に、この案についてどなたかご意見があ
ればお出しいただきたいと思います。
○折戸委員
私は、トリマーなので、トリミングなどをさせてもらっていて思うのですが、
どうしても首輪をつけても埋もれてしまう犬種がいます。例えばつけたとしても、一目瞭
然でわからなければ意味がないと思うのです。絡んだりするので、飼い主もつけたがらな
いのです。今は、そういう時代になってきているところがあって、鑑札や注票に関しては、
飼い主にお勧めするのがなかなか難しい状況にあります。その辺はいつも困るなと思って
います。
今回の大田区の注票はリボンでできていますが、このリボンも、絡んだりよれたりしや
すい気がするので、どうなのかなという気がします。
私も、髙橋委員長と同じ意見で、マイクロチップがもう少し普及したほうがいいと思っ
ている一人です。
○髙橋委員長
ありがとうございます。
そのほかにありませんか。
○桂委員
まず、満たすべき要件というものに縛られてしまうところに一つのたががある
と思います。視認性ということに関しても、それは何なのかがわからなくてもよくて、確
認できればいいというレベルでいいと思います。
今、折戸委員が言われるように、首輪をしている小型犬はほとんどいませんし、大田区
の案もかなり無理があります。例えば、単純にベルト通しのようなところが太くて、太い
ベルトも細いベルトも入るというのであればこれも一つかもしれませんが、どうも装着性
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がいまいち熟していなくて、無理やりつけていますので、これでは落とすだろうと思いま
す。
登録しているかどうかがわかるような方法を一つ考えるとすれば、委員長が言うように、
マイクロチップを埋めていて、その上でマイクロチップ装着とか、番号と併用とか、そん
な方向性だと思います。頑張って古い要件を引きずっていては、装着率の向上という目的
は永久に到達しないものになるのではないかと思います。
○髙橋委員長
ありがとうございます。
ほかにどなたかありませんか。
○名取委員
私も同感で、私の飼っている猫にマイクロチップを入れています。これは、
まだ知らない人も多いと思います。
そこで、どこかの国では、車の免許証のように、病院に行ったときに登録していますよ
と見せられるような仕組みにしています。私も動物にかかわる仕事をしていますが、狂犬
病の注射は、生まれたときに1回やればもういいのだという勝手な解釈ですね。その辺を
わかっていない飼い主がまだまだ多いのです。免許証というと、車の免許と誤解されても
困りますが、色違いでもいいですが、シールのようなものを張っていて、張っていないと
だめなのだということをわかってもらう必要があると思います。それが見てわかるという
より、飼い主がちゃんと理解しているということが大事だと思います。
また、小型犬が首輪をしていないという問題です。これは、しつけなどができないので
す。中にはハーネスだけで来る方もいるのですが、飼い主の飼い犬に対するしつけに対す
る意識が低いのです。小さくても、必ず首輪をつけてくださいということもあわせて言っ
ていいと思います。
○髙橋委員長
そうですね。散歩に行くときは、今、リードも何もつけずに歩く人はいな
いですね。散歩用の首輪をつけるなりリードをつけるなりしていますから、そういう意味
では、この登録も有効かもしれません。
去年、おととしに、大阪市だったと思うのですが、どんなものでも構わなくなった時点で、
鑑札のケースを飼い主に配って、それと同時に、そのときにやったかどうかわかりません
が、リボンを渡すのです。それは、みんな同じ色のリボンで、ふだんはつけなくてもいい
けれども、散歩に行くとき、外へ出すときだけはそれをつけてもらうような運動をしたい
のだという話をしていたことがあります。
どういうことかというと、僕らが一番言いたいのは、犬を飼っている人たちにきちんと
予防注射をしていますかと聞くことができないわけです。なぜかというと、鑑札をちゃん
と出していないからです。それから、犬を飼っている人たちの一番の情報源は、散歩のと
きの公園や河川敷での井戸端会議です。そういうときに、何かの形でうまく運動ができて、
道内で飼っている犬はグリーンならグリーンのリボンをする。散歩のときだけでいいから
それをつけて歩くという運動が広がれば、それをつけないで行くと予防注射していないこ
とがわかるということで、なるべくきちんとつけるようになります。また、そこの県か市
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の会長の話だったのですが、それは、自分の犬に必ずつけるようにして、なくなったとき
には、壊れたものでも、やぶれたものでも、病院に持ってくるなり、行政に持ってきて新
しいものと交換する、うまくいれば、毎年、色を変えるのだという話をしておりました。
札幌市でそういう方法ができれば、登録は登録でいいけれども、外に出すときにはこれ
をつけていきましょうということがうまく広報できて、散歩に行くときにみんなつけてい
って、みんなの目は、あっ、あの犬は予防注射を打っていないのだとわかるくらいの世の
中になれば、うまくいくのではないかと思います。
○事務局(上田職員) 今おっしゃっていただいたのが、まさに大田区の例だと思います。
大田区では、結び方についても、ただ二重にするのもいいし、ネクタイ結びでもいいです。
結び方をホームページに載せていて、リングに結ぶのもオーケー、首輪に結ぶのもオーケ
ー、直接巻くのもオーケーというふうにしています。
それこそ注票ですから、3年ということで、1年ごとに色が変わっていくので、ことし
は注射をしているということが一目でわかるのです。3年ずれているのかどうかはわから
ないかもしれませんが……
○髙橋委員長
これは、縛るようになっているのですね。
○事務局(上田職員)
そうです。
鑑札だけをつけて、リボンを別につけても構いませんし、この鑑札になる前の鑑札は、
皆さんご存じの楕円形のものです。それをつけている子は、リボンだけを別の場所につけ
るのもオーケーです。
装着率の向上を目指すということはもちろんありますけれども、私どもとしては、放浪
犬、迷子犬で返還できない犬を目指したいということもあるので、鑑札もつけてほしいの
です。
○髙橋委員長
○上杉委員
それなら、マイクロチップですね。
マイクロチップは外見上装着しているかわからないので、鑑札と両方あった
ほうがよりいいと思いますし、一刻も早く飼い主のもとに変えるには、連絡先を明記した
迷子札もつけたほうがいいですね。
○事務局(上田職員)
ですから、毎年、色の変わるリボンと自分の名前と住所と電話番
号が書いてある迷子札がついていれば、別に番号はなくてもいいのです。
○髙橋委員長
番号がなくていいというのだったらできまね。
○事務局(上田職員)
そもそも首輪をつけていただこうということから始めようという
のが一つだと思います。
○髙橋委員長
そのほかに何かありませんか。
いずれにしても、この次から始めることになりますか。
○事務局(向井動物管理センター所長)
もちろん、獣医師会との打ち合わせも必要です
けれども、きょう、第三者委員会があるということでしたので、第三者の意見を聞きなが
ら今後の方針を案として決めていきたいということでございます。
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やはり、注射済票がリボン形式になり、毎年色が変わっていくということで、つけ方の
工夫や、新しい鑑札のデザインを考えることによって、こういうことを広報していくこと
によって、登録しなければいけないとか、注射を打たなければいけないということも含め
て、登録と毎年の駐車があるということをお知らせしていきたいという意味合いもござい
ます。
○髙橋委員長
それであれば、鑑札にはなるべく予算をかけないようにして、これをもう
少し派手なリボンにして、きちんと使えるようにしていけたらおもしろいと思います。こ
れでは余り目立たないので、もっと目立つものですね。ブランドと間違えるようなものと
かね。これは冗談ですが、そんなものができればいいなと思います。
○桂委員
ただ、リボンだけがひとり歩きすると、似たようなリボンをつければいいとい
うことになりますね。
○髙橋委員長
ですから、まねができないようなものですね。
○事務局(藤本管理係長)
このリボンには、注射済票というマークも刻印されています
ので、同じようなデザインは避けられると思います。
やはり、今、高橋委員長がおっしゃったように、デザインがよくないとそもそもつけた
くないという方もいらっしゃると思います。そういう意味では、単に1色だけではなくて、
少しファッション性のあるものを考えられればとも思っています。今、この検討会で一旦
ご意見をいただいておりますけれども、行く行くは市民の方からもデザインを募集したり
という手法も考えております。まず、札幌市の動物管理センターとしてどういう案を示す
かということで、我々の案を一旦お示しして、ご意見をいただき、さらに進めていくとい
うことを考えております。
○桂委員
今、メタルからリボンということですから、思い切り発想を変えられていると
いうことですね。
○事務局(藤本管理係長)
先にやられている自治体がありますので、それを参考により
よいものをと考えております。
○桂委員
フェスティバルのときも企画があったように、企業が、混合注射を打っている、
狂犬病の注射を打っている人、マイクロチップを埋めている人で、それぞれどれくらいの
割合でリボンをつけているということを、まさにリボンで視認して、割合を見ようという
試みを今年は初めてやられます。そういうものもこの考えにかなり近いので、そこでの効
果なりも参考になると思います。
○髙橋委員長
それが実証検分できればいいですね。
そのほかにご意見はありますか。
○大屋委員
飼い主は、自分の子をほかの方に見せたいので、おそろいのような形で、飼
い主が、携帯のストラップだったり、鍵にちょっとつけるものと同じようなものをつくっ
てみたり、犬につけるときに、手間はかかると思いますが、ワンちゃんの名前をリボンに
入れてみるとか、札幌市にもデザイナーがいらっしゃると思うので、そういうところに委
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託をして、札幌市にしかないワンポイントのマークを入れてみるというのはどうでしょう
か。
○髙橋委員長
そこまでいけばいいですね。ただ、ちょっと時間的に厳しいかもしれませ
んね。
○海野尾委員
飼い主にはいろいろな方がいるので、デザインや色にこだわる方はたくさ
んいると思います。ですから、先ほど、年度ごとに色を変えたらどうかというお話はもっ
ともですが、もしかすると、色によってもつけたくないという方がいると思います。です
から、年度ごとに変えるのではなくて、最初から10色なら10色を用意して選ばせると
いうことも可能だと思いますし、一つの案かなと感じました。
○髙橋委員長
今は、注票の番号を刻印しなければいけないということで、それでなけれ
ば予算がつかないですね。
○海野尾委員
それは、刺繍など別な方法を考えて、色については、この色は使いたくな
いという方も結構いると思います。今年度はつけないよという方も出てくると思いますし、
人と違うものをつけたいという方もいると思います。
私どもの学校にもグルーミングの実習で犬がやってくるのですが、見ていると、ほとん
どの方が車に乗せて連れてきて、首輪はしていません。本当に10頭に1頭もいないぐら
いです。ですから、首輪にということが非常に難しくて、先ほど名取委員もおっしゃいま
したように、首輪に対するしつけということもありましたけれども、今の時代、首輪をつ
けさせること自体が難しいので、そこをまず変えていかないと、そこから派生する鑑札票
やリボンはなかなか浸透していかないと思います。そこら辺は、非常に難しい問題かと思
います。
○髙橋委員長
ありがとうございます。
そのほかに何かありませんか。
(「なし」と発言する者あり)
○髙橋委員長
これは、今、ここで決めることではなく、今、市から出されて、皆さんか
ら気持ちを聞いたということで了解していただければと思います。
今、(3)その他のところで狂犬病の関係の話をさせてもらいました。
そのほか、今日ここでご発言しておきたいことがあれば、出していただきたいと思いま
す。何かありますか。
(「なし」と発言する者あり)
○髙橋委員長
なければ、今日の議事は全て終了しましたので、第6回札幌市動物愛護管
理のあり方検討委員会は終了ということで、事務局にお返しいたします。
3.閉
会
○事務局(向井動物管理センター所長)
髙橋委員長、委員の皆様、本当にお疲れさまで
した。ありがとうございました。
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議事としまして、札幌市動物愛護管理基本構想の策定についてご承認をいただきました。
また、ちょっとデータが足りませんでしたけれども、パブリックコメントの案についてご
紹介させていただきまして、パブリックコメントが実際に行われた際には、またご意見を
いただきたいと思っております。
最後のその他の鑑札・注票の件に関しては、愛護推進協議会において各年度のお話し合
いをしていこうということになっておりまして、条例の制定後に新しい会議体として立ち
上げるつもりでございます。また、その人選などについては、新たな検討となりますけれ
ども、皆様にもご協力いただくことになると思っておりますので、その際にはどうぞよろ
しくお願いいたします。
本日は、本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。
以
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上
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