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数字に強くなる、会計基準大改革と決算書の読み方

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数字に強くなる、会計基準大改革と決算書の読み方
国際情報 3 期生
石井忠史
発表テーマ
「数字に強くなる、会計基準大改革と決算書の読み方」
Ⅰ.数字に強くなることの必要性
1.生活のあらゆる面に数字がある
家庭では、家計簿を睨みながら支出の計画を立てます。一ヶ月が終わると収支計算
し、赤字を嘆くことが多いかもしれません。外では、携帯電話や交通費、レストラン
では飲食料を請求されます。会社の仕事は、数字が溢れています。娯楽、スポーツも
数字で争われるのです。生活のあらゆる面に数字があることは、周知の事実なのです。
2.給料明細(所得税、住民税、社会保険料、労働保険料等)
給料明細書で収入額は正確に把握しているでしょう。しかし、控除額である、所得
税、住民税、社会保険料、労働保険料等が正当であるか調べたことがありますか?
年
調で是正される所得、住民税に比べ、社保料、労保料等は意外に間違いが多い。控除
額の全ての法的知識を知ることが重要です。会社任せを止め自分で根拠を知る事です。
Ⅱ.会社等の数字を理解することの必要性
1.会社勤務、公務員、学校勤務、個人営業者等の関心事
⑴
会社勤務の場合、自社の毎年作成の決算書を見て、その内容を分析することです。
⑵
公務員の場合、予算・財政内容を検討し、行政改革、歳出削減することです。
⑶
私立学校勤務の場合、生徒数、財務基盤を知り、今後の姿を認識することです。
⑷
個人営業者等の場合、売上高、所得額、納付税額等を充分理解することです。
2.勤務している会社等の決算書で、まず、何処を見る
集合写真を見る時、まず、どこを見る?
きっと自分の写り具合を見るでしょう。
決算書を見るとき、まず最終的な利益を見るでしょう。次に売上高、そして経常利益
といった順が普通です。この他、売上総利益、営業利益、税引前当期利益などです。
3.決算書(財務諸表)は経営の1年の成果を示す通信簿
決算書は、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)が主なものです。この両者の
内容が優れていないと、優等生になれないのです。正に企業の成果を示す通信簿です。
Ⅲ.会計基準の大改革
1.改革前の我が国の決算書
改革前の我が国の決算書は、原則として取得原価主義、例外として低価基準により
作成されていました。しかし、国際的に通用しない決算書(1997 年秋ファイナンシャ
ル・タイムズにおいて、英文アニュアル・リポート添付の「監査報告書」に「日本の
会計基準は国際的に通用しない」趣旨のレジェンドがつき「非国際性」が問題となり
ました)では、グローバルな金融・経済に与える影響が大きく、業界は 3 年の歳月を
かけて、国際化を目指した新会計基準を導入し、国際会計基準に近づきました。これ
ら一連の改革を、「会計ビッグバン」といいます。
2.主な会計基準の大改革(会計ビッグバンの内容)
⑴
単独決算から連結決算の重視。国際化に対応したもの。例えば、ソニーの場合は
2002 年 3 月期で 1068 社を連結、持分法適用会社は 98 社。
⑵
税効果会計。繰延税金資産の(税効果資本)は、銀行の BIS 規制に問題。
⑶
連結CF計算書、現金主義決算書。従前は発生主義。潤沢な資金の保有が重要。
⑷
金融商品会計(時価主義)。有価証券等の評価損及び含み損の一掃。証券市場低迷。
⑸
退職給付会計。隠れ債務等の簿外債務のオンバランス化。有税積立で処理。
⑹
減損会計 06 年 3 月期導入予定。不動産等の減損処理。証券市場低迷とデフレ経済
での地価下落に対応策が見当たらない現状。国会でも取り上げ、今後の行方が課題。
3.改革前と改革後の決算書(数値)の比較(大学院祭で説明した比較一覧表は省略)
大口取引先の債務超過による回収不能 7 億、債務超過の子会社株式 100%評価損 54
億、持合株式の時価が簿価の 50%以下となった強制評価損 8 億、ゴルフ会員権の時価
評価損 1 億、退職給付会計導入に伴い会計基準変更時差異 45 億(隠れ債務のオンバラ
ンス化)による損失等で、114 億円(売上高の 40%相当)の特別損が発生し、含み損、
評価損、不良債権が炙り出され自己資本のマイナス(会計ビッグバン)となりました。
Ⅳ.決算書の読み方のポイント
(大学院祭研究発表では具体的資料で説明しましたが、ここでは省略します。)
1.貸借対照表は一時点の財政状況、損益計算書は一定期間の損益状況(3月決算を例)
企業経営はゴーイング・コンサーン(継続企業)と言われ、ワンイヤールール(1
年基準)で決算をします。B/S は 03 年 3 月 31 日現在の財政状況、P/L は 02 年 4 月 1
日―03 年 3 月 31 日の 1 年間の損益状況を示します。
2.収益力・成長力をどう読み取るか
①売上高は②売上総利益③営業利益④経常利益⑤減価償却費⑥諸引当金⑦配当性向等
で判断します。分析の結果、当該企業は、収益力はある程度良いが、成長力は努力を
要します。また、株主重視の姿勢が、配当性向で解ります。
3.経営課題・問題点をどう見つけるか
①有利子負債②試験研究費③設備投資額④損益分岐点⑤売上債権回転期間⑥資金繰り
状況等で判断、その結果、利子負債が 0、経営安全度は 59%であり、かなり経営は優れ
ています。課題は、売上債権回転期間が長く、問題点は、CF 保有量が少ないことです。
4.健全性・不況抵抗力をどう判断するか
①流動比率②当座比率③設備投資額④内部留保額⑤自己資本構成比率⑥ROA⑦ROE⑧評
価損、含み損で判断します。財務健全性について、資金繰り面で多少の不安が拭えま
せん。また、不況抵抗力は、自己資本比率が低く、財務体力は健康でとは言えません。
ROA は一抹の不安があり、ROE でも投資効率は一考を要する収益力と分析されます。
5.キャッシュ・フロー(CF)のポイント
「利益あって銭足らず」
、
「黒字倒産」の原因は CF にあります。CF は現金主義決算書を
指します。その内容は①営業活動 CF。②投資活動 CF。③財務活動 CF。④FCF(営業活
動 CF±投資活動 CF=正味現金利益)が主要な項目です。FCF は最終的な現金主義決算
では 5 億の赤字となっています。その原因は主に、在庫投資に資金が流出しています。
総合評価として、財務基盤がしっかりしているとはいえません。もう一段の高収益
を実現する課題が残ります。原因は、売上原価(売上原価率 94.2%)が高いことに問題
点があります。将来性はありますが、今後の高収益力と、財務基盤の強化が必要です。
Ⅴ.業績向上と人間関係(ノウハウ)
売上を増やせ、利益を上げろ、もっと働けといっても、業績は向上しません。優れた
企業にするには、良い人間関係が構築されなければなりません。良い人間関係をつくる
ことは、人に好かれることです。
「あの人は、話は下手だが、私は好きだ」と思われれば、
その人は一生懸命話を聴いてくれるでしょう。
「あの歌手は歌はうまいが、私は嫌いだ」
と思われればテレビのスイッチを切ってしまうでしょう。上に立つ人は回りに好かれる
ことです。それは、少なくとも次のことを実行することです。
1.明るいあいさつ
すべての関係は、あいさつから始まります。まず家庭で実行することです。あいさ
つは相互行為ではなく、相手が返さなくても一方行為と捉え、先手を打つことです。
相手を尊敬することになります。頭を下げ、声に出し、丁寧にあいさつをしましょう。
2.聴き上手になる
相槌(なるほど:良かったねー・・等)を打ちながら、真剣に最後まで聴き、話を
途中でさえぎったりしないことです。7 聴いて 3 答える、7 対 3 が最も効果的でしょう。
3.ほめ言葉を使う
ほめ言葉は、お世辞やオベッカではありません。誰でもほめられたい、鋤かれたい
と思っているに違いありません。ほめ言葉は、相手をやる気にさせ、発奮させます。
欠点探しは人を駄目にしてしまいます。どんな小さなことでも、相手の良いところを
見つけて、ほめる事のできる人程心の広い人です。ほめ言葉は自分に帰って来ます。
4.相手の価値を認め、重要視する
人間は誰でも認められたい、重要視されたいと思っているに違いありません。相手
の価値を認め、重要視することのできる人こそ、回りに好かれ、人格者だといわれる
でしょう。これによって、売上も、得意先も、利益も増えるでしょう。自己中心にな
らず、相手中心に考え、行動したいものです。
(独断と偏見をお許しください)
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