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インテリア用緩衝材料に用いられるポリウレタンフォームの圧縮・回復特性

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インテリア用緩衝材料に用いられるポリウレタンフォームの圧縮・回復特性
Nara Women's University Digital Information Repository
Title
インテリア用緩衝材料に用いられるポリウレタンフォームの圧縮・
回復特性および圧縮粘弾性特性
Author(s)
米田, 守宏; 中島, 千恵; 井上, 尚子
Citation
米田守宏・中島千恵・井上尚子:繊維製品消費科学, Vol.55, No.11,
pp. 857-864
Issue Date
2014-11
Description
URL
http://hdl.handle.net/10935/3999
Textversion
publisher
This document is downloaded at: 2017-03-30T19:36:22Z
http://nwudir.lib.nara-w.ac.jp/dspace
61
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(2014 ~ 4 Jj 9 13 5t1i
fr J:.
; 2014 ~ 9 Jj 20 13 stJ.!)
fa}--=f ***
Compression· Recovery Properties and Compressive Viscoelastic Properties of
Polyurethane Foam for Cushioning Material for Home Furnishings Use
Morihiro, YONEDA*, Chie NAKAJIMA** and Takako INOUE***
*Nara Women's Universjty, Nara, Japan
**Nara Women's University, Nara, Japan
***Sugiyama Jogakuen University, Aichi, Japan
Abstract
Mechanical properties of polyurethane foam are very important for designing comfortable
cushioning material for home furnishings use. In this study, compression-recovery property,
compression stress relaxation property and compression creep property of eight kinds of
polyurethane foam are investigated experimentally. Shape of sample used is a continuous mat of
5cm thickness for compression-recovery test, and an assembly of lcm cubic for compression
viscoelastic test. Results are obtained as follows:
(1) Compression-recovery properties of polyurethane foam are divided into three types; i.e. high
elastic polyurethane foam, low elastic polyurethane foam, and intermediate elastic polyurethane
foam .
(2) Stress-strain curve of low elastic polyurethane foam has a flection point at around 1.500-1.700
Pa. At the flection point, large tangential elasticity turns to low.
(3) Compression relaxation behavior of low elastic polyurethane foam has two stages.
(4) Expression of compression stress relaxation for polyurethane foam is obtained as follows:
o = Bt-a, where,
o (Pa): stress at time t (s); a and B are constants.
(5) Compression creep behavior of low elastic polyurethane foam has two stages. Expression of
compression creep displacement for intermediate polyurethane foam is obtained as follows:
Et= Yo ln(vt+ 1), where,
Yo (mm) and v (s-1) are constants.
(Received April 9, 2014; Accepted September 20, 2014)
Key words: polyurethane foam, compression-recovery, stress relaxa6on, creep, cushioning material.
(Journal of the Japan Research Association for Textile End- Uses, Vol.55, pp.857- 864, 2014)
Vol.55
No.11 (2014)
0037-2072/ 2014/ 1100-0857 $ 01.00/ 0@ 2014 Jpn.Res .Assn. Text .End-Uses .
( 857)
62
一一要旨
座り心地の良さを目標としたインテリア用緩衝材料の設計には,充填材料であるポリウレタンフ
ォームの力学特性が重要である.そこで,市販されている 8種のフォームの圧縮・回復特性および
圧縮粘弾特性について検討した.ただし,圧縮・回復試験は厚さ 5cmのマット状試料を用い,圧縮
粘弾性試験は lcm角のキューブ状に裁断した集合体試料を用いて試験を行った.
(
1)圧縮・回復挙動は,高反発フォーム,低反発フォーム,その中間的なものの 3種に分類される.
(
2)低反発フォームの圧縮・回復曲線は 1500-1700Pa近辺を境として接線弾性率が大から小へと変
化し, 2段階的な振る舞いを示す.
(
3)低反発フォームの応力緩和は 2段階的挙動を示す.
(
4)フォーム試料の応力緩和は, σ= ~t -α で表される . ここで, σ(Pa)は任意時間の応力, t(s)は時間,
α,P
は定数である.
(
5)低反発フォームのクリ ープ挙動は 2段階的振る舞いを示す.中間的なフォームのクリープ表示
式は, εt= Yol
n
(
v
t
+1
)で表される.ここで, Y0(mm), v
(
s1)は定数で、
ある.
キーワード:ポリウレタンフォーム,圧縮・回復,応力緩和,クリーフ。,緩衝材料
1. 緒 日
ソファ ー,椅子などのインテリア分野や,ベッ
ド,敷きふとん,枕などの寝具分野など, 日常生
活の広い分野でクッ シ ョン材が多く用いられてい
る.これらのクッション材には,低価格で圧縮耐
久性に優れ,ある程度のクッション性を持ち,成
型性や取り扱いやすいことなどからポリウレタン
フォームが多くのマットレス,枕および椅子など
のクッション材として共通して使用されている.
近年,寝心地や座り心地に対する消費者意識の高
まりから,着用快適性に優れた材料を求めるニー
ズが出てきている.最近では,敷き寝具や枕のク
ッション材として,ポリエーテル系の軟質ウレタ
ンフォ ームが商品化されている.一般のポリウレ
タンフォ ーム に比べ,反発弾性が非常に小さく衝
撃吸収性の高いポリウレタンフォームであり,「テ
ンビュ ール」「 クララフォーム」などの商品名で流
通している.低反発ウレタンフォームの特徴は,
人体の形(凹凸)に添ってポリウレタンフォーム
自体が形を変化していき,体圧を全体に分散させ
る効果があると植われている.以上のように,座
り心地を目標としたインテリア用途のシート状中
敷き材料の設計には,充填材として用いられるフ
ォーム材料の力学特性が重要な役割を果たしてい
ることが予想される. しかし,これら材料の圧縮
特性,圧縮粘弾性特性に関する研究はほとんど公
表されていない.
一方で,われわれは敷きふとんなどの寝装用途
に用いられる中わた部材として,近年業界で流通
している異型断面ポリエステノレ,丸断面および中
空断面ポリエステル,ポリトリメチレンテレフタ
(858)
レートなどの合成繊維,キュプラおよびリヨセル
などの再生セルロ ース繊維からなる短繊維集合体
を対象とし,その圧縮特性について実験的および
-7].その結果,われ
理論的に検討を行ってきた[ 1
われは寝装用材料の充填材として用いられる短繊
維集合体の圧縮特性,圧縮粘弾性特性について,
その評価法および諸性質に関して一定の成果を得
ている.
本研究では,これまでに得られた寝装用短繊維
集合体の圧縮特性の評価法に関する知見を基にし
て,主としてインテリア用充填材料として用いら
れるポリウレタンフォームの圧縮 ・回復特性,圧
縮にかかわる粘弾性的性質として応力緩和特性お
よびクリープ特性の測定を行う.現在,市場で流
通している 8種のポリウレタンフォームを収集し
て実験材料とし,その圧縮挙動を実験的に検討す
る
.
2. 実 験
2
1 試 料
実験に使用したポリウレタンフォ ームは,イノ
アックコーポレーション製ポリウレタンフォーム
6種,アキレス製ポリウレタンフォ ーム 1種,ク
ラボウ製ポリウレタンフォーム 1種の計 8種であ
る.これらのポリウレタンフォームを,標準状態
(
2
0
土2
°
C
, 65±2%RH)の環境条件中で 24時間以
上調湿した後に実験に供した.これら試料の記号,
商品名,特徴および密度を Tablelに,ポリウレタ
ンフォ ーム の断面形状を顕微鏡で撮影したものを
F
i
g
.
l
(
A)
∼
(H)に示す. F
i
g
.
Iに示すように,いずれ
のフォーム試料も直径 250∼500μmのクローズド
繊消誌
6
3
T
a
b
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e1 Samplec
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C
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m
ー
緩和試験では,使用した測定装置の力計の荷重限
界を超えるためである(オーバースケールのため).
クリープ試験では変位量の測定限界があるため
(マット状試料ではほとんど変形しなし'),キュー
ブ状のポリウレタンフォームを充填材料とした試
料とした.キューブ状ポリウレタンフォームを充
填する材料としては,ポリエステル平織物(経糸 :
5
6
d
t
e
x,緯糸: 8
4
d
t
e
x)を用いた.一辺が 15cmの
袋状の側地を作成し,この袋状物の中にキューブ、
状ポリウレタンフォームを充填する .この場合,
体積一定法で行うこととし,厚みを 5cmに一定に
した座布団状試料とした.各試料の重量は, C:
1
3
.
3
g
, G :3
8
.
2
g
, E :2
8
.
9
gである.
2
2 実験装置および実験方法
F
i
g
.I C
r
o
s
s
s
e
c
t
i
o
nofs
a
m
p
l
e
.
セノレからなることがわかる.
圧縮試験における主要な測定条件として試料の
形状があるが,本研究では力学試験の種類により
以下のように使い分けている.圧縮 ・回復試験は
厚さ 5cmのポリウレタンフォームのマット状試料
を用いた.圧縮粘弾性試験においては,ポリウレ
タンフォ ームを lcm角のキューブ状に裁断したも
のを用いた.これは,マット状試料を用いた場合,
中程度および高反発ポリウレタンフォームの応力
V
o
l
.
5
5 N
o
.
1
1(
2
0
1
4
)
圧縮 ・回復試験および圧縮応力緩和試験に使用
した実験装置は, KES-G5 圧縮試験機(カトーテ
i
g
.
2に
ック(械製)である.実験装置の模式図を F
示す.圧縮クリープの測定には,試作の圧縮クリ
ープ測定装置(カトーテック(械製)を使用した.
i
g
.
3に示す.
実験装置の模式図を F
圧縮 ・回復試験の測定条件は,最大圧縮応力は
4900Pa,加圧板面積 20cm2,圧縮速度は Imm/sec
とした .力計に接続した加圧板の下降および上昇
運動を行わせることによってマット状試料に圧縮
および圧縮回復作用を行い,その場合の圧縮応力
Pc(Pa
)と圧縮変位量 T(cm)を経時的に測定する.な
お
, KES-G5の最大応力は 4900Paが限界であるた
め,本実験では最大圧縮応力を 4900Paに設定した.
圧縮応力の出力電圧はデータロガーを用いて
200msec 間隔で取り込み,パソ コンにてデータ処
理を行った.この測定結果から,圧縮加重過程の
圧縮エネルギ ~wqJ/m2),除重過程の圧縮回復エ
ネルギー WC'(J/m2)を求めた[ 8
]
.
圧縮応力緩和試験の測定は次の手順にしたがっ
(859)
6
4
∼
L
o
a
d
c
c
l
l
d
Sam
pl
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.
F
i
g
.
2S
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a
t
i
cdiagramofKES-G5Compression
T
e
s
t
e
r
タロガーに取り込み,パソコンにて信号処理を行
った.圧縮変位量は 1.5cmとした.
圧縮クリープ試験の測定は次の手順にしたがっ
て行った.初めに,所定の試験荷重を積載した圧
縮板をゆっくりした速度で降下させ,試料を試験
荷重で圧縮する.圧縮板が接触した瞬間を時刻
O
s
e
cとする.この瞬間に座布団状試料はいずれも
クリープ状態に入り,これ以後の変形をクリーフ。
変形と規定する.圧縮板の支柱の移動量(変位)
を差動トランスで検出し,圧縮クリーフ。変位を
1
0
4
s
e
cまで経時的に測定する.信号処理法として,
圧縮クリープ変形量に対応するアンプからの出力
電圧をデータロガーに取り込み,その後,パソコ
ンにてデータ処理を行った.本実験では 1113Pa
の応力を負荷した.なお,本試験機は変位量の計
測範囲が O∼ lOmmであるため,変形量の大きい
試料のクリーフ。変形を測定可能な範囲内にするた
め 1113Paに設定した.
3. 結果および考察
句
。
ム
V
、
,
a
O
L
P
3
1 圧縮・回復特性についての考察
2
2に記述した実験方法にしたがって 8試料の
圧縮・回復試験を行った.得られた圧縮・回復曲
i
g
.
4に示す. F
i
g
.
5は縦軸が圧縮加重過程の
線を F
W Cおよび圧縮除重過程の W C’
(
J
/
m
2),横軸は試
i
g
.
4より,圧縮・回復挙動の違
料コードを示す. F
いはおおむね 3つに分類される.すなわち,圧縮
変位量が極めて少なく,ヒステリシスの小さい高
反発ポリウレタンフォーム A,C,D,F,H,変位量
が大きく,ヒステリシスの大きい低反発ポリウレ
G,および両者の中間に位置する
タンフォーム B,
ポリウレタンフォーム Eである.これらの圧縮エ
ネルギーおよび回復エネルギーを比較すると, A,
C,D,F,H は圧縮エネルギーが 1
.
9∼5
.
9
(
J
/
m
2),回
F
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.
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t 、
司
、
Z ︶ 担 問 芝 戸田 c
F 一的目白包
て行った,高さが 5cmになるように面積 20cm2の
円形の加圧板を調整し,その時点における記録計
の目盛を 0に合わせる.すなわち,高さ 5cmの状
態を負荷 0と見なす.次に加圧板を 5mm/secの速
度で下降させ,加圧板が所定の変位量になったと
s
e
cとす
き,加圧板を停止させ,その瞬間を時刻 O
る.その後力計に接続した加圧板を停止(変位量
が一定に固定される)したまま,試料の圧縮応力
0
4
s
e
cまで 1秒間隔で経時的に測定する.
変化を 1
データの解析方法は,圧縮応力の出力電圧をデー
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g
.
4 Ther
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旧v
e
.
復エネルギーは 1
.
3∼3
.
4
(
J
l
m
2
)
, Eは圧縮エネルギ
5
.
0
(
J
/
m
2),回復エネルギーは 1
0
.
8
(
J
/
m
2
)
,B,G
ーが 1
は圧縮エネルギーが 5
3
.
2∼6
4
.
l
(
J
/
m
2
),回復エネル
1
.
2∼3
2
.
8
(
J
/
m
2
)で、ある.最も反発性の高い
ギーは 3
ポリウレタンフォーム H と反発性の低いポリウレ
タンフォーム G について,中程度の反発性をもっ
ポリウレタンフォーム Eのエネルギーを比較した.
H の圧縮エネルギーは Eの約 0
.
1
3倍,回復エネル
.
1
8倍であるのに対し, G の圧縮エネル
ギーは約 0
.
3倍,回復エネルギーは約 3倍である.
ギーは約 4
また ,H はヒステリシスロスが極めて 0 に近く
(WC'
川T
C主 1
),圧縮・回復曲線はほぼ線形である .
一方, B,G はヒステリシスロスが大きく, B は
W C'
川T
C主 0
.
5
9
, G は WC'川 r
e主 0.51である.
また ,
Bおよび G は圧縮・回復曲線の形状から,
圧縮挙動は 2段階的な振る舞いを示していること
が見てとれる.圧縮初期過程では接線弾性率が大
きい.すなわち圧縮かたいが, 1500∼ 1700Pa近辺
を境としてそれ以上の応力範囲では接線弾性率が
小さく,圧縮柔らかいことがわかる.
以上の結果から,試料種の違いによる各試料の
圧縮・回復挙動の特徴が圧縮・回復曲線から明ら
かとなり,さらに圧縮・回復エネルギーの違いが
数値として捉えられた.
3
2 圧縮応力緩和特性についての考察
3
1 において得られた結果に基づき,試料 8種
の中から,高反発ポリウレタンフォーム C,変位
量が大きい低反発ポリウレタンフォーム G,およ
び両者の中間に位置するポリウレタンフォーム E
の 3試料を選出した. C
, G, Eのキューブ状ポリ
ウレタンフォ ームを充填した座布団状試料を用い
て圧縮応力緩和試験を行った.得られた結果を
F
i
g
.
6に示す.縦軸は応力緩和率 Y
(
t
)を普通目盛で,
V
o
l
.
5
5 N
o
.
1
1(
2
0
1
4
)
横軸は時間 t
(
s)を対数目盛で示している.
ここで応力緩和率は次式で定義される.
Y
(
t
)=σ(
t
/
)σ。 ( 1
)
t
):任意時間 t
(
s)における応力 (
P
a
)
σ(
σo :初期応力(時間 t
=
Oにおける応力)
上述の測定結果より明らかなように, C
, E の応
O
s
e
c以後では片対数グラフ上
力緩和率曲線は約 l
,E
で直線に近似できる .Gの応力緩和率曲線は C
の応力緩和率曲線とは異なり,片対数グラフ上で
下に凸な曲線を描いている.F
i
g
.
6からわかるよう
に Gの圧縮応力緩和は C,Eよりも非常に大きい.
以上のように各試料の応力緩和率曲線の形状から,
応力緩和挙動の違いが明らかとなった.
1
.
2
。、
命
日
川
町
一
一
一
一
0
2
川
一
品
川
4
6
8
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n
(
i
)
F
i
g
.
6 Compressions
t
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es
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l
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x
a
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.
Theo
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仕e
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i
o(
n
.
d
.
)
.
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b
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sn
a
t
u
r
a
ll
o
g
a
r
i
t
h
moft
i
m
e
.
次に,ポリウレタンフォームの応力緩和表示式
について検討した .応力対時間曲線を両対数フ。
ロ
ットすることにより直線関係が得られる.ポリエ
ステル短繊維集合体の応力緩和表示式は次式で、表
]
.
されることを既報において報告した[3
σ= ~t -α
(2)
ここで σσa
)は任意時間における応力, t
(
s)は時
間
, αおよび Pは試料種別および測定条件によっ
て決まる定数であり,次のような物理的意味をも
っている.すなわち α は緩和の速さ(n
.
d
ふ Pは
t=l
(
s)における応力の大きさ
)を示す.ここで α
および戸は,縦軸の応力 σ(
Pa
),横軸の時間 t
(
s)
を
両対数目盛で、フ。ロットして得られた測定曲線を直
線で近似し,その線形近似曲線の傾きおよび切片
から求まる. α値および p
値は以下の通りである.
α値は Cが 0
.
0
2
3
, Eは 0
.
0
5
6である . Gの応力緩
和は 2段階的な振る舞いを示しているようにみえ
る.これはキューブ状集合体試料を用いることに
i
g
.
4に示される応力一ひずみ曲線における
より ,F
σ
a
(8
6
1)
66
Jee … … − exp
e
r
凶
0 1
0:
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」
0
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s
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F
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t
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l and
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3
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o
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c
a
l
c
u
l
a
t
e
dc
C
,E
,G
.
3
3 圧縮クリープ特性についての考察
2
2において記述した実験方法にしたがって, C
,
E
, G のキューブ状ポリウレタンフォームを充填
した座布団状試料を用いての圧縮クリープ変形量
を圧縮応力 1113Paのもとで測定した.縦軸に圧縮
クリープ変形量 εt(mm
),横軸は時間 t
(
s)を対数目
i
g
.
8より明らかなように, C
,
盛で示している. F
0∼ 1
0
4秒の時間領
E の圧縮クリーフ。変形曲線は 1
域でほぼ時間の対数に比例している.それに対し
(862)
自
・
−
G
− 回 目 幽
C
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E
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z
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となる. (
3)式によって計算された各時間における
応力一時間曲線を,測定曲線とともに F
i
g
.
7 に示
した.ここで,縦軸は応力を,横軸は時間 t
(
s)
を
いずれも普通目盛で示している.F
i
g
.
7より明らか
なように,(2)式に基づく計算曲線((3)式)は短時
間領域においても測定曲線とほとんど一致した.
このような計算曲線と測定曲線の極めて良好な一
, G においても確認された.その結果も
致は, E
F
i
g
.
7に示す(ただし,計算曲線と測定曲線の一致
が良好であるため両曲線を区別することは難し
て G は緩やかな S字曲線を描いている. 3試料の
,
違いを比較すると, G の圧縮クリーフ。変形量は C
E よりも明らかに大きい.各試料の 1
0
4秒におけ
る圧縮クリープ変化率を比べると, C:5.0%, E:
4.2%, G :13.2%である . Gは C の約 2
.
6倍
, Eの
約 3倍大きい.
7654321
折れ曲がり点の応力値が小さくなっているためで
あると推測される.そのため,低応力領域で 2段
階的な応力緩和挙動を示しているものと考えられ
る.Gの α値は O<t壬200sの短時間領域では 0
.
0
8
0
,
t<200sの長時間領域では 0.039となっている.
値は C が 2
3
.
7
2
, Eは 4
4
.
7
4である . G
一方, O
の場合, p
値は O<t壬200sの短時間領域では 1
8
.
3
9
,
t>200sの長時間領域では 14.36となっている.
)
本研究で得られた C,E,Gの応力緩和曲線が(2
式を満足するかどうかについて検討した. α 値と
p値を代入した一例として, C の場合を示すと,
σ=23刀 t0
.
0
2
3
0
(
3
)
。
。
2
.
4
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1
0
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n
tc
u
r
v
e
.
次に圧縮クリープ変位の時間変化に関する数式
表示(クリープコンブライアンス)について検討
する.野飼と鳴海ら[9]は綿繊維塊の圧縮クリーフ。
特性を検討している.綿繊維塊の圧縮クリープ変
形は, Eyring粘性を示すダッシュポットを含む非
線形 3要素モデ、ルで、表されることを実験的に明ら
かにし,綿繊維塊に対する圧縮クリープ表示式(4
)
を導いている.この知見をもとに,既報[4
,
6]では,
標準状態(20°C, 65%RH)および高湿状態におけ
る短繊維集合体の圧縮クリープ現象が, Eyring粘
性を示すダッシュポットを含む非線形 3要素モデ
ルで、表されることを実験的に明らかにし,以下の
クリーフ。表示式によって表わすことができること
を示した.
ε
t=Y
0
l
n
(
v
t
+
1
)
(
4
)
ここで Yo(mm
)および v
(
s
1)は試料の物性や測定
条件,圧縮応力などによって決まる定数である.
本研究では,ポリウレタンフォームについても,
圧縮クリープ挙動が短繊維集合体と同様に非線形
3 要素モデルで、表されるかどうかについて検討し
4)式を適用することによりポリウレタンフオ
た. (
ームの圧縮クリープ曲線を解析する.
測定結果から式(4)の係数 Yoおよび v を求め,
式
(4)に代入して計算した曲線を測定曲線ととも
に F
i
g
.
9∼ 1
1 に示す.縦軸に圧縮クリープ変形量
εt(mm
),横軸は時間 t
(
s)を対数目盛で示している.
ここで図中の破線は式(4)による計算曲線,実線は
測定曲線である.ただし, Yoおよび v の値は, t
繊消誌
6
7
1
0
3
(
s)および t=1
0
4
(
s)における ε
tの実測値を式
二
(
4)に代入し,得られた 2つの方程式を連立させて
o
f
l
直は 0
.
3
0
4
,
解くことによって求めている . Eの Y
v値は 0
.
0
8
5である.ここで Y。
と vの物理的意味
]
.y。は任意時間における圧縮
は次の通りである[6
クリープ変形の大きさ(m m)を表わすパラメータ
である .vは
, Yo・
v
(
=
V
i
n
Dとい う積の形で初期変形
i
g
.
9に示すように,
速度という物理的意味を持つ.F
0
4秒の範囲において,測定曲線と計算
Eは O<t壬1
曲線の一致はおおむね良好であると考えられる.
したがって,中程度の弾性のポリウレタンフォー
ム Eの圧縮クリープ挙動は非線形 3要素モデ、ルで、
試料においては, F
i
g
.
4に示すように応力一ひずみ
曲線では 1113Paは折れ曲がり点( 1500∼ 1700Pa)
以下の領域であるが,クリーフ。試験ではキューブ
状集合体試料とすることにより,折れ曲がり点の
ひずみ値が小さくなり, 2 段階的な振る舞いを示
すものと考えられる.
以上より,試料 C,Gの圧縮クリープ挙動は非線
形 3要素モデ、ルで、表すことができないことがわか
った .cおよび G のクリープ表示式および粘弾性
モデ、ルに関する検討は,今後の課題としたい.
7
ε
、
輔
E
、6
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説明できるといえる.
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崎
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5
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一方, F
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g
.
1
0に示すように, C は測定曲線と計
算曲線がほとんど一致していない . Gについては
F
i
g
.
1
1 に示すように,長時間領域 (
t
>103秒)で
は測定曲線と計算曲線は一致しているが, O<t豆
1
0
3秒の時間領域では一致していない.試料 G に
ついては,ひずみの大きさに関して 2段階的な振
る舞いを示しているものと考えられる.マット状
、
,
戸
、、
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§ 2.5
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4. 結 日
本研究では, 8種のポリウレタンフォームの圧
縮・回復特性および圧縮にかかわる粘弾性的性質
として応力緩和特性およびクリープ特性について
実験的に検討した.ただし,圧縮試験の種類によ
り試料の形状を使い分けて行った.圧縮・回復試
験では厚さ 5cmのマット状試料を用いた.圧縮粘
弾性試験では,ポリウレタンフォームを lcm角の
キューブ状に裁断した集合体試料を用いた.この
ようなキューブ状集合体試料を用いた理由は,反
発性の高いポリウレタンフォームでは,マット状
試料の場合,応力緩和試験において測定装置の力
計の荷重限界を超えるためである.同様に,マッ
ト形状の高反発ポリウレタ ンフォームではクリ ー
プによる変位がほとんど検出されないためである.
得られた結果は以下の通りである.
(1)圧縮・回復挙動の違いは 3種に分類される.
すなわち,圧縮変位量が極めて小さく,ヒステリ
シスの小さい高反発ポリウレタンフォ ーム A,
C
,
D
,
F
,H,変位量が大きく,ヒステリシスの大きい
低反発ポリウレタンフォーム B,G,および\両者
の中間に位置するポリウレタンフォーム Eである.
(2)低反発タイプ B
, G の圧縮・回復曲線は他
(863)
6
8
の試料とは異なり, 1
5
0
0∼ 1
7
0
0
P
a近辺を境として
圧縮挙動が変化しており, 2 段階的な振る舞いを
示している.すなわち,圧縮初期過程では接線弾
性率が大きいが, 1
5
0
0∼ 1700Pa以上の応力範囲で
は接線弾性率は小さい.
(3) G の圧縮応力緩和は 2段階的な挙動を示し,
緩和量は Cおよび Eよりも非常に大きい.
(4)ポリウレタンフォームの応力緩和表示式は
次式で表される.
σ=B
t−α
ここで σ(
Pa
)は任意時間における応力, t
(
s)は時
間
, αおよび P
は試料の物性および測定条件によ
って決まる定数である.
(5) C
, E に比べて G の圧縮クリーフ。変形量は
顕著に大きい . Gの圧縮クリーフ。挙動は 2段階的
な振る舞いを示す.
(6)中間的な振る舞いを示す Eのクリーフ。表示
式は次式で表される.
εr=Yol
n
(
v
t
+
l
)
ここで, Yo(mm
)および v
(
s
1)は試料の物性およ
び測定条件などによって決まる定数である.これ
より, Eの圧縮クリープ挙動は非線形 3要素モデ
ルで、表すことができる.一方, Cおよび G は非線
形 3要素モデ、ノレで、表すことができなかった.
以上のように,シート用充填材料として用いら
れる各種ポリウレタンフォームの圧縮特性および
圧縮粘弾性特性の測定を行い,その特徴を捉える
ことができた.これらの結果は,シート用充填材
料が座り心地に与える影響について検討するため
の基礎資料となる.フォームの圧縮特性が座り心
地にどのように関連するかについては,官能試験
(864)
等を通じて今後検討する必要がある.さらに,実
際には充填材料は椅子張り地と組み合わせた形で
用いられる.このため,椅子の座り心地には椅子
張り地とフォームを組み合わせたシステムの力学
挙動が重要であると考えられるが,これについて
も今後の検討課題としたい.
付記
本研究は,科学研究費助成金基盤研究(C
)(課題
5350075)の援助によって行われた.
番号 2
引用文献
[
1
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[
3
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[
4
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5
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8
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