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FOSNAR NEWS
FOSNAR NEWS
2012 年 5 月 15 日
第 7 号, マナグア
ニカラグア
★トップニュース
理解度テストの結果に
危機感!
★「私がカウンター
パートです」No.4
ホスエ・サンチェス
児童労働課課長
このコーナーで
は、常にプロジェク
トに愛着をもって働
いてくれているカウ
ンターパートやスタ
ッフを順に紹介して
いきます。
★ニカラグア NIQU
便り No.4
肉食系の専門家よ
り、ニカラグアのお
いしいお肉の紹介を
お届けします。
※本ニュースレターはプ
ロジェクトの活動や周辺
情報について、専門家の
見聞を日本の関係者向け
に発信するものです。
JICA 及びカウンターパー
トの見解ではありませ
ん。
発行はニカラグア時間の
毎月 15 日、30 日の 2 回
です。
理解度テストの結果に危機感!
5 月に入っても連日 35 度
を超える日々が続いている
ニカラグアです。
さて、プロジェクトでは
技官を包括的な社会福祉人
材として育成するための
「人材育成研修計画」を作
成していますが、具体的な
研修の内容を検討するにあ
たり、技官たちにどのよう
な知識・技術が不足してい
るのかを把握する必要があ
ります。
中でも、権利擁護、特別
保護に関する業務において
は、法律の知識を必要とす
る手続きや作業手順の決ま
った業務が多く、家族省の
技官はこうした基礎知識を
有した上で、相談業務を行
うことが求められていま
す。
知識を有している、ある
いは業務手順を知っている
ことは、必ずしも質の高い
相談業務を実施できること
を意味しませんが、その前
提であることは確かです。
プロジェクトでは、住民か
らの相談に対し技官が正し
い手続きを踏み、適切に対
応できるよう、基礎レベル
の知識・能力の向上を目指
しています。
理解度テストを実施
そこで、カウンターパー
ト部署である権利擁護部の
インプットを経て、特別保
護業務に関する「理解度テ
スト」を試験的に実施しま
した。対象者は、マナグア
市地域支所に勤務する 40 名
の技官です。
業務手順の理解不足
テストでは、親権問題と
生活扶助、商業的性的搾取
の下にある子どもの保護に
関する別の事例に関する相
談をケース事例としてとり
あげ、その際に技官がとる
べき業務手順について、選
択式の質問がなされまし
た。結果、残念ながら 60%
の回答者が、業務手順を理
解しておらず、誤った回答
を選択しました。
らはそれとは程遠い状況が
推測されます。
また、自信や責任感の不
足から、経験や専門性が高
い技官に対応を丸投げして
しまったり、本来は地域支
所で対応すべき相談を本省
に回してしまったりという
問題も発生しています。
打つ手はあるのか?
家族省の社会福祉に対す
るビジョンは高いですが、
現実に質の高い行政サービ
スを提供するには、現時点
では省の人材の能力はかな
り低いと言わざるを得ませ
ん。
このような危機的な状況
に打つ手はあるのでしょう
さらに同テストでは、5 頁 か?これまでの場当たり的
に渡って書かれたケース事 な研修方法をやめて、継続
例を読み、問題を解決する 教育的な視点から人材育成
ために技官としてとるべき を行っていく必要がありま
対応について、記述式で回 す。C/P である権利擁護部
答する箇所がありました。 のデニス技官は、「大学の
これについても 55%の回答 勉強でもない、一般的な内
者が白紙回答という結果に 容の研修でもない、支所の
終わりました。中には、時 業務に特化した具体的な人
間切れで回答できなかった 材育成研修の実施が急務で
者も見受けられ、業務に関 ある。ただ、能力向上には
する知識の有無の前に、長 長いプロセスが必要」と指
い文章を読みこむ能力の不 摘しています。
足も危惧されます。まして
そのプロセスを支援する
や、実際の現場では限られ ため、6 月から実験的に特
た時間の中で、多様なテー 別保護の研修を開始しま
マの相談にその場で的確な す。家族省そしてプロジェ
判断を下し対応する必要が クトの挑戦は始まったばか
ありますが、テスト結果か りです。
ケース分析も困難
「家族とコミュニティのための社会リスク予防・ケア統合行政サービス能力強化プロジェクト」
JICA-MIFAN-FOSNAR 2012-2016 禁転載
FOSNAR NEWS
第7号
2012 年 5 月 15 日発行
私がカウンターパートです!
No.4
ホスエ・サンチェス課長(家族省本省児童労働課)
児童労働課のメンバーの中でも
比較的若手で、毎日バイクで颯爽
と現れるホスエさんは、FOSNAR
の途中から現在のポストに就き、
約 3 年のお付き合いがあります。
ホスエさんは、マナグア市内の
大学で人類学を学んだ後、ニカラ
グアの北部で原住民に関する調査
等に携わっていましたが、その過
程で子どもや青少年の権利擁護と
いうテーマに関心を持つようにな
ったそうです。
コミュニティの住民に寄り添
い、住民の参加を奨励するという
現政権のスローガンの下、児童労
働課も同じ方針でより質の高いサ
ービスを青少年や子どもに提供す
る責任があると言います。
改革への熱い想いがあります
今回ご紹介するのは、カウンタ
ーパート部署である本省児童労働
課のホスエ・サンチェス課長で
す。
子どもの権利実現のために
ホスエさん率いる児童労働課で
は、青少年や子どもが家庭を支え
るために労働をするのではなく、
教育を受けたり、レクリエーショ
ンを楽しんだりする権利を守るた
~ ニカラグア NIQU 便り~
マナグア市から東に車で 20 分ほ
どいったところにティピタパ市とい
う街があります。
ある時、ティピタパ市の家族省支
所へ出張に出かけた児童労働課の技
官の話を聞いていると、お昼におい
しい豚肉料理を食べたとのこと。そ
の名も「チンガステ」。意味は知ら
ないけれど、なんだか耳に残る響
き。ティピタパに行ったらぜひまた
食べたい、と繰り返すので、専門家
も興味津々です。ティピタパを通る
機会に恵まれた時に、お昼を食べに
立ち寄ってみました。
店に着き、看板をみると、店の名
前はスペイン語で豚という意味の
「El Chanchito」。あまりに直接的
な名前ですが、店の黒板に書かれた
No.4
め、様々な活動を展開していま
す。ニカラグアでは残念ながら、
そのような子どもの権利が認識さ
れず、家で酒ばかり飲んでいる親
から路上に送り出され、家族の食
事代を稼ぐ子どもがいます。子ど
もをそのような環境から物理的に
離し、教育や食事を受けられる保
護施設に入れると同時に、保護者
の意識を変革するよう促すのも児
童労働課の活動の一つです。保護
者の意識を変えるというのは難し
いことですが、子どもを施設に入
れるのに賛同し、自ら働くように
なるのは、最初の大きな一歩であ
ると考えているそうです。
「FOSNAR2では、これまで機
会のなかった権利擁護などのテー
マを含めた包括的な研修を通じ、
住民へより質の高いサービスを提
供するための根幹となる技官の能
力強化を図りたい。それが住民に
応えることになる。」と、プロジ
ェクトへの熱い期待を寄せてくれ
ました。
El Chanchito の Chingaste
わずかなメニューを見て納得。豚肉
を焼いたり、揚げたり、調理法はか
われど結局豚肉しかありませんか
ら、お店の名前の通りです。ちなみ
に、店の入り口では豚を飼っている
臭いまでするため、かなり新鮮な肉
を提供している?と思われます。
それは、豚の内臓など余った部位を煮
込んだ、モツ煮のような食べ物。よく
よく聞いてみれば、チンガステとは、
ニカラグア特有の単語で残りかすのよ
うな意味で使われるとのこと。トウモ
ロコシの粉や果物などを使った飲み物
が豊富なニカラグアでは、通常は粉や
種などの沈殿物のことを指すようで
す。
今やティピタパ名物のチンガステ、
訪問の際はどうぞお試しあれ!
早速、噂のチンガステを注文!
店内で食べるといっても、お皿で
はなくビニール袋に入って出てきた
「家族とコミュニティのための社会リスク予防・ケア統合行政サービス能力強化プロジェクト」
JICA-MIFAN-FOSNAR 2012-2016
禁転載
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