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東日本大震災における ライフライン被害と今後の課題
平成23年度 第4回成果発表会 東日本大震災における ライフライン被害と今後の課題 岐阜大学 教授 能島 暢呂 横浜国立大学 教授 佐土原 聡 横浜国立大学 特別研究教員 稲垣景子 2012.02.24 本日の発表内容 首都圏の上下水道のデータの構築と被害予測: 永田茂 筑波大:交通インフラ網等の復旧を基点とした広域連携による復旧効 率化に関する検討 鹿島:地震時における企業の事業影響日数評価式 千葉大:首都直下地震における上水道管と木造建物の広域被害予測 東日本大震災のライフライン機能被害と今後の課題:能島暢呂 横国大:自律分散型拠点構築による地域防災力向上 岐阜大:ライフラインの供給側とユーザー側の対策を考慮した広域機 能充足度の評価 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 2 2012.02.24 ライフライン被害の影響評価と 様々な対策によるインパクト軽減の枠組み ネットワーク 脆弱性 地震動強度 個別的 インパクト 個別充足度 システム性能 (復旧曲線) 供給率 損傷確率 構成要素 脆弱性 時間 能島暢呂・亀田弘行・吉川徹志:ライフライン地震被害に よる居住生活支障の評価に関する研究,第21回地 震工学研究発表会講演概要集,pp.329-332,1991. 全体充足度 社会的 インパクト 時間 時間 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 3 2012.02.24 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 自律分散型拠点の計画手法 水 電気 ためる 受水槽 蓄電池 つくる 再生水(中水) 発電機 環境利用 地下水利用 雨水利用 河川水利用 海水(淡水化)利用 太陽光発電 風力発電 (水力/地熱/波力) 太陽熱 電源車 トランスヒートコンテナ 建物間融通 スマートグリッド 建物間融通 地域冷暖房 転用する 応急救援 蓄熱槽 貯湯槽 防火水槽 給水車 給水船 地域で備える 応急給水槽・給水栓 /共用する 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 熱 蓄熱槽 貯湯槽 発電機の排熱利用 (コージェネレーションシステム) 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 4 2012.02.24 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 エネルギー・給水設備に関するアンケート調査 災害時の水・エネルギー供給の信頼性確保を目指し, 地域の中核である自治体庁舎建物と災害拠点病院 の現状を調査し,拠点構築の可能性を検討する. 調査項目: (1)建物概要, (2)建物エネルギー設備, (3)自家発電設備, (4)非常時のエネルギー供給, (5)環境負荷低減システム, (6)水・エネルギー消費量 都県庁市庁舎 区役所庁舎 病院 調査期間 H19年10~11月 H20年4~5月 H22~23年 調査対象 八都県市 東京 政令市 災害拠点病院 回収数 8 19 34 78 回収率(%) 100 82.6 82.9 58.2 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 5 2012.02.24 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 エネルギー・給水設備の概要 病院 高置水槽方式:9割以上 給水設備 ※蓄熱式空調S: 約2割 自治体庁舎 都県市:高置水槽方式(7都県市) 区役所:高置水槽方式 85% ⇒断水時の水槽水利用 ※蓄熱S:都県市の5割,区の2割 電気 1回線受電: 21% 2回線受電: 55% スポットネットワーク: 15% ループ受電: 9% 都県市:ループ受電(2県) 2回線受電(6都県市) 区役所:6割以上が1回線受電 ガス 高圧・中圧:49% 中圧・低圧: 37% 低圧: 14% 都県市:6県市が中圧B 区役所:7割以上が低圧 自家発電 100%整備 37%で常用/兼用 設備 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 都県市:100%整備.全て非常用 区役所:一部未整備.1割で常用 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 6 2012.02.24 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 延床面積あたりの水槽容量と建物竣工・改修年との関係 25 延床面積あたりの水槽容量 (L/m2). 病院(高置水槽方式等) 病院(ポンプ直送方式) 20 庁舎(地方公共団体) 15 10 5 0 竣工年/改修年 1920 1930 1940 1950 1960 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 1970 1980 1990 2000 2010 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 7 2012.02.24 上水道(配水管)の応急復旧日数(日) 水槽貯留水での機能維持期間と 上水道(配水管)応急復旧日数 14 庁舎 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 上水道 復旧日数 病院 12 10 8 水需要量 6 4 2 0 0 1 2 3 4 5 6 水槽貯留水での機能維持期間(日) 水槽水で機能維持できる場合 主な 対応 ■水槽からの漏水防止 ■水槽への泥水流入防止 ■停電時の受水槽からの応急給水 ■(下水道・排水設備被害→)節水 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 水槽水で機能維持できない場合 ■地下水の利用(ポンプ用電源の確保) ■再生水の利用 ■蓄熱槽水・貯湯槽水の利用 ■(消火活動後)防火用水の利用 ■雨水・河川水・海水(淡水化)の利用 ■近隣の応急給水槽水の利用 ■飲料メーカからの飲料水調達 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト ■節水+応急給水 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 8 2012.02.24 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 非常時の施設機能維持に関する意見 Q:大規模災害発生時に 建物機能を維持できるか? Q:大規模災害発生時の 建物機能維持に不安のある部分 庁舎では,建物耐震性と情報通信に関する不安を挙げる割合が高い 病院では,水供給や電力供給への不安を抱える割合が高い 建物の耐震性を確保している場合,ライフライン途絶への不安を持つ. 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 9 2012.02.24 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 自律分散型拠点の方向性 ライフライン途絶時にも機能を維持すべき重要施設に設備整備 高密度エリアでは、重要施設をコアに地域の機能維持を目指す 需要密度と 庁舎・病院の立地 BCP 事業継続計画 Business Continuity Plan DCP 地区継続計画 District Continuity Plan 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 10 2012.02.24 供給系ライフラインの停止戸数 東日本大震災 阪神・淡路大震災 (2011年東北地方太 平洋沖地震) (1995年兵庫県南部 地震) 電気 891万戸 (486万戸 in 東北) 260 万戸 342% (187%) 水道 220万戸以上 126万戸 (in 兵庫県) 180% 以上 都市ガス 46万戸 86万戸 53% ライフ ライン 2011/1995 推定浸水世帯数:約21.1万世帯(総務省統計局4月25日公表) 津波による被害は全体の一部に過ぎない 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 11 2012.02.24 1/17 2/1 2/15 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 1995年 3/1 3/15 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 3月31日 5/5 3月30日 3月29日 3月28日 3月27日 3月26日 3月25日 3月24日 3月23日 5/1 3月22日 3月21日 3月20日 3月19日 3月18日 3月17日 3月16日 3月15日 3月14日 3月13日 3月12日 3月11日 2011年 3月10日 4/15 5月23日 5月22日 5月21日 5月20日 5月19日 5月18日 5月17日 5月16日 5月15日 5月14日 5月13日 5月12日 5月11日 5月10日 5月9日 5月8日 5月7日 5月6日 5月5日 5月4日 5月3日 5月2日 5月1日 4月30日 電気(東日本大震災) 3月9日 20% 4月29日 水道(東日本大震災) 3月8日 4月28日 4月27日 4月26日 4月25日 4月24日 4月23日 30% 3月7日 3月6日 3月5日 3月4日 3月3日 3月2日 4月22日 4月21日 4月20日 4月19日 4月18日 4月17日 4月16日 4月15日 4月14日 4月13日 4月12日 4月11日 4月10日 4月9日 4月8日 4月7日 4月6日 4月5日 4月4日 4月3日 4月2日 4月1日 3月31日 3月30日 3月29日 3月28日 3月27日 3月26日 都市ガス停止 3月1日 2月28日 2月27日 2月26日 2月25日 2月24日 2月23日 都市ガス停止 20% 2月22日 30% 2月21日 4/1 2月20日 2月19日 2月18日 2月17日 2月16日 2月15日 2月14日 2月13日 2月12日 2月11日 2月10日 2月9日 2月8日 2月7日 3/11 2月6日 2月5日 2月4日 2月3日 2月2日 3月25日 3月24日 3月23日 3月22日 3月21日 3月20日 3月19日 3月18日 3月17日 3月16日 3月15日 3月14日 3月13日 東北電力管内のみ 2月1日 1月31日 1月30日 1月29日 1月28日 1月27日 1月26日 1月25日 1月24日 1月23日 1月22日 1月21日 断水 復 旧 率 1月20日 停電 3月12日 断水 復 旧 率 1月19日 3月11日 停電 1月18日 1月17日 供給系ライフラインの復旧曲線の比較 東日本大震災(2011年東北地方太平洋沖地震) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 都市ガス(東日本大震災) 10% 0% 5/23 阪神・淡路大震災(1995年兵庫県南部地震) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 水道(阪神・淡路大震災) 都市ガス(阪神・淡路大震災) 10% 電力(阪神・淡路大震災) 0% 3/31 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 2012.02.24 12 3/13 3/14 3/15 3/16 3/18 3/19 3/20 3/22 3/25 3/29 4/4 4/8 4/12 4/19 4/26 5/2 水道の復旧率 (基準日:3/11) 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 5/9 5/16 5/30 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 13 2012.02.24 地震時ライフライン機能被害予測モデル 1995年兵庫県南部地震の被災事例に基づく モデルの改良モデル(供給システム側の要因を考慮) 電力 水道 都市ガス 1.0 1.0 1.0 0.8 0.8 0.8 0.2 0.0 震度4.5 震度5.0 震度5.5 震度6.0 震度6.5 震度7.0 0.4 0.2 0.0 0 50 100 150 200 地震後経過時間 250 0 20 40 60 80 地震後経過日数 100 120 破線:オリジナル, •変更なし •神戸周辺(1995年)と東北 4県(2010年)の配水管の脆 弱性の違いを考慮 0.6 震度4.5 震度5.0 震度5.5 震度6.0 震度6.5 震度7.0 供給率 供給率 0.4 0.6 供給率 震度4.5 震度5.0 震度5.5 震度6.0 震度6.5 震度7.0 0.6 0.4 0.2 0.0 0 20 40 60 80 地震後経過日数 100 120 実線:改良モデル •SI値(40-50kine)に基づく 緊急供給遮断の導入 •復旧初動体制の改善効果 の考慮 能島暢呂:脆弱性指数を用いたライフライン網の地震時脆弱性評価 ~上水道配 水管網への適用~,地域安全学会論文集 No.10, 2008.11,pp.137-146. 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 14 2012.02.24 東日本大震災関連の4地震 (本震+2余震+誘発地震)による震度曝露人口 7000000 3000000 単純集計 6000000 単純集計 2500000 移動平均 5000000 移動平均 2000000 曝 露 1500000 人 口 1000000 曝 露 4000000 人 3000000 口 2000000 500000 1000000 0 0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 4.5 7.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 計測震度 計測震度 2011/3/11-14:46三陸沖 2011/3/11-15:15茨城県沖 700000 900000 600000 単純集計 800000 単純集計 移動平均 700000 移動平均 500000 600000 曝 露 400000 人 300000 口 曝 露 500000 人 400000 口 300000 200000 200000 100000 100000 0 0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 4.5 計測震度 2011/4/7-23:32宮城県沖 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 計測震度 2011/4/11-17:16福島県浜通り 震度分布は産業技術総合研究所 “QuiQuake”に基づく 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 15 2012.02.24 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 31日 32日 33日 34日 35日 36日 37日 38日 39日 40日 41日 42日 43日 44日 45日 600 400 200 供給支障人口(万人) 1000 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 31日 32日 33日 34日 35日 36日 37日 38日 39日 40日 41日 42日 43日 44日 45日 供給支障人口(万人) 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 31日 32日 33日 34日 35日 36日 37日 38日 39日 40日 41日 42日 43日 44日 45日 600 500 400 東北地方太平洋沖地震 3/11-14:46 茨城県沖の地震 3/11-15:15 宮城県沖の地震 4/7-23:32 福島県浜通りの地震 4/11-17:16 300 200 100 0 上水道(改良モデル) 0 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 供給支障人口(万人) 4 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 4.8 4.9 5 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 6 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.7 6.8 6.9 7 震度曝露人口(万人) 東日本大震災におけるライフライン停止戸数の 解消過程の推定値と実測値の比較(σ=0.0) 700 2500 2000 1200 上水道(実測) 180 上水道(改良:本震+余震) 160 800 電気(従来モデル) 都市ガス(改良モデル) 140 電気(実測) 電気(従来:本震+余震) 1500 1000 計測震度 500 0 地震後経過日数(地震当日=1日) 200 都市ガス(実測) 都市ガス(改良:本震+余震) 120 100 80 60 40 20 0 地震後経過日数(地震当日=1日) 地震後経過日数(地震当日=1日) 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 2012.02.24 16 阪神・淡路大震災における 電気・水道・都市ガスの複合的復旧過程 地震当日 3日後 1か月後 2か月後 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 17 2012.02.24 首都直下地震による電気・水道・都市ガスの 複合的復旧過程とその影響評価 想定地震:東京湾北部地震(M7.3) 対象地域: 1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉) 対象機能:病院・製造業・市民生活 電気 水道 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 1.00 中央防災会議 「首都直下地震対策専門調査会」資料 1.00 0.58 電気 水道 (病院) 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 市民生活 製造業 ガス 依存度 依存度 病院 ガス 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 1.00 0.90 0.70 依存度 東京湾北部地震(M7.3)の 震源域と推定震度 0.25 電気 水道 ガス 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 0.80 0.20 電気 (食料品製造業) 水道 ガス (用便) 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 18 2012.02.24 バックアップを考慮した機能充足度モデル の改良(ユーザー側の要因) 改良前: 時間に依存しない定数 改良後: 時間関数としてモデル化 停止パターン別機能充足度(食料品製造業) (E=電力,W=水道,G=都市ガス) 停止パターン別機能充足度の時間関数 1.00 機能充足度 0.75 機能充足度 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 0.30 0.23 0.10 0.08 0.03 0.02 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 E○W○G○ E×W○G○ E○W×G○ E○W○G× E○W×G× E×W○G× E×W×G○ E×W×G× 0 バックアップが 全くなければ Ak ( t ) = Rk バックアップ機能に より影響出現を遅ら せ,影響が緩和され ていることを表現 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 5 10 15 20 地震後経過日数 25 30 バックアップ時間の累積分布関数 Bk ( t ) Ak ( t ) =1 − (1 − Rk ) ⋅ Bk ( t ) Ri (δ E , δW , δ G ; t ) = ∏ k = E ,W ,G Ak ( t ) 1−δ k 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 19 2012.02.24 バックアップを考慮した機能充足度 効果的なバックアップ対策を 検討できる枠組みを構築 停止パターン生起確率分布(震度6.5) 1.0 E×W×G× E×W×G○ E×W○G× E○W×G× E○W○G× E○W×G○ E×W○G○ E○W○G○ 生起確率 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 0 10 20 30 40 50 60 70 地震後経過日数 80 90 100 Ri (I , t ) = R (δ ∑ δ δ δE , Ri (I , t ) i W , E , δW , δ G ; t ) ⋅ Q(δ E , δ W , δ G ; I , t ) G : 震度I , 地震後tにおける機能充足度 Ri (δ E , δ W , δ G ; t ) : 地震後tにおける停止パターン別機能充足度 i : 業種 Q(δ E , δ W , δ G ; I , t ) : 震度I , 地震後tにおける停止パターン生起確率 バックアップを考慮した機能充足度 機能充足度 1.0 E○W○G○ E×W○G○ E○W×G○ E○W○G× E○W×G× E×W○G× E×W×G○ E×W×G× 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 0 5 10 15 20 地震後経過日数 25 30 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 機能充足度 停止パターン別機能充足度の時間関数 (食料品製造業) 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 震度4.5 震度5.0 震度5.5 震度6.0 震度6.5 震度7.0 0 10 20 30 40 50 60 70 地震後経過日数 80 90 100 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 20 2012.02.24 災害拠点病院を対象とした影響評価 ライフラインユーザー側における 地震時のバックアップ機能 8病院の位置と 東京湾北部地震の震度分布 S1 S2 C2 T1 K2 T2 K1 C1 停電時に自家発電設備で維持できる期間:平均74時間 断水時に給水機能を維持できる期間:平均27時間 → (E,W,G)=(3日,1日,0日) さらに対策効果を比較するため、上水道に関する バックアップを増強 → (E,W,G)=(3日,10日,0日) Inagaki, K. and Sadohara, S: Improvement of Local Capability under Lifeline Disruptions by Construction of Distributed Self-Sustaining Zone, -Based on Research of Disaster Base Hospitals in Tokyo Capital Area-, Journal of Disaster Research, April, 2012 (in printing). ライフライン供給側における優先復旧 災害拠点病院はライフラインの優先復旧の対象と され、東日本大震災でもその事例がある 地震時ライフライン機能被害予測モデルにおいて 上水道と都市ガスの平均復旧時間を0.5倍として適用 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 21 2012.02.24 首都圏の8病院における地震時機能充足度の時間推移 〈評価式〉 Ri (I , t ) = R (δ ∑ δ δ δE , i W , E Ri (I , t ) , δW , δ G ; t ) ⋅ Q(δ E , δ W , δ G ; I , t ) : 震度I , 地震後tにおける機能充足度 Ri (δ E , δ W , δ G ; t ) : 地震後tにおける停止パターン別機能充足度 Q(δ E , δ W , δ G ; I , t ) : 震度I , 地震後tにおける停止パターン生起確率 G : 活動項目 バックアップなし 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 機能充足度 機能充足度 i T1 T2 K1 K2 C1 C2 S1 S2 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 バックアップあり(E,W,G)=(3,1,0) 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 100 T1 T2 K1 K2 C1 C2 S1 S2 0 10 20 30 地震後経過日数 機能充足度 機能充足度 T1 T2 K1 K2 C1 C2 S1 S2 20 30 40 50 60 60 70 80 90 100 バックアップ増強+優先復旧 バックアップ増強(E,W,G)=(3,10,0) 10 50 地震後経過日数 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 0 40 70 80 90 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 100 地震後経過日数 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 T1 T2 K1 K2 C1 C2 S1 S2 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 地震後経過日数 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 22 2012.02.24 製造業を対象とした影響評価 推定震度分布 首都圏における従業者の震度曝露人口(食料品製造業) 従業者分布 3 2 神奈川県 東京都 千葉県 埼玉県 1 0 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 4.8 4.9 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 6.0 6.1 6.2 6.3 震度曝露人口(万人) 4 計測震度 広域機能充足度の推移 (食料品製造業) 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 地震後経過日数 広域機能充足度 広域機能充足度 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 地震後経過日数 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 広域機能充足度 バックアップあり (E,W,G)=(3,1,0) バックアップなし バックアップ増強 (E,W,G)=(3,10,0) 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 地震後経過日数 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 23 2012.02.24 市民生活を対象とした影響評価 炊事 入浴 0.20 0.10 E×W○G○ E○W×G○ E○W○G× 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 0.80 0.20 0.00 機能充足度 0.60 機能充足度 機能充足度 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 E×W○G○ E○W×G○ E○W○G× 0.90 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 用便 1.00 0.10 E×W○G○ E○W×G○ E○W○G× 備蓄品の利用や避難所生活によって, 地震後3日間を自助努力でしのぐ → (E,W,G)=(3,3,3) Case1(BU有) 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 Case2(BU有) 24 20 16 12 8 4 0 Case3(BU無) 累積困窮度 24 20 16 12 8 4 0 Case2(BU無) 累積困窮度 累積困窮度 Case1(BU無) 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 Case3(BU有) 24 20 16 12 8 4 0 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 地震後100日間での生活支障(機能充足度の低下度合い)の累積値 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 24 2012.02.24 ま と め 自律分散型拠点構築による地域防災力向上 エネルギー・給水設備に関するアンケート調査を実施 非常時の施設機能維持の実態と課題を明確化 自律分散型拠点の方向性: ライフライン途絶時にも機能を維持すべき重要施設に設備整備 高密度エリアでは重要施設をコアに地域の機能維持を目指す ライフラインの供給側とユーザー側の対策を考慮した広域機 能充足度の評価 「地震時ライフライン機能被害予測モデル」のモデル検証 ライフライン同時被災下における「広域機能充足度」評価 供給側(バックアップ)とユーザー側(優先復旧)の考慮 東京湾北部地震の被害予測への適用例 今後の課題 各種の生活機能・社会経済活動の機能充足度の設定 バックアップ保有の実態に基づいた影響評価と対策立案 相互に連関したライフラインの復旧最適化に関する研究 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 3. 広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究 25 2012.02.24