Comments
Description
Transcript
女子大國文
ISSN O285-9823 女子大 國 文 第 百三十五 号 平 成 十 六年 六 月 発 行 木 意知 男 ( 嗣 ) 八 和解 本 善 書 の研 究 正 ﹁ゆ く 雲 ﹂ に於 け る 手 紙 の意 味 ー ﹁ 功 過自 知 録 大 意 ﹂ の問 題 1 前 至 津 子 (五〇) 1 1 中 村 博 (一〇二) (一〇二) (七六) (三 ) ﹃天 竺 往 生 験 記 ﹄ に 関 す る 二 、 三 の覚 書 峯 上 ﹁かく ﹂ と の 比 較 に み ら れ る そ の位 相 性 1 志 ︿ 安 全 な 場 所 ﹀ の崩 壊 井 報 誤植 訂正 のお願 い 1 中 古 の指 示 副 詞 ﹁ か う ﹂ に つい て 彙 京 都 女 子 大 学 国 文 学 会 美 1まロ ム 7 伝r 橿のヰ, ¢d 穆桂可- 井 ノ尾 佑 美 誤 植 訂 正 のお 願 い 野 映 麻 博 希 由 恵 文 平安時 代 の仮名 消息 に ついて 日 根 ( 発行年月 李清照 ﹁ 詞﹂論 山 ( 第 亘 二十 四 号 ) 掲 載 各 論 文 冒 頭 に 付 さ れ た 日 付 日) に 誤 植 が あ り ま し た 。 混 乱 を 招 き ま し た こ と 、 深 く お 詫 び 申 西鶴 ﹃懐 硯﹄ の研究 前号 上 ま す 。 次 の よ う に御 訂 正 方 、 お 願 い で き ま す れ ば 幸 甚 に 存 じ ま す 。 文学部 国文 学科 乾 石 有 代 万葉集 三四 一四番歌 に ついて ー虹を中心に1 大 部 古 ﹁ 是貞 親王家 歌合 ﹂ 1虫の歌を中心に1 釣 ○ 大 野 修 作 教 授 が 、 本 年 三 月 末 日 を も って依 願 退 職 さ れ ま した 。 ﹃万葉集﹄ の山越 え の歌 釈教 歌 の研究 佐 藤 野 中 藤 尾 尻 村 由 麻 美 亜季 子 景 枝 綾 子 子 報 (い ず れ の 日 付 も ) ヘ へ 平 成 十 五 年 十 二 月 二 十 日 ← 平 成 十 五 年 十 二月 三 十 日 彙 ﹁ 蹴鞠 百首和 歌﹂ 論究 ○ 山 崎 ゆ み 助 教 授 が 、四 月 よ り ( 来 年 三 月 迄 )国 内 研 究 員 と し て 、 万葉 の ﹁ 香﹂ 柚木原 希 -蹴鞠の家飛鳥井家の家業- 天 理 大 学 に て 研 究 に 専 心 さ れ て いま す。 武 蔵国相聞往 来歌 見 美 研究 室 だ よ り ○ 本 年 度 の教 室 主 任 は 加 納 重 文 教 授 で、 徳 永 道 雄 教 授 ・中 前 正 志 万葉集 の桜 の歌 に ついて 重 久 ー歌語 ﹁ 三の車﹂考 教 授 ・峯 村 至 津 子 助 教 授 と と も に 教 室 の運 営 に当 って おら れ ま す 。 西行が桜 の歌 に込めた想 い 川 大 学院文 学 研究科 国文 学専攻 1 ﹁ ねがはくは﹂までの変遷i 中 香 二 〇 〇 三 年 度 修 士 論 文 ・卒 業 論 文 題 目 花 山院 に ついて 美 香 木 智 青 前 田 伊勢物 語と女性 ﹁ほ の ぼ のと ﹂ 歌 解 釈 の 系 譜 102 申 し子課 に ついて 渥 田 美 尭 子 ー虚像と実像- ー ﹁ 戦﹂と ﹁ 福﹂ の関係 宅 高 鈴 佐 工 川 崎 坊 橋 木 橋 藤 部 陽 郁 祐 和 恵 子 望 由 香里 明 子 子 美 美 子 彩 縁 内 ー ﹃御伽草 子﹄を中心 に1 島 毘 沙 門 天 の変 遷 岡 平 安 朝 文 学 作 品 か ら み る 婚姻儀 式 恵 ﹃平 家 物 語 ﹄ に お け る 清 盛 像 津 田 - 鞍馬寺を背景 に1 納 子 加 1 日本人 の思想 小考ー 恭 こと ば に 託 す る 祈 り 崎 美 小 原 ﹃鉢 か づ き ﹄ に つ いて の 一考 察 楠 木 中 世 の地 蔵 信 仰 徳 ー ﹃虫 め つる姫君﹄ の場合- 紀 異 類 物 に つい て の 一考 察 ﹁虫 め つ る 姫 君 ﹂ に み る 風変 わ り な 姿 美 希 ﹃落 窪 物 語 ﹄ に お け る "裁 縫" 中 尾 未 来 御伽 草 子と餅 ﹃と はず が た り ﹄ 雪 の曙 考 -破 戒 の背景- ﹃小 敦 盛 ﹄ 単 純 化 の世 界 ﹃曽 我 物 語 ﹄ 真 名 本 と 仮 名 本 の比 較 七草行事 に ついて 中 中 戸 飛 山 井 部 永 民 彩 絵 さやか 尚 子 子 - 日本人 の異郷 ・異界観 に ついてー 1 十郎 の描かれ方を めぐ ってー ﹃甲 賀 三 郎 物 語 ﹄ - 人間と動物 の関わ り- ﹁ 有 明 の月 ﹂ 小 論 ー真の ﹁ 悪行﹂とは何だ った のかー 子 生 敦 弥 林 村 中 ー ﹃竹 取物語﹄ の思想小考平 安 の薫 物 -貴族 の感覚と薫物 の受容の変 遷と その種 類- 子 子 径 雅 美 木 邊 成 三 中 日本 古 代 の 天 女 と 昇 天 美 本 麻 優 久 ﹃落 窪 物 語 ﹄ に お け る 受 領 層 熊 口 ー 鉢 の意味 を中心 にー 物 語 の女君 出 愛 斎 院 選 子 と 中宮 定 子 に つ いて 中 本 毘 沙 門 天 信 仰 に つい て 明 石御 方 親 子 と 植 物 松 - ﹃枕草 子﹄に おけ るー ﹃紫 式 部 日 記 ﹄ 論 1 ﹁ 思 ひかけた りし心﹂のさす ものー ﹃落 窪 物 語 ﹄ に お け る 阿漕 の女 房 像 渡 瀬 - 源氏 物語 の女房 と比較してー 女 性 に お け る漢 詩 文 的 教 養 岩 世 宇治 十帖 の風土 中 io3 藤 井 詳 恵 子 一代 女 と 現 代 の女 性 ﹁ 青 頭 巾 ﹂ と ﹁二 世 の縁 ﹂ 1 秋成 の思考 の本質- 今 富 西 樫 - 人間形成 の視点から1 理 入 木 道 の秘 伝 所 綾 子 別 景 ﹁ 姦 通 ﹂ の再考 ー ﹁ 町人腰 元﹂からみる女性 に ついて1 沙 な つめ 美 田 畑 前 西 鶴 の衣 装 描 写 に お け る特 色 小 謡曲 ( 翁 ﹀、 そ の神 聖 観 の在 り 処 晶 千 ﹃本 朝 二十 不孝 ﹄ 論 岡 緒 1 ﹃好色 一代男﹄と ﹃好色 五人女﹄とを比較 してー 奈津 美 下 子 秋成と吉 備 宮 木 像 に み る秋 成 の女 性観 中 羽 西 渕 麻 里 友 穂 1 ﹁ 吉備津 の釜﹂磯良像 の成立 に ついて1 ﹃万 の文 反 古 ﹄ の 一考 察 真智 子 方 松 彩 良 口 下 麻由美 山 中 世 の遊 女 ・白 拍 子 像 ー 平家物語 ﹁ 祇王﹂を中心に1 陽成 天皇 の人物像 山 藤 友 ー与 える印象と実文 の対 比1 ﹃う た た ね ﹄ の執 筆 意 図 伊 田 子 ﹃乳 母 の草 紙 ﹄ 1新 し い見方内 美 ﹃宇 治 拾 遺 物 語 ﹄ と 飛 鉢 ・飛 瓶 涼 ー内 証と人 の心からみる二系列1 羽 み つみ 子 天 暗 千穂美 -巻 四 の三 ﹁ 待兼しは三年目 の命﹂を中心にー ﹃葉 隠 ﹄ 論 敦 子 子 ﹃雨 月 物 語 ﹄ ﹁白峯 ﹂ 考 山 田 香菜恵 世 変 田 近 吉 麻 井 直 近 松世話物 三作品考 近 代 ー ﹃父 の終焉 日記﹄ と ﹃おらが春﹄1 - 妻と遊女 の関わり の視点 からー -権 三の心情を中心に1 美 ﹃西 鶴 諸 国 ぱ な し ﹄ 論 田 藤 原 ﹃鑓 の権 三 重 帷 子﹄ 考 洋 子 藤 江 岡 佳 一茶 の幼 児 性 と 父性 梨 島 村 子 口 -常 朝 の ﹁ 死生観﹂をめぐ って1 田 聡 澤 1 その思想的役割ー 鹿 ﹃男 色 大 鑑 ﹄ 考 ﹃伊 曽 保 物 語 ﹄ 考 手 - 玉琴 と野分 の方- 小 日 西 鶴 の描 いた 女 性 像 ﹃桜 姫 全 伝 曙 草 紙 ﹄ 考 -悲劇 の原 因- 1 お夏 ・お七 ・ 一代女をめぐ ってー ﹃心 中 重 井 筒 ﹄ の考 察 104 山 本 周 五郎 ﹃柳 橋 物 語 ﹄ 論 赤井 田 河 石 安 政 南 野 藤 智 亜 徳 矢 那由 子 都 美 子 子 子 国 田 典 好 織 亜沙 美 香 岡 千恵 香 枝 嶋 松 三 阿 部 定 と ﹃桜 の森 の満 開 の下 ﹄・﹃夜 長 姫 と 耳 男 ﹄ と の関 連 芥 川 龍 之介 ﹃蜘 蛛 の糸 ﹄ の小説 的 構 成 1 ﹃雁﹄ のお玉を中 心に1 1 ﹁ 人質﹂と の比較- ー ﹁ 山椒魚﹂を中心 に1 森 鴎 外 の女 性 像 井伏 鱒 二論 太 宰 治 ﹃走 れ メ ロス﹄ 論 坂 口安 吾 ﹃白 痴 ﹄ 論 安部 公房 ﹁ 箱 男 ﹂ に お け る匿 名 性 に つ い て 立 - 伊 沢と白痴、精神 と肉体の関係を中心 に- 村 上 春 樹 ﹃ね じ ま き 鳥 ク ロニク ル﹄ 論 沙 温 涼 子 子 織 美 乃里 子 田 麻 中 中 田 徳 千代 松 谷 田 ﹃K の昇 天ー 或 は K の溺 死﹄ 論 - 太陽と 月に見る光と影の二重構造芥 川 作 品 ﹃歯 車 ﹄ の色 彩 表 現 -宮 沢作 品 ﹃銀 河鉄道 の夜﹄を 比較 してー 芥 川 龍 之介 ﹁秋 ﹂ に 見 る掠奪 の愛 ー 有島武郎 の愛 の理論との比較1 ﹃に ご り え ﹄ に つ い て 1 一葉 の立身 出世欲を中心にi 安 部 公 房 ﹃他 人 の顔 ﹄ 論 宮 尾登美子 の ︿ 女 性﹀・︿ 障 害者﹀ 観 武 田泰 淳 ﹃ひ か りご け ﹄ 論 道 藤 西 西 中 中 徳 野 井 長 谷川 羽 田 嶋 村 田 原 川 永 麻由 子 享 友 康 綾 友 美 子 香 里 由利 子 史 子 明 日香 舞 愛 1 三色 のノートと ︽愛 の片側︾1 三 島 由 紀 夫 ﹃剣 ﹄ 論 和 口 友 記子 ﹃細 雪 ﹄ の世 界 - 理想 から の ﹁ 脱出﹂と ﹁ 解 放﹂1 谷 崎 潤 一郎 ﹁卍 ﹂ の女 性像 - 観音 のイ メーシから の考察ー 芥 川 龍 之 介 ﹃秋﹄ の信 子 像 ー 当時 の女流作家 のあり方と比較し てー 近 代文学 における ﹁ 学 生﹂ 1 ﹁ 書生﹂から ﹁ 学生﹂ へ1 - 武土道 の視点 からー - 秘められた禅 のこころ1 - 麦 と友 の間﹂に見る1 ー 他作品の君主と比較 して1 菊 池 寛 の女 性 観 川 端 康 成 ﹃雪 国 ﹄ 論 恵 菊 池寛 ﹁ 忠 直 卿 行 状 記 ﹂ の忠 直 像 坂 浦 - ﹃蔵﹄ の烈と いう女を中心にー 菊 池 寛 ﹁入 れ 札 ﹂ 小考 三 子 太 宰 治 と ﹁世 間 ﹂ と の関 わ り t ﹃人間失格﹄を通してー 105 芥 川 の描 く 芭 蕉 と いう 問 題 1 ﹃枯野抄﹄を通 して1 芥 川 の持 っ英 雄 像 を 探 る 三 浦 田 佐 藤 淳 子 美 白居易 と ﹁ 中隠 ﹂ 直 理 矢 村 珠 沙 田 渡 依 - 頼山陽 の織 田信長観- 戸 真 語 -政治家 としての苦悩 と理想ー 学 金 子 み す ゴ の童 謡 の文 体 下 奥 井 走 田 田 口 佳 聡 世 子 茜 明 日香 奈 花 々 1 ﹁ 私 の視点 ﹂をめぐ ってー お ﹁ 御 ﹂ の変 相 砂 田 愛 イ ンタ ーネ ット 用 語 論 水 の語彙 曼 陀 羅 藤 田 動 詞 の対 義 構 造 1 ﹃東京朝 日新聞﹄を中心 に- ー 語義 記述 の 一つの試みとし て1 1 一般言語との関連 に於 いてー 明 治 時 代 に お け る新 聞 の見 出 し と 本 文 松 - 発言における曖昧をめぐ ってー 直 載 さ を 避 け る こと 国 ー 紀行文に見る日本漢詩 文の影響- 頼 山 陽 と吉 法 師 陸 羽 の茶 の精 神 口 子 美 濱 遼 麻 ﹃月瀬 記 勝 ﹄ の紀 行 文 学 的 考 察 田 川 和 子 前 市 1 ﹃英雄 の器﹄ を中心にー 温 曹 操 の楽 府 誌 原 - 主人 公の人物造型 に ついて1 子 理恵 子 上 ︿女 ﹀ ー 1 袖 の高笑 いに ついて1 ﹁こ の 子 ﹂ 論 恵 田 軒 も る月 (夢 ﹀ の 空 間 構 造 と 子 真梨 子 岡 田 優 幸 子 堀 ﹃悦 楽 ﹄ 1 そ の背景 にあ ったも のー 岡 西 知恵 子 井 文 季 赤 悠 ﹁ 高 丘親 王航 海記 ﹂論 小 村 1 詩 集 ﹃山 羊 の歌 ﹄、1 中也 の上 に降 る雪は1 杉 藤 田 真 子 ﹁風 船 は あ が り た く あ り ま せ ん ﹂ 論 米 邊 ﹁手 袋 を 買 ひ に﹂ に お け る 母 さ ん 狐 の 母 親 像 に つ い て 武 者 小 路 実 篤 ﹁真 理 先 生 ﹂ 論 渡 泉 ﹁ 走 れ メ ロス﹂ に 関 す る 一考 察 田 ー メ ロ ス は 誰 の た め に 走 った の か ー 井 文 上 漢 恵 美 蕪 村 へ与 え た 漢 詩 の影 響 ﹃湘 夢 遺 稿 ﹄ に 表 れ る 江 馬 細 香 像 - 頼山 陽の女弟 子と いう視点 からー 坂 06 1 子 - 実態調査とそ の分析ー 京 都 女 子 大 学 生 の敬 語 意 識 - 京都女子大学三回生 のア ンケートより1 亜妃 子 昌 子 崎 本 敦 熊 山 邊 若 者 こ と ば に つい て 渡 里 あ いさ つ の 一日 ー 石川での生活を中 心に ヘへ 歌 が も のを 読 み こむ こと 1藤 六をめぐ って1 麻 友香里 澤 千英 子 清 金 山 若者言葉 - 京都女子大学におけるア ンケ!ト調査 より- 1 若年層 の現状 に ついて1 1 ﹁ 敬語の誤用﹂と ﹁ 変な敬語﹂1 -栃木県 の若者 における1 - 京都女子大学生 へのア ンケート調査より1 栃 木 県 の方 言 の現 状 福 井 県 嶺 北 地 方 の方 言 1 福井市 における方言 の現状宇 治 市 の方 言 ー 若年層 における現状 のア ンケート調査- 子 ど も の ﹁こと ば の発 達 ﹂ に応 じ た 絵 本 -茨 木市 ・高槻市 における1 - 日本 人の ﹁ことば﹂ の意識大阪方 言 の現状 佳 子 國 初 期未 明 兜 - 不思議 の文体をめぐ つてー 人 と 人 が 接 す る こと の 表 現 智保 子 暁 下 琴 橋 木 真 高 下 位 感 覚 の形 容 詞 の世 界 田 真 佐美 桑 東 野 口雨 情 の童 謡 板 子 徳 島 県 の方 言 浩 江 希 地 真 里 麻 東 下 美 畠 藤 木 さやか 高 - 二音節くり返し の場合- 船 崎 あゆ み 擬 態 語 の構 造 ﹁ら 抜 き 言 葉 ﹂ に つい て 宮 崎 現代 の敬語 彩 森 真知子 子 美歩 子 川 祐 川 恵 安 知 原 子 森 槻 八 道 若 森 子 里 辺 千 井 1 ﹁ 視点﹂ をめぐ つて1 大 優 子 茜 宮 部 み ゆ き の表 現 1 残存状況と使 用意識- 川 彰 絵 子 渡 文 字 の遊 び に つ い て 藤 本 1 ﹃小野笛説字 尽﹄ を中心にー 翻 訳 の態 度 椋 - 遣遥と恒存の ﹃ハム レノト﹄ー 佐 賀 方 言 に よ る 量 の表 現 大 阪 方 言 に つ いて 小 戸 1 佐 賀 県伊 万 里 を中 心 にし てー 山 田 孝 雄 に つ いて の 一考 察 川 ﹁ 親 和 ﹂ と し て のあ いさ つ言葉 大 阪 弁 と 標 準 語 の、 場 面 によ る 使 い分 け 川 依 1 大 阪 の高 校 生 の標 準 語意識 1 高 校 生 に お け る ﹁京 言 葉 ﹂の認 知 ・使 用 に つい て 北 見 - 和泉 地方に おけ る1 楠 大 阪 方 言 の現 状 rO7 B O1 5教 室 に て 二〇〇 四年度 国文 学 会 行 事 ( 前 期) ○ 新 入 会 員 オ リ エン テ ー シ ョ ン 四 月 三 日 (土 ) 午 前 十 二 時 三 十 分 よ り 0新 入会 員歓 迎 行事 圃 團歌舞 伎鑑賞 教室 四月 二十 四 日 ( 土 ) 午 後 二時 よ り ご 案 内 轡. じ徴 かた おか しんのすけ 片 岡 進 之介 加 一、 解説 ﹁ 南 座 と歌舞 伎﹂ 早野勘平 伽 みちゆきたびし はなむニ おち うど 二、 道 行 旅 路 の花 智 落 人 鵡 甥 一 氏 ﹂4 20教 室 に て 椒 腰元お軽 ○ 春季 公開 講座 ( 大学と共催) ﹃と は ず が た り ﹄ の文 体 の魅 力 洋 五月 二十七 日 ( 木 ) 午 後 二時 四 十 五 分 よ り 講題 角 東 京大 学教 授 三 講師 ○春季 見学 旅行 ( 学会旅行) 五 月 二 十 三 日 (日 ) 午 前 十 時 ∼ 午 後 五 時 三 十 分 石清 水 八幡 宮 と 松 花 堂 庭 園 ・美 術 館 な ど 以 上 の行 事 が 滞 り な く 終 了 致 し ま し た 。 な お 、 学 会 旅 行 に つき ま し て は 、 従 来 年 一回 一泊 二 日 の バ ス 旅 はるあご 行 を 実 施 し て参 り ま し た が 、 今 年 度 よ り 春 秋 年 二 回 の 日帰 り散 策 (と いう 新 企 画 ) と従 来 通 り の も のと を 一年 交 替 で 行 な う 試 み を 実 行 す る こと と な り ま し た。 参 加 会 員 の感 想 文 を 後 に 掲 げ てご ざ いま す の で、 御 }読 下 さ い。 行 先 ・日 時 未 定 今 後 の 予定 は次 の通 り で す 。 奮 って御 参 加 下 さ い。 ○秋季 見学旅 行 ( 学会旅行) ○秋季 公開講 座 ( 大学と共催) 宮 崎 重文 正志 峯村 至津 子 荘 平 氏 十月 二十八 日 ( 木 ) 午 後 二時 四 十 五 分 よ り ボ 翻 齢 蘇雛 ︹ 代 表幹事 ︺加納 中前 川 口有 希 乃 徳永 欄- 一 太 田 初美 大 谷久 美 子 髭野 山 田実和 子 太 田絵 里子 裕佳 橋 本枝 里 子 髄- 一 石 川 二 二 長 谷川莉紗 いつぼ ニー 一 猪 妻 え み 道雄 あみ 愛美 二〇 〇 四年度 国 文 学会 委員 講師 教員 短大 大学 108 大 学院 二 津田 あかり 明季 百 合 野智 子 村瀬奈緒 子 た。 演 目 が 終 わ っ て か ら も 、 私 は し ば ら く 手 を 打 って 笑 っ て いま し さ て 、 充分 す ぎ る 程 の前 座 を 置 い て、 演 目 は いよ いよ 歌 舞 伎 で 桃子 三︹ 委員長︺田 中 さ ゆ り ︹ 副委員長︺ 前 田未 知 世 す 。 場 内 は静 寂 に包 ま れ 、 ゆ つく り と 、 厳 か に 、 金 箔 の よ う な も 池田 黒 石裕 佳 子 の が 舞 台 を 舞 い ま す 。 そ し て、 役 者 の 登 場 。 悲 劇 が 喜 劇 に 変 わ 二 佳代 停 四 李 ﹁ 落 ち ﹂ で の し め く く り は 、 と ても 歌 舞 伎 、 と 言 わ れ て も 、 教 科 書 の ﹁日 本 の伝 統 芸 能 ﹂ の欄 に あ 獣△ 罪 鼻 大 谷 久美子 歌 舞 伎鑑 賞教 室 に参 加 し て た。 ご 招 待 く だ さ った 関 係 の 方 々、 ど う も あ り が と う ご ざ い ま し し いも ので し た 。 せ ら れ る 場 面 あ り 、 ユー モ ア に 笑 う 場 面 あ り 、 と 、 と て も 素 晴 ら じ つ つも 、現 代 に通 じ る よ う に趣 向 が 凝 ら し て あ り 、 往 時 を 忍 ば 私 が 今 回鑑 賞 さ せ て い た だ い た 歌 舞 伎 は 、 昔 か ら の伝 統 を 重 ん 見 事 で し た。 り 、 最 後 の、 前 座 と 連 携 し た 美樹 安楽 かど 角 歌舞伎鑑賞教室 鞭△ 罪 肝 川 口 有希乃 先 日 、 私 た ち 国 文 の 一回生 は 、 新 入 生 歓 迎 行 事 と いう 事 で、 南 座 の歌 舞 伎 鑑 賞 教 室 に 招 待 し て い た だ き ま し た 。 当 日 、 南 座 の大 き な ち ょう ち ん の下 を く ぐ る と き、 歌 舞 伎 を 見 る の が 初 め て の私 は 、 さ な が ら 、 初 め て訪 れ た 日 本 へ憧 れ と 期 待 を 持 った 外 国 人 のよ う な 気分 だ った のだ ろ う と 思 いま す 。 赤 い じ ゅ う た ん が 敷 か れた 会 場 は、 ど こ か 厳 か な 雰 囲 気 で し た。 お 話 が あ った 後 、 演 目 は 落 語 に う つり ま す 。 こ の落 語 な の で す る よ う な 写真 と 説 明 し か 知 ら な か った 。 私 以外 に も 、 そ んな 人 は 落 語 家 の桂 九 雀 さ ん に より 、 軽 く 歌 舞 伎 に 関 す る実 演 を 交 え た が 、 ス ト ー リ ー の最 後 に 用意 さ れ た ﹁ 落 ち﹂ が巧 みで、大 爆笑。 lU9 そ う 思 って いた か ら 、 歌 舞 伎 鑑 多 か っ た ろ う 。 馴 染 み の な い こ と で あ った し 、 何 の 機 会 も 、 さ し たる興味 もな く 、私 には無縁1 賞 教 室 が あ る と 知 ら さ れ て も 、 実 際 見 る ま でず っと 面 倒 臭 い こと だ と 思 って いた 。 四 月 二十 四 日。 四 条 の南 座 ま で 、 大 学 か ら 徒 歩 国 文学 会旅 行 に参 加 し て 短国二 藤 井 裕 子 ん の軽 快 な 声 で 、 鑑 賞 教 室 は 幕 を 開 け た 。 続 い て歌 舞 伎 の概 略 と 満 員 の観 客 席 で、 会 場 の 装 飾 を 眺 め る う ち 、 落 語 家 ・桂 九 雀 さ つも 、 そ こは う ま く 峯 村 先 生 が フ ォ ロー な さ って 、 国 文 学 会 旅 行 と KANS AI のカート) が な く な る ! と いう ハプ ニ ング が あ り つ 人 幡市 駅 前 集 合 。 駅 構 内 で、中 前 先 生 の切 符 ( 買 ったば かり のスル ソ 五 月 二十 三 日 、 良 い 天 気 に恵 ま れ 、 爽 や か な 一日。 午 前 十 時 、 舞 台 仕 掛 け を 説 明 し て下 さ る、 そ の話 が 面 白 く て、 思 わ ず 笑 い声 は 無 事 に スタ ー ト を 切 った 。 約三十 分。 が 上 が る。 そ し て そ の 日、 歌 舞 伎 役 者 体 験 と し て ﹁ 勘 平と お軽﹂ ケ ー ブ ルに 乗 って男 山 山 頂 に 到 着 。 市 内 と 違 って空 気 が 澄 ん で が 、動 く 鳥 が 苦 手 な 私 は、鳩 を 追 い払 う こと に 必 死 にな って いた。 の役 を 体 験 で き た 、 京 都 外 国 語大 学 の女 子 大 生 は 本 当 に羨 ま し い 歌 舞 伎 の舞 台 は 、そ れ ま で の空 気 を が ら り と変 え 、見 事 だ った 。 す る と 、 鳩 は 八 幡 神 の死 者 だ と いう こと を 先 生 か ら 教 わ り 、 思 わ いる こと に驚 き 、 す が す が し い気 持 ち で胸 が い っぱ いに な った 。 さ す が に 清 元 の詞 章 は聞 き 取 れ な か った も の の、 話 の大 筋 は 先 に ず 本 気 で 鳩 に 謝 って いた 。 鳩 が 神 様 の使 いだ な ん て、 実 は 未 だ に 限 り。 そ の後 、 本 幕 開 演 に 先 立 って、 仕 切 り 直 し に 九 雀 さ ん が 落 聞 い て あ った し 、 台 詞 も 比 較 的 聞 き 易 く 、 抵 抗 な く 理 解 でき た。 信 じら れ な い のだ が 、 と り あ え ず これ か ら は、 鳩 に いた ず ら し か こ こ か ら 石 清 水 人 幡 宮 への道 す が ら 、 何 度 も 鳩 を 見 か け た の だ 最 後 の ﹁お 軽 、 お じ ゃ﹂ ま で 、 た だ 舞 台 に 釘 付 け だ った。 何 と も け る のは 止 め よ う と 固 く 誓 った 。 でも 、 八 幡 の鳩 以 外 は 良 い の か 語 を ひ と つ。 意 外 な 気 が し た 。 自 分 の耳 で 聞 け る こと が 、 案 外 面 白 味 あ る こ と なあ ⋮: 石清 水 では 、 重 要 文 化財 ﹃官 寺 縁 事 抄 ﹄ を 特 別 に 見 せ て いた だ が 。 良 い経 験 を し た 、 ま た 来 て み よ う か 。 これ を 契 機 に、 そ う思 う よ う に な った 。 き 、 学 会 旅 行 に参 加 し な け れ ば こ んな 貴 重 な 体 験 は でき な か った 110 と 思 う と 、 本 当 に良 か った。 宮 司 さ ん に は 、 本 宮 の案 内 も し て い た だ き 、興 味 深 いお 話 も 聞 け、楽 し く 時 間 を 過 ご す こと が で き た 。 お 昼 を 食 べた 後 は 、 松 花堂 昭 乗 に 関 連 す る 地 を 巡 った 。 彼 が 住 ま った 僧 坊 跡 や 、 彼 の お 墓 のあ る 泰 勝 寺 を 訪 れ た 。 そ の後 、 八幡 名物 ﹁ 走 井 餅 ﹂ を ご ち そ う にな り 、 参 加 者 全 員 で お い しく い ただ いた 。 こ のお 餅 は 本 当 に お い し か った ! 国 文 学会 旅 行 記 大国三 國 富 瑠美 子 石清 水 八幡 宮 。 中 学 の頃 、 教 科 書 で徒 然 草 第 五 十 二 段 ﹁ 仁 和寺 にあ る 法 師 ﹂ を 読 ん だ 。 石清 水 八幡 宮 ま で参 拝 に行 った 法 師 が 、 山 の ふ も と の社 寺 を 本 堂 と 間違 え て、 山 に 登 ら ず 帰 って しま う と い う 話 だ 。 そ れ が な ん と な く 印 象 に 残 っ て い て 、 私 は 、 い つか そ れ か ら バ ス に乗 って 、松 花 堂 美 術 館 ・庭 園 に 向 か った。 私 は 、 昭 乗 に つい て本 当 に何 も 知ら な か った のだ が 、 行 く 先 々で、 先 生 ケ ー ブ ル の終 点 か ら 少 し 歩 く と 展 望 台 が あ り 、 そ こか ら は 宇 治 行 って み た いと 思 って いた。 そ し て、 遂 に そ の機 会 が や って き た の集 大 成 と 言 え る 程 、 凝 った 作 り にな って いた よ う に 思 う 。 私 が 川 、 木 津 川 、 桂 川 の流 れ を 手 前 に、 天気 が 良 け れ ば 京 都 市 内 から 方 を は じ め い ろ いろ な 方 々が お 話 し て下 さ った の で、 大 変 興 味 を 今 ま で見 て き た 茶 室 と 比 べる と 、 ど こと な く 雰 囲 気 も 違 って 見 え 比叡 山 ま で の展 望 が 開 け る。 ビ ル や高 速 道 路 の高 架 な ど で、 川 だ のだ った 。 た。 当 時 の文 化 人 は 、 こ の茶 室 に 集 い、 茶 会 を 開 き ⋮ そう い った け が 見 え る わ け で は な いが 、 三 つ の流 れ が 大 き く う ね り 、 集 ま つ 持 つ て見 学 す る こと が で きた 。 庭 園内 に あ つた 彼 の茶 室 は、 芸 術 こと を 想 像 す る だ け で、 彼が 身 近 に感 じ ら れ た 気 が す る。 本 堂 は 、宮 司 さ ん が 案 内 を し て 下 さ った の で、 内 部 の説 明 も 聞 て く る 様 子 は 、 な か な か壮 大 な も のを感 じさ せ る。 れ ど 、 学 会 旅 行 に参 加 し て、 自 分 の知 ら な か った 京 都 の歴 史 や 文 急 な 階 段 を 登 って息 が あが った り、 途 中 小 雨 も 降 った り し た け 化 、 そ れ に 関 わ る文 学 に 触れ る こ と が で き 、 ま た 、 先 生 方 や 他 学 か せ て頂 く こと が でき た。 日光 東 照 宮 の前 年 に で き て お り、 織 田 どい 信 長 の寄 進 した ﹁ 金 の雨 樋 ﹂や、左 甚 五 郎 作 と 伝 わ る ﹁目 抜 き 猿 ﹂ 年 の方 々と 交 流 を 持 て、 有意 義 な 一日だ った 。 な ど 、見 る も のも多 い。 私 は、こ の ﹁目 抜 き 猿 ﹂が 大 変 印 象 に 残 つ た。 猿 の片 目 に は 釘 が 打 ち つけ てあ って、 そ れ は 昔 、 こ の猿 が 欄 1ー 1 間 か ら 出 て き て は 悪 さ ば か り し て いた の で、 時 のご 住 職 が 釘 を 興 味 を 持 っ て 下 さ れ ば 幸 い で あ る 。 そ し て 、中 前 先 生 、峯 村 先 生 、 こ と が で き た 。 ま だ 参 加 し た こ と の な い方 が 、 こ の 文 章 を 読 ん で 本 当 に あ り が と う ご ざ いま した 。 打 った のだ そ う だ 。 と こ ろ で、 今 回 の旅 に は 松 花 堂 昭 乗 と いう 人 の名 前 が 欠 か せな い。 松 花 堂 昭 乗 は、 松 花 堂 弁 当 の名 前 の元 にな った こと でも 有 名 な 、 書 ・茶 ・絵 画 等 に 通 じ た 文 化 人 であ る 。 彼 は 石清 水 八 幡 宮 の 瀧 本 坊 に い た 僧 で 、 松 花 堂 は 彼 が 晩 年 を 過 ご し た庵 の名 前 であ る。 建 物 は、 明 治 の神 仏 分 離 で外 へ移 さ れ 、 今 で は松 花 堂 庭 園 と し て見 学 でき る よ う に な って い る。 今 回 の行 き先 は、 そ の軌 跡 を 追 って い る。 最 後 にな って し ま つた が 、 こ の学 会 旅 行 に は 大 き な 利 点 、 特 権 と い う も の が あ って 、 私 達 は 中 前 先 生 が ご 尽 力 下 さ った お かげ で 、 重 要 文 化 財 の文 書 な ど 、 大 変 貴 重 な 資 料 を 特 別 に 見 せ て頂 く こと が でき た。 そ し て な に よ り の利 点 と い う のが 、 先 生 方 と ご 一 緒 でき る こと で 、 い ろ いろ な 見 所 に お い て先 生 方 のお 話 や 詳 し い 説 明 な ど を 伺 え る と いう こ と であ る 。 名 所 、 見 所 な ど 、 自 分 だ け で来 て い た ら 見 逃 し て し ま いそ う な 石 碑 な ど も 、 詳 し い説 明 と 共 に 、 一つも 漏 ら さ ず 見 てく る こ と が で き た 。 仁 和 寺 の法 師 も 学 会 旅 行 で 来 て い れ ば ⋮ ⋮ ま さ に、 ﹁少 の事 に も 先 達 はあ ら ま ほ し き 事 也 ﹂ であ る。 私 は 、 国文 学 会 旅 行 に 参 加 し て 、 本 当 に実 り あ る 一日を 過 ご す 112 平 成十 六 年 六月 十 五 日 発行 印刷 女 子 大 國 文 平 成十 六 年 六月 三十 日 第 百三十 五号 O七五-藝 =ー九 一二 〇 〇七五ー吾 =1九 〇 七 六 京都 女 子大 学 国 文 学 会 〒 六〇五 人五〇一京 都 市 東 山 区 今 熊 野北 日吉 町三五番 地 編 輯 兼 発行 者 Oδ 八〇-五 -三 一四 話 電 替 FAX 振 O芸 -四里 -四 一〇 八 ㈹ 西村印刷株 式会社 〒 六〇二人一 一 異 京 都市 上京区上 長者 町通黒 門東 入 印 刷 所 O七五-四三一 丁六 二 八 二 話 FA X 電