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ー- はじめに マリ ンスノーや動物プランク トンの糞米立

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ー- はじめに マリ ンスノーや動物プランク トンの糞米立
炭 素 ・窒 素 の 安 定 ・放射 性 同位 体 組 成 か ら見 た海 洋 沈 降粒 子 有機 物 の 分 解 過 程
中塚
武 ・半 田暢 彦 ・杉 本 多津 宏 1・今 泉 茂 巳 2 ・原 田尚美 3 ・松本 英 二
(名 古屋 大 学 大 気水 圏 科 学 研 究 所 (現 : 1 トヨタ 自動車 、
3 日本 海 洋科 学 技 術 セ ンター ) )
岐 阜 県庁
2
1. は じめ に
マ リンス ノー や 動物 プ ラ ンク トンの糞粒 (フ ィー カル ペ レ ッ ト)等 の沈 降粒 子 は、
海 洋 にお いて、 溶 存物 質 濃度 の鉛 直分 布 を規 定 す る中心 的役割 を担 って お り、 その活
発 な炭 素等 生 元素 の表層 か ら深層 へ の運 搬 能 力 (バ イオ ロジカル ポ ンプ) は、 海 洋 表
面 水 の炭 酸 濃度 を低 め、 間接 的 に大気 中の 二酸 化 炭 素 濃度 をコ ン トロー ル す る、 地 球
表層 の物 質循 環 系 の鍵 を握 る部分 で あ る 。 海 洋 の物 理 的 な大循 環 モ デル に化学 ・生物
過 程 を組 み 込 ん だ 「海 洋物 質循 環 モ デル 」 で も、 この 沈 降粒 子 は草幹 的 部分 と して組
み込 まれ (
B
a
c
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t
o
wa
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r,
1
9
9
0な ど)、 その 海洋 表層 で の 生 産量 (-新
Ma
r
ti
ne
tal, 1
9
87な
生 産 量 )お よび 中 。深層 で の 分解 率 を精 度 良 く決 定 す るこ と (
ど)は、 海 洋物 質循 環 の過 去 。現 在 ・未 来 を定 量的 に認 識 ・予測 す る上 で 、極 めて 重
要 で あ る こ と とされ て きた 。 そ う した 目的 で、過 去 約 20年 間 に わ た り、 沈降粒 子 を
捕捉 す るための 、 数 多 くの セ ジメ ン ト トラ ップ実験 が行 われ て きたが 、 その 中で 明 ら
か とな って きた こ との 一 つ が、 「海 洋 深層 の沈 降粒 子 の 中には、 海 洋 表層 か ら直接 沈
降 して きた もの の他 に、 直 下の 海底 や周 辺 の大 陸 斜 面 か ら再懸 濁 した堆積 物粒 子 が、
H
o
nj
oe
ta1
.
,1
9
8
2な ど) 。 有機 炭 素 。窒
相 当量含 まれ て い る」 とい う事 実 で あ る (
素等 の 沈 降粒 子 有機 物 の フラ ックスの鉛 直変化 か ら、 その分解 率等 を正確 に決 定 す る
ため には、 この 再 堆積 性 の 沈 降粒 子の 影 響 を定 量 的 に除 去 しな けれ ば な らな い 。 筆 者
らの研 究 グル ー プで は、 沈 降粒 子 有機 物 の炭 素 ・窒 素 安 定 同位 体 比 の 時 空 間変動 か ら、
その生 成 。分解 過程 の解 析 を進 め る と同時 に、 堆積 物 の放 射性 炭 素 同位 体 比 が、 表層
起 源 の 沈 降粒 子 の それ と比 べ て極 めて低 い値 を持 つ こ とを利 用 して 、 沈 降粒 子 へ の堆
9
9
3
、中
積 物 か らの 再懸 濁粒 子 の混 入 の 影 響 につ いて も検 討 を進 め て きた (半 田等 , 1
塚 。半 田 , 1
9
9
4)。 本論 で は、 過 去数 年 にわ た る観 測 に よ って 蓄積 した、 それ ら同位
体 組 成 の デー タか ら、 主 に 「堆積 物粒 子 の沈 降粒 子 へ の混 入 率 の評価 」 お よび 「表層
か ら来 る沈 降粒 子 の分解 メ カニ ズ ムの検 討 」 を行 う。
2.試 料 と方 法
本論 で取 り扱 う沈 降粒 子 試料 は、 図 1に示 した各地 点 に、 表 1の期 間 。深度 にわ た
って、 設 置 され たセ ジメ ン ト トラ ップに よ って、 採 取 され た もの で あ る 。 設 置地 点 は、
南 か らそれ ぞれ 、 赤道 域 、 温 帯域 、亜 北極 域 に位 置 す る と共 に、 地形 的 に は、 深 海 平
mとい った場 所 に位 置 し、水 平 的 に も鉛 直的
原 の真 申、 海溝 の 内部 、 海 溝 の外 側 数 百 k
に も、 特 徴 的 な 同位 体 比 の シ グナル が得 られ る こ とが期 待 で きた。 それ ぞれ の セ ジメ
3(または、 21)個 の 自動 交換 式 の サ ンプル採 取 ボ トル が装 着
ン ト トラ ップに は、 各 1
-1
681
表 1. セ ジ メ ン ト トラ ップの 設 置 場 所 (水 深 ) ・深 度 ・期 間
(Tabl
e l・Si
te l
oca-
ti
on (
waterdepth) and depl
oyment depthand peri
od of sedi
ment traps)
Wate
r
Locati
on
d
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h
p
l
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y
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n
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d
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Peri
od
1
3
3
5
n,
4
7
8
5
n 89
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6
/
3
0
9
0
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5
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21
4
7
8
9
m,
8
7
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m 9
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3
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2
5
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2
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1
67
4,
41
8
0,
5
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8
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8
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2
4
(
N
N
W
p0
2) 4
4o
N,
1
5
5o
E
(
J
T0
6) 3
40
1
0
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1
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C
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01) Oo
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1
7
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9
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0
7
ノ
■
I
P0
『
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i
.
∴、
★
和 I
CEPS01
,
03
図 1. セ ジ メ ン ト トラ ップの 設 置 地 点 (Fi
g.1.Si
teLocati
onsof Sedi
ment Traps)
O
1
2
3 4 5 6 7 8 9 1
0l
l
1
00 0
2
ュ
ノ4
000
000
70
09
00
00
0
0
70
09
5 ′
hV
0 0
0 0
0 0
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5 ′
0
)
daロ
(
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J 4
oO00 0
0
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9
11
00
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一
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(uT)Lt
0 0
0
25
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3
C(
P
DB)
-2
3 -22 21 2
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十
NNW 02
->
J
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6
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-
J
T07
・ 一・
一・
一
く}-
CEPS
-O
l
r e
CEPS03
(
ち)
(
a)
図 2. 沈 降 粒 子 の 全 有 機 炭 素 ・全 窒 素 の 61
3C (a) 、 ∂15N値 (
b) (時 間 荷 重 平 均
値 ) の 空 間 分 布 ( Fi
g・
2・ Spati
a一di
stri
buti
onof ∂1
3C (a)and ∂1
5N
(b)of totalorgani
c carbon and totalni
tr
ogen (
temporalwei
ghtedmean
val
ues) i
n si
nki
ng parti
c一
es.)
-1
69-
され、 各設 置期 間 内に等 時 間間隔 で、 各 1
3(
2
1
)個 の時 系列 サ ンプル が得 られ るよ う
に な って い る 。 各 ボ トル には、現 場 での サ ンプル の腐 敗 防止の ため に、 滝過 海水 で薄
め た 50
/
.ホル マ リン溶液 を、 あ らか じめ充填 した 。 回収 したサ ンプル の 一部 は、 実験
室 内で塩 酸処 理 を行 って、炭 酸塩 を除去 した後 、 蒸 留水 で脱塩 、乾燥 し、 その 一部 を、
Y
a
n
a
k
oC
H
NC
o
r
d
e
r(
M
S
l
l
)
に よ る全有機 炭 素
・全窒 素含 有 量の分析 に供 した 。 元素分
析 の残 りの脱 炭 酸塩試料 は、 石 英管 中に酸化銅 、還 元銅 各 1gと共 に真 空封管 し、 8
5
0o
Cにて 2時 間燃焼 して、含 有 の全有機 炭 素 ・全窒素 を、 それ ぞれ C
0 2,
N2ガス に変換
Mi
n
a
g
a
w
ae
ta1
.
,
1
9
8
4)。 生成 したC
O2
,
N2
ガスは、 真空 ライ ン中で冷媒法 で分
した (
離 ・精 製 し、 それ ぞれ M
A
T
2
5
1
質 量分析 計 にて、 その安定 同位体 比 を測 定 した。 また 、
O2ガスの二部 は、 Ki
t
a
g
a
w
ae
ta
l
.
(
1
9
8
4)の鉄 一水 素還 元
上記の 方法 で精 製 した、 C
法 にて グラ フ ァイ ト化 して、 名 古屋大学 年代 測 定 資料研 究セ ンター の タ ンデム加 速 器
4
C
/1
3
C比 を測定 した . グラ フ ァイ トター ゲ ッ トは、測定後 酸化
質 量分析 計 で、 その 1
o
銅 と共 に石 英管 に真空封管 し、 1
0
0 Cで 8時 間の燃 焼 に よ り再 び C
O2化 して、 その 1
3
0
C
/1
2
C比 をM
A
T
2
5
1
質量分析 計 にて測 定 し、 グラ フ ァイ トの 1
4
C
/1
2
C比 を計算 す る と共
に、 グラ フ ァイ ト生成 時 の 同位体 分別効 果 の補 正 を行 った 。 炭 素 ・窒 素 の 安定 同位 体
比、炭 素 の放 射性 同位体 比 は、 それ ぞれ 以 下の 方法 で 表 示 す る。
JX- (Rs
a
m
/
Rs
t
d- 1) ・1
0
0
0(
‰)
ここで、 X と Rは、 それ ぞれ、 1
3
Cと 1
3
C
/1
2
C
、1
5
Nと 1
5
N
/1
4
N
、1
4
Cと 1
4
C
/1
2
C
であ り、
e
e
D
e
e
層 産 の矢石化 石
各表記 中の ス タ ンダー ドは、 それ ぞれ米 国 ノー ス カ ロライナ州P
(
P
D
B
)、 大気窒素 (
AI
R)
、1
9
5
0
年 に大気 中で形 成 され た 2
5
‰ の安定 同位 体 比 を持 つ
木の1
9
5
0
年 当時 の値 で あ る (
S
t
ui
v
e
ra
n
dP
o
l
a
c
h,1
9
7
7
)。測 定誤 差 は、 61
3
C値 、
∂1
5
N値 の場合 、繰 り返 し再現性 に して、 それ ぞれ、 ±0
.
1
、0
.
2
‰以 内、 61
4
C値 の
場合 、標 準偏 差 (16)に して、 1
0
‰程 度 であ る 以下 に述べ るよ うに、 同位 体 比 は、
。
沈 降粒 子 の 1年 間の荷 重平均値 (数 サ ンプル以 上の 平均値 )に して表 示 す るので、個
々の誤 差 の 大 きさにつ いて は、 以下、 表 示 しな い 。
3.沈降粒子 同位 体組 成 の水 平 ・鉛 直分布 とその特徴
本論 で は、 主 に沈降粒 子 の鉛 直輸送 に伴 う分 解 過程 や、 そ こへ の堆積 物 か らの再懸
濁粒 子の混 入 の 問進 につ いて検 討 す る。 ところで、 各 セ ジメ ン トトラ ップ実験 か ら得
られ たデー タは、 各深度 ともに、 も とも と、約 1年 間の時 系列 変化 を含 む デー タであ
る。 それ らは、 表層水 環境 の季節 変動等 の情報 を含 む 貴重 な ものであ るが、 その時 系
列 デー タ を鉛 直方 向にその まま比較 した場合 には、粒 子 の沈降 に ともな う上下 トラ ッ
プ深度 間の タイム ラグ等 の影 響 で、 単純 な鉛 直方 向の 変化 の議 論 が難 しい 。 そ こで、
一般 に、 沈 降過程 での粒 子 の 変質等 を純粋 に議 論 す る場 合 には、 時系列 デー タを、 あ
W
al
s
he
ta
1.
,
らか じめ 1年 間の荷 重 平均値 に して、鉛 直的 に比較 す るこ とが多 い (
1
9
8
8
等 ) 。 本論 で も、 季節 変動 の議 論等 はひ とまずお いて、 同位 体 組成 の 1年 間の荷
-1
7
0-
重平均 値 の デー タ を用 いて、 その空 間分 布 を議 論 す るこ とと した。 ただ し、 N
N
W
p
0
2
お よび
C
E
P
S
0
1
で は、 セ ジメ ン トトラ ップの機 械 的 トラ ブル に よ り、 それ ぞれ 上部 の
3
期 間 中の後 半 6お よび 5期 間の サ ンプル採取 が行 えなか った た
トラ ップにお いて、 1
め、荷 重平均操作 は、 上下層 とも、前 半の 7お よび 8期 間のサ ンプル につ いて のみ、
行 って い る。
図 2に沈 降粒 子全有機 炭 素 ・全窒素 の 61
3C、 61
5
N値 の荷 重平均値 の空間分 布 を
示す
。
上部層 の トラ ップにお け る水 平 方 向の比較 で は、 61
3C値 の場合 、 C
E
PS
>J
T>
Pの順 に、 同位体 比 が低 下 した。 これ は、 当該 海域 表層 の水 温 変化傾 向 と調和 的 で
N
N
W
3C値 が、水 温 の高 い赤道海域 にお
あ り、 海 洋表層 で作 られ る植物 プラ ンク トンの 61
(
[
C
O
2
]
a
q
) や高 い光合 成活性 に よって、炭
酸取 り込 み時 の 同位体 分 別効 果 が小 さ くな るこ と (
L
a
w
se
ta1
.
,
1
9
9
5
)を反映 し、他
いて、 その表層水 中の低 い遊離 炭酸濃度
5
N値 の場合、水 平 方
の海域 よ り高 くな って い るこ とに 由来 して い る と思 われ る。 61
向 には、 C
E
P
S
>N
N
W>J
T
の順 に変化 した。 C
E
PS
地 点 の沈降粒子 の 61
5
N値 は、 通 常、
外 洋域 で表層 水 に供給 され る唯一の窒 素源 であ る 「深層 か らの硝 酸 の 61
5N値 」 (約
6‰ :Li
ua
n
dk
a
pl
a
n,1
9
9
1
) よ り、遥 か に大 きい。 これは、 当西部 赤道太 平 洋の
表層水 に供 給 され る硝 酸 が、 直下の深層 水 か らで は な く、 主 に東部 赤道 太 平洋の湧 昇
P
e
n
ae
ta
1
.
,
1
9
9
4)、 お よび、 そ
域 か ら表層 を南赤道海流 に よ り運 ばれて くるこ と (
5
N値 の低 い硝 酸 が優 先的 に取
の 西方 向へ の表層移流 中に植 物 プ ラ ンク トンに よ り61
り込 まれ、 その結 果、 当海域 へ供 給 され る ときには硝 酸 の ∂1
5
N値 が著 し く高 くな っ
た こ とを反 映 して い る (
Al
t
a
b
e
ta
n
dF
r
a
n
c
o
i
s
,1
9
9
4
)。 また、 J
T
地 点 での、低 い 6
1
5
N値 は、 当黒潮 海域 にお け る窒 素 固定能 を持 った らん藻 の存在 に よ り説 明で きる
(窒素 固定 に よ り生産 され た植 物 プラ ンク トンの 61
5
N値 は、 0‰程 度 ) 。 本論 で は、
しか し、 こ う した水 平方 向の議 論 (
N
a
k
a
t
s
u
k
ae
ta
1
.
,1
9
9
5
)で は な く、鉛 直方 向へ
の 同位体 比 の 変化 につ いて、 以下、 主 に考 察 す る
。
鉛 直方 向 には、概 ね全て の地 点で、 61
3C、 61
5
N値 ともに、 下 方へ 向けて の低 下
2Cや 1
4
Nで 出
傾 向が 見 られ た。一般 に、物理化 学過程 にお いて は、軽 い分子、 即 ち 1
3Cや 1
5
Nか らな る分子 よ り反応性 に富む
来 て い る分 子 の方 が、 1
。
それ故 、単純 に考
えれ ば、沈降 時 の有機 物 の分解 過程 で も、軽 い分 子 が優 先的 に消 失 し、残 った沈降粒
子 中の有機 物 の 同位体 比 は、 高 くな る (即 ち、鉛 直下方 に 向けて、 61
3C、 61
5
N値
は増大 す る)は ずであ る。 しか し、 61
3C値 の嘘合 には、分子種 間の その値 の差 が著
3C値 の分子 が、脂 質 な どの低 い 61
3C値 の分子 に
し く、糖 や ア ミノ酸 な どの高 い 61
3C値 の低 下 は、堆積 物
比べて優 先 的 に分解 す る とい うこ とで、 こ う した分解 時の 61
や懸濁粒 子 にお いて は、説 明 され て きた
(
S
pi
k
e
ra
n
dH
a
t
c
h
e
r
,1
9
8
4
等 )。 ここで、
5
N値 の低 下 であ る
大 きな問題 にな るの は、 61
。
一般 に、分解 に伴 う 61
5
N値 の低 下
5
N値 は、鉛 直下
は、沈 降粒 子 以外 では全 く確 認 されてお らず、 実際、 懸濁粒子 の 61
S
ai
n
oa
n
dH
a
t
t
o
r
i
,
1
9
8
0
)。 こう した沈 降粒 子 61
5
N値
方へ 向けてむ しろ増大 す る (
l
t
a
b
e
te
ta
l
.
(
1
9
9
1
)は、 その説 明 と して、
の鉛 直下 方へ の低 下 をは じめて報 告 した A
5
N値 を持 つ特 定の分 子種 の優 先的分解 、 も し くは、 B.
次 の 2つ、即 ち、 A.重 い 61
ー1
71-
深層水 中での軽 い 61
5
N値 を持 った有機 物 の付加・(-バ クテ リアに よる周辺の硝 酸 の、
大 きな同位体分別 を伴 う取 り込 み )の 2つの可能性 を示唆 した。 しか し、現在 に至 る
まで、 その具体 的 なメ カニズ ムは一切 、 明 らか とな って いない。
bの結果 には、 更 に幾つ かの特徴 が見 られ る。 1つは、鉛 直下
今 回得 られ た、 図 2-
5
N値 の減少率 が、 C
E
PS>N
N
W
P>J
Tの順 に小 さ くな り、 も とも と 61
5N値 の
方への 61
高 い沈降粒 子 にお いて、減 少率 が大 き くな って い る とい うこ とであ る
。
これは、海洋
5
N値 」 を持 った有機
深層の広範 な領域 にお いて、 バ クテ リア起源の 「同 じ低 さの 61
t
a
be
te
tal
.
(
1
9
物 が、沈降粒 子 に等 し く付加 して い る とすれば説 明で き、上記 の Al
地点 では、上記の 2つの仮説で は説
9
1)の Bの仮 説 を支持 す る しか し、 同時 に、 JT
。
5N値 の鉛 直分布の屈 曲」 が認 め られ、 また、 図 3に見
明で きない 「海溝 内部 での ∂1
られ るよ うに、 沈降粒 子 フラ ックス 自身が、鉛 直下方へ 向けてむ しろ増 大 す るとい う
現 象 も見 られ た。 これ らは、 沈降粒子 に対 す る下方 か らの、堆積 物 の再懸濁粒 子 の混
3Cや 61
5
N値 の、沈降過程 で
入の可能性 を強 く示唆 してお り、 沈降粒 子有機 物 の 61
の純粋 な変化 を議 論す るためには、 それ ら再懸濁粒子 の影響の除去 が不可欠であ るこ
とを示 して い る
しか し、現 実 には、個 々のセ ジメ ン トトラ ップ実験 にお け る粒 子の沈降過程 での分
。
解 率が分 か らな いので、 図 3の プ ロファイルのみ か らでは、再懸濁成分 の割合 を定量
的 に決 定 す るこ とはで きない そ こで、 本論で再懸濁成分 の定量的評価 の ため に用 い
るのが、沈 降粒 子有機 炭素の 61
4C値 であ る 一般 に、沈降粒子 の沈降速度 は、 l
o
o
n
。
.
/
d
a
y
程度 (
De
us
e
re
ta1
.
,
1
9
9
0)であ るか ら、表層 か ら沈降 して くる沈降粒子 の 61
4
C値 が、沈降 中に大 き く変化 す ることはあ り得 ない。 それ故、 図 4に見 られ る、 J
T0
6や N
N
W0
2トラ ップでの、 -1
0
0や 2
0
0
‰ とい った低 い値 は、必然的 に、堆積 物 か ら
4C値 の鉛
の再懸濁粒 子 の混 入 に よ ってのみ、説 明可能であ る 図 中、 3地点 での 61
CE
PS
0
3)
で は、堆積物の再懸濁 の影響 がほ とん
直 プ ロファイル は、深海平原 の真 申 (
JT
0
6)
や海溝 の周辺部 (
N
N
W
p0
2)
では、堆積物
ど見 られ ないの に対 して、海溝 内部 (
。
の再懸濁の影響 が、特 に下層 の トラ ップにおいて、 著 しい こ とを示唆 して い る
。
この
よ うな海溝付 近 での堆積物 の再懸濁の発生 の原 因 につ いては、第 - に、大陸棚 や大陸
Honjo e
t
斜 面 に近 い こ とに よる、深層 の水 平方 向か らの再懸濁粒子 の輸送 の可能性 (
.
,1
9
8
2)に加 えて、第 二 に、 これ らの海域 が大 洋の 西岸 に位 置 す るこ とで、強 い
a1
深層流 が流れて い るこ と (
Hogg,1
9
83)に も由来 す る可能性 があ る。
4。 ∂1
4C値 に よる堆積物 か らの再懸濁起源 フラ ックスの計算 一試論
4C値 が、実際 に、表層 か ら来 る沈降粒 子の 61
4C値
図 4の沈降粒 子有機 炭素 の 61
4C値 の浪合 で決 まって い るとす る と、各 サ ンプルの
と堆積物 の再懸濁起源粒 子 の 61
61
4C値 (61
4csi
nk)につ いて、以下の式が成 り立つ。
∂1
4csi
nk - ∂1
4cne
w・(1-rc)+ ∂1
4cs
e
d・rc
ー1
72-
(1)
S
I
n
kl
n
gP
Nf
l
u
x(
mg
N/
m2
/
d
a
y
)
S
i
n
ki
n
gP
OCF
l
u
x(
mgC/
m2
/
d
a
y
)
2
4
0
6
0.
2
00
000000000
0 0 0 000 0 0
000000000
1
12 3 4 5 ∠
U7 8 0
ノ
(
ut
)
一
t
)
da
cL
00
000000000
00000000
000000000
12345∠
U7 0
09
(
ut
)エ)
da
d
0
04
0.
6
08
▲NNW7-02
4
J
T06
=
T07
J
-1
)ー
lCEPS
01
∼J
J
●m
CEP
S
0
3
(
b)
(
a)
図 3. 沈 降 粒 子 の 全有機 炭 素 (a) ・全 窒素 (b) フラ ックス (時 間 平 均値 )の空 間 分
# (
Fi
g.
3.S
pa
ti
aldi
stri
buti
ono
ffl
uxesofsi
nki
ngpar
ti
cul
a
teto
tal
or
gani
ccar
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a)an
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b) (
te
mpor
almeanval
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d
e
l
t
a
l
1
4
C
0 0
0
0
1
300
25
0
200
0-100
-1
5
-50
0
5
0 1
00 1
5
0
NNW7 02
`0-
-J
T06
0
0
0
5
●
JT 07
0 0
0 0
0 0
′
h
U7
)
(
ut
)q dad
00 0
0 0 0
0 0 0
2 つ.
」4
主
◇ CEPS0I
0
0
0
8
●
-CEPS-03
図 4.沈 降粒 子 の全有機 炭 素 の 61
4C値 (時間 荷 重 平 均値 )の空 間分 布
(Fi
g.
4.
Spati
al di
s
tri
bu
ti
on of 61
4c of totalor
g
ani
ccar
b
on (
te
mpor
al
wei
gh
te
dme
anval
ues) i
nsi
nki
ngpar
ti
cl
es.
)
表
2. トラ ップ周 辺域 での 表 層 懸 濁粒 子 及 び表 層 堆 積 物 の ∂14C、 ∂13C、 ∂15N、
C/ N比 (
Ta
bl
e2. 61
4C. ∂1
3C, ∂1
5N and C/ N r
a
ti
osofs
ur
face
C 7 1 4 1
4 2
1
+9
2 4
19
2
wa
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Gl
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edi
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cmatter ar
oun
d
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tes.)
∂
61
3C
61
5N
C/ N
(
JT06) S
urfac
ePO
‖(
CB一卜2)1
20.
9
S
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eS
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L
M1
6)
2
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NN
W
pOZ) S
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W(
DE-2)3
S
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faceSe
di
me
nt (
D
R-1
3)
4-
-20.
6
,20-len,350m (1985.
8.
l
l:460
42.
9'
N,1
620
22.
4'
E)
1Zoo
m (1
9
87.
6.
7)
,4-12cm (613C,∂15N,C/ N)(53009.7'N,177019.
4'
E)
40-5c
m (61
4C)
-1
7
3-
ここで、 ∂1
4cn
ew、 ∂1
4cs
e
dは、 それ ぞれ、表層 か ら直接沈降 して くる粒子 お よび
4C値 であ り、 rcは、 沈降粒 子 中の全有機炭素 に 占
堆積物 か ら再懸 濁 した粒 子 の ∂1
め る堆積 物 の再懸 濁成分 の割合 であ る 式 (1) を変形 す ると、 rc を求 め る式、
。
rc - (614cne
w - 614csi
nk)/ (61
4cn
e
w - 61
4cs
e
d) (2)
が得 られ る。
4cn
e
w、 614cs
e
dを各 ト
この式 (2)か ら、実際 に、 rc を求 め るためには、 61
ラ ップ地点 にお いて、決定 す るこ とが必要であ る。 その決 め方 には、第一 に、沈降粒
子の同位体組成 や フラ ックスの時空間分 布 デー タか ら、 (仮定 を幾 つ かお いて )計算
で求め る方法 と、第二 に、実際の表層水 の植物 プラ ンク トン (懸濁粒 子 )や堆積物 の
∂1
4C値 を測 定 して決 め る方法 があ る。 それ ぞれ、 「仮 定の信頼性 」 や 「測定デー タ
4c
の普遍性 」 とい った問題点 をは らんで い るが、今 回は、後 者の方法 を採 った 61
ne
w、 61
4cs
e
d を、決定す るの に用 いたサ ンプルの 由来 と、 それぞれの 61
4C、 61
。
3C、 61
5N値、 C/
N比のデー タ を、各 トラ ップ地点 毎 に、表 2に示 す。各々の、分
E
PS
01
,
0
3につ いて は、
析 方法 は、 本論 2章 に述 べ た沈降粒子 の分析法 に準 じた 尚、 C
図 4の プ ロファイルか ら 「この地点で は堆積物 の再懸濁の影響 はない」 と判断 して、
式 (2)の計算 は行わず、あ らか じめ、 rc-0と した。表 2の 中で、 J
T地点 につ い
。
L
M6)お よび、 直上のサ ンプ
ては、堆積物 ・表層懸濁粒 子 ともに、 トラ ップの 直下 (
C
B
-ト2)を用 いて い るが、 N
N
W0
2地点 につ いては、完全 に同 じ場所 のサ ンプル
ル (
E
2
地点か ら、堆
がなか ったため、表層懸濁粒子 について は、 同 じ北 西部北太平洋のD
積 物 につ いては、極前線 以北 の北部北太 平洋海域 を代 表 す るもの と して、ベー リング
R3
地点 (渡通、 1
9
8
8;N
a
k
a
ts
u
kae
ta1.
,1
9
9
5)の値 を採 用 した。 この場
海南部 の D
4C値 が、 J
T地点 の それ と比べ て低 いのは、 冬期 の活発 な鉛 直混
の表層 懸濁粒 子の 61
合 に よ り、 下層 か らの 「古い水」 の供給 が盛 んであ るこ とを反 映 して い ると思 われ る
一方、堆積 物表層 の値 は、生物擾乱等 を反映 して、 予想通 り、表層水 中の懸濁物 に比
。
べ てかな り低 くな って い る (表 2)。
図 5aに、式 (2) と図 4 ・表 2のデー タを使 って求 め た、 JT
0
6お よびN
N
W
p0
2の
沈降粒子有機 炭素 に対 す る、堆積 物 か らの再懸濁粒子 の混 入率 (rc)の鉛 直 プ ロフ
J
T0
7につ いては、 614C値 の測定 を して いないので、表示 して いな
ァイル を示 す (
い)。 ここで、 更 に沈 降粒子全窒素 に対 す る同様 の計算 を行 うため に、堆積物粒子 の
表 2)は保存 され る と して、以下の式 を用 いた。
再懸濁の際 には、粒子の C/N比 (
rn - rc ・ (C/N)si
nk
/ (C/N)s
e
d
(3)
ここで、 rn は、沈降粒 子全窒素 に対 す る堆積 物 か らの再懸濁成分の混入比、 (
C/
N)si
nk,
s
e
dは、 それ ぞれ、対象 とな る沈降粒 子 サ ンプル と堆積物 の C/N比 であ る。
bに、 rnの計算結 果 を示 す。図 5で は、海溝 内部 (
J
T
O
6)や その周辺 (
N
N
W
PO
2)
図 5-
-1
7
4-
F
r
a
c
l
l
O
nO
r
R
e
s
u
s
p
e
n
d
e
dP
N
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.
102030
.
40506070809
F
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1
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nO
r
R
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e
n
d
e
dP
OC
0O10203040
.
50
.
607080
.
91
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1
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0
0
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0
0
0
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0
4
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P
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1
C
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P
S
0
3
(
ち)
(
a)
図 5.沈降粒 子 の全有機 炭素 (a) ・全 窒素 (b) フラ ックス中の堆積 物 か らの再 懸濁
g.
5.Spati
a一di
stri
buti
onof
成分 の割 合 (時間荷 重 平均値 ) の空 間分 布 (Fi
pr
opor
ti
ons of resuspendedsedi
mentaryor
gani
ccar
bon (
a) andtota一
●
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d
a
y
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m2
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d
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)
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0
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04
06
08
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1
2
3
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p
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/
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6
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J
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0
7
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P
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0
1
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心-
.
-CE
P
S
0
3
(
a)
図 6.表層 か ら直接 沈降 して くる沈降粒子 の全 有機 炭素 (a) ・全窒素 (b) の フラ ツ
uxesof
クス (時間 平均値 )の空 間分布 (
Fi
g.
6lSpati
aldi
s
tri
buti
on offl
a)andtotal
non-resu叩endedsi
nki
ngpar
ti
cul
atetotalorgani
ccar
bon (
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b) (
te
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ues)I)
00
00
0 00
00
0 0
00
00
0
12 345 70
09
(
u
T
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U
0
0 0
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00
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0780
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52
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∴ 一
一べ}
一 〇- -
C
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0
3
(
也)
(
a)
図 7.表層 か ら直接 沈降 して くる沈降粒子 の全有機 炭素 (a) ・全窒素 (b) の 61
3C
(a) 、 61
5N値 (b) (時間荷 重平均値 )の空 間分布 (
Fi
g・
7・Spati
al di
stri
buti
onof 61
3C (a) and 61
5N (b)ofnon-resuspended si
nki
ngpar
ti
cul
atetotalor
gani
ccar
bon (
a)an
dtota一ni
tr
ogen (
b) (
tempor
a暮we
i
ghtedmeanva一
ues)・)
-1
75-
で、鉛 直下方 に向 けて、 急激 に再 懸濁粒 子 の混入 率 が増 大 して ゆ く様 子 が、分 か る。
図 3の、 沈 降粒 子有機 炭 素 ・窒 素 フラ ックスの鉛 直 プ ロファイル か ら、 rc、 rn
の割合 で含 まれ る再懸 濁成 分 を引 いて、純粋 に表層 か ら沈降 して くる沈 降粒 子 有機 炭
素 ・窒素 フラ ックスの鉛 直分 布 を求 め たの が、 図 6であ る。 それ ぞれ鉛 直下方 に向 け
て、 ほ ぼ一様 に減 少傾 向 を示 し、粒 子 の沈 降 に伴 う分解 が生 じて い る こ とが分 か る
.
5.粒子 の 沈降 に伴 う ∂1
5N, ∂1
3C値 の鉛 直 変化
第 3章 で議論 した よ うに、粒 子の沈 降 に伴 う ∂1
5N値 の 変化 は、従 来 の 単純 な有機
物 の分解 過程 とは異な るプ ロセ スの存在 の 可能性 を示唆 して い たが、 その 定量的議 論
には、 堆積 物 の再 懸濁成分 か らの影響 の除去 が不 可欠 であ った 。 「堆積 物粒 子 の再 懸
濁 の際 には、 その ∂1
5N値 は (既 に十分 な分解 を経 て い るこ とに よ り)変化 しない」
5N値 (61
5Nsi
nk)は、以 下の式で決
と仮 定 す る と、 沈 降粒 子全 窒素 の 見か けの 61
ま る と考 え られ る。
61
5Nsi
nk - (1- m ) ・∂1
5Nno
n-s
ed + rn ・61
5Ns
ed
(4)
こ こで ∂1
5Nno
n-s
e
d 、 ∂1
5Ns
ed は、 それ ぞれ 、表層 か ら直接 沈 降 して きた沈降粒
子、 お よび堆積 物 か ら再懸 濁 して きた粒 子 の、 ∂1
5N値 であ る。 この式 (4) と、 図
2、 図 5、 表 2に示 した ∂1
5Nsi
nk、 rn 、 61
5Ns
e
d を用 いれ ば、表層 か ら直接 沈
5
N値 (61
5Nno
n-s
e
d)の鉛 直変化 が計 算 で き
降 して くる過程 での、 沈降粒 子 の 61
る。 ∂1
3C値 につ いて も、 全 く同様 に、 その 61
3cno
n-s
ed を計算 す るこ とがで きる。
図 7に、 それ ら 61
3cno
n-s
e
d 、 61
5
Nno
n-se
d の鉛 直変化 の結果 を示 す。図 2b
の生 デー タの 中で は、 N
N
W
p
0
2
やJ
T
0
6
の よ うに、鉛 直下方 に向けての 61
5N値 の減 少
率 が、他 の海域 と比べ て 小 さい、 も し くは、む しろ増 大 す る とい う事例 が 見 られ たが、
堆積 物 か らの再懸 濁成分 の補 正 を行 った結 果、 その鉛 直分 布 は、 海域 ・深度 に よ らず
深 さ方 向 にほ ぼ一定の減 少傾 向 を示 した (図 7b)。 つ ま り、 沈 降粒 子 にお け る 61
5
N値 の鉛 直下 方へ 向けての 変化 は、海域 に よ らな い普遍 的減 少率 を持 った現 象で あ る
5N値 を も っ
こ とが分 か る この こ とは、 第 3章で議 論 した、仮 説 B (同一の軽 い ∂1
た窒 素 が、 バ クテ リア等 に よ り全海域 の深層 の沈 降粒 子 に等 し く取 り込 まれ るこ とで 、
元 々の沈 降粒 子 の ∂1
5N値 の高 い海域 ほ ど、深層 へ 向けて の ∂1
5
N値 の 変化率 が大 き
い) を支持 せ ず、 その メカニズ ムが、仮 説 A (沈 降過程 での ∂1
5
N値 の高 い分 子 の優
先的分解 )に近 い もの であ る可能性 を示 唆 す る。 粒 子 の沈 降 に伴 う同様 の普遍 的減 少
3C値 に もみ られ た (図 71
a)。 しか し、 その減 少率 は、 J
T
0
6にお いて
傾 向は、 61
の み異 常 に大 きい もの とな り、 筆者 らの研 究 グル ー プが、過去 に も報 告 して きた よ う
9
9
4)、 「海溝 の 内部 で は 613C値 の異常 に低 い成 分 が、特 別 に付
に (中塚 ・半 田、 1
3C値 の 変化 につ いて は、
加 して い る可能性 」 を示唆 して い る。 それ故、 海溝 内部 の ∂1
他 の海域 と同 じメ カニズ ムでは、 説 明で きない可能性 があ る。
5N (お よび 61
3C)値 の減 少の メカニ ズ ム
これ ら、粒 子 の沈降 に伴 う普遍 的 な ∂1
。
-1
7
6-
は何 であ ろ うか。本論では、 沈降粒子 61
5
N値 の鉛 直下方へ 向けての減 少傾 向 をは じ
t
a
be
ta
tal.
(
1
9
91)等 で も、全 く議論 されて こなか った、 ♂
めて報 告 した上記 の Al
3C値 の関係 か ら、 1つの仮説 を提 案 したい。本論で、 これ までの議 論で
1
5
N値 と 61
5
Nと 61
3C値 の鉛 直下 方
明 らか とな った こ とは、 「海域 に よ らず比較的一定の、 61
5
N値 と 61
3C値 が同 じ方向に同
- の減 少が、認 め られ る」 とい うこ とであ るが、 61
時 に変化 す るこ とは、上述 の仮説 A (有機 物 の分子種 レベルでの選択 的分解 )では説
3C値 の減 少 を一般 的 に説 明で きる 「高 い 61
3C値 を持 つ
明 しに くい 。 なぜ な ら、 61
3C値 を持つ脂 質 に対 す る、優 先的分解 」では、 61
5
N値 を
糖 やア ミノ酸 の、低 い 61
減 少 させ るこ とがで きないか らであ る (窒素の入 って い る分子 は、 この なかで ア ミノ
酸 だけであ り、脂 質 には入 って いないか ら) 0
一方で、有機 物 の分子種 レベルでの選択的分解 ではな くて、生物粒 子種 レベル (別
の言い方 をすれ ば、生態 学的地位 の レベル )での選択 的分解 (とい うよ り分離 ) とい
a
d
ae
tal
.(
1
9
8
7)
は、 南極 海の食物
うメカニズ ムな らば、 この困難 を解消で きる。 W
連鎖 を同位体 的 にマ ッピング して、 その 同位体 比 が食物連鎖の栄養段 階 を 1つ上が る
5
Nと 61
3C値 に して、 3.
3
‰ お よび約 2‰ ずつ増大 す るこ とを示 した ま
毎 に、 ∂1
。
1
9
9
4)も、食物連鎖 に沿 って、 61
5
Nと 61
3C値 が、 それ ぞれ、 3か ら 5
た、 吉岡 (
‰ お よび 1‰ ずつ増大 す るこ とを、多 くの水域食物連鎖 の 中で確認 して い る。図 7に
5
Nと 61
3C値 の鉛 直変化 率の相互の 間の比 は、表 3に示す ように、 (
JT
み られ る ∂1
0
6 を除 いて ) 2か ら 5の問に入 り、 上述 の食物連鎖 に伴 う同位体分別 に よる、 変化
の 関係 と調和 的であ る
。
つ ま り、 図 7にみ られ た 「沈降粒 子 には、海域 に よ らず比較
5
Nと 61
3C値 の鉛 直下方への減 少が認 め られ る」 とい う事実 は、食物連
的一定の 61
鎖 上の栄養段 階の高 い生物 (動物 プラ ンク トン、 バ クテ リアな ど) を起源 とす る粒子
(-61
5
Nと 61
3C値 が、 ともに高 い)が、粒子 の沈降過程で、優 先的 に沈降粒 子 か
ら脱離 して ゆ くとい うメカニズ ムで、説 明で きる 図 7は、 その メカニズムが、表層
。
付 近 だけで な く、深層水 の 中において も継続 的 に生 じるものであ るこ とを示 して い る
沈降過程 で 「栄養段 階の高 い生物 を起源 とす る粒 子」 が、優 先的 に分解 (
脱離 ) し
。
て い る とすれ ば、 どの くらいの高 さの栄養段階の生物 に 由来 す る粒子 が、分解 (
脱離 )
してい るのであ ろうか。 この分解 (
脱 離 )時の 同位体 分別の大 きさを Eとす る と、沈
5
N値の変化 は、 レ- リー モデル に よって、以下の式で表せ る
降過程 での 61
。
61
5
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p- 61
5
Ns
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/ Fs
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(5)
ここで、 ∂1
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Nd
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Ns
hal
l
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wは、 それぞれ各地点での、深 い方、 お よび浅 い
方の トラ ップにお け る、 表層 か ら直接 沈降 して きた粒子 の 61
5
N値 (61
5
Nno
ns
e
d)
であ り、 Fd,Fs
は、 それ ぞれの深度 の トラ ップでの、 表層 か ら直接 沈降 して きた汰
降粒子 の全窒素の フラ ックスであ る。図 7b、 図 6bのデー タを使 って、各地点毎 に
式 (5)か ら、 Eを計算 したの が、表 4であ る。食物連鎖 上で栄養段 階 を 1つ上 が る
毎 に、 61
5
N値 が、 3.
3
‰増大 す る (
Wa
d
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‥19
8
7) とすれば、表 4の結果 か ら、
-1
7
7-
表 3.沈降粒 子 の 沈降 に伴 う 61
5N値 と 61
3
C値 の 変化の 関係
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0.
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2.
2
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6
表 4.沈降粒子 の 沈降 に伴 う ∂1
5N値 の 変化の見 か け上 の 同位体 分別係 数
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5N値 の時空 間変動
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7
8-
計算 上、 沈 降過程 で分解 (
脱 離 )す る粒 子 の栄養段 階 は、 全体 の平均 と比べ て、 1.
4
か ら、 2
.
6段 階上位 の もの で あ るこ とにな る ただ し、 もちろん これ は平均値 で あ っ
5N値 を持 った (様 々な栄養段 階の )粒 子 が、 あ る範 囲で 同時
て、実 際 には様 々な 61
。
に分解 (脱 離 ) してい るに違 いな い
。
低緯 度 海域 (
CE
PS
Ol、 03)で、 この 見か けの E
が、高緯 度 海域 (
NN
WPO2)に比べ て大 きいのは、 この海域 で、 表層 水 の成層化 が比較
的発達 して いて、植物 プラ ンク トン生 産 に対 す る、新 生 産 (実際 に沈降粒 子化 す る部
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)が、 小 さ く (-沈降前 に、 動物 プラ
分 )の割合 (f値 :E
ンク トンな どに よ って捕食 され、 消失 す る有機 物 の割合 が大 き く)、 その分、 表層 水
中で よ り複 雑 な (-よ り栄養段 階 の高 い部 分 を持 つ )食 物 連鎖 系 が発達 して い るこ と
を反 映 して い るの か も知 れ ない
。
この 「栄養段 階 の高 い生物 を起 源 とす る粒 子 の優 先的脱 離」 とい うメカニズ ムにつ
いては、 しか し、 1つ 1つの大型 沈降粒 子 の 中で、 実 際 に起 きて い る分 別過程 なの か、
それ とも、 異 な る栄養段 階の生物 を起 源 とす る異 な る沈降粒子 の 問での沈降速 度 や分
解 率等 の違 い を反 映 した、 見 か け上の もの なの か は、現段 階で は不 明で あ る
。
た だ し、
図 8に見 られ るよ うに、鉛 直方 向への沈 降粒子 61
5
N値 の変化 は、 時 間的 に も、 比較
的 一定 の 大 きさを保 った ま ま推移 す るこ とか ら、 その メカニズ ムが、 か な り定常 的 な
もので あ るこ とは間違 いな い。 それ故、植 物 プラ ンク トンブル ー ム時の植 物 プラ ンク
トン凝 集体 (
低 い 61
5
N値 を持 ち、速 い沈 降速度 を持 つ )の よ うな、 一過性 の沈 降粒
子媒体 と、 それ以外の通 常 時の沈 降粒 子 (ゆ っ く り沈 降 -良 く分解 す る ?)の分解 レ
5
N ・∂1
3C値 の鉛 直変化
ー トの差、 の よ うな単純 な もの だけで は、 この 見 か けの 61
は、説 明で きない。今後 、顕微鏡 下の観 察 も含 め た よ り細 かい メカニ ズ ムの解 明 が、
沈降粒 子 の分解 (消 失 )過程 の定 量的把握 の ために も、 必要であ る。
6.まとめ
緯度 的 ・地形 的 に異 な る 3つ の海域 で、 実施 され たセ ジメ ン トトラ ップ実験 で得 ら
れ た沈 降粒 子 の有機 炭 素 ・窒素 の 61
5
N ・61
3C値 は、特徴 あ る鉛 直下 方へ 向け た普
遍 的減 少傾 向 を示 したが、 海溝域 お よび海溝周辺域 で は、堆積 物 の再懸濁粒子 の影 響
5N ・∂1
3C値 の鉛 直変化 パ ター ンの 「ずれ」 が、認 め られ た
と思 われ る、 61
。
沈降粒 子 有機 炭 素の 61
4C値 、 お よび表層 懸 濁粒 子、 表層堆積 物 の 61
4C値 か ら、
各 沈降 粒 子 サ ンプルへ の 「堆積 物 か らの再 懸濁 フラ クシ ョン」 を計算 し、 更 に、 表層
堆積物 の 61
5
N ・61
3C値 を用 いて、 沈 降粒子 の 61
5
N 。61
3C値 へ の再懸濁成 分 の
混 入 を補 正 した ところ、 表層 か ら直接 沈 降 して きた沈降粒 子の有機 炭 素 。窒素 の ∂ 15
N ・∂1
3C値 は、 海域 ・深度 に よ らず普遍 的 な、鉛 直下 方へ 向け た減 少率 を示 した
この沈 降過程 で の、 61
5N ・61
3C値 の 同時的減 少 は、 「食物 連鎖 上の栄養段 階 の
。
高 い生物 を起 源 とす る粒 子 が、 沈降の過程 で、優 先的 に沈 降粒 子 か ら脱 離 して ゆ く」
とい うメ カニ ズ ムで、説 明 す るこ とがで きた。 この こ とは、 これ まで一次反応 モデル
で表 され て きた、 沈降粒 子 の分解 過程 が、実際 には か な り複雑 な様相 を呈 した もの で
あ る可能性 を、 示唆 して い る。
-1
79-
謝辞
本研 究 を進 め るに当た って は、 まず、 セ ジメ ン ト トラ ップ実験 に際 して、東 京大学
海 洋研 究所 淡 青 丸、北 海道 大 学水 産学 部北 星 丸、 金属探 鉱 事業 団 白嶺 丸の各研 究航 海
にお いて、船 長、 乗組 員、 乗船 研 究者 の皆 さん に大 変 お世 話 にな った
。
また、 同位 体
比 の測 定 を行 うに 当た って は、 京都大 学生態 学研 究 セ ンターの和 田英太郎 教授 や、 国
際 日本 文化研 究 セ ンター の北 川浩 之民 らに、 ご教授賜 った
。
最後 に、 タ ンデ ム加 速器
質量分析 計 に よ る放射性 炭 素 濃度 の測 定 に際 して は、 名 古屋大 学 年代 測 定 資料研 究 セ
ンター の 中村俊 夫助教授、 池 田晃子氏 に、 大変 なお世 話 にな った。以 上の 方 々に、厚
く御 礼 申 し上 げ る次第 であ る。
引用文献
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4):深海 にお け る粒状 有機 物 の起源 と輸送 .名古屋大学加
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