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電線・ケーブルの短絡時許容電流 (PDF 1624KB)
❸電線・ケーブルの短絡時許容電流 絶 縁電線、 電力ケーブルの許容電流は、 ケーブルとその周囲の熱的条件で定まるものである。すなわち許容電流は、 連続定常電流によってケー ブル内に発生する損失熱量とケーブル表面から外部に放散される熱量とが、平衡に達しているとき、ケーブルの導体の温度がそのケーブル に定められている一定限度(常時許容温度)となるような電流値として計算されるものである。 と ころが、短絡事故時では、短絡が継続する時間が非常に短いため、許容電流のような長時間の場合にくらべると、著しく様相が異なる。 すなわち短絡継続時間は、普通秒単位以内ときわめて短いので短絡継続時間内では、電線またはケーブルの導体に発生した熱量は、導体部 分から絶縁体に向って放射されるひまがなく、 もっぱら導体内部に蓄積されるものと考えられる。もちろんこれらの熱は短絡が終了してから、 徐々に絶縁体を通じて外部に放散されるので、しばらくたてば導体温度は平常値に戻る。 こ のように導体に発生した熱が、まったくケーブルから外に放散されないで、全て導体を温度上昇させるために使われたと考えてみると、 短絡時許容電流を比較的容易に計算することができる。わが国において短絡時許容電流計算式は許容電流計算式と同じくJCS0168によって 定められており計算式は次のとおりである。 CVケーブルの短絡容量 (銅導体) 1×106 9 8 7 6 5 4 Q: 導体の熱容量 銅 3.4J/℃・cm3 アルミ 2.5J/℃・cm3 S: 導体の断面積(mm2) α : 20℃における導体の温度係数 銅 0.00393 アルミ 0.00403 r1 : 20℃における交流導体抵抗(Ω/cm) T1 : 短絡前の導体温度(℃) T2 : 短絡時の最高許容温度(℃) t : 短絡電流の持続時間(sec) 3 2 T2 A I=89 A I=89 t アルミA A I=89 I=89 Att I=89 At I=89 At I=89 At I=89 At I=66 I=66 At A I=66 I=66 Att I=66 At I=66 At I=66 At I=66 At I=64 I=64 At A I=64 I=64 Att I=64 At I=64 At I=64 At I=64 At I=66 I=66 At A I=66 I=66 Att I=66 At I=66 At I=66 At I=66 At I=90 I=90 At t I=90 A I=90 A I=90 Att I=90 At I=90 At I=94 I=90 At I=94 At A I=94 I=94 Att I=94 At I=94 At I=94 At I=94 At I=78 I=78 At A I=78 I=78 Att I=78 At I=78 At I=78 A I=78 Att I=94 I=94 At A I=94 I=94 Att I=94 At I=94 At I=94 At I=94 t t 〔注1〕短絡時許容電流計算例 3300V CVケーブル3×150mm2について、短絡継続時間t=0.3秒の場合 の短絡時許容電流Iを求めてみる。 表より、 ec 5s 0. 3 9 8 7 6 5 4 計算式(A) A I=136 A I=136 t 銅 A A I=136 I=136 Att I=136 At I=136 At ソリッドケープル I=136 At 80 220 I=136 At I=101 (6600V以下) I=101 At A I=101 紙 油 I=101 Att I=101 At I=101 At OFケーブル 80 150 I=101 AAt I=101 A t I=96 I=96 At t A I=96 I=96 Att I=96 At ビニル VV、VE 60 120 I=96 At I=96 At I=96 At I=98 I=98 At A I=98 I=98 Att ポリエチレン EV、EE 75 140 I=98 At I=98 At I=98 AtA I=98 tA I=134 I=134 tAt A 架橋 I=134 I=134 Att CV、CE 90 230 ポリエチレン I=134 At I=134 At I=134 At I=140 I=134 At I=140 At I=140 At ブチルゴム BN、BV 80 230 I=140 At I=140 At I=140 At I=140 At I=140 At I=116 I=116 At 天然ゴム RN 60 150 A I=116 I=116 Att I=116 At I=116 At I=116 At I=116 At I=140 EPゴム PN、PV 80 230 I=140 At A I=140 I=140 Att I=140 At I=140 At I=140 At T1:短絡前の導体温度 t:短絡継続時間(秒) I=140 t t T2:短絡時の最高許容温度 A:導体断面積(mm2) T1 (℃) (℃) 4 1×104 150 I=134× =37000(A) 0.3 すなわち、ケーブルの種類によるだけで、ケーブルの定格電圧や線心数さらに連続許 容電流のときに問題になった布設条件は関係ありません。 3 2 1×103 22 38 60 100 150200250325400500 800 1,400 600 1,000 2,000 導体サイズ (mm2) CVケーブルの短絡容量 (アルミ導体) 1×106 9 8 7 6 5 4 3 2 短絡容量 (A) ケーブルの 種類 ec 0s c 1. .0se 2 2 電線ケーブルの短絡時許容電流計算式 絶縁体の 種類 ec 1s ec 0. .2s 0 1×105 9 8 7 6 5 1×105 9 8 7 6 5 0. 0. 1se 2s c 0 ec 1 .5s 2. .0s ec 0s ec ec QS αr1t 短絡容量 (A) I= 1 α −20+T2 ln・ ×10-2 1 1 −20+T α 4 3 2 1×104 9 8 7 6 5 4 3 2 1×103 22 38 60 100 150200250325400500 800 1,400 600 1,000 2,000 導体サイズ (mm2) 306