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1 「放送大学での学びから得たこと」 岐阜学習センター 奥田 孝道 私は
「放送大学での学びから得たこと」 岐阜学習センター 奥田 孝道 私は放送大学で学んで本当によかったと思っている。それはタイミングよく放送大学の 存在を知ることができたこと、学ぶ中から自分の好奇心と自己啓発の意欲を満たしてくれ る生涯学習の場を得たこと、そして学んだ知識と今までの経験を基に、微力ながら私に出 来る限りの社会参画・社会貢献ができる喜びを得たことである。 実は今から13年前、仕事と自治会長の任務に忙殺された毎日で、定年後の生活への軟 着陸をいかにすべきか方針を決め兼ねていた。そんなある日、近隣町内の先輩自治会長か ら「放送大学というのがあって面白いよ、一緒に行ってみませんか」と声をかけられ、そ こで初めて放送大学の存在を知り、国の所管する正規の通信制の大学であることも知った。 そしてこのことが、その後の自分の生きがいを見出す大きな契機となったのである。 定年後は速やかに放送大学へ入学し、その1年後には二次就職することになったが、幸 いその職場の通勤途上に大学の学習センターが有り、働きながら学ぶ条件にも恵まれて初 歩の哲学・宗教・心理学・歴史・天文学など幅広く学んで行くうち、特に宇宙の不思議と 面白さに魅せられてのめり込んでいった。ついには名古屋大学「星の会」にも入会し、同 大学主催の公開講座や大学院の福井先生の教室にも顔を出すまで夢中になり、真から学ぶ 楽しさと喜びを味わうことができるようになった。 自分の好奇心を充足しスキルアップを実現するために、自らデザインし自ら学ぶことが できるのは、定年後だからできる特権なのかもしれないが、物事を学ぶ本来の姿ではない かと遅まきながら気付かされ、一旦卒業(自然と環境コース)してからも再入学して、好 きな科目をマイペースで勉強し、生涯学習を目指している。 そのような放送大学の学びから私が得たことは、冒頭に述べたことに加えて科目の学習 以外の副次的な効果と言えるかもしれないが、放送大学の特質として見逃すことができな い利点を生かすことである。それまで私が住んできた世界とは違ういろいろな人たち、セ ミナーで教わる客員教授、他校ではあまり見られない幅広い年齢層の学生や、いろいろな 分野での経験豊かな学生と交流することができ、求めれば自分には無かったいろんな知識 を得られる大いなるチャンスを活かすことができる。そのように放送大学で多角的に学ん だ知見による話題の幅の広がりと自信、そしてこれに基づくボランティア活動(社会貢献) ができることは、まさに私の余生をより豊かで楽しいものにしてくれているし、知る喜び・ 語り合う喜び・知識を自分だけのものにしないで、周囲の人達と分かち合う喜びでもある。 そして少しでも社会に貢献できればと、自分なりに出来る以下の活動に取り組んでいる。 私は前段に述べた自分の経験から、 「もっと多くの人に放送大学を知ってもらいたい、利 用してもらいたい、そのために学生も協力できないか」と岐阜学習センターに提案した結 果早速採用され、学生有志によるナビゲーター制度が誕生して昨年より活動している。 1 今年私がナビゲーターとして行った活動は、入学希望者への「大学説明会」での体験発 表と個別相談、看護師募集のための病院巡回説明とチラシ配布、さらに岐阜市老人クラブ 連合会指導者研修会で「生涯学習のすすめ」の講演や、元の職場の OB 会総会で「活き活 き放送大学」の講演の時には、“こんな良いこと、ぜひ皆さんに紹介したい”という思いを 込めて、放送大学の紹介と自らの生活の質の向上に活用している体験を話した。 また、独自の活動としては、地元の岩野田北小学校の依頼で「太陽系の話」の講師を務 めた。さらには、大学のクラブ活動や環境学のセミナーおよび、自分がボランティア活動 している場(囲碁講師等)でも、時折宇宙や最近の異常気象等の話題を提供している。 これ等の活動は微力なれども積極的な社会貢献、地域貢献と位置付けると同時に、自分 の生きがい(自己実現)とボケ防止の効用があると自負している。例えば講演のための勉 強とパワーポイント等の資料作りは、期末テストと同じように適度に緊張を感じ脳への程 良い刺激になっている。 以上述べたように、私が現在このような楽しい活動ができるのは、タイミングよく放送 大学を知り、そこで学ぶ中で「自己実現」と「生涯学習」の手段を見出したことである。 そして、何よりもこうして私が放送大学で自由に楽しく学び、社会活動ができるのも、 大学の先生方のご指導は言うまでもなく、共に学び活動する学友やセンター関係者の皆様 のおかげであり、家事を任せられる妻のおかげでもある。 2