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【第 1 回】オイラー線 【第 3 回】エラトステネス (582 A.C. – 496 A.C.)

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【第 1 回】オイラー線 【第 3 回】エラトステネス (582 A.C. – 496 A.C.)
2009 年 第 12 号(09/07)
URL http://izumi-math.jp/sanae/
E-mail
[email protected]
【第 1 回】オイラー線
GC(Geometric Constructor)は,個々の数学的探究を支援すると同時に「授業」での使いやすさを追
究した図形作図ツールです。操作性が簡単で,図形作成に必要な機能を豊富に備えている点が魅力的だ
といえます。“これはどうなっているのだろう”というちょっとした疑問を試行錯誤するには最適なソ
フトだといえます。主な特徴としては,次の点があげられます。
• 自分で操作することで発見学習的な使用ができる
• キーボード操作も可能
• 基本的な使用法は「1 点の変形」ですが「複数の点を動かす」機能も装備している
• 豊富な作図機能を装備している
• 長さや角度などの測定機能を備えている
• 軌跡の設定・描画ができる
このソフトは愛知教育大学数学教室の飯島康之先生が作成したフリーのソフトで,次のページからダ
ウンロードして使用することができます。
「Forum of Geometric Constructor」 http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/index.htm
そんな作図ツール「GC」を用いた平面幾何の世界を紹介します。
右の図は三角形の 5 心のうち傍心を除く,内心,外心,重心,垂心の
4 点を同時に取ったものです。内心は 3 つの角の 2 等分線の交点,外心
は各辺の垂直 2 等分線の交点,重心は各頂点から対辺の中点に引いた 3
本の線分の交点,垂心は各頂点から対辺に引いた垂線の交点のことです。
頂点 A を動かすことで点 D,E,F,G が 4 点のどれかを推測してみま
しょう。
2 等辺三角形になると 4 点が一直線上に並び,正三角形になると全て
重なります。直角三角形になると 1 点が直角の頂点に,もう一点は直角
の対辺の中点になります。
鈍角三角形では 2 点が三角形の外に出てしまいます。4 点が 2 つのグ
ループに分かれてしまいますね。三角形の外に出るのはどの点とどの点
でしょうか。各点の性質から判断してみましょう。先ほどの直角三角形
の場合の事とあわせて外心と垂心が特定されます。
三角形の中にいつも存在する内心,重心はどう判別したらよいでしょ
うか? 考えてみてください。(といっても見たらすぐにわかるかな?)
いま 4 つの点を三角形の中にいつもあるかどうかでグループ分けしてみましたが,別な観点からグル
ープ分けすることもできます。見つけられますか? 補助線を引いた,次の図を見てください。
実は 4 つの点のうち 3 つは一直線上に並んでいるのです。この直線のことをオイラー線といいます。
【第 3 回】エラトステネス (582 A.C. – 496 A.C.)
ピタゴラスは古代ギリシアの数学者であり,哲学者でもありました。
「直角三角形の直角をはさむ2辺の平方の和は斜辺の平方に等しい」
a2 = b2 + c2
この三平方の定理(ピタゴラスの定理)は平面幾何の数ある定理の中で
も,最も有名で美しくシンプルな公式といえるでしょう。
この公式の証明は百種類以上もあるといわれています。大学の卒論の研
究テーマに三平方の定理の証明を選んだ友人もいました。Web で検索する
と三平方の定理に関するサイトも数多くヒットし,証明法をのせているサ
イトも数多くあります。次のページなどは個人的にお勧めです。
http://www.cut-the-knot.org/pythagoras/index.shtml。
ピタゴラスとその弟子たちは「ピタゴラス学派」と呼ばれ,ピタゴラス
の発見といわれているもののうち,どれがピタゴラス自身の発見であるの
かは定かではありません。ピタゴラスのおもな仕事には,ピタゴラスの定理のほかに次のようのものが
あると考えられています。
① 奇数,偶数の区別
自然数 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,…を,奇数と偶数に分類したのはピタゴラスが最初だ
といわれています。
② 三角数と四角数の研究
1,3,6,10,… のように自然数を順次加えることにより形成される数のことを三角数といいます。
1,4,9,16,… のように奇数を順次加えることにより形成される数のことを四角数といいます。
③ 完全数の研究
完全数とは自分自身を除く約数の和に等しい自然数のことです。 たとえば,6 の約数は 1,2,3,
6 ですが,
6=1+2+3
のように,自分自身を除く約数の和で表せる数を完全数といいます。
④ ピタゴラスの数の研究
2
2
2
ピタゴラスは(3,4,5)のように,a = b + c いう関係を満たす自然数について研究し,このよ
うな数の組は無限にあることを証明しました。このような数の組は,現在ピタゴラスの数と呼ばれ
ています。
⑤ 無理数の発見
一辺の長さが 1 である正方形の一つの対角線の長さ 2 は,分子,分母がともに整数であるような
分数では表すことのできない数であることを発見しました。
⑥ 三角形の内角の和
三角形の内角の和が 2 直角であることを証明したのは,ピタゴラスであるといわれています。
⑦ 正五角形の作図
正五角形の性質を詳しく調べ,黄金比をもとにして正五角形の作図法を発見しました。
⑧ 正多角形によるしきつめ
合同な正多角形のタイルで平面をすき間なくしきつめるには,どのような正多角形を使えばよいか
研究しました。
⑨ 正多面体の研究
正多面体の研究を行い,正多面体は 5 つに限ることを発見したといわれています。
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