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ベトナム水処理展示会『VIETWATER2012』へ出展
調査・報告 ベトナム水処理展示会『VIETWATER2012』へ出展 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課 TEL:082-224-5676 東南アジアで注目の国、ベトナム ベトナムといえばどのような国か、すぐ想像 がつきますか? バイク、フォー(米麺)、笠、アオザイ・・・様々 なキーワードが浮かんだかと思います。 ベトナムは、人口およそ8700万人、ここ 数年のGDP成長率は6~7%と、年々経済発 展が進んでいる国です。 <ベトナム・ハノイ市街の様子> 日本大使館によれば、リーマンショック後、 ベトナムへの投資は増え続け、2011年は 208件でしたが、2012年は10月時点 で既にその件数を超えているそうです。 平均年齢は、なんと27歳。とにかく若 い!豊富な労働力も魅力のひとつです。町に は活気が溢れています。 食べ物も日本人になじみやすく、政治が安 定しているため比較的治安も良いと言えま す。 他方で、インフレが進み、国内倒産件数は 増えています。また、鉄道はあるものの電車 が無いといった具合に、インフラも十分では ありません。 また、電力不足の問題もあり、最近まで首 都ハノイですら、週何度か停電が起こってい たようです。 旬レポ中国地域 2012 年 12 月号 <左上から:民族音楽CD、フォー、 アオザイを来た女性、文廟(旧大学)> 1 中でも問題となっているのは、水に関連する分 野です。 ベトナムでは、人口増加や産業の拡大に伴う需 要増に対して、上下水道の能力が追いついていま せん。例えば工業排水の6割は未処理のまま川へ 垂れ流しの状態です。そのため、川や湖などの汚 染も進んでいます。水処理技術もあるにはありま すが、水準が低いため、まだまだ向上の余地、ビ ジネスチャンスがあると考えられます。 <メコン川近辺。水が茶色い> 『VIETWATER2012』への出展 <VIETWATER2012 会場の様子> 2012年11月6日から8日にかけて、ベトナム最大の水処理展示会『VIETWA TER2012』が、ベトナム・ハノイで開催されました。 出展者およそ260社に対し、来場者はおよそ8,000人。開催国ベトナムの他には、 フランス、オーストラリア、デンマーク、シンガポール、台湾、中国、マレーシア等、世 界各地域の企業が出展しました。 中国経済産業局でも、中国地域の下記2社の出展支援を行い、水処理関連技術を広くア ピールしました。 ●ナカシマプロペラ株式会社 省エネルギー型水質改善装置“密度流拡散装置” HP:http://www.nakashima.co.jp/index.html ●株式会社パイプデザイン 下水道設計 CAD ソフトウェア・維持管理システム HP:http://www.pipedesign.co.jp/home.php 旬レポ中国地域 2012 年 12 月号 2 以下、今回出展しての所感を何点か述べたいと思います。 水処理分野における熱気 当局ブースに訪れた人々は、代理販売業から、部材製作会社、設計会社など様々でし たが、中には大学教授や学生の姿もありました。皆共通して、熱心に質問するなど、新 しい技術を学ぼうとする姿勢が見られ、改めてこの分野におけるベトナム市場の熱気を 感じました。 (株)パイプデザインのソフトウェアは珍しかったようで、 「パソコンで実演操作してく ださい」と興味津々な方もいらっしゃいました。 ベトナム語の重要性 来場者、ブース訪問者のほとんどがベトナム人でした。 大企業であれば英語(時には 日本語も)が通じますが、通訳なしでは商談どころか会話もできません。今後、ベトナ ムローカルの企業とビジネスを進めることになれば、言語への対応が避けられないでし ょう。 ベトナムでは日本語を専門として学ぶ学生も多いため、良い人材の確保は難しくない と思われます。 水処理に必要な部材・資材は一通り揃う 展示会にはベトナム現地の企業も多く出展しており、先進的な技術とまでは言えない ものの、基本的な技術や部材・資材の調達には困らない印象です。 環境への関心が高まっている 出展したナカシマプロペラ(株)の水質浄化技術について、 「湖沼や川の汚染が進むベト ナムでは、今後必要となるだろう」という認識の訪問者が多くいらっしゃいました。 以前に比べ、水質浄化への関心が高まっていることがうかがえました。 展示会による成果 現地企業との生の意見交換や、その中の複 数社と連絡を取り合う約束ができたことは もちろんですが、空き時間に出展企業同士の 交流ができたことも大きな成果です。 展示会出展は、企業にとって新たな関係構 築の一助となりました。 <当局ブースでの商談風景> 旬レポ中国地域 2012 年 12 月号 3 ベトナムでのビジネス展開に向けて 中国経済産業局の水ビジネスの海外展開プロジェクトでは、平成23年度から、ベトナム をターゲットとした事業展開を目指しています。ニーズに応じたソリューション型の提案 をすることで、市場開拓、ひいては環境への貢献につなげることが目的です。 今回も調査事業の一環で出展したわけですが、展示会はあくまでお付き合いのきっかけに すぎません。具体的な商談や連携等はこれから深めていく必要があります。 また、課題もまだまだ残っています。 ベトナムは経済成長を続けているとはいえ、一部の大企業を除き、一般的には十分な資金 力がありません。そのため、商取引において、商品(あるいはサービス)を提供したにも 関わらず、代金支払いが滞ることがしばしばあるそうです。 そうした課題をどうクリアしていくか、検討することが肝要です。 今後、中国経済産業局では、年度内に開催する研究会において、資金回収方法やベトナム 企業との商取引等について事例研究を重ね、プロジェクト提案全体の構想を仕上げていき、 次年度以降につなげていく予定です。 <展示会参加証明書とともに記念撮影> 経済産業省 中国経済産業局 広報誌 旬レポ中国地域 2012 年 12 月号 Copyright 2012 Chugoku Bureau of Economy , Trade and Industry. 4