...

Kinectでユーザ/アバターをシンクロ! 新次元ダンスゲームを可能にした

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

Kinectでユーザ/アバターをシンクロ! 新次元ダンスゲームを可能にした
The Black Eyed Peas Experience
活用事例
Autodesk® 3ds Max®
Autodesk® MotionBuilder®
Autodesk® HumanIK®
Autodesk® Scaleform®
Kinectでユーザ/アバターをシンクロ!
新次元ダンスゲームを可能にした
3ds Max & MotionBuilder & HumanIK
BEPをフィーチャーするという方針が決まっ
たのが3月頃で、マスターが9月頭。つまり開
発期間は半年弱しかなかったんです。で、そ
こから「ではどうするか」という話になって
……「どうやって対応するか」ものすごく考
え、それこそHumanIKなど、使えるものは全
部使ってなんとかできちゃった、と。ある意
味怖いな、
と
(笑)。
株式会社イニス
ゼネラルマネジャー
小澤明訓 氏
©2011 Ubisoft Entertainment. All rights reserved.
新しいデバイス
「Kinect」
を生かした新しい遊びを
この冬、
ヒップホップファンやダンスマニアの間で密かな話題を呼んで
いるゲームがある。
11月発売の
「The Black Eyed Peas Experience」
がそれだ。
タイトル通りグラミー賞6度受賞に輝くヒップホップグルー
プ
「The Black Eyed Peas(以下
「BEP」
)」
をフィーチャーしたダンス
ゲームだが、
実はこの作品、
北米やヨーロッパ等の海外のみの発売な
のだ。
――にも関わらず大きな注目を集めているのである。
開発を担
株式会社イニス
ゼネラルマネジャー
小澤明訓 氏
当したイニスの小澤明訓氏にお話を伺った。
「まずBEPの人気ナンバー28曲をフィーチャーしたのはもちろん、
BEP
メンバーや彼らの公式振付師の方の協力を得て、メンバーの声や動
作、
そして印象的なダンスステップ等を忠実に再現した点がファンの
人気を集めたのでしょう」
。
実際、
完成時にはBEPメンバーの自宅まで
仕上りを見せに行き、
これを大いに気に入ったメンバーが自らtwitter
で強力にプッシュしてくれるほどだったと言う。
しかし、
無論それだけで
ヒットが生まれるわけではない。
いくらBEPが人気者でもそこにダンス
ゲームとしての新しさや楽しさがなければ、
ダンスフリークの注目を
集めることは難しかかっただろう。
真のポイントは、
Kinectによるアバ
ターを用いたユニークで没入感の高いゲームシステムやBEPのビ
ジュアルを忠実に再現したグラフィックなど、
ダンスゲームとしての新
しさとそのクオリティの高さにあった。
「もともとこのゲームは
“Kinectという新デバイスを使った新しい遊び”
という発想が出発点です。
当社は音楽ゲームの開発経験がありました
し、
すぐにKinectを生かしたダンスゲームという発想が生まれました。
もっとも当初は複数のアーチストのさまざまな曲で遊べるゲームとし
て企画していたんですよ」
(小澤氏)。
その発想とは、
Kinectでプレイヤー
のダンスステップをゲーム内に取り込み、
これをゲーム内にユーザ自
身が作ったアバターへリアルタイムに反映させ、
ゲーム内でキャラクタ
とユーザのアバターを共演させるアバターシステムである。
このユニー
クな企画は、
Autodesk 3ds MaxとAutodesk MotionBuilderをメイ
ンツールとして、早速開発が進められたが、
スケジュールは非常にタイ
トなものであった。
「BEPをフィーチャーすることに決まったのが3月頃、
ホリディシーズン
までに発売するという前提だったため、
マスターアップは9月頭。
通常
なら最低1年半∼2年は必要なボリュームを持った内容なのに、
与えら
れたのは実質半年弱だったのです」
(小澤氏)
。
アバターシステムの致命的な問題を
導入製品/ソリューション
ミドルウェアHumanIKでクリア
●
「何と言ってもテーマは、BEPの魅力を100%伝えな
●
がらダンスゲームを楽しく遊ばせることです。
そのた
●
めにBEPのキャラクタモデリングにはもちろん、
ス
●
Autodesk 3ds Max
Autodesk MotionBuilder
Autodesk HumanIK
Autodesk Scaleform
テージ演出、
楽曲とダンスを上手く絡めて遊べるよ
BEPの紅一点 “ファーギー”のモデリング作業。
ビジュアル表現に
こだわりを持つアーチストだけに厳しいダメ出しがあった
う最大限注力しました」
( 小澤氏)
。
そこでネックと
導入目的
なったのが開発期間の短さだ。
かつてない短期間で
●
Unreal engine上で、
キャラクタのモーションを
の開発を前提にすると大きな問題が出てきたのだ。
「実はアバターシステムの基盤である、
ユーザの動き
不自然でないようリミット制御する
厳しい納期をクリアするための作業の効率化
●
をKinectで高精度で認識させること自体とても難し
かったのです。
特に全身キャプチャでは足が滑るな
導入ポイント
どして汚く見えてしまう。
ダンスゲームとしては致命
●
的です。
しかしこのゲームはアバターシステムが売り。
●
どうしてもユーザの動きを反映させたかった。
そこで
●
制作グループ内に最も普及し熟練者多数のため
豊富かつ多彩なプラグインの幅広い活用のため
使いやすいスクリプトによるツール等の作り易さ
最終的には全身キャプチャは諦め、
上半身の動きで
背景はステージ中心でライトも色も動的に変化する。3ds Maxで
焼き付けを行って疑似的にライトが当たっているよう見せている
ユーザとアバターのシンクロ感を演出。
後はダンス
導入効果
をきれいに見せることに集中したのですが……」
●
だが問題はまだあった。
ユーザの動きを反映させる
●
とアバター関節部の動きが不自然になってしまうの
●
キャラクターモーションのリミット制御を実現
アニメーション工程の生産性の飛躍的向上
ダンスアニメーション全般の品質向上
だ。
これを自然な範囲に収めるためさまざまな技術
が検討され、試行錯誤が繰り返された。
そして唯一満
今後の課題
足いく成果を挙げたのが
「Autodesk HumanIK」
だっ
●
たのである。
HumanIKは、
より自然なゲームのリアル
●
タイムキャラクタアニメーションを作成するゲームミ
●
さらなる品質向上と作業効率化
3D CGアニメーションの新たな表現手法の開発
より幅広いミドルウェアの活用
ドルウェア。
FBIKシステムにより、
キャラクタを環境や
他のキャラタとリアルに相互作用させるのである。
「特に我々が使っていたUnreal Engineと親和性が
UnrealEngineとHumanIKを統合したリミット制御により、ユーザ
の動きを反映するアバターのモーションを自然に制御する
高く、
統合してすぐ使える点が凄く大きかったですね。
他のソフトは最適化されてないものが多く、
厳しいス
ケジュール下では使い辛いのですが、
HumanIKは非
常にスムーズで、
さらにMotionBuilderとほぼ同じ設
定の仕方で使えるのも魅力でした。
早速これでリミッ
ト制御システムを試みると非常に良い成果が出たの
で、
すぐに実装しました」
。
ゲームにおけるリアルの追
求は、
いまやビジュアル面だけでなくアニメーション
や物理シミュレーション等々、
高度なノウハウと時間
やコストが求められる世界となった。
これらの作業
をより効率化し、
開発コストを抑えながら品質を上げ
MotionBuilderによるアニメーション作業
るのに重要な役割を担うのがミドルウェアなのだ。
実
際、
今回の開発ではHumanIK以外にもUIシステム用
ミドルウェア
「Autodesk Scaleform」
等も使われ大き
な成果を挙げた。3ds MaxやMotionBuilderと共に
HumanIK等のミドルウェアなしでは実現は難しかっ
たかも知れない――小澤氏はそう感じている。
「HumanIKの採用が7月で、
大急ぎで検証しアバター
UIに関しては、テキストがでている部分は全てScaleformで作成
された。flashでアセットを組みプレビューも可能だ
作品概要
「The Black Eyed Peas Experience」
対応機種:Xbox 360
ジャンル:ダンスゲーム
発売:11月/北米・ヨーロッパ地区
システムに入れて形になったのが8月。
マスターが9
販売:ユービーアイソフト株式会社
月ですから本当にギリギリのタイミングでした。
でも、
開発:株式会社イニス
ゲームのクオリティには自信があります。
BEPファン
©2011 Ubisoft Entertainment. All rights reserved.
だけでなく多くの方に遊んでいただきたいですね!」
http://blackeyedpeas-experience.ubi.com/
Autodesk, 3ds Max, MotionBuilder, HumanIKとScaleformは、米国および/またはその他の国々における、Autodesk, Inc.、その子会社、関連会社の登録商標
または商標です。その他のすべてのブランド名、製品名、
または商標は、それぞれの所有者に帰属します。
オートデスクは、通知を行うことなくいつでも該当製品の提供および機能を変更する権利を留保し、本書中の誤植または図表の誤りについて責任を負いません。
©2012 Autodesk, Inc. All rights reserved.
オートデスク株式会社 www.autodesk.co.jp
〒104-6024 東京都中央区晴海1-8-10 晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワーX 24F
〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 新大阪トラストタワー 3F
TEL:0570-064-787(オートデスク インフォメーション センター)
Fly UP