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動きづくりのファンクショナルトレーニング/上半身・肩まわり編
❑スポーツ動作の土台!動きづくりのファンクショナルトレーニング (上半身・肩まわり編) 2015/07/10 ❖人間のカラダには、どんなスポーツにも共通となる機能的(ファンクショナル)な“動き”があります。 そして、人間のカラダには多くの関節が存在し、それぞれの関節には役割が存在しています。 関節ごとに割り当てられている正しい役割に応じて動かすことで効率のよい、機能的(ファンクショナル)な 動作を可能にし、動作の改善はスポーツパフォーマンスを向上させます! 今回からはこの“機能的(ファンクショナル)な動き”と、“関節ごとに割り当てられた役割”を踏まえた 動きづくりのエクササイズをご紹介します。 ➢関節ごとに割り当てられている役割? 機能解剖に即してカラダの中心部分からひも解くと、腰椎・骨盤周囲、いわゆる『体幹』や『胴体まわり』と 言われる部分は、大きな可動に適していない関節であるといわれスタビリティ(安定、固定)の関節とされ、 その上下に位置する胸椎と股関節は大きな可動に適している関節なのでモビリティ(可動、動き)の関節と されています。体には、このスタビリティの関節とモビリティの関節が交互に位置しています。 例えばモビリティの関節を最大限に動かしたい時、スタビリティの関節が しっかり機能して固定(安定)していなければ、動きの中心となる部分がなくグラグラしてしまい、 最大限に動かすことが出来ません。 機能的(ファンクショナル)な動作では、それぞれの役割に即して関節が動くことが重要になります。 各関節の主な役割は、図のとおりです。 関節・部位 役割 ★ 肩関節 モビリティ(可動性) ★ 肩甲骨まわり スタビリティ(安定性) ★ 胸椎(背骨の中央あたり) モビリティ 体幹(胴体まわり) スタビリティ 股関節 モビリティ ひざ関節 スタビリティ 足関節 モビリティ ※モビリティ;Mobility(可動性)/スタビリティ;Stability(安定性) 今回はこの上半身・肩まわり編として、肩関節・肩甲骨まわり・胸椎にフォーカスした内容のご紹介です! ☞次のページに続く ❑スポーツ動作の土台!動きづくりのファンクショナルトレーニング (上半身・肩まわり編) 2015/07/10 ➢上半身(肩まわり)の動きづくりエクササイズ ・こんなスポーツにおススメ:野球・ソフトボール・テニスなどのボールを扱う種目や、バスケット・バレーなど手でボールを 扱う種目 ・こんな時におススメ:ウォーミングアップとして1セットずつ、日常の中での補強エクササイズとして2セットずつ・・・など ➢上半身の機能(ファンクショナル)が向上すると・・・? ・野球の投球動作、テニスのサーブ、バレーボールのスパイク、バスケットボールのディフェンスやシュートなど →肩まわり・胸椎のモビリティ(動く範囲)が向上して肩甲骨回りのスタビリティ(安定)が向上するので・・・ ➡手(もしくはラケット)まで力がスムーズに伝わり、球速のアップや強いボールを打てるようになる! ➢上半身の機能(ファンクショナル)が低下すると・・・? ・野球の投球動作、テニスのサーブ、バレーボールのスパイクなど →肩まわり・胸椎のモビリティが低く、肩甲骨回りのスタビリティが低くなるので・・・ ➡無理な動作になり肩や肘に負担がかかり痛みを引き起こし、 ケガ(障害)につながることも ・バレーボールのオーバーハンドトスやバスケットボールのシュートやディフェンスなど →肩まわり・胸椎のモビリティが低く、肩甲骨回りのスタビリティが低くなるので・・・ ➡手を上げる動作に支障が出るのを体幹(胴体)まわりで補おうとして カラダ(腰)を反ってしまい、腰痛などのケガ(障害)につながることも 【1】胸椎のモビリティエクササイズ① 〔目的:胸椎の動き(回旋)・肩関節の動きを良くして、可動性をあげる〕 ①足の内側から手を下ろしてつま先を掴むようにし、足幅を開いてしゃがみ胸を張る (難しい場合は足の内側に腕が当たるだけでも良い) ②右手はつま先を持って胸を張ったまま(右腕は足に当てたまま) 左手は肩甲骨を寄せて胸を開き 天井に手を向かって高く伸ばすようにひねる ・②のポジションで3カウント・左右交互に10回を1セット ※動かしたいのは胸椎まわり+連動する肩甲骨なので 胴体が一緒に回らないようにヘソは真正面を向けたまま維持すること ※背中が丸まると胸椎の動きを妨げるので ①のポジションでしっかり胸を張ること ≪!!≫痛みやケガがある場合はムリのない範囲で行ってください。 ☞次のページに続く ❑スポーツ動作の土台!動きづくりのファンクショナルトレーニング (上半身・肩まわり編) 【2】胸椎のモビリティエクササイズ② 〔目的:胸椎の動き(側方)と肩甲骨周囲を連動させ、可動性をあげる〕 ①壁に背中をつけて立ち、両手の甲・腕の外側もしっかり壁につけるようにする (壁がなければ壁があるイメージで行う) ②両手とも、手の甲と腕の外側を壁につけたまま、脇をしめるようにして片手を下にさげ 片手はより天井側へより近づけるように伸ばす ・②のポジションで3カウント・左右交互に10回を1セット ※動かしたいのは胸椎まわり+連動する肩甲骨なので、 腰が反らないようにお腹に力を入れるようにして 姿勢を保ったまま行うこと ※上半身(みぞおちから上)の自然な横倒れは起きても構わない 【3】肩甲骨周囲のスタビリティエクササイズ① 〔目的:肩甲骨周囲筋に刺激を入れ、安定性をあげる〕 ①両手を肩の真下につき、足は肩幅よりも広めに開く お腹に力を入れて体幹を固め、頭からかかとまで一直線の姿勢を作る ②片手を浮かせて、胸を開くように手を真横まで動かす ・ゆっくり手を動かしゆっくり①に戻る /左右交互に10回を1セット ※支えている手の肩甲骨周囲の筋肉で支えることが 目的なので手を動かした時や手を入れ替える時に 体がぐらぐらしないこと ※手を動かして3点支持になった時も、 ①のポジションからずれないようにカラダを保つこと 【4】肩甲骨周囲のスタビリティエクササイズ② 〔目的:肩甲骨周囲筋に刺激を入れ、安定性をあげる〕 ①肩の真下に肘をつき、頭から足まで一直線の姿勢を作る (肘をつけない場所なら、手をつく姿勢でも良い) ②上側の手を、体の横から耳の横まで片手をバンザイのように大きく動かす ・ゆっくり手を動かし、ゆっくり①に戻る /左右各10回1セット ※支えている手の肩甲骨周囲の筋肉で支えることが 目的なので手を動かした時に体がくらくらしないこと ※②のポジションでお腹の力が抜け腰を反らないこと ※バージョンアップ・上側の手に水の入ったペットボトルを 持つなどして負荷を足すと、より不安定さが増す ≪!!≫痛みやケガがある場合はムリのない範囲で行ってください。 2015/07/10