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ワカメ養殖経営構造の解明
水産研究成果情報 岩手県水産技術センター №10 平成 15 年 3 月発行 ワカメ養殖経営構造の解明 ね ら い:漁業協同組合及び行政等のワカメ養殖業振興施策の一助に資する。 成果の特徴:① 減産や養殖漁家の減少は、平成2年以前は高齢化や一時期に労働が集中 する過重労働が主要因で、平成3年以降はこれに加えて価格低下も起因し ている(図 1,2、表 1)。 ② 期間集約的労働、高齢化問題、高い雇用費の解決には機械化が重要と考 えられた。しかし、漁家経営は、家内手工業的で収益性が低く、労働を代 替する機械の開発や投資が困難な状況である。省力化機械の導入には漁協、 自治体等の支援が必要である。 ③ 他県の大規模海藻養殖経営体は、過剰投資気味で、収益性が低下してい るのが現状である。従って、岩手県で規模拡大する際は、経営管理(分析) の吟味が重要と考えられた。 成果の活用面:効率的な振興施策推進によって、漁家労働及び経営の改善が図られる。 100% 左棒グラフは岩手 県の漁家、右棒グラ フは全国ワカメ養殖 漁家の減少率を表 す。 80% 60% 60歳以上 40% 50∼59 40∼49 20% 30∼39 29歳以下 0% 岩手県ワカメ S53 S58 S63 H5 H10 行使者減少率 図1 岩手県漁家数と全国ワカメ養殖漁家数減少率 注)漁業センサスデータ:岩手県漁家数は主幹的漁業データ、 ワカメ養殖漁家数は経営体階層別データを利用 資料:漁業センサス(農林水産省)、岩手県浅海養殖施設 (円/kg) 300 250 価格 5項移動平均値 200 表1 作業別投下労働時間 *1:先枯/元茎切除作業時間を含む。 *2:生ワカメ換算 重量とした。岩手県水産技術センター利用加工部の換 算係数を利用した。 生 湯通し塩蔵 時間 比率 時間 比率 採苗 18 2% 11 0% 養殖施設保守 98 9% 105 4% 保苗管理 39 3% 37 1% 本養成の準備作業 64 6% 92 3% 施設管理 11 1% 15 1% 採苗器作製 26 2% 24 1% 間引 74 6% 144 5% 刈り取り 175 15% 227 8% *1 2,020 73% 湯通し・塩蔵・芯抜 先枯れ/元茎切除 557 49% 施設掃除・引揚 44 4% 55 2% その他 32 3% 36 1% 総投下労働時間 1,139 100% 2,768 100% *2 生産量 30,233 22,666 担当者 企画指導部 専門研究員 宮田 勉 連絡先 ℡0193-26-7914 FAX0193-26-7920 150 〒026-0001 岩手県釜石市大字平 100 田第 3 地割 75 番 3 号 ホームページ 50 http://www.pref.iwate.jp/ hp5507/ 図2 岩手県産生ワカメ価格 注)CPI(魚介類)(H12=100)によってデフレートした。 資料:全漁連・岩手県漁連資料 H13 H9 H11 H7 H5 H3 H1 S62 S60 S58 S56 S54 S52 S50 S48 S46 0