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16 - 冬季における玉川温泉岩盤浴地の対応について
冬季における玉川温泉岩盤浴地の対応について 自然保護課 1 経 ○ 緯 今年2月に、雪崩による死亡事故が起きた玉川温泉の岩盤浴場の冬季利用について、 専門的な見地から検討するために、平成24年4月19日に開催された「玉川温泉地 区利用適正化連絡協議会(以下「連絡協議会」という。)」が設置したワーキンググル ープ(以下「WG」という。)で協議を行ってきている。 ○ WGは、5月18日から11月20日まで5回開催され、その間、雪崩や植生の有 識者を招き、現地調査を3回実施し、調査に基づく指摘事項等を協議内容に反映させ ている。 ○ WG会議の検討では、雪崩防止柵等ハード施設の整備による安全対策によらず、雪 崩の到達区域を推定することにより岩盤浴地利用の可能性を探ることとしている。 【有識者からの指摘事項】 ① 雪崩事故地について ・雪崩が発生した事実を踏まえ、雪崩事故地での岩盤浴の再開は不可能である。 ② 雪崩事故地以外の候補地(別添図参照)について ・各候補地とも雪崩到達の可能性があるため、詳細な地形測量に基づく雪崩のシミュレ ーションを行う必要がある。 ・雪崩のシミュレーション結果については、より安全側に立って冬季の降積雪量等の気 象データを踏まえた現地検証が必要である。 ・また、岩盤浴地周辺の雪庇や小規模雪崩の発生状況及び硫化水素ガスの濃度等も併せ て調査すべきである。 ○ 平成24年11月28日に開催された連絡協議会で、WGの協議結果が報告され ている。 【WGの協議結果】 ① 今冬季以降の岩盤浴地の取扱いについて ・今冬季については、各候補地とも安全確認するための雪崩のシミュレーションや冬季 の気象データを収集する必要があることから、岩盤浴地を閉鎖する。 ・来期以降の冬季については、今冬季における降積雪量等の気象データや硫化水素ガス 濃度等の測定結果と併せて、4月以降に予定している雪崩のシミュレーションの実施 結果により、岩盤浴地としての適否を検討する。 ② WGの活動継続について ・WG活動については、雪崩のシミュレーション結果等に基づき、岩盤浴地の適否の結 論が出るまで継続し、その後のあり方については、連絡協議会で決定する。 - 16 - 2 今後の対応 ○ 連絡協議会では、WGの報告を受け、冬季における岩盤浴地の取扱いについて、 次のとおり対応することとしている。 ① 今冬季については、各候補地とも安全確認するための雪崩のシミュレーションや今冬 季の気象データ等を収集する必要があることから、岩盤浴地を閉鎖する。 ② 来期以降の冬季については、雪崩のシミュレーションとともに冬季における降積雪量 等の気象データや硫化水素ガス濃度等の測定結果により、取扱いを検討する。 ③ WGの活動は、雪崩のシミュレーション結果等に基づいた岩盤浴地の取扱いに関する 結論が出るまで継続する。 ④ WGでは、雪崩のシミュレーションや冬季の気象データ等の収集結果に基づき、引き 続き具体的な安全対策を検討する。 (参 考) WGの構成メンバー ○ 連絡協議会の会員 ①環境省鹿角自然保護官事務所、 ②秋田森林管理署、 ③仙北市観光課、 ④(社)田沢湖観光協会、 ⑤(株)湯瀬ホテル玉川温泉営業所、 ⑥(株)湯瀬ホテル新玉川温泉営業所、 ⑧(一社)秋田県建設業協会、 ⑩県観光戦略課、 ⑦(株)ぶなの森玉川温泉、 ⑨県教育庁生涯学習課文化財保護室、 ⑪県自然保護課、 ⑫仙北地域振興局総務企画部、 ⑬仙北地域振興局建設部 ○ 連絡協議会の会員以外 ⑭(社)玉川温泉研究会、 ⑮仙北市環境防災課 WGで調査を依頼した有識者 専門分野 雪崩観測・予知 雪崩発生・地すべり 森林・植生 所 属 職 名 氏 名 (独)防災科学技術研究所 支所長 阿部 修 雪氷防災研究センター 総括主任研究員 小杉 健二 (独)土木研究所 センター所長 野呂 智之 土砂管理研究グループ 主任研究員 伊東 靖彦 雪崩・地すべり研究センター 専門研究員 池田 慎二 (独)森林総合研究所 地域研究監 新山 馨 - 17 - 新庄支所 東北支所