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薬草栽培だより№78(H26.9.10発行)

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薬草栽培だより№78(H26.9.10発行)
薬 草 栽 培 だ よ り
No.78
平成26年9月 10 日
気象経過について
6月の平均気温は 22.5.℃(平年差+1.6℃)と平年
より高く、梅雨入りは 6 月 5 日でした。7月は 25.8℃
(同+0.9℃)と平年より高く、梅雨明けは 7 月 28 日
でした。一方、6月の降水量は平年比 58%と少なかっ
たが、7・8月は一部地域で大雨になるなど、作物に
とっては大変厳しい気象環境となりました。
共通管理
降雨後の停滞水を速やかに排水するため、排水溝・
水吐尻を点検・整備しましょう。
個別管理
(施肥量は10a 当たり)
① シャクヤク
☆掘り取り
薬用品種「梵天」は、栽培年数 4 年を経たものは掘
り取ります。一株の茎数が 20 本、一株の生根重量が
1kg 位を標準とします。生育が不足している場合は、
翌年回しでも構いません。
切花兼用種は栽培年数 8 年位が標準で、あまり長期
間栽培すると、根に腐りが入り、薬用としては品質が
低下しますのでご留意ください。
掘り取り時期は、9 月中旬~10 月中旬頃、スコップ
や鍬等で根ごと掘り起こします。株を 2~4 個に分割
し、芽の付いた株からゴボウ根を外し、袋(穀物用の
PP袋や麻袋など)に入れます。袋は当センターから
配布しますので、買う必要はありません。根は乾かな
いように、日陰の涼しい所で、ビニールシートを被せ
るなどして保管します。
出荷は 11 月中旬の予定です。掘り取り調製方法に
ついては、当センター職員が現地指導しますので、掘
り取り予定の方は、当センターにご連絡ください。
☆追肥
10 月に茎葉を地際から刈り払い、秋肥を施用します。
1年生株(植付の翌年) 発酵鶏糞
2年生株
発酵鶏糞
苦土石灰
3年生株
発酵鶏糞
150kg
300kg
100kg
300kg
富山県薬用植物指導センター
〒930-0412 中新川郡上市町広野 2732
電 話 076-472-0801
FAX 076-472-0353
ビニールマルチ栽培の場合は、植株の中間に鎌で穴
を開け施用してください。一条植の場合は、植条に沿
って浅く溝を切り、施肥後、軽く土寄せをします。こ
の時、
シャクヤクの根を切らないよう注意しましょう。
☆繁殖法
9 月中旬~10 月中旬に株分けし、植付け用の苗とし
ます。株を掘り起こすと、頭根部(根茎)には多数の
芽が出来ています。一苗当たりに 3~5 つの芽が付く
ように、頭根部を分割します。
薬用品種「梵天」は、苗にはゴボウ根を付けず、新
しく出た根を収穫出来るようにします。切花品種(兼
用種、観賞用)は、5~10 cm のゴボウ根を 1~2 本付
けておくと、株の生育を助けます。
(ゴボウ根が全く無
くても、株の再生は可能です。
)
株分けは、根こぶ病(ネコブセンチュウの寄生)な
ど病害虫の無い親株を用います。なお、生育の悪い株
からは株分けを行わず、廃棄しましょう。
薬用品種「梵天」の苗
☆定植法
定植は 10 月中、遅くとも 11 月上旬までに行ってく
ださい。定植が遅れると新根の発生が不足し、翌年の
生育が不良となります。
面積が1a 以上と大きい場合は、雑草の対策上、黒
マルチ(厚さ 0.03 mm)を被覆して、定植されること
をお勧めします。
薬用品種「梵天」では株間を 50 cm、切花品種(兼
用種、観賞用)では株間を 60~80 cm と広くとります。
地ごしらえは、元肥として発酵鶏糞 300 kg、苦土石
灰 100 kg、過燐酸石灰 60 kg を全面に施用し、よく耕
耘しましょう。
マルチに植え穴を開け、芽を上にして苗を植え付け
ます。覆土は 3~5 cm。風によりマルチの穴がずれな
いよう、植え穴に土を被せてマルチを押さえます。
② トウキ
☆抽苔開花株の抜き取り
花が咲いた株は、根が痩せ細り、薬用にはなりませ
ん。抜き取って葉を十分に乾燥させ、3 月上旬~中旬
のトウキ葉の集荷時に出荷してください。
☆追肥
ダニによって葉が全部枯れた株でも根は残り、葉が
再生してきますので、あきらめず、9 月中旬頃、硫安
を 20 kg、又は尿素を 10 kg 追肥し、葉の生育を促し
てください。また、秋の追肥を施用していない方は、
まず化成肥料を 20 kg 施用してください。
☆掘り取り調製法
掘り取りは、11 月に入って、葉の先端部が少し黄色
味を帯びた頃に行います。長く置けば根が充実します
が、富山では冬のしぐれがあり、作業がやりにくくな
るので、圃場の面積、作業量を判断して、11 月下旬ま
でに掘り終えるようにしてください。
葉を付けたまま株を掘り起こし、根の土を払い落と
した後、3~4 株ずつ束ね、風通しの良い所(雨が直接
かからない軒先等)でハサ架け(稲架掛け)のように
干し、自然乾燥します。
特に、根を積み重ねると数時間で堆積発酵し、中心
部分が腐る原因になります。一旦腐りが入ると、どん
どん拡がり、最後には殆ど切り捨てなければならなく
なります。切る手間もかかる上、大変な損失になりま
す。このことから、ハサ架けまで一晩置く場合は、地
面に直接ひと並べに拡げて置きましょう。
翌年の 2~3 月頃まで、そのまま乾燥しますが、途
中、土が半乾きになった頃に、はたいて土を落とし、
乾燥し易いようにします。
この後、生薬に仕上げるには「湯通し」の作業が必
要です。設備がないために作業が出来ない場合は、こ
の作業を行う前の状態(一次乾燥根)でも出荷出来ま
すが、可能であれば「湯通し」を行い、増収を目指し
ましょう。初めて「湯通し」をされる方には、当センタ
ーで実習を受けることが出来ますので、1月末までに
お申し込みください。
種苗の販売について
センターでは、薬用植物の栽培普及の為に種苗を生
産、供給しています。希望される方は当センターまで
お申し込みください。
シャクヤクの苗の販売について
○薬用種[梵天] 1㎏ (約30株) 400円
昨年購入された方には、昨年と同程度の株数を確
保しますので、必要の有無をご連絡ください。
新たに栽培を希望される方は薬用植物指導セン
ターに相談願います。
○兼用種(梵天以外の lactiflora 種)
一株 300円
○観賞用種(lactiflora 種以外の品種)
一株 500円
購入申し込み締切り
9月25日(木)
受渡し期日
10月27日(月)から
販売するシャクヤクの品種については、同封の「平
成 26 年度 シャクヤク苗の販売について」に、供給
出来る株数に区分して掲載しています。
(五十音順)申
し込みは、別紙シャクヤク申込書(花の色で赤、桃、
白の順に掲載)をご利用になり、FAX・電話・郵送等
でお申し込みください。
苗の株数には限りがありますので、ご要望の品種と
株数が準備出来ず、品種の変更をお願いする場合があ
ります。事情をご理解のうえ、ご協力頂きますよう、
お願いします。
また、切花生産をご検討の方は、各地区の農林振興
センター園芸振興班にご相談願います。
新川農林振興センター ℡ 0765-52-0268
富山農林振興センター ℡ 076-444-4523
高岡農林振興センター ℡ 0766-26-8476
砺波農林振興センター ℡ 0763-32-8112
薬草講演会の開催
時 10 月 3 日(金)14:00~16:00
所 サンシップとやま 研修室 704
題「シャクヤク・カンゾウの品種育成、
栽培技術及び調製方法について」
講師 独立行政法人医薬基盤研究所
薬用植物資源研究センター北海道研究部
林 茂 樹 先生
☆ 参加費 無料
☆ 申し込み 富山県薬用植物指導センターまで
TEL076-472-0801 FAX076-472-0353
☆ 備
考 定員は 45 名ですので、早めに
お申し込みください。
☆ 日
☆ 場
☆ 演
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