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ステークホルダーへの取り組み
地域社会・グローバル社会
(新たなモビリティ社会)
ステークホルダーの笑顔のために
[解説]
イ ン フ ラ 協 調 :危険を事前に予測し事故を防止する
クルマをつくることの責任を
自覚し、事故や渋滞のない
新たなモビリティ社会づくりに
貢献する
安全なクルマ社会づくりを提案する
低 炭 素 で 快 適:電力を効率的に使える
快適なクルマ社会づくりを提案する
ラ イ フ ス タ イ ル:クルマの概念を超えた新しい移動手段や
介護ロボット等により豊かな暮らしを
サポートする
クルマを移動手段とするモビリティ社会が健全な発展を遂げていくためには、環境への配慮、交通事故、渋滞など負の影響を
最小にすることが必要です。
トヨタは
「インフラと協調した安全なクルマ社会」
「低炭素で快適なクルマ社会」
そして
「人・クルマ・
ロボット・家がつながる新しい社会」
の提供など、
「 新たなサステイナブルで豊かな社会」
の実現に向けて、積極的に取り組んで
いきます。また、
これまでトヨタが取り組んできた住宅、情報技術を生かしたコミュニティでのエネルギーマネジメントや渋滞
緩和、新たなコミュニケーションの実現など、様々な領域にも取り組んでいきます。
インフラ協調
イ
新たなライフスタイル
ル
I
TS
スマートモビリティ
●
●
●
●
パーソナルモビリティ
パートナーロボット
サステイナブルで豊かな社会
家庭内
低炭素
エネルギー利用
交通システムの
最適化
構築
商業・公共
施設などの
エネルギー利用
最適化
低炭素社会
街
家
スマートハウス
〈 ● HEMS 〉
● 蓄電、
創電、充電
クルマ
●
〈
●
PHV ● EV 〉
スマートセンター
トセン
36
Sustainability Report 2011
充電スタンド
ショッピングセンター
● レジャー文化施設等
●
ステークホルダーへの取り組み
地域社会・グローバル社会(新たなモビリティ社会)
インフラ協調
車両に搭載された個々の安全装備やシステムを進化させると同時に、ITS技術を活用した
「インフラ協調システム」
の開発に積極
的に取り組んでいます。
クルマのセンサーでは捉えきれない情報を、道路に設置されたセンサーとクルマ、あるいはクルマとクル
マが通信し、
ドライバーに知らせることで安全運転を支援し事故の防止につなげます。
高速道路の渋滞や事故低減を目指す「ITSスポットサービス」
ITSスポットサービス
「DSRC
(Dedicated Short Range Communication)
」
は、
クルマとインフラとの双方向通信
DSRC運用イメージ図
により、従来のETCサービスに加え、高速道路上を中心に安全運転をサポートする交通情報提供サービスです。
見通しの悪いカーブの先に停止している車両や渋滞の情報をカーブの手前で知らせたり、道路上の落下物
情報を事前に知らせるなど、より早い段階で危険を察知することが可能となります。また、前方の渋滞情報や、
雪や霧などの天候状況も静止画像や音声でお知らせし、快適なドライブをサポートします。
2011年3月、全国高速道路展開に先駆け、2009年10月よりITSスポット対応DSRCユニットを発売し、対応
車種を順次拡大しています。
システム構成例
東京・神奈川で安全運転支援システム(DSSS)サービス開始
DSSS
(Driving Safety Support Systems)
は一般道を中心に
報を知らせることで出会い頭による事故防止など安全運転を
交通管制情報
(信号・標識等)
や見通しの悪い周辺の状況を、
支援します。
交通インフラからクルマに伝達し、
ドライバーの安全運転を
2009年2月に官民一体による公道実証実験が行われ、
2011年
支援するシステムです。
7月には、東京・神奈川よりサービスが開始されました。
トヨタ
信号交差点の手前で、赤信号情報を知らせることで赤信号の
は、DSSSに対応したカーナビゲーションを開発し、2011年夏
見落としを防止したり、見通しの悪い交差点で接近車両の情
に販売予定の新型車より採用予定です。
コ ラ ム
中国でG-BOOK道路交通情報の新サービス開始
中国初となる、道路の渋滞状況を図形でナビゲーションの
ルートを選択する一助にしたいとの考えから、サービスの
モニターに表示する道路交通情報サービスの提供を、上
事業化を決めたもの。事業化に先立ち、
上海万博期間中に
海市、北京市で2011年4月よりG-BOOK対応ナビ搭載
は上海市交通局の協力のもと、一部のレクサス車向けに
車向けに始めました。本サービスは、急速な自動車市場の
実験的にサービスを提供し、
利用者から高い評価をいただ
進展で都市部の渋滞が増える中、目的地までの最適な
いていました。今後、
広州市、
深圳市などへ拡大予定です。
低炭素社会
将来にわたって持続可能なサステイナブル・モビリティを実現するために、
トヨタでは主力製品である
1 ∼ 参照)
3
自動車そのものでの対応
(32ページ はもとより、持ち前の、
「住宅」
「情報通信」
など、周辺
分野を含めた社会基盤づくりにも取り組んでいます。
スマートグリッドとは、太陽光や風力など再生可能発電を含めた
「発電側」
と、住宅・ビル・工場などの電気の
「利用側」
が、
I
T技術を
駆使して相互に連携し、賢く電気を使っていこうとする取り組みです。
トヨタでは、持ち前の「クルマ」「家」「テレマティクス」など、主に
「利用者側」
の立場でスマートグリッドへの対応を図り、低炭素も
踏まえた次世代街づくりへの貢献を図っていきます。そのために、現在、世界各国で様々な実証実験に参画しています。
Sustainability Report 2011
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ステークホルダーへの取り組み
地域社会・グローバル社会
(新たなモビリティ社会)
トヨタが描くスマートグリッドの姿
低炭素社会の実現に向けて、
次世代環境車の普及は不可欠です。そのため2012年に、
次世代環境車のプラグイン・ハイブリッド車
(PHV)
、電気自動車
(EV)
を発売しますが、一方で、特定の時間帯にクルマの充電が集中すると、社会の電力需要のピークが高く
なってしまうため、
充電に伴う電力需要を適切にコントロールするインフラが必要になります。
そこでトヨタでは、下の図に示す通り、
「トヨタスマートセンター」
を中核として、
クルマと家と人をつなぎ、再生可能な自然エネル
ギーを上手に利用した、快適で環境にやさしいトータルライフサポートのための取り組みを行っています。
電力需要の平準化
トヨタスマートセンター
日照量・
気温・風力
クルマの充電を
電力需要の低い
時間帯にシフト
低炭素、
省エネの
トータルライフサポート
電力需要
時間帯別
電力料金
データ
収集
エネルギー
最適計算
車充電
電力消費
蓄電計画
家庭消費電力
電力会社
0
街
(スマート店舗)
家
(スマートハウス)
クルマ
(PHV・EV)
太陽光パネル
Wi-Fiネットワーク
充電
コンセント
電力を自給
G-BOOK
クルマと家と人をつなぐ
情報ネットワーク
6
12
18
23
(時)
人(スマートフォン)
ECO運転支援
バッテリー残量確認
充電時刻セット
リモート空調
ECO生活支援
ホーム電力消費モニター
家電リモート操作
HEMS ※
家庭の電力需給
(発電、蓄電、消費)
をコントロール
※HEMS…Home Energy
Management System 蓄電池
つながる充電スタンド
スマートフォンに充電完了を通知
太陽光パネルで発電
した電力を蓄電
コ ラ ム
次世代テレマティクスのプラットフォーム構築
に向けた戦略的提携についてマイクロソフト
と基本合意
車載バッテリー
非常時は家庭用
電源に使用
実証実験への参画
トヨタでは、
トヨタの考えるスマートグリッドの実現と、次世代
環境車普及のため、世界各地の実証実験に参画し、新たな技
術開発やお客様目線でのクルマ・各種周辺機器等の実用性
の検証などを行っています。
アメリカ
2012年市販予定のEVおよびPHVのテレマティクス
サービスの展開にあたり、マイクロソフトの「Windows
Azure」
を採用することを決定し、2011年4月に同社と
提携について基本合意しました。
天津市
フランス
「トヨタスマートセンター」
を中核にITサービスをグローバ
INESプロジェクト
ルかつ迅速に実現するためには、全く新しいITプラット
ストラスブール市
フォームが必要であり、2015年までにトヨタとマイクロソ
日本
フトが共同で独自のグローバルクラウドプラットフォーム
青森県六ヶ所村
の構築を目指します。将来的にはトヨタがこれを活用し、
「トヨタスマートセンター」
のグローバル展開を図ります。
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ボルダー市(コロラド州)
中国
Sustainability Report 2011
豊田市
北九州市
EV・PHVタウン
ステークホルダーへの取り組み
地域社会・グローバル社会(新たなモビリティ社会)
コ ラ ム
家もクルマもCO2ゼロを目指したスマートハウス ∼豊田市実証実験∼
実験概要
豊田市で実証実験用に販売する家では、各メーカーと連携し、家庭内の機器や設備を一
目標
括管理する
「HEMS」
と、電力を貯めて活用できる
「蓄電池」
を導入しました。
HEMSは、発電量・部屋や空調ごとの使用量・履歴を見える化し、蓄電池やクルマの充電・
放電を制御できるシステムです。太陽光発電で創られ余った電力を蓄電池に蓄電し、電力
CO 2 排出量を家庭内エネルギー
で20%、
交通セクターで40%削減
目的
消費の多い時間に使うことができ、電力の自給自足ができます。さらに一部の車両では、
新たに開発する
「V to H」
機能により、
イーディーエムエス
一旦PHVに充電した電力を、家に戻し
EDMS
て利用することができます。
高効率給湯器
エコキュート*1
[ 情 報 センター ]
データ収集・管理
蓄エネ
トヨタ
スマートセンター
行動アドバイス
創エネ
蓄電池
人感センサー
豊田市低炭素社会システム実証
推進協議会[豊田市、
トヨタを含む
26団体
(2011年6月現在)
]
温湿度センサー
実証期間
センサー付き
分電盤
エアコン
LED照明
最適
運転
2010∼2014年の5ヵ年
ヘ ム ス
HEMS
最適
運転
推進主体
省エネ
家庭用燃料電池システム
エネファーム*1
太陽光発電
・深夜電力
・太陽光発電
充電
[ エネルギーマネジメント ]
見える化
アドバイス
最適
運転
見せる・操作する・楽しむ
*2
PHV
(蓄電池)
と
充電スタンド
・V to H
・運行予約充電
・プレ空調
経 済 産 業 省 の「 次 世 代 エ ネ ル
ギー・社会システム実証」の一つ
として、生活者視点での低炭素な
街づくりの実現
・遠隔操作
・エネルギーの
見える化
テレビ
スマートフォン
実証内容
トヨタホーム67棟の実証住宅を分
譲・販売し、その入居者がモニターと
して生活動線に沿ったエネルギー利
用の最適化を目指す。低炭素交通シ
ステム構築の一環として、PHV、EV
の市販車約4,000台を導入。
*1 エコキュートかエネファームのどちらかが設置されます *2 Vehicle to Home 実験対象に限ります
新たなライフスタイル
お客様の期待を超えるモノづくりの一つとして、家の中から家の外まで、人々の生活や移動を支援し、生活や人生をより豊かに、楽しく、アクティブ
にしていく、新しいモビリティやロボットの開発を通じて、人とクルマとロボットと家のつながる豊かでサステイナブルな社会づくりに貢献します。
パートナーロボットとパーソナルモビリティの取り組み
少子高齢化や人口動態の変化など、大きな社会の流れの中でロボット開発へのニーズが高まる中、
トヨタは、
「世のため、人のため
のモノづくりを通して社会を豊かにしていく」
という考えのもと、
ロボット技術、
自動車技術、IT技術、他分野の先端技術を応用し、
2010年代の早い段階での実用化を目標に
「パートナーロボット」
の開発に取り組んでいます。
実用化へ向けた社会実証や社会基盤整備への取り組み
現在開発中のパーソナルモビリティロボット
「Winglet」
は、小型軽量でコンパクト、誰でも簡単に操れユニバーサル、携帯もでき、
電車やバスなどの公共交通機関に持ち込むことも出来るシームレスな一人乗りのパーソナルなEV(電気自動車)として、人間や
社会や環境にも配慮し、未来の新しいライフスタイルを創るパーソナルモビリティを目指しています。
トヨタでは開発と並行して
2008年から空港施設、商業施設などでWingletを業務使用する実用トライアルを開始し、常設拠点
「MEGAWEB」
やイベントな
どで一般の人々が参加できる体験試乗会も開催し、延べ約6,000名のお客様に試乗いただいています。
2010年度は、
10月に国土交通省と豊田市との産官連携による実歩道環境での超小型モビリティ社会実験を実施。
市民の方々にモニター
として参加していただき、人や道や街との親和性や街での移動手段としての有効性を評価しました。
また、
同時に新しいモビリティやロボットと共生できる社会の実現に向けて、
海外では
「ISO国際会議」
、
国内
では経済産業省
「ロボットビジネス推進協議会」
、
NEDO
「生活支援ロボット実用化プロジェクト」
などに参画
し、
サービスロボットの安全標準規格、
評価手法の検討など社会基盤整備を産官学連携で進めています。
また、
横浜で開催されたAPEC国際会議の
「Japan Experience」
にて、
日本の先進技術として
「Winglet」
を出展し、社会認知の拡大にも勤めています。
Type S Type M Type L
Sustainability Report 2011
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