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VMware仮想化で

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VMware仮想化で
CUSTOMER
SPOTLIGHT
CASE FILE
02
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OS OS OS
仮想化
ソフトバンクBB 株式会社
VMware 仮想化で、
140 台 の サ ー バ・リプ
レースが 70 台に抑制 全体コスト25%減を実現
iSCSIストレージを採用し、仮想化環境
を低コストで短期間に構築。メンテナン
ス性と安定性を強化しつつソフトバンク
BB 株式会社の事業システムを支える
「Yahoo! BB ADSL」を展開するソフトバンクBB 株式
会社のシステムは、そのサービスの急成長とともに拡
大を続け、サーバだけでも1000台を数えるまでに大規
模化した。そうした中で浮上してきたのが、メーカー保
守サポートの更新ができなくなった古いサーバのリプ
レース問題である。
そこでソフトバンクBB 株式会社は、
VMwareとiSCSIストレージを採用した仮想化環境を
構築し、サーバ統合を実現。調達コストや運用コスト
の削減とともに、その拡張性を生かし、ユーザーに対
して安定したサービスを提供するシステムを整えた。
背 景
2001年の「Yahoo! BB ADSL」のサービス開始時より増設を続けて
きたサーバにリプレースの時期が迫ってきた。まずは 2007 年度内に
保守サポートの期限が切れる約 140 台のサーバについて、早急な対策
を講じなければならなかった。
ソリューション
・VMware ESX Serverを用いた、仮想化によるサーバ統合
・VMware 環境から利用する共有ストレージに、iSCSIを採用
期待効果
・調達コストおよび保守コストを25%削減
・柔軟な拡張性の確保による、ユーザへの安定したサービス提供
・システム運用管理の工数削減
デル選定のポイント
ソフトバンクBB 株式会社は、
「デジタル情報革命」をスローガ
ンに掲げ、
「人々が知恵と知識を共有することを推進し、企業価値
の最大化を実現するとともに、人類と社会に貢献する」ことを経営
理念とするソフトバンクグループの中核企業。2001年に「Yahoo!
BB ADSL」サービスを開始し、日本を世界屈指のブロードバンド
大国へ牽引してきた。現在では、ソフトバンクテレコムの固定通信
事業、ソフトバンクモバイルの移動体通信事業との連携により、
「い
つでも、どこでも、誰とでも」ブロードバンドでつながる「ユビキ
タス社会」の実現に向けて、歩み続けている。
http://www.softbankbb.co.jp/
18 DELL INSIGHT_ FEBRUARY 2008
・VMware の正式導入に先立ち、パフォーマンス検証のための環境を
提供
・VMware のネットワーク関連の設定や旧物理サーバからのマイグレーシ
ョンに関する的確なアドバイス
・問い合わせや要求に、素早いレスポンスで回答
システム構成
・VMware ESX Server 用サーバ:PowerEdge 2950×6 台
・VMware 管 理コンソール(VirtualCenter)用サーバ:PowerEdge
1950×1台
・PowerConvert 用サーバ:PowerEdge 1950×1台
・ネットワークスイッチ:PowerConnect 5324×3 台
・ストレージ:Dell|EMC CX3-20C(iSCSI)×2 台
VMwareの仮想化環境は
とても安定しています。
また、VMotionによる
柔軟なメンテナンス性にも
高い評価をしています。
ビジネスの急拡大の
過程で迎えた
サーバのリプレース問題
「Yahoo! BB ADSL」サービスをはじめ、
日本を一気にブロードバンド大国へと牽
引してきたソフトバンクBB 株式会社(以
——金子隆大氏
下、ソフトバンクBB)
。ADSLに続いて
サービスを開始した「Yahoo! BB 光」と
合わせて契約件数は500 万件を突破し、
ビジネスの成長はとどまるところをしら
ない。
拡張していく事業に合わせてソフトバ
ンクBBは、ITインフラの拡充を行って
きた。そうした中で、早急に対処しなけ
ればならない問題が発生した。ソフトバ
ンクBB 情報システム本部ITオペレー
ション統括部 プロジェクト基盤推進部
インフラ構築課の課長を務める田辺泰三
氏は、このように語る。
「現在、システムは非常に大規模化し
ており、サーバだけでも約1000 台を数
ソフトバンクBB 株式会社
情報システム本部
ITオペレーション統括部 プロジェクト基盤推進部
インフラ構築課 課長 田辺泰三氏
デルは機器の導入から、
わずか1週間という
驚異的な「スピード感」で
VMware 環境まで
立ち上げてくれました。
——田辺泰三氏
ソフトバンクBB 株式会社
情報システム・CS 統括 情報システム本部
ITオペレーション統括部 プロジェクト基盤推進部
IT 基盤企画課 金子隆大氏
えます。Yahoo! BB ADSL のサービスを
開始したのが 2001年のことですから、
レース対象の約140 台のサーバを70 台
発生した場合でも、システムをシャット
当初導入したサーバはすでに6 年以上が
に削減した。このサーバ削減に大きく
ダウンする必要がなくなったことです。
経過し、保守サポートの期限切れや、ス
貢献したのが、仮想化インフラストラ
VMwareの機能であるVMotion(電源オ
ペック面の陳腐化など、リプレースが必
クチャ「VMware ESX Server」
(以下、
ンの状態で仮想マシンを移動する方法)
要な時期を迎えたのです」
VMware)の導入である。
によって、稼働している仮想マシンから
リプレース対象となるサーバは、2007
2007年3月、ソフトバンクBBはデルの
正常に動作している別の物理サーバに一
年度分だけでも約140 台に及んだ。これ
PowerEdge 2950サーバ×6台、Dell|EMC
時的にデータを退避し、元のサーバに対
らすべての機器を単純に新しいサーバ
CX3-20Cストレージ(iSCSI)×2台で
して、パーツの交換やメンテナンスを行
に置き換えるという選択肢も挙げられる
構成された新しいITインフラと併せて
えるようになりました。以前は勝手にシ
が、それでは従来と同じ巨額の投資を再
VMwareを導入した。ADSLサービスの
ステムをシャットダウンするわけにはい
び繰り返すことになってしまう。
スピード監視、BBフォンの課金システム
かず、関係者とスケジュールを調整し、
そこでソフトバンクBBは、
「ビジネス
の一部、契約者側のモデムおよび局側の
深夜の時間帯にメンテナンスを行うと
の収益性を高めるためにIT の新規投資
ネットワーク機器のステータス管理、会
いった状況がありました。これからはそ
や TCOを抑え、なおかつ顧客に対する
議室予約など、比較的負荷の軽い業務に
うした面倒な作業は不要になります」と
サービスをさらに向上させていく必要が
用いられていた合計 20台の老朽化した物
ソフトバンクBB 情報システム・CS 統
ありました」
(田辺氏)という考えのもと、
理サーバを仮想化による統合を行った。
括 情報システム本部 ITオペレーション
思い切ったサーバ統合へと舵を切った。
同年5月より順次稼働を開始した。
統括部 プロジェクト基盤推進部 IT 基盤
こうして動き出したVMwareをベース
トラブル発生時でも
システム停止を不要にする
VMwareのVMotion 機能
らすことになった。
結果としてソフトバンクBBは、リプ
サーバにハードウェア上のトラブルが
企画課の金子隆大氏は言う。
としたサーバ仮想化は、単なるサーバ台
数の削減だけでなく、大きな成果をもた
「 一 番のメリットは、万が 一、物 理
iSCSIストレージを導入して
低コストでSANを構築
今 回 ソ フ ト バ ン クBBが 導 入 し た
DELL INSIGHT_ FEBRUARY 2008
19
Ichiyoshi Securities Co., Ltd.
SOFTBANK BB Corp.
CUSTOMER SPOTLIGHT
VMware 環境において特筆すべき点とし
「まず調達コストの観点から、仮想化
て、共有ストレージとして使用している
の採用によって物理サーバの台数が 20
2台のDell|EMC CX-3-20CをiSCSIイン
台から6 台に圧縮され、ラックの占有ス
タフェースによって接続し、SANを構成
ペースを削減できたことも考慮に入れ
していることが挙げられる。
ると、ストレージの追加分を相殺しても
一般的なSANはファイバチャネル接
続によって構築されるが、それにはファ
データセンター全体として、約 25%のコ
——増田美里氏
スト削減を実現しました」
イ バ チ ャ ネ ル 専 用 のHBA(Host Bus
このほか、メリットとして挙げられる
Adapter)やスイッチをはじめ、高価な
のが、ランニングコストの削減だ。サー
コンポーネントを用意しなければならな
バ統合は、消費電力の削減や空調費の
い。これに対してiSCSI接続によるSAN
削減といった効果をもたらす。さらには、
(= IP-SAN)では、IPプロトコルを用い、
システム運用管理者や開発者などの人
業界標準のイーサーネットでストレー
仮想化によって実現
「調達コスト・保守コスト」の
削減は大きなインパクトが
ありました。
件費の削減にも結びついていく。
ジ・ネットワークを構成するため、従来
「サーバ構築に要する労力がまったく
から使用している機器をそのまま利用で
違うのです。新規に物理サーバを導入
き、低コストかつ容易にSAN環境を構
して環境を立ち上げるには、OSやアプ
築できる。
リケーションのインストール、設定な
「今回はコスト削減と拡張性に重点を
どが必要で、2~ 3日もそれらの作業に
置いてiSCSI接続のSANを採用しまし
忙殺されてしまいます。これに対して
た。その上で実際に複数の仮想マシン
VMware 環境では、すでに稼働している
を稼働させましたが、パフォーマンス
仮想マシンをコピーし、簡単な手直しを
ソフトバンクBB 株式会社
情報システム・CS 統括 情報システム本部
ITオペレーション統括部 プロジェクト基盤推進部
IT 基盤企画課 増田美里氏
にまったく支障がないことがわかりまし
するだけで済むため、1~ 2時間もあれ
た。稼働を開始してから半年くらい経過
ば作業が完了します。この差は驚きです」
てくれたデルのサポートは、競争の激し
しましたが、トラブルの発生は一切あり
と増田氏は言う。
い通信業界で最も必要とされる“アジリ
ません。これは良い意味で予想を大きく
2008 年度以降も続々と既存のサーバ
ティ(俊敏性)
”への要求に応えてくれ
裏切る成果です。これほどまでにiSCSI
がリプレース時期を迎えるという。ソフ
るものです。現在、ソフトバンクグルー
の使い勝手が良いのであれば、今後は
トバンクBBではそれらを順次、仮想化
プ内の通信 3 社では、システム部門の融
DBサーバをはじめ他のシステムでも、
し、VMware 環境に移行していく計画だ。
合が進められています。そうした中で、
ぜひ採用してみたいと思います」と金子
氏は高く評価する。
2〜3日かかっていたサーバ
構築作業が 1時間程度で実現
全体コストも25%削減
VMwareを 用 い た サ ー バ 仮 想 化 や
iSCSIなど、新しい業界標準と呼ぶべき
テクノロジーを積極的に導入することに
より、全体として、どれくらいのコスト
現時点での物理サーバの負荷状況から、
「おそらく現状のインフラで60 台くらい
の仮想マシンを稼働させても問題ないと
るシナジー効果を発揮することで、ソフ
考えています」( 金子氏 )という見通しだ。
トバンクグループのビジネスの成長を加
「こうしたVMwareの持つ柔軟な拡張
性に加え、そのメリットを素早く形にし
を担当してきたソフトバンクBB 情報シ
盤推進部 IT 基盤企画課の増田美里氏は、
このように語る。
20 DELL INSIGHT_ FEBRUARY 2008
デル エンタープライズ
営業本部 営業第三部
アカウントエクゼクティブ
萩原一洋
ソフトバンクBB
株式会社を
今回のプロジェクト全般のコスト管理
オペレーション統括部 プロジェクト基
速させていきます」と、田辺氏は将来へ
の大いなる自信を見せている。
デル エンタープライズ
営業本部 営業第三部
セールスレプリゼンタティブ
(内勤営業)
鈴木順仁
削減をもたらしているのだろうか。
ステム・CS 統括 情報システム本部 IT
今回のサーバ統合を通じて得られたさま
ざまな技術やノウハウを活用し、さらな
デル アドバンスド・
システムズ・グループ
テクニカルセールス
レプリゼンタティブ
(エンタープライズ製品
担当 内勤技術営業)
山本 理
サポートする
デルの
営業・SEチーム
デル アドバンスド・
システムズ・グループ
システムコンサルタント
津村健史
■ システム構成図
VMware ESX Server × 6
PowerEdge 2950
2 つのクラスタグループを構成
#1
Public LAN
#2
VirtualCenter
PowerEdge 1950
PowerConvert
PowerEdge 1950
NIC Intel1000PT ×8
PowerConnect 5324 ×1
+ RPS600
100baxe-T × 24 ポート
PowerConnect 5324 ×2
+ RPS600
100baxe-T × 24 ポート
SP-A
SP-B
SP-A
CX3-20C + DAE4POS
DAE4P × 0
HDD 300GB × 15
from Solution Service
Consultant
SS
CX3-20C + DAE4POS
DAE4P × 0
HDD 300GB ×15
担当コンサルタントが語る
システム構築のポイント
「システム構築側として、今回のプロ
ジェクトで最も重要だった点は納期で
した。VMware で統合するサーバ群の
他にも数十台規模のサーバリプレース
があり、全体を1つのプロジェクトと
してゴールデンウィーク前(2007 年 4
月末まで)に構築終了すること、とい
うのがソフトバンクBB 様のリクエスト
でした」と、プロジェクト・マネージ
ャーを担当した小幡隆之は語る。
そしてポイントとして下記の点を挙
げた。
「まずお客様で VMware ESX Server
の 導 入 が 初 め て だ ったことも あり、
2007 年初頭の検討時から多くの技術
的 Q & A がありました。そこで弊社は
今まで蓄積されたノウハウや実際の検
証作業を通じて、的確かつ迅速に回答
することを心がけました。プリセール
スの段階でお客様の不安を払拭できた
ことが実際の導入をスムーズに運べた
要因の1つだと思っています。また、
お客様の対応が非常に良く、特に導入
作業時には弊社との役割分担のもとで
SP-B
Service Console & VMotion LAN
(Traffic Shaping にて SC に 100Mbps、
Vmotion に 900Mbps の帯域を確保)
運用監視セグメント
iSCSI ストレージ
(Dell | EMC CX シリーズ )
事前の検証作業とシンプルな設計で
納期を遵守
多大なご協力をいただいたことも納期
を遵守できたことにつながりました」
(小幡隆之)
VMware の仮想化インフラについて
は、やはりiSCSI がキーだったようで
ある。VMware 部分の構築を担当した
畝高孝雄は次のようにコメントする。
「ストレージがファイバチャネルでは
なくiSCSIでしたので、SAN の設計が
不要となり、またiSCSI 用のネットワー
クスイッチについても、PowerConnect
5324を使用することにより、弊社に
設計を含めてお任せいただけました。
これによって、基本設計・詳細設計・
ドキュメンテーション・導入・トレー
ニングまでの流れを円滑に進めること
ができました」
当初懸念されたiSCSI ストレージの
パフォーマンスについては、もちろん
事前検証は行っていたが、実際の導入
時にも、順次、物理→仮想マシンへ移
行しながらパフォーマンスを見ていく
ということになった。
「実際に順次、お客様によって既存
サーバが仮想環境に移行されていきま
したが、パフォーマンスの面での問題
は起こりませんでした。納期だけでは
なく、お客様のコストパフォーマンス
に関する要件に対しても応えることが
できたことについては満足しています」
(畝高孝雄)
デル ソリューションサービス本部
コンサルティング1部
VCP(VMware Certified Professional)
畝髙孝雄
デル ソリューションサービス本部
プロジェクトマネジメント部
VCP(VMware Certified Professional)
小幡隆之
記事に関するご意見、ご質問、ご相談がございましたら、下記までお問い合わせください。(Dell Insight 編集部)
E-mail ▶ [email protected] Webアンケートフォーム▶ http://www.dell.com/jp/insight/
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