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第6回協議会会議録(PDF形式、342KB)

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第6回協議会会議録(PDF形式、342KB)
資料1
第6回
横浜市交通政策推進協議会
1.日
時
平成21年12月1日(火)
2.場
所
横浜情報文化センター
3.出席委員
学識経験者:中村文彦
会議録(案)
午後3時30分~午後5時30分
7階
大会議室
市
民:大津金三、三浦由理
企
業:六川勝仁、安田克明、末弘
保、遠藤治男、八郷大文、
内山祐平
行
政:松平健輔、平岩洋三、広瀬貞男
4.代理委員
柳井委員(小山委員の代理)、宮島委員(向谷委員の代理)
5.欠席委員
小山孝篤、向谷
6.事 務 局
都市整備局:黒水課長、松井係長、佐々井担当
7.会議開催
公開(傍聴1名)
8.議
(1)第5回協議会での議論の確認
題
晃、薬師寺えり子、中島徹也
(2)徒歩・自転車・公共交通を中心とした「人と環境にやさしい」交通
とまちづくりを実現するための基本的考え方と連携方策
・基本的考え方について
・連携方策について
・関連する平成21年度の取組の報告
(3)その他
9.議
事
(事務局黒水課長)
定刻となりました。これより第6回横浜市交通政策推進協議会を開会いたします。
本日は委員の皆様にはご多忙のところご出席いただきまして、まことにありがとうござ
います。私は、都市交通課長の黒水と申します。事務局として進行を務めさせていただき
ますので、よろしくお願いいたします。
本日の会議につきましては、従来どおり公開とさせていただいており、一般の市民の方
や記者の方が会議を傍聴されますので、ご了承ください。
本日の会議録につきましては、どなたのご発言かわかる形で事務局が作成し、委員の皆
様にご確認していただいた後に、本市ホームページ上で公開いたします。
本協議会の委員構成につきまして、人事異動により一部変更がございましたのでご紹介
いたします。
神奈川県警察本部交通規制課都市交通対策室長の大越様が異動され、後任の向谷様にご
就任いただきました。本日は所用により代理で、同副室長の宮島様がご出席です。また、
横浜市道路局計画調整部長の青木が異動しており、後任が小山となっておりますが、本日
は所用につき、代理で道路局企画課交通計画担当課長の柳井が出席しております。また、
都市経営局政策担当部長の薬師寺、また、地球温暖化対策事業本部担当部長の中島が所用
により欠席となります。
本日の会議の終了時間は5時30分を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
- 1 -
次に、お手元に配付いたしました資料の確認をさせていただきます。まず本日の議事次
第、その後ろに委員名簿、その後ろに座席表、続きまして資料1として、第5回協議会の
会議録、資料2として第5回協議会の議事のポイント、資料3として論点資料、資料4と
して平成21年度から新たに取り組んだ施策の状況報告、資料5として協議会報告書骨子案
です。もし不足があるようでしたら、お申し出お願いいたします。
それでは、これより議事は中村座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
(中村座長)
かしこまりました。お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。それで
は、早速、議事次第に沿って進めさせていただきます。
本日の議事は次第にあるように、前回の確認はするのですが、メインは「徒歩・自転車・
公共交通を中心とした『人と環境にやさしい』交通とまちづくりを実現するための基本的
考え方と連携方策」ということで、基本的考え方、連携方策、そして関連する今年度の取
り組みの報告です。これも事務局からの提案だと思いますが、一括で説明いただき、議論
する時間を多く持とうと思いますので、今から30分ほど、資料4まで説明いただき、その
後、議論をしていきたいと思います。
それでは、資料の説明をお願いいたします。
(事務局松井係長)
それでは、資料に基づいてご説明いたします。資料1は前回の議事録で、事前にご確認
をいただいており、分量も多いので説明は省略いたしますが、資料2の第5回の議論のポ
イントでご説明いたします。
前回は、自転車施策の話が多く出ました。トライアルできるものはやっていく必要があ
る。あるいはバス交通との関係で、自転車道が整備されていくとバス業界としては打撃を
受ける可能性があること、バスの役割を明確にした上でトータルの議論が必要であるとい
うご意見がありました。
土地利用・まちづくりの関係では、市街地の機能と交通の機能とを分けて表現していま
したが、そうではなく、その関係性がわかるように記述する必要がある、また郊外部の高
台にある住宅と交通サービスとの関係性の課題の話がありました。
モビリティマネジメント、コミュニケーション施策については、取り組んだ人が得をす
ると感じさせるようなわかりやすいメリットが必要である等のご意見がありました。
連携方策につきましては、資料の表記について、市民と企業を一つの丸の中に入れてい
ましたが、そうではなく、交通に果たすべき企業の役割もあるので、市民の枠から独立さ
せるべきであるというご意見がありました。
その他、資料の中にスケジュールは、短期・中期・都心・郊外などに分類して、今後の
取り組みの一つヒントになるようなキーワードを出していく必要があるというご意見、そ
のほかスケジュールについては、立場が異なっているので合意は難しいとしても、ある程
度優先順位について傾向ぐらいは認識を共通にしていきたいというご意見がありました。
最後に、社会実験等を行う際の広報の考え方もまとめておくべきではないかというご意
見がありました。
続いて、資料3について説明いたします。論点は、先ほど座長から紹介があったとおり
です。分量が多いため、前回説明した内容については説明を省略し、新たに追加した資料
- 2 -
や修正したものを中心にご説明します。
2ページは、以前からお示ししている基本的な考え方の三つの枠です。
3ページ、4ページは、都市交通計画に書かれているものです。
5ページは、前回もお示しした、徒歩・自転車・公共交通の魅力向上、環境対応型の自
動車交通施策について交通手段ごとに分類して書いたもので、前回と同様です。
続いて、6ページは今回初めてですが、前回、バス、自転車の関係をトータルで議論す
る必要があるというご意見を受けて、考え方を整理するため、事務局で案をつくりました。
バス交通は、地域に身近な公共交通であること、ほかの交通手段の利用が困難な市民にと
って不可欠な交通手段であること、鉄道事業と比較して、事業者の経営基盤が弱く、利用
者の減少がサービスレベルに影響があることなどから、必要とされるバスサービスの維持
は優先すべき課題であるという考え方です。
一方の自転車交通ですが、環境負荷がなく健康増進効果などのメリットが多いため、肯
定的に近年見直されている交通手段である一方で、高齢者や障害者にとっては利用しやす
い交通手段とは言えないこと、天候に左右されること、バス交通との競合性があること、
などを考慮する必要があり、他の交通手段を補完し、選択性を高めるものと捉えてはどう
かと考えます。
以上のことから、バス以外での移動が困難な人々もいらっしゃいますので、コミュニテ
ィサイクルなど自転車交通の普及策は、市民のモビリティの公平性に影響を与えない範囲
でバランスを取りながら実施していくことが適切という考え方の案です。
続いて、7ページ以降は交通とまちづくりの関係を整理したものですが、7ページは前
回と同じものです。
8ページ、郊外部のまちづくりの考え方で、まちづくりにおける郊外部の将来の姿を市
街地機能と交通機能を分けていたのですが、それを一体として考えていく必要があるとい
うことで、両方にかかってくるような内容を記述しています。
1点目は区マスタープランや駅前の再開発計画など、新たなまちづくり計画には、公共
交通サービスが計画と一体として盛り込まれるべきであるということです。
2点目ですが、駅周辺施設やロードサイド型店舗に行かないと日常生活に必要なサービ
スが受けられないという課題のある地域において、交通アクセスの利便性向上には限界が
ある中で、生活機能の立地促進も進めていくべきという考えについて、後ほどより詳細な
資料をつけております。
続きまして、9ページをごらんください。前回、都心部の交通は、関内、みなとみらい、
横浜駅周辺で異なるということで、別々にあった方がいいのではないかという話がありま
した。
一方で、関内地区や横浜駅周辺については市としても委員会を設けて議論しています。
また関内、みなとみらい地区において、新たに将来にわたる大きな課題があり、直ちに是
正をしていく必要がある、ということではありません。そこで、横浜駅周辺は広域的な交
通結節点ということもあり、例示的に周辺大改造計画を載せています。この計画案の骨子
の交通に関する部分のみ掲載しています。まちの将来像としては、世界から人々を誘う「選
ばれるまち」「魅了するまち」「誇りに思うまち」という三つの将来像を掲げて、戦略的
に七つの戦略を実施していくこととされています。6点目の交通転換戦略という箇所に、
- 3 -
公共交通の利用促進という副題がついており、交通に関連する戦略が記述されています。
総合的な交通結節機能の強化、歩行者と自転車の錯綜の解消、公共交通を優先した交通施
策の展開という三つのテーマを掲げ、実現の方策を四つ挙げており、計画の体系としては
このような形になっています。
続いて、モビリティマネジメントですが、これも前回、議論させていただきました。11
ページは、今後、21年度以降も引き続きやっていく必要があるという中で、不特定市民や
事業者を対象としたモビリティマネジメントをやっていくという内容です。
12ページですが、先ほどもご紹介いたしましたが、前回、広報の考え方をまとめるべき
というご意見がありありました。横浜市でも広報マニュアルといったものがあります。キ
ーワードとしては、目的、ターゲットを明確にすること、タイムリーな広報を行うこと、
また、ふさわしい広報媒体で実施することとしており、このような考え方に基づいて、市
もやっていく必要があります。
横浜市としては、いろいろな広報手段があり、左側の表にまとめておりますが、市が発
行主体になっている広報紙で、市内の全戸に配付するようなものもあります。そのほか、
協働型のフリーペーパーやテレビなど、横浜市の政策紹介をするような枠も一部あります。
それと神奈川新聞に毎週水曜日、土曜日のよこはまのページに市民の広場というのもあり、
市有財産としては、市のブルーラインの車内の広告ですとか、ホームページ、記者発表等々、
いろいろな媒体があります。これを有効かつ戦略的に使うということだと思います。
右側は、コミュニティサイクルの社会実験について、いろいろな広報媒体に取り上げて
いただいた例です。積極的な情報発信、それと新聞社等から取材申し込みもあり、積極的
に対応した結果、神奈川新聞、読売新聞、産経、日経、また雑誌、横浜ウォーカーなどに
も取り上げていただきました。ホームページや、その他の広報としては、例えばFMヨコ
ハマでも取り上げていただくことができました。いずれにしてもタイムリーな、効果的な
広報をしていく必要があるということです。
13ページですが、交通政策の新たな展開に向けたキーワードについて案を提示します。
前回の議論で、合意は難しいにしても、キーワードとして整理することぐらいならできる
のではないかということで、空間、時間、主体の三つで整理をしました。
まず空間ということで、都心部、郊外部という整理ですが、都心部においては多様な交
通手段とそれを支えるインフラ、歩くこと自体が楽しい街、おもてなし精神による交通サ
ービス、これ以外にもあると思いますが、考えつく案として三つ掲げました。郊外部も、
持続可能なサービス、日常生活に必要な交通サービスの確保、過度に自動車に依存しない
都市構造ということがキーワードではないかと考えています。
2点目の時間による整理ですが、短期的にやることとして、より多くの市民、企業を巻
き込む努力、課題解決に向けた社会実験、そして中長期では、仕組みの構築、報道されて
いる国での交通基本法の議論、持続可能、環境対応型というのがキーワードになっており
ます。
3点目の主体は、市民と企業を少し点線で分けて書いているのですが、市民としては交
通サービスを自ら支えるという意識と行動、企業としては地域の交通に影響を及ぼす主体
ということが一つのキーワードになると思います。交通事業者ですが、社会的責任、利用
者のマーケティング、行政としてはコーディネート、交通政策の新たな目標提示仕、組み
- 4 -
の構築、部署を超えた連携を挙げており、まだまだあるとは思いますが、議論のたたき台
としたいと思います。
14ページですが、交通とまちづくりがいつも一体ではないなどの課題があり、まちづく
りを意識し、交通政策側から意見を言っていくことも必要ではないかという話があります。
そういった視点で、三つほど提案例を掲載しました。
マイカー利用を前提とした土地利用ということで、以前は中心市街地、駅周辺にいろい
ろな商店があり、そこに住民が買い物に行きにぎわいがありました。ここ10年、もしくは
それ以上前から、郊外部にショッピングセンターや大型店が立地し、買物客は郊外の大型
商店に行ってしまいます。また、用途で言うと準工業地域のようなところがターゲットに
なり、公共交通ではなかなか行きづらいところに立地しているケースが多くなり、マイカ
ーでないとアクセスができません。その施設周辺では新たな自動車交通需要ということで、
駐車待ちの渋滞が発生し、その結果、バスの定時性が低くなり、一方の中心市街地側はお
客さんが来なくなり、例えば、シャッター街と言われるような光景を目にする、という課
題があります。
影響としては、新たなマイカー需要が発生し、マイカー依存のライフスタイルが定着す
ることが考えられます。マイカー利用が前提となる土地利用を抑制する政策を進める必要
があるのではないかという提案です。
続いて、15ページです。同じように「交通政策」から見た「まちづくり政策」への提案
ということで、大規模住宅地の土地利用についてですが、第1種低層住居専用地域のよう
なところについては、例えば、単体でコンビニエンスストアが立地できないというような
規制があります。その結果、大規模な郊外の住宅地から例えばバスを使って買い物など駅
周辺の都市機能にアクセスしているものが、人口が減少し高齢化が進むと、例えば定年退
職すれば通勤がなくなるので、バスの需要そのものが減っていきます。また、需要が減れ
ばバスのサービスが低下するおそれがあるという構造的な問題が今後発生するだろうとい
うことを示しています。
右側は、今後20年程度を見据えたシナリオで、まずシナリオ1ですが、バスのサービス
を維持するためには、市民、交通事業者、行政が連携していく必要があり、モビリティマ
ネジメント的な発想で利用を促進することによって、あるいは新たなコミュニティバスの
ようなものを検討することによって、アクセスを確保していくというのがシナリオ1の考
え方です。シナリオ2ですが、さらにそれでも交通サービスを維持し切れなくなる可能性
もあると考えています。そういうことを見据え、例えば、日常機能を大規模な住宅地に立
地を誘導していくような土地利用政策も必要なのではないか、そういったことが仮にでき
れば、駅まで行かなくても日常生活をそれなりに営むこともできるのではないかというこ
とで、これは単に交通政策だけの問題ではなく、まちづくりとして考えていくべき問題だ
というご提案です。
16ページです。3点目の集合住宅の駐車場整備ですが、付置義務駐車場制度があり、例
えば、100戸のマンションをつくるとなれば、30戸以上の駐車場を整備する義務が発生しま
す。実は付置義務駐車場の稼働率が低かったり、例えば、郊外部のマンションの販売のチ
ラシを見ると、100%駐車場完備などという表記もよくありますが、駐車場が過多になって
いる可能性があります。過度なマイカーを抑制していこうという考え方とは少し違ってい
- 5 -
ますし、さらに言えば、車離れが進んで、居住者にとって駐車場が負の資産になってくる
可能性もあり、都心部においては付置義務の緩和や、あるいは地域全体で駐車場のマネジ
メントをする仕組みを検討する必要があるだろうということです。また、一方の郊外部に
おいては、例えば、駐車場を整備する代替方策として、例えばカーシェアリングなども検
討する必要があるということをご提案いたします。
続きまして2の連携方策です。何のために連携方策が必要なのかということを改めて今
回整理をしたものです。人口減少・高齢化社会、税収の減少という社会を前提として、今
まで維持できていたことが維持できなくなっていくということを共通認識にしながら、目
標を共有化し、各主体が連携し交通サービスを維持していくことが求められているという
ことです。そうすると、おのずと役割がこれまでと変わってくることを絵であらわしてい
ます。市民・企業としては、交通サービスの維持に向け、自ら支える意識・行動。交通事
業者は、ニーズにあった交通サービスの提供。行政側としては、コーディネーターとして
の総合力を発揮するということが、これまで以上に求められてくるということを整理いた
しました。
19ページです。これは前回の議論の紹介の中にもありましたが、市民と企業は役割が違
うため、同列に表記すべきできないというご意見に対応するものです。それぞれの連携イ
メージを四つの丸で表しています。市民は公共交通サービスの維持に向けて自ら支える意
識行動、立地企業は交通需要を発生させる原因者としての責任、これは具体的にどういう
ものなのかは議論が要るのですが、交通需要を発生させるということです。そして行政と
しては、交通インフラの整備のほかコーディネート、制度の整備、交通事業者としては社
会的責任やサービスの提供者としての責任があるということで、それら四つの主体が連携
し合っていくようなことを模式化したものです。
続きまして、連携した取り組みの提案については前回も議論がありましたが、提案内容
は前回と同じですので、詳しい説明は省略させていただきます。
最後の25ページをご覧ください。タイムスケジュールということで、前回から議論して
おりますが、現行の中期計画という、横浜市の実施計画に位置づけられたものもあり、現
行の計画に位置づけられていないものもある中で、例えばモビリティマネジメントについ
ては、2009年度、2010年度も展開していきたいと考えています。
そのほか、例えば、ここで提案させていただいているバスの待ち空間の問題などは引き
続き検討しながら制度設計などを2010年度に検討していくなど、着実に交通政策を進めて
いくこととしています。
続きまして資料4、21年度から新たに取り組んだ施策の報告をいたします。4点ほどご
ざいます。
まず、1点目ですが、都心部コミュニティサイクル社会実験を実施いたしました。自転
車100台、サイクルポートを10箇所置き、約1箇月の間、行いました。5ページは、ポート
の配置図です。10箇所の場所を表記しています。6ページは料金体系です。登録料以外に
利用料が1時間ごとにかかりますが、最初の1時間は無料ということです。
続きまして、8ページです。横浜の交通を考えるシンポジウム~モビリティマネジメン
トを通じて~を9月22日に開催いたしました。これはNPO法人で主催している「横浜カ
ーフリーデー」のイベントと同じ場所で同じ日に開催することで相乗効果をねらったもの
- 6 -
です。京都大学の藤井先生、中村座長、そのほか交通事業者さん等々にご参画をいただき
ました。
10ページをごらんください。南区永田みなみ台地区におけるバス利用促進モビリティマ
ネジメントということで、南区の永田みなみ台地区で、神奈川中央交通とともにバス利用
促進に向けた取り組みを実施することになりました。具体的には12月上旬に、地元に資料
等を配付する予定としています。市長からのあいさつ文、なぜバスが大事なのかという説
明資料、そのほか、時刻表がついたバスのルートマップ、それと自分の交通を振り返るき
っかけとなるアンケートを入れています。具体的には11ページ、12ページに、バス利用の
動機づけにつながる情報提供の内容を掲載しました。
11ページ、「バスを支えているのは皆さんです」ということで、利用することがバスサ
ービスの維持につながることをあらわしています。次は健康問題で、歩くことが健康に良
く、バスを使うことが、即ち歩くことにもつながるということです。あとは環境問題や、
車のコストについて情報提供をしています。
13ページですが、これは対象路線のバスルートマップになっています。弘明寺駅に行く
ためにお使いになる方が非常に多いということなので、こういった範囲で地域情報なども
入れつつ、14ページではバスと電車の時刻表なども入れ、保存版としていただきたいとい
うことを意識した資料です。
15ページは添付しているアンケートの内容です。
最後に、報告4、東京都市圏パーソントリップ調査の実施結果概要で、昨年10月から11
月に、国と関係する地方公共団体が連携して非常に大規模な交通実態調査を実施しました。
横浜市では対象者17万世帯に郵送し、4万9,000世帯から回答をいただきました。
17ページは、その結果概要です。これは昨日記者発表した内容で、速報版ですので、こ
れから分析が必要になりますが、例えば、17ページの、横浜市の行を見ると、横浜市の代
表交通手段分担率は、鉄道が約34%、一方で自動車が23.4%ということで、他都市と比較
すると鉄道が多く、自動車が比較的小さいといった傾向です。
続いて、18ページですが、これは区ごとに、10年前のデータと比較してどうかというこ
とをあらわしております。平成10年が左側、平成20年が右側ということで、赤く囲んでい
るところが特徴的なところです。右側の平成20年の黄色いところ、神奈川区、西区、中区、
いわゆる都心の区につきましては鉄道の分担率が非常に高くなっています。左のグラフと
比較するとわかりますが、この10年間で分担率が伸びているという傾向があります。
一方、都筑区、泉区、瀬谷区の自動車分担率ですが、この3区は自動車の分担率が高い
3区ですが、左側と比較していただきますと、非常に大きく下がっています。これはこれ
らの区に限ったことではなく、市全体の傾向として、10年間で自動車分担率が下がってい
るという傾向があります。
19ページは目的別で整理したものです。例えば、上から二つ目は通勤ですが、平成20年
は61.4%は鉄道で鉄道通勤が非常に多くなっており、一方で自動車は15.7%で、マイカー
通勤の割合が低下しているという傾向です。
20ページは年齢階層別の代表交通手段です。下に行くほど年代が上がりますが、若年層
において自動車分担率が大きく低下していることが今回大きな特徴です。
それは全年齢の傾向かと思っていたのですが、実は70歳代以上は自動車の分担率が上昇
- 7 -
しており、今後、要因分析をする必要があると考えています。
21ページは外出率です。これは一度でも家を出たら外出したということになり、ほとん
どの世代で90%を超えていますが、10年前と比較すると、60歳以上で外出率が非常に大き
く上昇をしています。50歳未満ぐらいですと、10年間でさほど大きな変動はありません。
22ページはトリップ数で、これは外出したときに立ち寄った数が多ければ大きくなるよ
うな数字ですが、55歳未満ぐらいですと、10年間で外出時のトリップ数が大きく低下して
います。一方で60歳以上は、外出時のトリップ数が上昇しており、いろいろなところに高
齢層の方が立ち寄る傾向が出てきたことがわかります。一方で若年層は、例えば、家と会
社の往復しかしないような方も増えていることをあらわしていると考えています。
説明は以上です。
(中村座長)
ありがとうございました。事務局からの説明でした。この協議会は自由活発に議論して
いただく場です。市の側でいろいろな論点、前回までの議論を踏まえながらつくっていた
だいているので、ここをベースにして、発展的な議論を広げるという形にしたいと思いま
す。ここまでの資料説明、特に資料3、4にかかわるところでのご質問、ご意見について、
委員の皆さんからご発言をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
(三浦委員)
資料3について4点ほど、つけ加えさせていただきたいと思います。1点目は6ページ
の自転車交通、バス交通で、それぞれの考え方(案)とありますが、自転車交通では、自
転車が安心して走れるための道路の整備(ハード)も必要ではないかと、感じました。
2点目は12ページの広報についてですが、この広報の中に、例えばフォーラムなどのイ
ベントも、広報の一環に入るのではないかと思います。先日の中村先生がコーディネータ
のシンポジウムや、ヨコハマNEWSハーバーで中村先生と羽藤先生が出演されたイベン
トでは、交通に関心のある若者が集まっており、そういったものもターゲットが非常に明
快な、一つの広報戦略であると感じました。
3点目は14ページで、確かに大規模な商業施設はロードサイドに発展していますが、出
店の方法として駅へのアクセスを義務づけるような手段をとるというのは、画期的である
と感じました。
4点目は15ページ目に、そういったシナリオがありますが、駅周辺まで行かなくても日
常生活を営むことができるような支援をするといっても、民間企業としては、人口が減少
したところに出店するのは大変難しいと考えます。20年後には交通のほか、例えば、住宅
の中心市街地への移転など土地利用もあわせて考えないといけない事態を迎えるのではな
いかと思います。
以上です。
(中村座長)
自転車のお話、それから広報の話、そして、最後の二つの点は少しつながっているとこ
ろもあるかと思いますが、郊外部の話ですね。
まず、6ページの自転車ですが、自転車とバスの考え方が記載されており、三浦委員の
ご意見は、特に自転車側でもっとインフラ整備が課題であるという意見でした。このペー
ジに関して、ほかの委員の方、いかがでしょうか。
- 8 -
(末弘委員)
バス交通の③ですが、鉄道も利用者が減ってくればサービスに影響がありますので、「鉄
道事業と比較して事業者の経営基盤が弱く」という部分は要るのでしょうか。
(中村座長)
鉄道と比較してというのはあった方がいいでしょうか。
(遠藤委員)
鉄道事業と比較してという意味では、やはり私鉄もJRも含めてバス事業者より大きい
会社ですから、あっても問題はないのではないでしょうか。
(中村座長)
鉄道側としても利用者減少は結構深刻な問題とのことなので、表現はこのままにしてお
き、別に鉄道はこうではないと言っているわけではないということで、いかがでしょうか。
ほかに、このページの自転車に関して、ご発言はありますか。
三浦委員、インフラというのは具体的には走行空間と駐輪場所もでしょうか。
(三浦委員)
そうです。
(中村座長)
走る空間、とまる空間をきちんと確保しないと、自転車も危ないし、空間を共存する相
手も危ないと思います。ですから、自転車を進める上では、やはりそういう部分は一つ課
題になっていると思います。パリのベリブや他の地域でも広告会社がやっている話があり
ますが、実際は行政側がかなり道路や道路に隣接した民地側の運用も含めて努力していま
す。その意味でも、自転車を本当に普及させるのだったらインフラは大事です。これは言
われて、全くそのとおりと思いましたが、事務局から何かコメントありますか。
(事務局黒水課長)
おっしゃるとおり、自転車は、十分な走行空間がとれていない状況なので、本格的に導
入していく場合は、もっと基盤整備をしなければいけません。十分な歩道もないところも
あります。また、歩道があっても自転車と歩行者が混在してしまうという問題があり、本
気でやる場合は、やはりインフラ整備を避けて通れないと思います。時間がかかってもや
っていかなければいけないことと考えています。
一方でバス交通は、バスが歩道もないようなところを通行しています。例えば、歩道が
ない道路で、交差点の中でバス利用者が待っているという状況もあります。走行空間とい
うのは、バスの走行空間と歩行者と、またバス待ちの利用者、自転車の走行空間などあり
ますが、いずれもインフラという意味では脆弱な部分があると思います。
(中村座長)
自転車はいま勢いがいいですが、インフラやマナーの問題が軽視されていると言われて
おり、そこは言うべきだろうということです。
バスに関しても、インフラ整備の課題があるので、それぞれの乗り物が抱える課題です
から、両方何らかの表現を考えて書いてください。
この6ページの結論としてはバランスをとっていこうということになっています。必要
なバスはきちんとやり、自転車はいろいろな乗り物の補完ができるということと、選択が
できる余地をうまく用意できる乗り物である、ということについては、特にご異論ないと
- 9 -
いうことですので、そういう整理にしましょう。
三浦委員の次のご指摘は12ページのイベントですね。ご意見いかがでしょうか。
一般の人たちに何か伝える時に、紙媒体やいわゆる情報提供媒体のことばかり考えてい
ますが、イベント型のものやお祭り型のものも、それなりに効果は大きいと思います。日
本でノーカーデーはもう何十年もやっているけれども、義務的、嫌々仕方なくという感じ
です。ヨーロッパでカーフリーデーが始まったのは十何年前ですが、高尚な意義より、と
にかくお祭りにしてしまっています。お祭りでとにかく人を惹きつけて、その中で少しず
つ議論していくというのは、それはそれで戦略だろうと思います。三浦委員の意見のなか
のもう一つのキーワードは、若い方々に関心を持っていただくというところだと思います。
大学でも公開講座をやったりしていますが、若い人はなぜ関心を持たないのかなと思うと
きがあります。そういう意味では、いろいろな年代の人たちが来やすい週末のイベントと
か、観光スポットに近いところでやるとか、少しおしゃれなところでやってみるとか、そ
ういうものも具体的な一例として、ここにあってもいいかなと思います。これはそういう
ことでよろしいですか。
難しいのは14、15ページです。一つは14ページで、出店に対しての駅アクセス義務づけ
のようなことができないか。もう一つは、15ページのシナリオ2のようなもので本当にい
いのか。この2ページに関して、委員の皆様からあわせてのご発言ございますか。
(末弘委員)
シナリオ2ですが、かつて昭和40年代ぐらいにつくった公団住宅のような大規模団地に
は、それぞれ中にコミュニティセンターみたいなのをつくって小さな商店などを誘導して
いたと思いますが、今は閉まっているものも多いようです。それをまたやるということに
はならないと思うので、これを書くからには、そういうものを解決するための策を持って
いる必要があると思います。
(事務局黒水課長)
確かに大規模なマンション群のようなところには、商店が入っている事例があります。
それが郊外に大きな店舗が出て車で行くことによって、そこに買い物に行かなくなり、そ
の内部の商店街がシャッター商店街になってしまうような事例は事実だと思います。シナ
リオ1では救えないところ、それでも縮小していくようなところについては、新たな考え
方を持ち込んでいく必要があり、提案としてお出ししているというということが一点です。
それから、戸建て住宅エリアには地域に余り商店がなく常に駅に行っていたのですが、
それが、高齢化して人口が若干減っていく、この高齢化と人口減少が非常に顕著に起きて
いる地域があります。大きな家ですが、高齢者で単身になっている事例も出てきます。そ
ういうことが起きている郊外部では、住宅地の需要だけではバスサービスができなくなる
可能性があるのではないか、そういった部分を救済するための何らかの施策が必要なので
はないかということを提案しており、確かに、やる手段があるのかと言われれば、そこは
工夫をしなければいけないと考えています。
(中村座長)
これは前提として、郊外の大規模住宅地に住んでいる人は、そこに住み続けるというこ
とでしょうか。
(事務局黒水課長)
- 10 -
確かに力のある人等で、家屋を売って駅前のマンションに住みかえる方もいらっしゃる
と思いますが、多くの日本人の土地に対する意識はやはり定住型志向ではないでしょうか。
そこで住み始めて20年、30年たつと、その地域にそれなりのコミュニティがあって、しか
も高齢者世帯になってしまうと、なかなかみずからの意思でその地を離れて、新たな別な
コミュニティに飛び込んでいこうというのはしにくい傾向があろうかと思います。確かに
移転していただく方が合理性があるのかもしれませんが、一方でそこはやはり気持ちの問
題でなかなかできない現実もあろうと思い、その辺を表現したものです。
(中村座長)
土地の価格が下がり、空き家が増え、売れなくて、今独りで住んでいて動こうとしない
状況で、人口が減っていく中で、スーパーがなくなって、その周りの店も全部なくなるよ
うな場所もあります。それに近いことが横浜の郊外部でも先々、規模やスケールは違うに
しても起きないとは限りません。そのときに、政策を打つ側は、それはしようがないとす
るのか、何かチャレンジをするのかというあたりは、今決めなくてもいいことですが、こ
れから先の議論として、土地利用側、あるいは住宅政策側、あるいは福祉側の発想と、交
通の側とが一緒に考えたら、新しいメニューが果たしてあるのかどうかというところまで、
少し頭出しをする方がいいような感じがします。
これは何かわかりませんが、我々としてできるのだったら、バスは残すことを片方でや
りながら小さな店が来るようにするということですが、もう一歩、二歩先のことを考えな
ければいけないと思います。
計画的ではない市街地、あるいは先ほど末弘委員が事例で挙げられたような、いわゆる
公団、公社等の住宅で駅から離れている類のものに関して、この先どうしていくのか、あ
るいはどうすることができるのかという議論をしなければならないし、そのときに交通側
は一緒にやるということを書いておくだけでも結構すごいことだと思いました。
ほかにこの14、15ページでご発言ございますか。
(三浦委員)
今の中村座長の発言に加えまして、新しいサービスのあり方のようなものを考えていく
というようにした方がいいのではないかと思います。横須賀などでも、宅配業者やタクシ
ー業者が買い物代行するという例が出てきていますので、横浜でも単にお店を立地させる
だけではなく、生活を支援する新たなサービスを充実させていく必要があるという表記に
したらどうでしょうか。
(中村座長)
横須賀の例はそうですね。
(事務局黒水課長)
もちろんシナリオはたくさんあると思いますが、代表的なもののみを書いたと考えてお
ります。ここに書いてあることは店を出す出さないということではなくて、日常生活圏に
おける必要最低限の生活機能を持たせることであり、デリバリーをするようなものも含め
て考えておりました。
また別な施策展開としては、例えば、信託を利用し土地の流動化をするような手法もあ
るでしょうし、若い人を入れてもらうような仕組みづくりというものもあると思います。
このページでは思い切ったことが書いてあり、かなり重たい内容だと思っています。交通
- 11 -
だけの問題では解けないような内容も含め都市全体の話も含めて、さまざまな課題がある
のは認識しながら書いている状況です。
(中村座長)
これから先の交通施策を考える意味では、こういうページがあることはとてもいいこと
だから、堂々とやられていいと思います。この図の赤いところに小さい店がもう一回でき
ればいいように見えてしまうので、これは図を修正した方がいいかもしれません。
ただ、例えば、昔のような小さな小売店舗ではなくて、例えば、コンビニに公営のサー
ビス機能を持たせたり、そこに配達サービスが入ってきたり、あるいは、いざというとき
の避難所のような機能をもたせたり、いろいろな機能を組みあわせ、官民連携したような
空間をつくったり、ものを運ぶというところでもあるわけですから、多様な方法があるこ
とは確かであり、書ければいいと思います。このページは大事なところです。
全体に人口が必ずしも増えていかない中で、郊外に、何人に、どう住んでもらうのか、
ということは、やはり誰かが議論しなければいけません。一部の方々がおっしゃっている、
シュリンクしていく市街地とか郊外というときに、一般論として縮むことはわかりますが、
誰がいなくなるのかというところになると違う議論ですね。そのときに交通が独立した議
論にならないことを切に願っています。
ありがとうございました。関連したところでご発言ありますか。
(大津委員)
11ページの横浜型モビリティマネジメントのページを見ますと、市民は不特定と特定と
両方を対象にした表示がありますが、一方、事業所については特定事業所を対象としたも
のしか表記がないので、不特定事業所を対象とした取り組みも、ここに羅列した方がいい
のではないかと感じました。
不特定事業所を対象とした施策としては、店舗型パークアンドライドがあると考えます。
これは平日の通勤交通を対象としたものですが、大型店の商品券の購入を条件として、大
型店と平日の無料駐車契約を結ぶことで、鉄道駅に隣接する大型スーパーやデパートなど
の既存大型店の駐車場にマイカーをとめて、そこから電車やバスに乗りかえて職場に行く
という方法です。
これは現在あるものを使った、お金をかけないマイカー通勤の抑制に向けた取り組みだ
と思います。これは市民と大型店双方のメリットがあると思います。これは今の時代に即
した取り組みだと私は思います。現在あるものを、市民と企業とで有効活用でき、取り組
みの費用も余りかからないというメリットがあり、利用者をひきつけることができる取り
組みだと私は思います。それに伴って渋滞緩和、環境負荷軽減効果もあると思います。
これは中長期の施策として、不特定事業所を対象として、店舗利用型パークアンドライ
ドを掲載していただければと思います。以上です。
(中村座長)
11ページの表には、不特定事業所という枠がないのは確かによくないかもしれません。
具体例として挙げていただいた店舗型パークアンドライドというのは、一番最初は神戸
の西神ニュータウンだったと思います。神戸市営地下鉄の駅の隣のショッピングセンター
の駐車場で、商品券と交換で、パークアンドライドを平日にやり、平日のがらがらの駐車
場を利用しつつ、都心に行く車を少し地下鉄利用に転換するというものでした。その後、
- 12 -
大規模に展開したのが、平成になる直前ぐらいの金沢で通勤型のバスのパークアンドライ
ドをやり、郊外のショッピングセンターに連携してもらい、商品券を買ってもらう形でし
た。そういうメニューは確かにあります。
そういう形の、特に店舗と連携して、店舗側にもメリットがあり、空間をうまく使うと
いうことは大事な点だと思いますが、そういうメニューがこのページに合うかどうか、ま
たどう入れるかといところまではいかないとしても、そういう議論があるということです。
やはりモビリティマネジメントの推進の中で、不特定の事業所を対象とする枠はなけれ
ばいけない気がします。事務局、いかがですか。
(事務局黒水課長)
確かに特定事業者が入っているのに、不特定事業者がないのはバランスを欠きますし、
不特定事業所も対象としたモビリティマネジメントも、当然やっていくわけですので、そ
れは入れてまいりたいと思います。
それから、パークアンドライドに関しては、本来的にはバスなど公共交通を利用して駅
までアクセスしていただきたいということが、我々の気持ちの根底にはあります。
例えば、鴨居駅近傍のショッピングセンターには、確か4,000台程度の駐車場があると思
います。平日も実はかなり車がとまっていますが、店舗内はそれほど人がいないという状
況が見受けられます。ということは、正確に調査をしたわけではありませんが、あそこは
平日は料金がかからない仕組みで、店舗側が出るときも入るときもチェックをしていない
ので、そういう状況が発生してしまっている可能性もあると思います。
横浜市内の大きなショッピングセンターは、平日はほとんど料金をとってない、またチ
ェックしていないところが多くあるので、駅近にある大規模商店では、結果としてそうい
うことが起きている事例が結構あると思います。
(安田委員)
今の関連で、私は大津委員のご提案に賛成で、生活の状態を考えると、公共交通一本で
というのは無理があると思います。つまり、そもそも人と環境にやさしいまちづくり、交
通政策で言うと、全部車を締め出すということではないと思います。9ページの都市部に
おけるまちづくりで、いろいろ書いてありますが、結局はそんなに大きな、はっとするも
のがありません。環境創造ということもここに書いてあったと思いますので、横浜駅周辺
やみなとみらい地区は、一切CO 2 がそこから排出されない、全部ゼロカーボンとかゼロ
エミッションの地区で、ここは公共交通機関か自転車か、電気自動車だけだというような
ことを組み合わせてやる、というようなこともあると思います。周辺部に駐車場を設けて、
そこから内側の地区は、一切ここの地区は公共交通機関と、パーソナルなものは自転車と
電気自動車だけ、というような考え方も加味した方がいいのではないかと思いました。
以上です。
(中村座長)
この9、11ページあたりで、ほかにご発言ありますか。
(六川委員)
まちづくりという言葉を入れてくると非常に問題が大きくなり過ぎ、あるいは複雑な要
素が入り込んでくるのではないかと思います。例えば、キーワードを「回遊性」や「人に
優しい」などに置きかえていった方が、交通施策としての議論が進んでいくのではないか
- 13 -
と思いました。
私は馬車道関係のまちづくりをやっていますが、そこに交通問題を入れ込んでいくと非
常に複雑になりますので、そこは切り離した方が、交通政策としては話が進んでいくので
はないかと思います。
(中村座長)
切り離した方がよさそうな具体的な例はありますか。
(六川委員)
例えば歩きやすい環境のための歩道の整備や、サイン計画などは回遊性の一環として入
ってくるわけですが、それは回遊性というだけの視点、切り口の中でやっていった方がい
いと思います。もちろん最終的には、まちづくりも関連してくることになると思います。
(中村座長)
ありがとうございました。ほかにございますか。
(平岩委員)
15ページですが、まちづくりと交通政策の提案の中に、駅周辺の都市機能の維持、増進
という観点を、きちんと入れておくべきだと思います。駅周辺まで行かないと日常生活に
必要なサービスを受けられない地域があると書いてありますが、駅周辺施設もそれほど都
市機能が高くなく、そこまで行っても必要なサービスが得られないところも、今後はあり
得るのではないかと思います。
もう一つ、行政側としても、住居移転の自由はありますから本人の意思は尊重するとし
ても、なるべく集約化して駅周辺に移転してもらうことに対してインセンティブを与える
ことはできると思います。例えば、駅の周辺に医療や介護、買い物等の機能を集約するよ
うな施策を講じることはできます。そういうことを講じることによって、その近辺に住ん
でいただければ高いレベルのサービスが受けられるというインセンティブを与えることは
できると思いますので、そういう観点は入れた方がいいと思います。駅周辺である程度の
機能を得ることができるのであれば、交通の観点からいえば、駅とつなげばある程度周辺
部でもサービスを得ることができることになるので、交通の観点からも、必要なことだと
思います。
以上です。
(中村座長)
駅周辺の話や転居に関するインセンティブのご意見で、これはそうだなと思います。
少し前に戻りますが、ロンドンでやっているのは、課金制度です。都心に入る自動車は
1日当たり2,500円ぐらい払います。それでも入る車がいるというのですが、入ってくる車
が払ったお金の収益は、公共交通、つまりバスと地下鉄の改善等に回ります。
パリでは今、自転車の次は電気自動車ということで、電気自動車の充電器を市内に相当
つけており、二、三年ぐらいで、すごいことになると思います。それ以外でも、観光地で
は電気自動車以外入ってはいけないところもありますよね。
環境の面からの施策と、車の混雑に対する施策は分けなければいけません。
パークアンドライドに関して、こんな例があります。あるところのパークアンドライド
の社会実験でたくさん参加者がいて、成功かと思ってアンケートをすると、このパークア
ンドライドをする前はバスで来ていた、という結果でした。それは、バスを乗っている人
- 14 -
が車に乗りかえると、これはパークアンドライドの駐車場事業としては成功だし、社会実
験の狭い意味で見れば成功ですが、交通施策全体としておかしな話です。これに似た例は
日本中にあります。
先ほどの話に戻ると、駅まで公共交通で来るという選択肢があり、駅まで車で来るとい
う選択肢があり、また車で直行する選択肢があり、この間のバランスをどうとってもらう
か。強制はできませんが、例えば、公共交通を使う人は優遇することもいいですが、セカ
ンドベスト的には車で都心まで来てしまう人が手前で車をとめることを優遇するメニュー
があります。それぞれが個別に、バスはバスだけで頑張ります、駐車場は駐車場で別々で
頑張るといけなくて、全体としての金額や利便性を横並びに見たときに、公共交通を使う
人が不当に不便になることは絶対してはいけないし、都心までいつも車で行く人が、すい
すい楽々行けると、この話はできなくなってしまうかもしれません。そこの議論なのだろ
うといます。
だから、パークアンドライドや、フリンジパーキング、都心への乗り入れ規制や公共交
通を使うことをセットで考えることが、この先の課題だろうと思います。
一方で六川委員のご意見は、余り組み合わせてやっていくと、耳ざわりはいいがなかな
か進まず、実現性がなかったりする。まず必要な歩道の整備や、サイン計画など、回遊性
という目標にかかるところは切り離して言っていくことが大事とのことでした。これはフ
ィージビリティのことを考えたら、本当にそうだなと思いました。
一方で、歩道の狭いところで回遊性を出すときに、民地側のセットバックで工夫する場
合、これは民地の規制をやらなければいけない話ですし、サイン計画にしても、公共サイ
ンと広告条例のようなものも一緒のルールブックでやればどれだけ話が進むかと思います。
その意味では、つなげるところはつなげるべきだと私は思いますが、それが足かせにな
り、耳ざわりのいい実現困難な案ばかりが出てきて、ものが進まないのはまずいという意
味では、私は賛成です。
ですので、資料にどう書くかは別としても、交通施策の基本の考え方として、すぐやる
ような話がある一方で、いろいろな施策の相対的な関係を常に見きわめて位置づけないと
変な方向になっていく、ということが今の議論の肝だと理解しました。
さて、ほかのページ、ほかの論点でもいいので、ご発言がある方はお願いします。
(八郷委員)
5ページの中で、真ん中の「交通施策・事業」で、ピンクの公共交通のバスの欄や、「結
節点・拠点」というところで、鉄道とバスの円滑化、リアルタイム情報とありますが、政
府の事業仕分けの中でこれらのバス事業も三つほど俎上にのぼり、見直しや廃止という結
果になっています。また交差点改良や、バスベイの整備に、道路財源が利用されていまし
たが、暫定税率を廃止すると、その財源をどうするのかという話もあり、今後どうなるの
か不安です。
それから、6ページの自転車交通の中に、③天候に左右されやすいこと、④バス交通と
の競合性があるということと「他の交通手段を補完し」とありますが、実は雨が降るとバ
スが非常に込みます。雨に濡れないということで、歩行者や自転車の方がバスに移るとい
うことだと思いますが、バスにはそれだけ潜在的な需要がまだあるということだと思いま
す。
- 15 -
また、自転車だけではなく、バスもほかの交通手段を補完する立場にあるのではなかろ
うかと考えます。
以上です。
(中村座長)
まず6ページですが、バスもほかの交通手段を補完する機能があるというところですが、
この表はどう書いても、いろいろな意見がたくさん出てくると思います。
2~5キロぐらいのところは、研究する側としてもおもしろい分野で、人の移動の仕方
にいろいろな可能性があり得ます。前も申し上げたかもしれませんが、オランダなどは国
の政策として、5キロ以内の通勤は5割以上自転車と言っています。要するに国がバスは
5キロ以下のお客さんで稼がなくていいと言っています。
それは国の委員会でも計算があって、ドア・トゥ・ドアで、バス停に行く時間や待ち時
間を考えていくと、自転車が早い距離帯があるわけです。そういういろいろなものを見て
いったとき、それぞれの乗り物が補完し合っているという意味では、バスも補完し合って
いるし、乗り合いタクシーや自転車、さきほど出てきた電気自動車のパーソナル・ビーク
ルみたいなものも、ここにちょうど入ってくると思います。
この表現をどうするかは、お預けください。自転車とバランスをとるときに、自転車は
いい乗り物ですが課題も多く、バスとバランスをとる必要があることを言いたいページと
考えています。
ところで、前半の事実確認は、国交省の方々に聞きたいのですけれども、仕分けされて
しまったのですか。
(松平委員)
事実関係としては、先ほどのとおり、バスの関係で、欠損補助等の「バス運行対策費補
助」と、もう一つ、「バス利用等総合対策事業」ということで、ICカードやバスロケー
ションシステムの整備等に関するものについて仕分けの対象になり、一応結論としては、
「バス運行対策費補助」については車両購入費補助を見直しすることになり、これ以外に
ついては引き続き残っております。お話が出たとおり、バス利用等総合対策事業について
は廃止という話で聞いております。
(中村座長)
道路やバスベイで、平岩委員は何かご存じですか。
(平岩委員)
確かに予算の縮減という問題があり、道路事業費の箇所数が減らされています。予算も
今年度と比較して来年度は2割ぐらい減るという状況です。確かにバスベイの整備も含め
て、道路整備の観点からも予算は非常に厳しい状況です。
(中村座長)
この先、国のお金が出なくなってきたときに、市として何をするのかということは、議
論しなくてはいけなくなるでしょう。できないということも出てくるでしょう。
そのほかご発言ございますか。
(三浦委員)
16ページに、「都心部においては、駐車場付置義務を緩和」とありますが、本当に緩和
していいものか気になります。特に商業地域においては細かいビルそれぞれが付置義務を
- 16 -
持っていますので、銀座ルールのように、集約をするなどの新しいマネジメントの仕方は
いいと思いますが、分量についての規制緩和は、ここには記載しない方がいいのではない
かと感じました。
(中村座長)
ここでは集合住宅について言っていますが、集合住宅でもですか。
(三浦委員)
都心部では規制は残しておいた方がいいと思います。
(事務局黒水課長)
当課で駐車場も所管しており、現在、駐車場整備計画の検討をしているところですが、
ここで言っているのは、集合住宅では過大につくられている事例が多いということが一点
目です。
それから、都心部においても、例えば、交差点直近で駐車場の出入り口をつけることが
望ましくない場合は、隔地で駐車場を整備することもありますので、委員ご指摘のとおり、
どこでも緩和していいわけではないと思います。その辺はよく考え、不必要なものをつく
ることは都市にとって負の遺産になりかねず、調査をしながらやっていきたいと思います
ので、表現については工夫をさせてください。
(中村座長)
駐車場のことは忘れがちで、例えば今の話も、住人の所有車を保管する場所という意味
の駐車場と、ある地区に訪れる人が一時的に車をとめる場所という意味の駐車場と、商業
施設等で荷物その他を運んで来るときに出し入れをするスペースという意味の駐車場と、
それらを一般的に全て駐車場と言ってしまっているときがあります。
それから、地区の中で、敷地単位ごとに法で縛っていますが、敷地が狭くなると除外規
定があったりして、だんだんわからなくなります。駐車場をつくる限り車は来るので、車
を来させたくないのなら、極論は駐車場をつくらないことになりますが、それはまた非現
実的です。それならば、何台分の駐車場をつくるということを、だれがどうやって決める
のか。だれにどういうふうに車で来てもらい、どう使ってもらうのか。だれが車を持って
いいのかということを思い描きながらまちの形を決めて、それを今の日本の法体系の中で、
何を組み合わせればできるのかということをやっていくのが行政の仕事だろうと理解して
います。
その行政の仕事の前段のところですよね。都心地区の中での車の保管や、荷さばきの量
と位置を、だれが全体でコーディネートするのだろうか。隔地駐車場や、ポケットパーク
での荷さばき等で横持ちをさせる等は当然やり、もう一つ難しいことを言うと、パーキン
グメータの話を、本当はセットで考えなければいけません。駐車場の料金とパーキングメ
ータの管理料が全く独立なのは、私が知っている限りの先進国の例からしておかしいと私
は思っています。
サンフランシスコでは、ロードプライシング、都心に住んでいる方の駐車場の話と、パ
ーキングメータの話は、全部同じ部署で議論ができています。その方が理想だと思います。
都心の駐車、車の保管、保有に関して、どこまで踏み込むか。現状として無駄な空間が
多く、その分を公開空地なり緑なりに回すということも設計上あり得るのだとすれば、何
のためにこういうことを言うかということです。埋まっていないからやめるというよりは、
- 17 -
緩和をすることで、地域にとってこういうプラスがあり、それが都心のまちづくりとこう
つながっていくという議論がないと、今の三浦委員の話に対して答えができないと感じま
した。
ほかにございますか。
(安田委員)
資料4のパーソントリップ調査についてですが、コメントに書いてあるように、横浜市
は自動車と自転車の分担率が低いのですが、東京都がどうして鉄道、地下鉄の利用率が高
いかというと、それはやはりインフラとの連動性があるように見えます。横浜ではバスが
健闘しているのは、インフラとの兼ね合いで、路線バスがかなり走っているところがある
と考えると、これはインフラ整備の状況と、パーソントリップとの関係は、そういうふう
に見てもいいのでしょうか。
それをさらに進めると、横浜は地下鉄網がほかよりもいいのだから、川崎市よりももっ
と鉄道分担率を上げるためには、公共交通機関への連動の取り組みが必要だ、という見方
をしていくものかどうか、これはどういうふうに見ていくのでしょうか。
(事務局松井係長)
これは非常にマクロな集計結果ですので、今お話がありましたようなインフラとの関係
などそれぞれの要因の関係性は、別の角度で分析しないと、なかなか断定的な評価は難し
いと考えます。
(中村座長)
このグラフは、実は難しいのです。キーワードは、代表交通手段という言葉と、発生集
中ベースです。
実際には駅までバスを使っていて、電車に乗ってしまった人は、駅まで何に乗っても、
鉄道利用を表す黄色のグラフにカウントされます。ちょっとでも移動の中で鉄道を使った
人が黄色に入るので、このデータでインフラ評価をすることはできません。例えば家から
バス停まで自転車で行き、バス停に自転車を置き、そこからバスに乗って行き、降りて、
歩いてオフィスに着く人がようやくオレンジに入るのです。鉄道に乗ってしまった人は全
部黄色にカウントされます。
神奈川県は、黄色の中で、駅までバスで行っている人の割合が日本で一番多いです。首
都圏の中ではトップです。
横浜市でも、田園都市線、相鉄線や東海道線沿線がそうですが、駅までバスに乗る人は
結構います。5.8という数字だけではなく、むしろ黄色の中にバス利用者がいるのです。そ
ういうデータが、速報値の中では出ていません。代表交通手段だということと、発生集中
ということで、ある目的で移動するものが全部入っていますので、トリップの長さは読み
取れません。
例えば20ページで、大前提として、この10年間、人々が引っ越していなくて、だれも死
んでいないとすると、平成10年で20代の人は、平成20年は30代のはずです。例えば20歳代
(H10)の5ミリぐらい下のところに、30歳代(H20)がちょうどあるから、これを比べ
るとどうか。30歳代(H10)と、40歳代(H20)を比べるとどうか。見ていくと、30代の
人は40代になって車をやめています。50代の人が60代になって、車は少し減っています。
60代の人が70代になるときも減っていますが、70代の人が80代に上がるときに車が増えて
- 18 -
います。こういう見方もあります。
21ページも同じように見ると、年をとると外出率が下がっています。同じ人で見たら、
この10年間で外出率は下がっている可能性がある。50代の人が60代になると外出しなくな
るという傾向があり、60代の人が70代になるときもそうで、それは問題なのかもしれませ
ん。このデータは、これから先いろいろな分析ができ、ぴったり10年置きに1968年から5
回やっていますから、いろいろな比較ができます。ぜひ、いろいろな分析をしてもらうよ
うに期待したいと思います。
もう少しお時間がございます。
(末弘委員)
資料3の13ページに、交通政策に新たな展開に向けたキーワードがあります。個々に見
ると、それぞれキーワードとして理解できるのですが、このページ全体で言いたいことが、
あまり理解できません。確かに前回の議事録を見ると、キーワードを出していく必要があ
るということがあるのでつくったのだと思いますが、つくったねらいを教えて下さい。
それと同じページの主体による整理の中の、交通事業者のところで、企業の社会的責任
(CSR)と書いてあります。また18ページの役割が変わっていくという部分で、交通事
業者は、これまでは「利潤を確保しながら交通サービスを提供し、これからの役割として
は「利潤を確保しながら」という部分がなくなり「ニーズにあった」という書き方をされ
ています。あるいは19ページでも13ページと同様に、企業の社会的貢献(CSR)と書い
てあります。ここでは交通事業者にどういうことを求めているのか、伺いたいと思います。
「利潤を確保しながら」という箇所を消しているところが気になります。
(事務局松井係長)
今回も25ページにつけていますが、前回、スケジュールイメージをつけていました。ど
んな事業をいつから誰がやっていくということまで合意することは難しいですし、行政の
計画だけではなくて、例えば事業者の経営計画に位置づけられたようなものが入り込んで
いるといいという意見もありました。しかしなかなかそれは難しいので、せめてキーワー
ドで整理するということになりました。頭を整理するための資料と理解していただければ
結構ですが、前回のご意見を踏まえて、今回事務局で、進むべき方向性のようなものを頭
出ししておきたいと思い作成したページです。
それと、交通事業者の欄に、CSRが入っていたり、マーケティングが入っていて、事
業者に何を求めているのかということですが、以前、例えば日産さんからは、広報戦略が
あり、ターゲットを絞り込んで車を売る、という話がありましたが、一方の交通事業者と
して、バスや鉄道の利用者の声を具体的にどう反映して経営に使っていくとか、こういう
経営戦略で広報するということは、具体的なものは特にいただかなかったので、そういう
意味でマーケティング的な視点が必要ではなかろうかということを、どちらかというと市
の方から問題提起的に書かせていただいています。
以上です。
(末弘委員)
利用者のマーケティングは決してやっていないということではなく、こういう列車を設
定してみてどうなのかということをやりながら、トライアルでやっています。あとは、満
足度をいかに上げるかというところも大事で、それに関しては、アンケートをとりながら
- 19 -
やっています。事業者のマーケティングということはどうとらえるのかなと感じました。
やはり18ページのところが気になるところですので、もう一度ご説明をお願いします。
(広瀬委員)
鉄道やバスは、今後とも基幹交通であることは間違いなく、基幹交通は大量輸送という
役割を担っています。利用者の声や意向をさらに一層拾い上げていただき、それが使われ
る公共交通機関としてフィードバックしていくということがあるといいと思います。
例えば、乗客が減ると減便ということになるわけですが、減便しないためにはどうした
らいいのかということを、逆に交通事業者から、こういうニーズが発生していて、それに
対応するためには、こういうところを我々は努力するけれど、こういうところは行政だけ
ではなく市民も含めてサポートしてほしいということを発信していただいてもいいのでは
ないかと思います。お互いにそういう声が反映されていけば、より高品質の公共交通にな
っていくと思います。もちろん利潤の確保は書くまでもなく当然だと思います。
以上です。
(中村座長)
右側のところ、「供給側の論理だけでなく」というところは、「供給側の論理は当然あ
った上で」という意味で、その供給側の論理の中に利潤の確保も入っているという解釈で
いいと思います。19ページも含め言葉遣いは、もう少し配慮があってもいいかもしれませ
ん。
(八郷委員)
資料4の10ページの報告3の、南区永田みなみ台地区におけるバス利用促進MMですが、
このエリアを選ばれた理由と、利用者の増加などMMを実施した結果としてどのような効
果を期待しているのか伺います。
(事務局松井係長)
事業者は、②のとおり神奈川中央交通ですが、まず、市内の全バス事業者に公募し、神
奈中が応募いただいたという経緯です。そういった経緯があるので、ほかの事業者も運行
している路線を対象にすると、A社のバスは乗ってください、B社のことは知りませんと
いうのは、利用者も混乱するので、1社だけが運行しているエリアを考えました。また、
例えば、1時間に1、2本のバスにもっと乗ってくださいというのもなかなか難しいので、
比較的バスの運行頻度が高いエリアとしました。さらに、効率的に実施する観点から人口
が比較的集中している住宅地としました。
期待する効果ですが、効果検証として、事前と事後に利用者のカウントをいたします。
平日、休日の事前、事後ということで合計4回やります。実際に数字が増えることを期待
していますが、一時の現象として増えるのではなくて、将来にわたって、そういった交通
行動が定着することを期待しています。
以上です。
(大津委員)
資料4の報告1のコミュニティサイクル社会実験の実施についてです。
先日、イタリア旅行に行き、ミラノでコミュニティサイクルポートを幾つか発見し、こ
ういうものかなと感じました。そして3日前の土曜日に、横浜のコミュニティサイクルの
社会実験の実施ということで、私も一回りしました。団体のツアー客やアジアの外国人の
- 20 -
方も多かったです。マリンタワーのところだけが込んでいて、あとのところは閑散として
いました。
まず、サイクルポートの設置場所確保が非常に大変だと思います。公共の歩道や道路に
ポートを設置したり旗を立てることは、自治体がいかに認めてくれるかという難題がある
と思います。また、自転車の利用料金だけでは運営の確保は、難しいと思いました。各ポ
ートには1人~2人の管理人がついているわけで、広告収入等、いろいろ絡み合わせて人
件費等ランニングコストより収入が少し上回っているという形でなければ、持続は難しい
のではないかと感じました。
自転車のマナーも大切です。走ってみると、赤レンガ倉庫や山下公園など、自転車乗り
入れの禁止区域がたくさんあります。ですから、自転車の通行ルールを守るということが
非常に大事だと思いました。自転車利用者には自転車の放置などマナー、ルールの認知を
一層喚起していただくことが必要だと思いました。
サイクルポートがわかりにくいところもありました。5ページにある3番のパシフィコ
横浜のポートを探すのに20分かかりました。旗や看板には、設置位置の高さや場所など、
いろいろ難しい規制があるようですが、そういう規制をクリアして、わかりやすくするこ
とが必要だと思いました。
山下公園や、みなとみらいなど、横浜の都心部を夢のような心地で一日中回ってみまし
た。軽快で非常に快適でした。こんなすごいところを自転車で回れるということで、本当
に私は感動しました。いろいろクリアすべき面が多いと思いますが、早急に実施していた
だければありがたいと思いました。
以上です。
(中村座長)
貴重なご意見ありがとうございました。
いろいろな点からご指摘ありがとうございました。特にまとめませんが、今日いただい
た議論をもとにして、もう一回、年度内にやりますので、そのときにまた議論ができれば
と思います。自由な形で、いろいろな立場から議論できる場というのはとても貴重で、そ
の意味でも今日はよかったと思います。ご協力ありがとうございました。
それでは、資料5について、事務局からご説明をお願いします。
(事務局松井係長)
この2箇年、本協議会に参画いただき、議論を進めてきました。予定としては次回の第
7回を最終の協議会とさせていただきたいと考えております。この2箇年間の議論の成果
を報告書という形でまとめたいと考えており、資料5は目次を書いただけですが、1、2、
3、4の4章からなり、参考資料がつくようなものをイメージしております。
この報告書の位置づけとしては、21年度から見直し作業を進めている都市計画マスター
プランの全市プラン、また、来年度に策定する予定の中期計画に反映していくとともに、
市民向けにホームページや概要版等で公表していきたいと考えております。
以上です。
(中村座長)
事務局からの報告でした。
では、議事の3、その他はございますか。
- 21 -
(事務局松井係長)
第7回の開催時期ですが、2月の中旬あたりを考えております。具体的には別途調整さ
せていただきます。
以上です。
(中村座長)
ありがとうございました。それでは、すべての議事が終了しましたので、進行をここで
事務にお返しします。
(事務局黒水課長)
本日は活発なご議論をいただき、ありがとうございました。
以上をもちまして、第6回横浜市交通政策推進協議会を終了いたします。長時間にわた
りありがとうございました。
(以上)
- 22 -
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