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種類別のモータ市場、アプリケーションからみた
第16001号 PRESS RELEASE 株式会社 2016年1月6日 富士経済 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町 12-5 小伝馬町YSビル TEL.03-3664-5811 FAX.03-3661-0165 https://www.fuji-keizai.co.jp/ 広報部 03-3664-5697 http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ “小型モータ”世界市場調査 種類別のモータ市場、アプリケーションからみたモータ需要動向結果 ―2020年市場予測(2014年比)― ■小型モータ世界市場 2兆626億円(3.7%増)/103.6億個(6.0%減) ∼数量は減少も、自動車電装品や家電など高単価のモータ増加で金額ベースは拡大∼ ■自動車電装向け小型モータ需要 38.0億個(35.2%増) ∼ガバナレスモータ主流も、常時稼動求められる部品でブラシレスモータの採用進む∼ 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、自動車電装向け、家電向け、プリンタ向け、データセンターにおけるサーバ向けなどで拡大が 期待される小型モータとその部品・材料市場の調査を行った。 その結果を報告書「精密小型モータ市場実態総調査 2015」にまとめた。 この報告書では小型モータ8品目、モータ部品・材料9品目について市場の現状と将来性に加え、アプリケーシ ョン別のモータ需要なども明らかにし、モータの供給面と需要面、双方からの動向を俯瞰できる構成とした。 <調査結果の概要> ■小型モータ世界市場 2014年 2020年予測 2014年比 数量 110.2億個 103.6億個 94.0% 金額 1兆9,891億円 2兆626億円 103.7% 2014年の市場は110.2億個、1兆9,891億円、2015年見込は108.9億個、2兆49億円とな り、2年連続数量ベースは縮小、金額ベースで拡大が予想される。 今後は、パソコンやODD(光学ディスク駆動装置)の販売数減少、スマートフォンでの振動モータからハプテ ィックデバイスへの移行により、情報・通信機器におけるモータ需要が大幅に減少し、2020年には数量ベース で2014年比6.0%減が予測される。金額ベースでも短期的には数量の減少と共に横ばいや縮小が予想される が、中長期的には自動車電装、家電及びOA機器における高単価なモータの搭載数増加や付加価値製品への需要の 高まり、材料費の高騰による価格の上昇などにより、2020年では同3.7%増が予測される。 なお、エリア別には生産の90%以上、販売の75%程度をアジア(日本除く)が占める(数量ベース) 。しか し、2014年と2015年見込を比較すると、パソコンや携帯電話などのモータ需要の減少により、これらの機 器の中心的な生産・販売地域であるアジアの構成比が低下しており、相対的に欧州や北米などの構成比が高まって いる。それでもアジアの構成比は高いが、アプリケーションの動向によっては、アジアから欧米や日本への生産回 帰が起こることも考えられる。 小型モータ市場の拡大に寄与するとみられるのは、自動車電装分野や家電・住設分野のアプリケーション、情報・ 通信機器分野の中のプリンタやサーバなどが挙げられる。 <注目市場> ●ガバナレスモータ世界市場 2014年 2020年予測 2014年比 数量 57.0億個 55.0億個 96.5% 金額 6,665億円 6,756億円 101.4% コア(鉄心)にコイルを巻いた回転子を有するモータである。コストパフォーマンスに優れ技術面でも完成され ていることから、自動車電装、OA機器、小物家電、電動工具、インクジェットプリンタ、携帯電話の振動モータ など、幅広い用途に使用される。中でも電装化が大きく進むことで自動車電装向けに注目が集まっている。 汎用モータとしてさまざまな用途で使用されるガバナレスモータは、 自動車電装分野の需要が40%以上を占め る(2014年数量ベース) 。新興国を中心とした自動車自体の販売数増加に加え、電装化の進展による自動車一 台あたりのモータ搭載数増加が予想され、今後も市場拡大をけん引するとみられる。一方で、次に構成比が高い情 報・通信機器分野は30%近くを占めるが、スマートフォンでの振動モータからハプティックデバイスへの移行に より需要が減少している。 情報・通信機器分野の需要減少が、自動車電装分野の需要増加を上回るため、2016年、2017年と数量、 金額共に市場は縮小が予想される。2020年には低価格製品の振動モータの需要減少が落ち着き、高価格製品が 多い自動車電装向けの一層の増加により、市場は2014年と比較し数量ベースでは縮小するものの、金額ベース では拡大が予想される。 ●ブラシレスモータ世界市場 2014年 数量 パワー系 金額 パワー系 2020年予測 2014年比 8.9億個 9.9億個 111.2% 3.3億個 4.5億個 136.4% 3,061億円 3,333億円 108.9% 1,548億円 1,852億円 119.6% パワー系は内数 整流子とブラシを取り除いた直流電流で回転するモータで、寿命やノイズの面で優れている。また、電子制御に よるモータの高効率化が可能であることから、省エネや長時間稼動が求められるアプリケーションで使用される。 なお、ブラシレスモータはパソコンやサーバなどの記憶媒体であるHDDなどに使用されるスピンドル系と、OA 機器、家電、自動車電装、医療機器や金銭処理機など業務・産業機器で使用されるパワー系に分けた。 スピンドル系は、これまでパソコンのHDD向けを中心に拡大してきたが、パソコンではHDDからSSDへ記 憶媒体が移行しており市場は横ばいになりつつある。しかし、長期的にはクラウド化の進展でサーバのHDD向け が大きく増加すると期待される。 パワー系は、家電向けでは省エネ性の高さによりインダクションモータからの置き換えが進んでおり、自動車電 装向けでは省エネ性と耐久性の高さから需要が増加するとみられる。 どちらもアプリケーションの販売数増加が予 想されており、堅調に拡大するとみられる。 ●ファンモータ世界市場 2014年 2020年予測 2014年比 数量 18.2億個 19.2億個 105.5% 金額 3,132億円 3,454億円 110.3% 羽を回転させることで風により内部に発生する熱を外部へ排出し冷却するモータで、パソコン、サーバ、家電、 自動車電装などで使用される。 情報・通信機器分野を中心に熱対策製品として市場は拡大してきたが、スマートフォンやタブレット端末の普及 によるノートパソコンの販売数減少、ノートパソコンでのファンモータの搭載率低下により需要が減少している。 一方でOA機器、家電、自動車電装向けはアプリケーションの販売数増加やモータ搭載数の増加が予想され、20 20年は2014年と比較し数量、金額共に拡大が予想される。 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected]) <アプリケーションから見たモータ需要> 2014年 自動車電装分野 2020年予測 28.1億個 2014年比 38.0億個 135.2% 自動車電装向け小型モータは、新興国を中心とする自動車販売数の増加、燃費向上などを目的とした電装化の進 展に伴う搭載数増加により拡大が予想される。使用されるのはガバナレスモータ、ブラシレスモータなどが挙げら れ、2014年時点ではガバナレスモータが9割近くを占める。 一般的にガバナレスモータなどのブラシ付きはブラシレスモータと比較し耐久性に難があると言われるが、 ガバ ナレスモータは電動ミラー、ドアロック、パワーウィンドウ、ワイパーなどのモータとしてこれまでも需要に対応 しており、これらの用途においては耐久性が認められていることや、信頼性が非常に高いことから、今後も自動車 電装向け小型モータの主流を占めるとみられる。 一方で、ブラシレスモータも省エネ性の高さから、燃費向上を目的にエンジン回りの補機類(ポンプ、ファンな ど)やHVAC系など、自動車使用時に常時稼動が必要となる部品で採用が進んでいる。 2014年 プリンタ分野 2020年予測 13.2億個 2014年比 16.2億個 122.7% 自動車電装分野に続く小型モータの有望分野に位置づけられる。使用されるのはガバナレスモータ、ステッピン グモータ、ファンモータなどで、特にガバナレスモータの比率が高い。 MFP(デジタル複合機)を中心とするオフィスプリンタの高機能化と新興国でのOA化による需要増加で拡大 が予想される。プリンタ向けの小型モータは比較的高機能であることが求められ、かつ収益性も高い傾向にあるこ とから、品質や性能を訴求する大手モータメーカーの注力度が高い。 <調査対象> 小型モータ モータ部品・材料 モータ搭載動向 1. ガバナレスモータ 2. コアレスモータ 4. ファンモータ 5. ブラシレスモータ 7. シンクロナスモータ 8. ユニバーサルモータ 3. ステッピングモータ 6. インダクションモータ 1. モータ用ドライバIC 4. ネオジム焼結磁石 7. マグネットワイヤ 2. 転がり軸受(小径) 5. 希土類ボンド磁石 8. 整流子(コミュテータ) 3. 軸受(メタル) 6. フェライト焼結磁石 9. カーボンブラシ 1. モバイル/ウェアラブル機器 2. ハードディスク 4. ODD 5. ファンモータ 7. 家電 8. 自動車電装 3. パソコン・サーバ 6. プリンタ ※下線の品目は市場算出を日系グローバル市場(国内市場及び日系メーカーの海外販売額)で行った。 <調査方法> 富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベース を併用 <調査期間>2015年7月∼10月 以上 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected]) 資料タイトル: 「精密小型モータ市場実態総調査 2015」 体 価 裁:A4判 161頁 格:書籍版 100,000円+税 PDF版 100,000円+税 書籍版・PDF版セット 120,000円+税 書籍版・ネットワークパッケージ版セット 200,000円+税 発 行 所:株式会社 富士経済 〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165 https://www.fuji-keizai.co.jp/ e-mail:[email protected] 調 査・編 集:大阪マーケティング本部 第二部 TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030 この情報はホームページでもご覧いただけます。 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 URL: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])