ポリエチレンテレフタレートの結晶化の加速 Neat PET 50/50 PET/PTT

ポリエチレンテレフタレートの結晶化の加速
ポリエチレンテレフタレート（PET）にポリトリメチレンテレフ
タレート（PTT）をブレンドすることで、PETの結晶化時間を
３０秒から5秒に短縮することが、つまりはPETの結晶化を
大幅に加速させることができました。また、球晶を微細化
することができました。
180℃溶融結晶化
Q(arbitrary)
4
PET
3
溶融結晶化中のHv光
散乱の強度変化
｜
球晶の体積分率が増
大するのに伴い増加し
ている。
50/50
PET/PTT
2
PTT
1
0
0
10
20
30
40
time (s)
Neat PET
50/50 PET/PTT
ブレンド
球晶サイズ50μｍ
30μm
球晶サイズ2μｍ
ポリカーボネートの結晶化の誘発
ポリカーボネート（PC)は非晶性高分子と言われています。
このポリカーボネートにポリエチレンオキサイド（PEO)を
ブレンドすることで、わずか60秒で結晶化させることが可
能になりました。
50μm
PC結晶の偏光顕微鏡写真
PCの結晶化の誘発はスピノーダル分解を介したup-hill
拡散によると考えられます。スピノーダル分解過程で結
晶化して、スピノーダル分解により得られた相互連結構
造中でPCの結晶が成長するため、数珠状の連結した結
晶が得られます。
70/30 PC/PEO
250℃→180℃
Polarizability
distribution
PC
a

b
PEO
PC
Distance
5 m
PC結晶のSEM写真
一般的なポリマーブレンドの結晶化速度
一般のポリマーブレンドでは、下記のポリフッ化ビニリデ
ン（PVDF)/ポリメタクリル酸メチル（PMMA)系の結果で示
されるように、非晶性高分子（PMMA)の組成が増加する
ことで結晶化速度は劇的に遅くなります。また、非晶性高
分子の分子量が増加することで遅くなります。
ポリマーブレンドにおける結晶化の遅延は、結晶成長面
からの非晶性高分子の排除を考慮した結晶鎖の付着時
の相互拡散と沿面成長時の自己拡散をHoffmanLauritzen理論に導入することで定量的に説明できます。
排除
ＤＭ
ＤＭ
Ｇ
ＤＳ
ＤＳ
ＤＳ
Q(arbitrary)
4
PET
3
50/50
PET/PTT
2
PTT
1
0
0
10
20
time (s)
30
40