Comments
Description
Transcript
人文地理学(PDF
人文地理学 柴田 陽一 講義 1〜4年次 前期 人間・歴史・社会 2単位 基 礎 分 野 基 礎 教 育 ■授業目的・方針 窓の外に広がる風景、大学の立地するニュータウンという空間、人々が抱くイメージ ……。これらをどのように捉えるか/捉えてきたのかが、本授業の主題である。つま り、本授業は地理学史の流れに沿いつつ、<地理学的なものの見方・考え方>について 幅広く解説するものである。この見方・考え方は、意識されていない場合も多いが、実 は私たちの生活の様々なところに活用されている。もちろん建築や工業デザインとも密 接な関係があるだろう。本授業を通して、身近な事象を新たな視点から捉え直すきっか けを提供したい。 ■到達目標 <地理学的なものの見方・考え方>について理解し、それを用いて身近な事象を捉え 直すことができる。 ■授業内容 1:イントロダクション:地理と地理学 2:地図とスケール①:地図の歴史/思想 3:同上②:スケールの政治的意味 4:ある土地に関する記述:地理学の起源としての地誌 5:人間と環境の関係①:地理学を科学として成立させた環境論 6:同上②:環境と風土のちがい 7:地域の個性の解明:地誌学とその地理教育における役割 8:諸事象の分布と立地の意味:地域間の関係の考え方 9:空間の規則性・法則性の探求:法則定立的な科学としての地理学 10:頭の中の地図:空間認知と地域イメージ 11:ある場所がもつ意味:人文主義地理学 12:景観と風景のちがい:可視的なものを超えて 13:社会的に生産された空間:主体と構造の関係 14:表象された空間への視座:ポストモダンの地理学の射程 15:「男性」/「女性」にとっての空間:ジェンダーの地理 ■準備学習 ふだん通っている地域はどのように形成されたのか、なぜあんな場所に住宅が建って いるのか、新聞・ニュースに出てくる地名は一体どこなのか、というように、空間に対 する意識を日常的に持つこと ■評価方法 期末レポート(60%)、授業中に課す小レポート(40%) ■参考テキスト 『人文地理学—その主題と課題—』 杉浦章介ほか著 慶應義塾大学出版会、2005 『地理学概論(地理学基礎シリーズ1)』 上野和彦ほか編 朝倉書店、2007 『人文地理学』 竹中克行ほか編 ミネルヴァ書房、2009 その他の参考文献は授業中に紹介する。 −218−