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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅

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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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ワイン・ビジネス研究の対象と課題
小田, 滋晃
京都大学生物資源経済研究 (2001), 7: 197-215
2001-12
http://hdl.handle.net/2433/54290
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
ワイン ・ビジネス研究 の対象 と課題
小
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1. はじめに
今 日、栄樹加工産業に関す るアグ リビジネスの中でワイン ・ビジネスは独 自の色彩 を強
めつつ国際的に大 きな進展 を遂げて きている. ワインの生産 ・流通 ・消費は ヨーロッパ を
中 むに古 くか ら展開 ・発展 して きたが、農産物加工商品に関連 したビジネスとして 日本や
欧米諸国で注 目を集めて きたのはここ3
0-4
0
年の ことであるO これは、一面で世界経済の
発展 と安定に基礎付 け られた食文化の高度化に伴 う文化的な現象 を背景 とした ものである
ともいえようO また、フランス、イタリア等 に代表 されるワインに関す る様 々な制度 に縛
られた伝統的なワイン産出国 とは対照的に、大学 ・研究機関を中心 とした研究開発 と先進
的な企業家 による開発投資及び多様 なワイン関連 ビジネスによって支 えられ発展 して きた
米国が )フォルニアにおける高品質 ワイン生産が、ワインの矧 葦地図 を大 きく塗 り替 えて
きたことも影響 しているといえよう。 さらに、オース トラリアやチ リ、中国が新たなワイ
ン産出国 として台頭 して きてお り、矧 賢的競争がます ます激化す る中で、今後、ワイン ・
ビジネスは矧 賢的には無論の こと各匡日
和 こおいて も大 きな変貌 を遂 げてい くであろうと考
11
5
7
7-
生物 資源経済研究
え られ る
。
そこで本稿では、近年 この種 ビジネスの発展の著 しい米国 カ リフォルニアでの展 開経緯
を視 座 に置 き、現状 におけるワイン ・ビジネスの枠組み を整理 した上で、農業経済 ・経営
学領域 におけるワイン ・ビジネス研究の対象 と課題 を体系的に導糾 し、この種研究領域 に
おける今後の展開方向 を提示 したい l)0
我 が国における農業経済 ・経営学領域 においては地域特産 品的な色彩の強 い果樹虚業 に
関す る研究 は ミカン作農業 を除 いて もともと多 くはない。特 にワイン ・ビジネスの成熟度
とも関連 し園内ではこの種領域 における研究 はほ とんど皆無 といえる。 また、海外 におい
て も、技術面 は別 と して、経済 ・経営面 に分析の視座 を置いたこの種領域 に関す る研究 は
部分的には散見で きるが体系的に取 り組んだ ものは多 くはないといえる。
2、ワイン ・ビジネスの現状 と特徴
(1)ワイン生産 ・流通 ・消費のアウ ト・ライン
ここでは、幾つかの統計デ-タを中心 に健界の ワイン産出国におけるワインの生産 ・流
通 ・消費の アウ ト・ラインを押 さえておこう
。
まず世界 におけるブ ドウ栽培面橡 は 、1
999年時点で約 786万haで あ り、熱滞果樹 及びナ
ッツ類 を除 く果樹栽培総面横の概ね50%程度 を占めるといわれ、 さらにその内の80%以上
が ワイン用 ブ ドウ栽培商機 とな ってい る。1999年 におけ るブ ドウ生産 2)の大陸別内訳 は
表 1に示 す 通 りで
あ る。 この嚢 か ら
表 1 大陸別 ブ ドウ栽培面積 と生産 量 (
1999年)
栽培面機 (
刀ha
)
は栽 培 面 積 ・生 産
以 上 を 占め て い る
ヨーロッパ
(
内 EC諸国)
南北アメリカ
アフリカ
の が特徴的で ある。
ア ジア
他 方 、単 収 に関 し
オセアニア
巌 共 に ヨー ロ ッパ
大 陸 が世 界の 半 数
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4】P.
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2
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の別表 2より転戦
の半分程度であ り、大陸別では憧界で寂 も低 くなっている。高品質 ワインを生産す るため
には技術 的に単収 を制限す る必要 があるといわれてお り、 この ような事情 がこの単収差 に
影響 している可能性 が考 えられ よう。
次 に主要 ワイン産出国別の ワイン生産蛍 ・消費凝及び 1人当た り消費鼠 を概観 した もの
が嚢 2で あるO この嚢 に関 しては、第 1に、「ワイ ン常飲 同」
-1
9
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3)
での生産量の減少 と 1人
小川磁晃 :ワイン ・ビジネス研究の対象 と淋舷
表 2 世界のワイン生産量 ・消費量
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3
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9の別表 3及び別表 1
1より筆者が加工作成
表 3 ワインの輸出 ・輸入量
国名
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-
199 -
生物 資源経済研究
当たり消費鼠の大幅な減少を伴った消費量全体の減少傾向が特徴的である。なお、生産豊
の減少 には1980年以降顕著 となって きた EC諸国におけるワイン消費の減少 ・低迷のた
め、ワイン用ブ ドウ樹の生理、ワイン生産の制限 といった政策が採用 されてきたことも大
きく影響 しているといえる。第 2に、逆に米国、オース トラリアや日本 といった 「ワイン
日での 1人当た りの消費鬼の大幅な増加 を伴 った総消費鼠の増加傾向が読み
非常飲 園」・
取れるO第 3に、我が国ではあまり認識 されていないアルゼンチンや旧ソ連の生産鼠 ・消
費蛍の意外な高 さが注 目されるO
泰 3の主要 ワイン産出国におけるワインの輸出入畳を見ると、フランスやイタリア、ス
ペインといった ヨーロッパの 「ワイン常飲 国」は少なくとも1980年以降輸出量がほぼ同水
準で推移 してお り、園内ワイン生産量の減少傾向を考慮すると国内ワイン生産登に対する
輸出比率は大 きく上昇 してきているといえる。 さらにフランスでは、輪入選 も多いのが特
徴的であるO他方、アルゼンチンは園内ワイン生産量に対す る輸出入比率が極めて小 さく、
かつ 1人当た りのワイン消費魔がスペ インと同程度に高いことから、「ワイン常飲国」 と
してワインを自給 自足 していることが読み取れるO また、「ワイン非常飲園」 として位置
付 けられ る米国 5)では、園内生産 ワインは、若干晃の輸出を除けば、ほとんどは増大 し
てきている国内消費に回 されている。しか し、それで もかなり大きな不足が発生 してお り、
その不足分 を輸入でカバーしていることが読み取れるOオース トラリアも同様に 「ワイン
非常飲国」であるが、増大 してきている国内消費義 を大 きく上回る生産 を行ない、輸出量
を増大 させてきている。
巌後に、衷4によってワインの価格 セグメン ト別流通量について概観 しておこう。 この
嚢は米図カリフォルニアの1
999年度における実績である。蛍換算ではジャダ ・クラスのワ
インが全体の44%を占めているが、金額換算ではジャダ ・クラスは20%弱であり80%以上
をプレミアム ・クラス以上のワインが占めている。 さらに、この比率の推移 をみると、図 1
表 4 1999年度の米国か ノフォルニア ・テーブル ・ワインの価格セグメン ト別流通量
1場当たり
小売価格
価格セグメント
以」
二
$2
5
$2
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5
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5
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ラグジヤ リ ー
ウル トラ.プレミアム
ウル トラ .プレミアム以」二
クラツシック .プレミアム
ミツド.プレミアム
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ポピュラー .プレミアム
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単位 1
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テー ブル ワイ ンとは 、 アル コール度 数 1
4%以上の 発泡 酒を除 い た全ての ワ イ ン
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ボ トル 1
2本で9リッ トル
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売 上 高
(
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0
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万)
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滋 晃 :ワイン ・ビジネス研流 の対象 と課題'
図 1 米国におけるテーブル ・ワイン流通量 (
1980年-2005年)
(
単位 :
1
00万ガロン)
600
500
400
300
200
1
00
0
80818283848586878889909192939495969798992001020304 05
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か ら判 るように、生産量 におけるジャダ ・クラスのワインの比率は年々低下 し、カ リフォ
ルニアにおいてはプ レミアム ・クラス以上の クラスにワイン産業 としての生産の童心が移
って きていることを物語 っているといえよう。そ して、 この傾向はワイン産出国における
慨界的な傾 向 として押 さえてお く必要がある。
以上 よ り、 ワイン産出国に関 しては、「ワイン常飲 国」 としての大 きな国内消費鼠への
対応 と共に輸出にも大 きなウエイ トを持つ ような形態、その中で もフランスの ように高品
質 ワインを重点的に輸出 し国内消費登の不足分 をイタリア等の他国か ら輸入 しているよう
な形態 、アルゼンチ ンのような 「ワイン常飲国」での自給 自足的なワイン生産の形態、米
国のように 「ワイン非常飲国」でありなが らワイン生産 と消費が共に増加 しつつ も生産 が
追いつかず輸入に も大 きく依存 しているような形態 、オース トラリアのように国内消費曳
以上の生産が輸出を前提 に行なわれような形態、そ して、日本のように 「ワイン非常飲固」
であり 1人当た りの消費蕊 もまだまだ低いが、 しか しワイン消費量の着実 な増加の下 に国
産 ワインと輸入 ワインが量的に培抗 しているような形態等、様 々な形態の ワイン産出国が
存在す る。
(2)現状におけるワイン生産 ・流通 ・消費の諸特徴
ワイン生産 はワイナ リー
6)で行 なわれ、その工程 は、 日本酒等他の酒類の生産工程 と
比較す ると技術的には単純 だといえる。そこで、まず現状におけるワイン生産 ・流通 ・消
費の諸特徴 を整理 しておこう。
-2
01-
生物狩源経済研究
第 1の特徴は、 ワイン生産 はその技術 的特質か らワイン用 ブ ドウ栽培 と地理 的に強 く結
びつ いていることで ある。 ワ イナ リーは、通常、一定の ゲ インヤー ド7
)を併設 してお り、
そこか ら地理 的に離れては存立 で きな い 。 この ことは、 ワイン以外の酒類 と根本的 に異な
る特徴で ある。 これ は、 ブ ドウとい う果実の特 色か ら、 ワイン用 ブ ドウを収穫 しクラッシ
ュ8)す るまでの時 間 をで きるだけ短 くす る ことが求 め られ、米や変等の他 の酒類 の原料
の よ うに貯蔵す ることが極 めて困難で あることによる。特 に、高品質 ワインはどこの点が
重要 となる。
第 2は、 ワインが販売 可能 な商品にな るまでには長期の生産期間が必要 となることであ
る。新規 にヴ インヤー ドを開 いた場合 、 ワイン用 ブ ドウが収穫で きるまでに潰本所桶 か ら
最低 3年 を必要 と し、 ヌーボー ・ス タイル f
)
)の ワインを除 けば、そ こか ら白 ワインで さ
らに最低 1年 、赤 ワイ ンで最低 2年程度 の期間が必要 となる
。
第 3は、 ワインは、その商品 と しての種類 が原料 となるワイン用 ブ ドウ品種の多様性 を
反映 し、赤 ワイン、白 ワイン、 ロゼ ・ワインとい う分類 を大 きな括 りとしなが らもその 中
での商品アイテム数 が極 めて多 く、その差異 に対す る一定の認識 とコンセ ンサスが消費者
サ イ ドで成立 して いることで ある。
第 4は、さらに上記の同 じ商品 アイテム内で も品質差 を反映 した価格差 が極 めて大 きく、
「ワイン常飲 園」 で一般 に飲 まれて い る ジャダ ・クラスの ワインか ら投機の対象 となるよ
品質) ピラ ミ
うなカル ト・クラスの ワインまで衷 4で示 したよ うに レンジの大 きな価格 (
ッ ドが存在す ることで ある
。
第 5は、第 3、第 4の特徴 とも関連 す るが、米国等の ワイン産出国における個別 ワイン
生産経営の経営規模 や経営形態 を見 る と、年間 1
00
0ケ-ス10) 以下程度の ホ ビー的生産経
営か ら1
0
0
0万 ケース以上の大規模企業 的経営 まで様 々な規模 や経営形態の ワイナ リーが並
存 し、かつ各 ワイナ リーで生産 され るワイ ンの商品 アイテムは独 自のマーケ ッ ト・ポ ジシ
ョンを持 っているとい うことで ある。言 い替 えれば、ワイン生産市場の競争構造は、極 め
て独 占的競争構造 で あるとい えよ う。
(3)現状 におけるワイン生産 ・流通 ・消費 を取巻 く状況の諸特徴
次 に、現状 におけるワイン生産 ・流通 ・消費 を取巻 く状況の諸特徴 を整理 してお こう。
まず第 1に、 ワイ ンがアル コ-ル含有飲料で あるために、団や州 によって様 々な法律 や制
度 が存在す ることで ある。 また、 フランスの 「
A.
0.
C.
」(
原産地統 制呼称) に代表 され る
認証制度 や様 々な レベルの 「ワイ ン法 」 ll
)が多 くの ワイン産 出国 に存在 し、-・
定の規 制
は存在す るものの それ らの園におけるワイン生産 ・流通 ・消費 を・
面で保護 し、そ こでの
生産者 ブラン ドの確立 ・維持 に大 きな役割 も果 た して きている。
第 2に、 ワイン生産 には様 々な生産関連資材 を必要 とす るが、その中で も特 に熟成用の
樽 と壌熟成用の コル クの供給 は、 ワイン用 ブ ドウと同様 に高品質 ワイン生産 とその品質の
-2
0
2-
小川滋晃 :ワイン ・ビジネス研究の対 象と淋越'
維持 ・向上 に必要不 可欠 な独特 の生産 資材 で あ る。 これ らの生産 資柳 ま工業化 に よる大 き
遺
生産 が困 難
1
2) で 、その供給
は ワイナ リー と同様 に手作 業 が 中心 の家 内工業 的生 産 に依 存
して い るO さらに、両者 共 にオ ー クや コル クの木材 生産 を前提 と してお り、その意味 で ワ
イ ン生産 は農業 と林業 を共 に基礎 と した産業 で あ る と もい えよ う。
第
3に 、商品 と しての ワインの官能 (セ ンサ リ-)評価 は、 プ レ ミア ム ・ク ラス以上 の
ワイ ン流 通 につ いて極 めて重要 で あ る。 ワイ ン ・オ ー クシ ョン13)、 コ ンテス
い 4)、 あ るい
は民 間評価機 関 に よる定期 的 な評価 が健 界各地 で実施 され 、その結果 に関す る情報 は様 々
な ワイン関連雑誌や インターネ ッ ト等 を通 じて瞬時に全 世界に行 き渡 る状況 になっているほ)0
つ ま り、 この評価 結 果 が ワイナ リーの収 益構造 を大 きく左右 す る可能性 が あ る とい うこと
で ある。 また、世界各地 で ワイ ン展示 会 や フェステ ィバル が定期 的 に行 なわれ るよ うにな
り、参加者 は世界 各地 の有 名 ワイナ リー等 の ワ インの試飲 や購 入 がで きるだけで な く、 そ
の場 で商談 を行 な うことも可能 とな ってい る
。
第 4に、 カス タム ・ク ラ ッシュ と呼 ばれ る ワイ ン生産 支援 サ ー ビス ・ビジネスが広 範 に
存在 して い ることで あ るO これ は、従来 、 ゲ インヤ - ドのみ を所 有 ・経 営 し独 自の ワイナ
リー を持 たない ゲ インヤ ー ド所有 ・経 営者 や ワイ ン用 ブ ドウ生産者 か ら-定 の料 金 を科 し
て ク ラ ッシュ作 業 を受託 す る ビジネスで あ った。 しか し、今 J
jで は、 この支援 サ - ビス ・
ビジネスの延長線上 に様 々な形態 の支援 サ ー ビス ・ビジネスが存 在す る。具体 的 には 、単
に クラ ッシュ作業 のみの受託 か ら醗酵 、熟成 、噂話 ・ラベル貼 りまでの様 々な ワイ ン生産
に関す る工程受託 、 さらには ワイナ リーの経営指導 、販 売対策 や税務対策の ア ドバ イス等
まで広 範 に存在 す る。 これ らの支援 サ ー ビス ・ビジネスは カス タム ・クラ ッシュ ・オ プ シ
ョンと広 義 に呼 ばれ てい る。
第 5に、 ワイナ リーにお け る近年 の特徴 は、訪 問者 を積極 的 に ワイナ リ弓 こ受 入 れ 、 テ
ーステ ィング ・ル -ム と呼 ばれ る区画 で 自家生産 ワイ ンの試飲 サ ー ビス を行 な った り、 自
家生産 ワイ ンや その他 ワイン関連 グ ッズの販売 を行 な ってい る ことで ある。特 に、試飲 サ
ー ビスは一般 に有料 で行 なわれ てお りワイナ リーの重要 な収 入源 と もな ってい る。 ワイ ン
貯蔵庫 を有料 で開放 し、 レセプ シ ョンや コ ンサ - ト等 に時 間貸 しす る ことも有 名 ワイナ リ
ーで は しば しば行 なわれ るよ うにな って きて い る。
第 6に、 ワイ ン関連 の研究 開発 ・教育 ・普 及 ビジネスが広 範 に存在す る ことで ある
。
具
体 的 には官能評価 を中心 と した ワイ ン ・テ-ステ ィングの方 法 や家庭 におけ る ワイ ン ・メ
-キ ングの方 法 か ら、 ワイ ン用 ブ ドウ生 産 に関す る実 習 や講義 、 ワイ ンの 品質 分析 方法 、
ワイン用 ブ ドウ生産 や ワイ ン醸造 に関 る先端 的 な研究 開発等様 々な レベルでの取 り組 み が
大学 、研究 ・普 及機 関及 び民 間会社 に よ って行 なわれて きてい る。 また、 ワイ ン ・ビジネ
ス関係者 向 けに、 ワイ ン流 通 に関す る法 的規制 問題 や ヴ インヤ ー ドや ワイナ リー経 営 の管
理 問題 、 テー ステ ィング ・ル ー ム経 営 問題等 に関 して 、「
Ho
wt
o」提供 型 か ら問題 解決型
までの様 々な レベルの実 習 や講義 も同様 に提供 され るよ うにな って きてい る。 そ して、 こ
-
2 0 3
-
生物 資源経済研究
れ らのサー ビスの提供 に関 しては大学 、研究 ・普及機 関及び民間会社 が、それぞれ に固有
の役割 を果 た して きているといえる。
第
7に、近年 、特定地域 における急速 なヴ インヤー ドや ワイナ リ-の新規開墾 ・設立 ・
拡大が ワイン ・ビジネスの拡大 ・進展 と共 に進んでいる。そのために周辺農地や居住地及
び野生動植物等の生息地 における土地利用上の問題やそれ と関連す る環境負荷問題 が大 き
く注 目されて きている。国や州 によって相違 はあるものの環境政策 による様 々な レベルで
の法律や制度等の制約 と監査 ・報告義務 がヴ インヤー ドや ワイナ リー経営者 に科せ られて
きている。
3.ワイン ・ビジネスの枠組み
さて現状 におけるワイン生産 ・流通 ・消費やそれ を取巻 く状況 の諸特徴 を踏 まえると、
ワイン ・ビジネス とい う場合 、① ワイン生産 ビジネス、② ワイン流通 ビジネス、③ ワイン
生産 ・流通 に関す る資材生産 ・供給 ビジネス、④ ワイ ン生産 ・流通 に関す る支援 サー ビ
ス ・ビジネス、⑤ ワインに関す る研究開発 ・教育 ・普及 ビジネスの 5つの領域の ビジネス
に大 きく分類す ることがで きる。
以下 、 これ らの各 ビジネスの具体的内容や形態 を概観 しておこう。
日 )ワイン生産 ビジネス
ワイン生産 ビジネスは、広義 にはワイン用 ブ ドウ生産経営 (
ゲ インヤー ド経営) と狭義
の ワイン生産経営 (
ワイナ リー経営)がその 中心 となるoただ し、既 に指摘 したよ うにワ
イナ リーは一定の ヴ インヤー ドをその周辺や近隣 に併設 ・配置 して存立 してお り、 ワイナ
リーのみの経営 はワイン用 ブ ドウ生産者の協 同組合的な形態 を除 けばほ とんど存在 しない
といえるO-方、ヴ インヤー ドのみの経営 は広範 に存在す るが、 ここで もワイン生産の特
徴か ら、その形態 は特定 ワイナ リーとの何 らかの契約栽培が基本 となっているO
ヴ インヤー ドや ワイナ リ-経営 には国や地域 によ り様 々な規模 や経営形態の経営 が存在
す るO特 にワイナ リー経営 につ いては、その所有者、経営者 、ワインメーカーl
f
S
)
、 ワイン
セラ-従業員17)、その他従業員等の関係 に関 して ワイン生産の特徴か ら様 々な形態 が存在
す るのが一般 的で ある18). また、 ワイナ リ-経営の発展 や売却 ・転売 に関 して も様 々な過
程や条件 が存在す るとい えるO さらに、ワイナ リ-はその周辺 に広 がるヴ インヤー ドと共
に、直接的なワイン生産 だけでな く消費者や観光客 を引付 けるシンボル的施設の役割 も果
たす ことが多 く、そこでは自家生産 ワインの有料でのテーステ ィング ・サービスや直接販
売、 ワイン関連 アイテムの販売、デ ィナーシ ョ-等への ワイナ リ-空間の接供等の ワイン
生産 ビジネスに関連 したサ イ ド ・ビジネスが広範に存在 しているといえる。
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0
4-
小田滋晃 :ワイン ・ビジネス研究の対象 と耕題
(2)ワイン流通 ビジネス
ワイン流通 ビジネスに関 しては、ワイナ リーでの直接販売 を除いて ワイナ リーか ら最終
消費者へ ワインが流通する経路、そこに介在す る主体やその形態が問題 となる。これ らは、
閲や地域 によって も大 きな相違が存在する。例 えばフランスにおけるブルゴーニュとボル
ドーとの対比が有名だが、前者は個別 ワイナ リーが主体的に様 々な流通経路 にアクセスす
るのが一般的で あるが、後者 においては 「アロカシオ ン」
1
9)
と呼ばれ るような慣習的な
制度等の下でネゴシアンが流通の中核 を担 ってお り、各ワイナ リ可 まその年に仕込 まれた
ワインをネゴシアンに先売 りして しまう傾向が強い。
また、我が国の よ うに商社や園内 ワイナ リ-が ワイン産出国か らバル ク20) で ワインを
購入 し、独 自ブラン ドで壊話 した り自家生産 ワインと混合 して壊話 し、既存の流通ルー ト
に乗せて販売す る形態 もある。
さらに、並行輸入の一つの形態 として個人輸入業者による流通 も活発に行なわれてお り、
現地での個人的ネ ッ トワークを挺子 に して対象消費者の好みに木 目細か く対応で きる個人
消費者向けの取引が、矧葦宅急便 とインターネ ッ トを利用 して展開 されて きている。一般
に、商社や大手量販店 は大型 コンテナによる海上輸送でワインを輸送 し国内で流通 させて
お り、 この形態がワイン貿易の主流 となっているが、輸送 日数や輸送環境の問題か らワイ
ンの磐の劣化が しば しば問題 となる21)0
(3)ワイン生産 ・流通に関する資材生産 ・供給 ビジネス
資材生産 ・供給 ビジネスに関 しては、ワイン生産 と同様 にヴ インヤー ドに関す るもの と
ワイナ リーに関す るもの とに大別で きる。
ヴ インヤー ドに関 しては、流動的資材 を除 けば概ね次の 3点が中心 となろう.第 1に苗
木、第 2に作業機械、第 3に瑠璃関係機器 ・設備である。まず、苗木の生産 ・供給 ビジネ
スが挙げ られ るO フ イロキセラ禍 22) を防 ぐための台木 (
ルー トス トック) と各 ブ ドウ品
種 との相性やその接木の方法が この ビジネスの技術的なポイン トとなる。笛木の選択はワ
インの種類や品質 を長期的に左右する重要な経営戦略 ともなる。次 に、作業機械の生産 ・
供給 ビジネスについてであるが、ワイン用ブ ドウ生産 は生果生産 を中心 とした栄樹生塵 と
は異な り、収穫機 をは じめ様 々な機械が導入 されて きている。ただ し、ヴ インヤー ドの立
地 (
平地か傾斜地か、あるいは土質等)、品種 、生産者の ワイン作 りの考 え方の相違等 に
よって様 々なブ ドウ樹の仕立て方が選択可能である。大 きくは棚仕立てか垣根仕立てかで
あるが、世界的には後者が一般的である。 さらに、後者 において も様 々な仕立て方が存在
し、樹高、畝幅 も生産者によって大 きく相違 して くる。 したがって、同 じ機械であって も
地域や各 ゲ インヤ- ドによって様々なオプシ ョンが必要 となったり、あるいは使用 され る
機械体系その ものが全 く異なった りす る場合がある。 また、ワイン産出地域は夏期乾燥型
気候の場合が多 く、水管理 は比較的容易で あるが 「
水」 自体が高価 な資源 となっているO
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0
5-
生物 粉源経済研究
したがって、濯潮 に関す る機 器や資材の生産 ・供給 ビジネスに関 しては、必要最小限の水
をヴ インヤー ドに供給 で きる濯潮 システムが要求 され、そのための測定機器や器具 、設備
)0
が考案 され供給 されている23
ワイナ リーに関 しては、同様 に概 ね次 の 3点が中心 となろう。第 1にブ ドウの破砕 ・搾
汁 ・発酵段階 に関す るもの、第 2に ワイ ンの熟成段階 に関す るもの、第 3に壊話等の段階
に関す るものであるO ブ ドウの破 砕 ・搾 汁 ・発酵段階 に関 しては、除梗破 砕機 、バル ーン
式 ブ ドウ圧搾機 、米酒 循環式 ステ ンレス発酵 タンク等の機械 ・設備生産 ・供給 ビジネスが
r
F
二
心 となって きてい る24)。執成段階 に関 しては、樽生産 ・供給 ビジネスが大 きな領域 を 占
めている。 しか し、樽 は高価 で あ り低価格 ワインには使用で きないため、近年では トース
トしたオーク材のチ ップや空気 が通 るよ うに加工 されたオーク片で樽香や熟成感 をステ ン
レス タンク内で付着す る技術 も考案 されて きているOそ して 、曝詰段階 に関 しては、 まず
ワインの濯過機 と曝詰 ライン施設機器 の生産 ・供給 ビジネス及びそれ と関連 して コル ク生
産 ・供給 ビジネスがr
F
T
J
むとな る。特 に高品質 ワイン生産 を目指す生産者 に とって、 コル ク
は壌熟成のための必須 資材 で あ り、その品質 は ワインの品質その もの を大 きく左右す ると
いえるし、
(4)ワイン生産 ・流通 に関 す る支援サ ー ビス ・ビジネス
ワイン生産 ・流通 に関す る支援 サー ビス ・ビジネスに関 しては、カス タム ・クラ ッシェ
とそのオ プシ ョンとい う形 で大 別 で きる2
5
)
。後者 は さらにハ ー ド面におけ る支援 サー ビ
ス ・ビジネスとソフ ト面 におけ る支援 サー ビス ・ビジネスとに分 けることがで きる。
カスタム ・クラ ッシュとは既 に指摘 したよ うに、 もともとはワイン用 ブ ドウ生産者か ら
の委託 で-虜 の料金の下で クラ ッシュ作業 を代行す るサービスの ことを指す。 このサー ビ
スは、ヴ インヤー ドのみ を所有 ・経営 し独 自の ワイナ リ-を持 たないヴインヤー ド所有 ・
経営者や ワイン用 ブ ドウ生産者 が自家 ブ ラン ドの ワインを生産す るために利 用す るだけで
はない。 自家 ワイナ リーが あって もその規模 が自家 ゲ インヤー ドの規模 と比べて小 さく、
生産 したブ ドウ全豪 を自家 ワイナ リーで処理 で きない場合 、あるいは販売 ワインの ライン
ナ ップが自家 ワイナ リーでは カバ ーで きない場合 、将来の 自家 ヴ インヤー ドや ワイナ リー
の規模拡大 をスム-ズに図 るための マ-ケ ッ ト ・リサーチに要す る事前販売用 ワインを生
産 す る場合等、利用者側 の L
l的 は多岐 に渡 るoなお、小規模 ワイン用 ブ ドウ生産者のため
には農 協や組合 によ る協 同利 用施 設 を利 用 したクラッシュが多 くの図で行 なわれている。
この カスタム ・クラ ッシュには ワイナ リーでの ワイン作 りの どの工程 まで をどのよ うな管
理作業の 下で引 き受 け るかにつ いて様 々な形態 が存在す る。例 えば ワイナ リーでの全ての
工程管理 を委託者 か ら引 き受 け、壌 詰 まで行 なって委託者 に手渡す場合
26) や委託者 か ら
提示 されたある工程管理 まで をその提示 された方法 に従 って行な う場合 などがある。
次 に、カス タム ・クラッシュ ・オプシ ョンは、基本的には ワイン用 ブ ドウ生産か ら駿終
-2
0
6-
小口l
滋 晃 :ワ イン ・ビジ ネ ス研究の対象 と課題
的な ワイン販売 や ヴ インヤー ド経営 、 ワ イナ リ-経営 に至 るまで、カスタム ・クラッシュ
以外の様 々なハ ー ド蘭 ・ソフ ト面 に関す る支援 サ-ビスを含むOハ ー ド面 に関 しては様 々
な作業代行サ- ビスが存在 してお り、ヘ リコプ ターによる薬剤等の空 中散布か ら壌詰 ・ラ
ベル貼 り作業 まで広範 な領域 に渡 ってい る。他方 、 ソフ ト面 に関 してはハ ー ド面以W
日二多
岐 に渡 ってい る。具体的 には、 ゲ インヤ- ドや ワイナ リーでの純粋に技術 に関す る情報提
供 や指導か ら、・
般経営管理 、財務 ・資金管理 、税金対策、規模拡大 ・設備拡充等 におけ
る投資問題等 に関す るア ドバ イザ リー ・サー ビスや代行サービス、 さらには新規 ワイナ リ
ーの コンセプ ト作 りや設計 、 ワイン ・ラベルのデザイン作成等 に関す る支援 サー ビス、ゲ
インヤー ドや ワイナ リー を購 入 ・売却す る場合 などの鑑定サー ビス等 まで多様 な支援 サー
ビス ・ビジネスが存在 してい る。
(5)ワインに関す る研 究開発 ・教育 ・普及 ビジネス
まず 、 ワイ ンに関す る教育 ・普及 ビジネスは、イギ リスを中心 に展開 された様 々な ワイ
9
7
3
年 に イギ リス人の ステ イ-ヴン ・スバ リュア氏 がパ リにアカ
ン啓蒙晋 を別 とすれば 、1
デ ミー ・デュ ・バ ン27) を設立 したの が世界 におけるこの種 ビジネスの展 開の契機 にな っ
たと言 われてい る
O
この よ うな 「ワ イン学校」 は基本的に 「ワイン非常飲 園」の人々を対
象 と して きた とい えるO この種 の教育 ・普及は、消費者対象の領域 とホ ビー的生産者や小
規模生産者 を含む ゲ インヤー ドや ワイナ リ-の経営者や従業員 を対象 とした領域 、及び流
通業者等 その他 関連主体 を対 象 と した領域 に大別す ることがで きる。
さらに、ワインに関す る研究 開発領域 では、ワイン用 ブ ドウ生産 に関す る栽培学や農業
工学領域 とワイン醸造 に関す る発酵工学領域 と並 んで、樽 に欧米では、官能評価学領 域 が
いわゆ る 「フー ド ・サ イエ ンス」領域の 中で重要 な部分 を占めている0
また、生産者 や経営者及びその他 の関連主体向けのセ ミナーや シンポジューム、研究会
が、大学 、研 究 ・普及機 関や民 間の ア ドバ イザ リー会社等 によって様 々な形態 で研 究 開
発 ・教育 ・普及 ビジネスの-▲
環 と して展 開 されて きている。そ こでは、小規模 ヴ インヤー
ドや ワイナ リ-経営へ の新規 参入者 を対象 とした ものか ら、既存の ヴ インヤー ドや ワイナ
リー経営者、銀行や会計事務所 、ア ドバ イザ リ-会社や一般投資家 まで参加す る情報交換
を中心 と した もの まで、様 々な規模 や形態の事例 が認め られ る。なお、ゲ インヤー ドや ワ
イナ リ-経営者や生産者 に対す る研究 開発 ・教育 ・普及 ビジネスは、経営支援サービスの
一部 と して も押 さえることがで きよ う。
-2
0
7-
生物 幣源経済研究
4.ワイン ・ビジネスに関する研究課題
以上 、 ワイン生産 ・流通 ・消費やそれ を取巻 く状況の諸特徴及び ワイン ・ビジネスに関
す るアウ ト・ラインを踏 まえると、 ワイン ・ビジネスに関す る研究課題 は、次の よ うに整
理す ることがで きよう。
課題 1:ワインの商品的及び消費の特質 とそれ を形成 して きた文化 ・歴史及び技術 に
関す る研究
課題 2:ワイン用 ブ ドウ生産及び ワイン生産 に関す る盛業組織の研究
課題 3:ヴ インヤ- ド及び ワイナ リー経営 に関す る様 々な経営管理の特質 と問題及び
それ らの個別経営の展開 ・発展 に関す る研究
課題 4:カスタム ・クラッシュに代表 され るワイン関連産業の動向及び ワイン産業へ
及ぼす影響 とそれ らの個別経営の展開 ・発展 に関す る研究
課題 5:ワイン関連の研究開発 ・教育 ・普及における大学、研究 ・普及機 関及び民間
会社の役割 とワイン産業 に とっての位置付 けに関す る研究
マーケテ イングにおける特質 とそれが ワイン産業へ及ぼす責
i
3饗 と問
課題 6:ワイン・
題 に関す る研究
課題 7 :ワインの官能評佃は それがワイン座業へ及ぼす影響 と問題 に関す る研究
課題 8 :ワインの生産 ・流通 ・消費 に関す る法律 ・制度 とそれがワイン産業へ及ぼす
影響 と問題 に関す る研究
9:ワイン産業の発展 が地域農業や地域経済へ及ぼす影響 と問題 に関す る研究
0:ワイン産業 における土地利矧 閤題及び環境問題 とそれが ワイン産業へ及ぼす
課題 1
課題
影響 と問題 に関す る研究
(日 第 1課題 について
当課題 は、「ワイン常飲 国」 で今 日まで大嵐 に消 費 されて きてい るジャダ ・クラスの ワ
インか ら今 r
:
l世界的規模でその消費が拡大 ・普及 しつつ あるプ レミアム ・クラス以上の ワ
インまでの様 々な レベルで位置付 け られ るワインの商品的特質及びその消費の特磐 を、ワ
イン醸造技術の進歩 とワインの 「
作 り手」の考 え方及び各国の食文化の変遷 とに焦点 を当
てなが ら明 らかにす ることである28)。そこでは、代替材の生産 ・消費の動向や消費者の年
齢 ・世代 ・時代等 を考慮す ることも課題への接近 において重要 となろう。
(2)第 2課題 について
当課題 は、ワイン用ブ ドウ生産及び ワイン生産 を中心 と したワイン産業及び ワイン関連
産業の水平的 ・垂直的な産業組織 の変遷及び変化の動向 を踏 まえ、その実態や特色 、展開
-2
0
8-
小r
Il
滋 晃 :ワイン ・ビジネス研究の対象 と錬成
論理 を各国の ワイン産業及び ワイン関連産業 を取巻 く経済環境や国際貿易 ・流通環境等 を
課題 1と関連 させつつ考慮 し、 さらには課題 8とも関連す るがアル コール含有飲料 と して
の法的 凋 り
度 的条件 も考慮 しなが ら明 らかにす ることにある。
(3)第 3課題 について
ヴ インヤー ド及び ワイナ リー経営 は、敏綿製品の ラインナ ップと各アイテムのボ リュー
ムにもよるが、果樹農業生産の特質 としての年々の ブ ドウ収嵐及び品質変動 に加 え、最終
製品 と しての ワインにたどり着 くまでに長期間 を要 し、様 々な段階で種 々の リスクを被 る
状況 に絶 えず晒 されてい る。 そ こで、当課題 は ゲ インヤー ド及び ワイナ リー経営 に関 る
様 々な経営管理 問題 を整理 し、個別経営管理の各局面 における特質及び論理 と問題 を明 ら
かにす ることにある。特 にワイナ リー経営 においては、その特質か ら在庫管理問題 を中心
に資金 の動 向 ・変化 に着 目 した フ ァイナ ンシャル ・マメ-ジメン ト29) に関す る特質や論
理 、問題 をその他の経営管矧 濁題の 中心 に据 えなが ら、経営形態の相違や変化、経営発展
の有 り方 ・方向 との関連で明 らかにす ることが重要 となる。
(4)第 4課題 について
現在 、カス タム ・クラッシュ及びそのオプシ ョンと して括 られ るワイン関連産業 は、カ
リフォルニアを中心 と したワイン新興地域 において 目覚 しい発展 と展開 を成 し遂 げて きて
いる。当課題 は、課題 2とも関連す るが、 ここではこれ らの ワイン関連産業 をワイン産業
の支援 サービス産業 と位置付 ける。そ して、各支援サービス提供主体の経営形態や個別経
営問題 に焦点 を当て、各支援サー ビスの必要性 、必要 となって きた経緯 、各支援サービス
の提供形態 、取引の特徴、問題 、今後の展開方向等 を図や州 における関連制度 ・法律の規
制等 を考慮 しつつ明 らかにす る.その上で、 これ らの各支援サービスが ワイン産業 に与 え
る影響 と問題 を明 らかにす ることにある。
(5)第 5課題 について
ワインに関す る研究開発 ・教育 ・普及に関 しては、大学、研究 ・普及機 関及び民間会社
の役割分担 が重要 となる.樽 に民間では提供 が困難 な領域での役割が、研究開発 を中心 に
して大学及び研究 ・普及機 関には求め られ る。そ こで、当課題 は、ワイン産業及び ワイン
関連産業の発展 ・展 開 を幌みつつ、その中での大学、研究 ・普及機関及び民間会社のそれ
ぞれが担 うべ き研究開発 ・教育 ・普及の対象領域や有 り方 を、課題 4とも関連 させなが ら
現状での取 り組みの事例分析 を重視 して明 らかにす ることにある。
(6)第 6課題 について
「ワイン常飲国」 とそれ以外の国 とでは食文化 におけるワインの位置 に関 して大 きな相
-2
0
9-
王
国勿扮源経済研究
違があるといえる。 また、 晴好品 とい う性格上 、先進国 と途上国の間で も大 きな相違 があ
るといえようOさらには、裸題 8とも関連す るがアル コール含有飲料 としてその流通 には、
図や州 によって も異なっている法律や制度 による様 々な規 制が大 きな影響 を及ぼす といえ
る
O
また、最近ではインターネッ トの普及 による新 たな流通チ ャンネルの紬 役 ・展 開 も始
まって きている。当課題 は、この ような状況 や条件 を考慮 しなが ら、国や州 におけるワイ
ン ・マーケテ イング ・チ ャンネルや経路の実態 を明 らかに し、その特質 と問題 を整理
・解
明す る。 その上で国内流通、匡
日
登流通の双方 に着 日しつつ ワイン ・マーケテ イングの今後
i
j響 を明 らかにす ることにある。
の展開の方向 とそれが ワイン産業 に与 える宕
(7)第 7課題 について
プレ ミアム ・クラス以上の高品質 ワインに関 しては、専門家等による官能評価 を基礎 と
した様 々な評価情報 が ワインの流通 ・消費市場 に大 きな毎
日轡 を与 えている.そこで、当課
題 は、 まず ワイン官能評価の特徴 と問題点 を他の加工食品に対す る官能評価の方法 と対比
しなが ら明 らかにす る。その上で、官能評価情報 がワイン産業 に与 える影響 をこれ までの
実態 か ら明 らかに し、 さらにそ こでの問題 を課題
6と関連 させつつ検討 し、官能評価の有
り方 に関 して-・
定の方向 を提示す ることにある。
(8)第 8課題 について
既 に指摘 したようにワインに関 しては図や州 によって様 々な法律や制度 が存在す る。 こ
の ことは当然、課 題 2、6とも関連 し、図や州の ワイン産業の産業組織やマーケテ イング
に与件 と して大 きく影響す る。そ こで、当課題 は、ワインの生産 ・流通 ・消費に関す る各
国における法律や制度 を比較 ・整理 し、生産 ・流通 ・消費の各局面 における宕
i
3響 と問題 を
明 らかにす ることにある。
(9)第 9課題 について
ワイン生産の 中心 となるワイナ リー とその周辺 に展開す るヴ インヤー ドは、ワイン生産
の特質か ら当該地域の土地 か ら離れ ることが困難である。ガス タンクの ような大規模 なワ
イン醸造 タンクが林 立 し、あたか も石油 コンビナー トの よ うな様相 を星 している大規模 ワ
イナ リーか ら、 ブテ ィック ・ワイナ リー30) と呼 ばれ る小規模 ワイナ リーまで様 々な規模
や経営形態の ワイナ リーが存在す るが、各 ワイナ リ可 ま当該地域の シンボル的存在 となっ
ている場令 が多い。それ らbl
L一
地域 に複数存在す る場合 もある。そこで、当課題 は、地域
清橡化に果 たす ゲ インヤー ドや ワイナ リーの役割 に着 目しなが ら、それ らが座業 と して地
域農業 ・地域経済 に与 える ミクロ的 ・マ クロ的影響 ・効果 を産地諭 も加味 しつつ明 らかに
す ることにある。
-21
0-
小川滋晃 :ワイン ・ビジネス研究の対 象と経過
(
10)第10課題 について
当課題 は、近年、農業生産一般 に関 る問題 と して認識 されて きてい るが、 これ らの問題
が、今後 、 ヴ インヤー ドや ワイナ リー経営 に大 きな寿
を
3響 を与・
えるであろ うことは十分予想
され る。 そ こで、当課題 はゲ インヤ- ドや ワイナ リーの展 開 ・拡大 に伴 う土地利 用計画 問
題 や環境負荷 問題 を ミクロ及び マ クロの両視点 か ら盤埋 し、それ らの問題 が ワイ ン産業 に
与 える影響 を国や州 による環境政策 との関連 を重視 しつつ明 らかにす ることにある
O
5.ワイン ・ビジネス研究に期待 される学術的特色 と展開方向
前節で ワイ ン ・ビジネス研究 の課題 を1
0の課題 に分類 ・生理 したが、 これ らを トー タル
で見た場合 、次 の よ うな学術的特 色 と意義 を有 してい ると考 え られ る0
第 1に、果樹加工産業の競争構造 は、 ジュ-ス、缶詰産業 に代表 され るよ うに寡 Ⅰ
封f
t
j競
争構造 が-般 的で ある。 しか し、それ に対 して ワイン生産座業 は 「ニ ッチ」 と 「ポ ジシ ョ
ニ ング」 をキー ワ- ドと した典型的 な独 占的競争構造 を星 してお り、その競争構造の存立
条件 の ミクロ ・マ クロ及び園内 ・国外 それ ぞれの両 サ イ ドを視野 に入れ た多角的 ・構造的
解明は世界的 に も進 んでお らず 、 この間題の解明 は農産物加工産業全般の競争構 造の解明
に とって大 きな布石 にな ると考 え られ るO
第 2に、 ワイン生産 ビジネスは図や地域 、経営類型等 による差異 はあるものの その性格
上 、長期 的 視点 に立 った巨額の投 資 と年 々の短 期的 な資金 フロー管理 が、栄樹農業生産 に
特有の様 々な リスクへの対応 を前提 に して個別経営管理上 同時 に要求 され る。その意味 で、
通常の コス ト ・ベ ネ フ ィッ ト管理 や資金
管理 の枠組 みで は解 明 しきれ ない経営管理 上の
)が経営者 に要求 され ると考 え られ るO その経 営管理 上の 「
妙味」の解明は、 ワ
「
妙味 」 31
イン生産 ビジネスへの応用 だけでな く、今後 アグ リビジネスと しての果樹加工 あ るいは農
産物加工経営一般への応秤目こおいて も大 な意義 を有す ると考 え られ る。
第 3に、カス タム ・クラ ッシュ及びそのオプシ ョンと して括 られ るワイン関連 ビジネス
は、園や州 、地域等 におけるワイン産業 を取巻 く様 々な経済状況 や条件等 によってその展
開 ・発展 の経緯 や方 向が基本的に規定 されて くる。当然 、 ワイ ンの生産 ・流通 ・消 費 に関
す る制度 ・法律の規制 に も大 きく影響 され るで あろ う。 その意味 で、広 範 に展 開 してい る
経営支援 サー ビス ・ビジネスを様 々な局面や角度 か ら生理 ・分析 し、その展開の条件 や論
理 を解明す ることは、研究 開発 ・教育 ・普及に関す る大学 、研究 ・普及機 関及び民間会社
の役割分担 や それぞれの役割の有 り方 を解明す ることと併わせて 、今後 ます ます重要 とな
るであろ う 「
農業 における経営支援」 に関す る研究領域 において大 きく貫献す る と考 え ら
れ る。
第 4に、従来農産物 及びその如二
に品の生産 ・流通 ・消費 に関す る分析 において、官能評
- 2 11
1
生物 資源経研研究
価 とい う視点 はほ とん ど考慮 されず 、消 費者への食味等の ラフな形式の ア ンケー ト調査 に
よる方法 がほ とん どで あった とい えるo Lか し、 ワイ ン産業 においては官能評価の問題 は
生産 ・消 費分桝 の両面 において避 けて通 ることがで きず 、 この研究領域 における課題への
接近方法や課題 の解明 は農 産物 及びその加工品の生産 ・消 費分析 に新 たな視点 を提供す る
可能性 が期待 され る。
第
5に、 フランスの 「
A.
0.
C,
」等 に代表 され るワイン認証制度 は、世界的 に消 費者 まで
含めて広 く認知 されて お り、様 々な農産物 におけ る認証制度の 中で も際立 った存在 となっ
てい る。 したが って、国際比較 を通 じた ワイン認証制度 の研究 は、今後広 く農産物 におけ
る認証制度の有 り方や問題 を生産 ・流通 ・消 費の各局面 において解明す る上 で極 めて重要
な情報 を提供 す ることが期待 され る。
産地」 と して位置付 け ること
第 6に、 ワイン産 出地域 はワイ ン用 ブ ドウ及び ワインの 「
がで きる。 さらにその地域 には、 シ ンボル的存在 と しての ワイナ リー、 ワイン用 ブ ドウ生
産者 、 レス トランや様 々な食材店等 も含 めた ワイン関連の様 々な主体 と地域住民等の その
他の主体 とが共存 して お り、 ワイ ン生産 をその 中心 と した地域農業 や地域経済の展 開の域
と して位置付 けることも重要 とな る。 この よ うにワイン産 出地域 においては慮地発展 と地
域農業 、地域経済の活性化 とは互 いに密接 に関連 してお り、 この種領域での研究 は従来の
産地論 と地域農業論 、地域経済論 との関連 を明確 に しつつ 、そ こに新 たな視点 を提供す る
可能性 が期待 され る。
6. まとめ
近年 、 ワイン消 費の動 向は少 な くとも我 が国 も含め先進諸国の食文化 に多大 な影響 を及
ぼ して きてお り、今後 もその影響 は食文化の深化 と共 に大 きくなる もの と予想 され る。 そ
れ は、「ワイ ン常飲 国」 において も同様 で、水代 わ りの飲 み物 か ら食文化 を担 う食材 の重
要 な柱へ と大 き く変貌 しつつ あるとい える32)。 この ことは、主要 ワイ ン産 出国にお けるジ
ャダ ・クラスか らプ レ ミアム ・クラス以上の クラスへの生産 シフ トが急速 に進 んでい るこ
とか らも推測 され る。 また、「ジ ョイ ン ト ・ベ ンチ ャー」
33)
方式 での認知度 の高 い ワイナ
リ-間の国際提携 による新 たな コ ンセプ トを持つ ワイナ リーの設立 や ワイ ンの開発 、オー
ス トラ リアで急速 に進 んでい る ワイナ リー間の統 合 ・合併 、米国等 の 「ワイ ン非常飲 団」
におけるブテ ィック ・ワイナ リー等の小規模 ワイナ リー新設の急増等、 この 1
0
年程度 の間
に国際的 な ワイン ・ビジネスを巡 る状況 は大 きく様 変 わ りしつつ あるとい えるO さらに、
2
0
0
1
年 9月 よ りユ ー ロネ クス ト 34) において ワイ ン先物取 引 が フランス ・ボル ドー産 高品
質赤 ワインを対象 に世界 に先駆 けて始 め られ たO これ は、先物市場の持つヘ ッジ機 能 によ
り、常 に大 きな価格変動 を持つ高品質 ワインの生産 ・消費 を世界規模 で円滑化す ることを
-
2 1
2 -
小川滋晃 :ワイン ・ビジネス研究の対象と淋題
狙 った もので あり、今後、他地域や他国産の高品質 ワインにも拡大 してい くことが計画 さ
れている。 この ような状況 を考慮す るな ら、 ワイン ・ビジネスにおいては、座業 と しての
規模の拡大 と磐の高度化、構造の竣雑化が、各国において多様 な経綿 を経 なが ら進行 して
きているとい えよ う。その意味で、ワイン ・ビジネス研究 は、その展開の経緯 か ら比較研
究 も含めて極 めて矧 幣的の視野 での分析 ・解明が必要 となろう.そ こでは、「ワイン常飲
同」 と
「ワイン非常飲 園」、その 中での ワインの生産 ・流通 ・消 費、輸 出入、制度 や規制
等 を視野 に入れなが ら、それ らの条件 や変化の方向に留意す ることが絶 えず求め られ よ う。
そこでは、今後、大 きくはアグ リビジネス諭、地域農業諭、食文化諭の各研究領域 におい
て新 しい知見や展 開の可能性 が期待で きるもの と考 え られ る。
注
1)本稿 は、筆者 がJ
P)
鋸1
年度文部科学省長期在外研究 員 (
甲種 ) と して 平成 1
2年 3月21日か ら
3年 1月1
8日まで米固 カ リフ ォルニ ア大学 デー ビス校 において 「果樹股業 及び栄 樹加工成
平成 1
業の展開 ・発展 とフ ァイナ ンシャル ・マ ネージメン トに関す る研究」 に従事 してい る期 間の調
査研究 の成栄に基づいて構想 され た もので ある0
2) ワイン用、 ジュース用 、干 しブ ドウ用、生食用の全ての用途別 ブ ドウが対象。
3)本稿 で は地 中海諸国 に代表 され るよ うな、 ワイ ンをその団の食文化の 中で 日常 的 な飲 み物 と
して生産 ・消費 して きた国 を指す.
4)本稿 で は イギ リスや 日本の よ うに ワインをその園の食文化の 中には本来持 たず 、外来的 なア
つ として事受 して きた園 を指す。
ル コール 含有飲料の-・
5)多民族国家 として一部例外 もある0
6) ワイン醸造所の ことをい うO フランスでは 「シャ トー」や 「ドメ-ヌ」 ともい う。
7) ワイ ン用 ブ ドウ棚の ことをい う。
8) ブ ドウを破砕す ること。
9) 「,
ii
L ジ ョレ ・ヌーボー」 に代表 され るマセ ラシオ ン ・カル ボニ ック法 による早出 しワインの
ス タイル。原料 ブ ドウを収穫 した年 に販売 され るo
l
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)通常 1ケースは7
5
0
ml
ボ トル1
2
本分で 9リッ トル と換算 され るo
ll)我 が匝l
で は ワインに関す る法規 制 は、酒税法で規定 され た ものだけで果実酒の 中にひ と括 り
に されてい る。欧米諸国にあるよ うな 「ワイン法」 といえる法律 は存在 しない。
1
2
)低価格 ワインには、大殿生産 が可能 な代替 コル クが使用 され ることがある0
1
3) フランス ・ブル ゴーニ ュの 「オ ス ビス ・ド ・ボー ヌ」等 が古 くか らの ワイ ン ・オー クシ ョン
として知 られてい る
。
1
4) 「インターナ シ ョナル ・ワイン ・ア ン ド .ス ピ リッツ ・コンペテ ィシ ョン」が国際的 にi
孜も権
威の あるコンテス トと して知 られてい る0
1
5)これ らの結果次第で 、無名の ワイナ リーの製品が国際市場 に突如l
現れ た り、 あるいは特定 ワ
イナ リ-の特定銘柄 ワインが買い 占め られ て市場 か ら突如倭 を消 した り、逆 に これ まで売れ て
いたワイナ リ-の製品 が突如買い控 え られ ワイナ リー経営 が行 き詰 まるとい ったよ うな状況 が、
近年頻繁 に発生 して きている。
1
6) ワイナ リ-において ワインの ス タイルや コ ンセプ トを決定 し、あるいは既 に決定 され たス タ
イルや コ ンセプ トを前提 に、ワイン生産工程 に責任 を持つ高度 なワイン醸造技術 を持 った職人0
- 213 -
生物資源経演研究
1
7) ワインメーカーのlrでワイン生塵 に闘 賓携わ る職人。
1
8) ホビー的生塵経営 を含む小規模 ワイナ リーは別 として 、年 問1
0万 ケース以上の中 ・大規模 ワ
イナ リーでは、所有者、経営者 、ワインメーカーがそれぞれ分離 している場合が多い。
1
9
)各 シャ トーの醸造 ワインに関す るネゴシアン問の伝統的な分配 システム。
2
0
)樽や タンクのような大 きな容器での取引における荷姿の形態。
2
1
)特 に、日本 は ヨーロッパや カ リフォルニア、オース トラ リア等の どの主要 ワイン塵 山地城か
らも遠 い。一
方、空輸 が主体の 図際宅急便 を利用すれば、例 えば 世界の どの主要 ワイン庶出地
域 か らで もほぼ 3-5日で 日本の消費者 にワインが届 くOただ し、その場合 、一定の輸送費や
関税が追加的 曹月は して必要 とな り、 ワインの価格 レベルや数鼠によって負租の比率 が変わ っ
て くるO そ して、我が団において も様 々なアイテムの ワインを楽 しむ とい う趣 旨で、小人数グ
ループによる購入がこの種個人輸入業者 と結びついている事例が少なか らず認め られ る。
2
2)米【
:
糾い酉 部原産の ブ ドウの厳 に等生す る事由。 ヨーロ ッパや米国カ リフォルニア等でかつて
ゲ インヤー ド全滅の危機 に晒 されたことがあるO この害虫 に対抗す るためにはこの害虫 に耐性
を持 った台木 (
ルー トス トソク)が必要 となる。
23)近年では、ブ ドウ樹の薬一
一
枚の水煮気分圧 の測定機 器か ら ドロップ ・イ 1
)ダーシ ョン ・シス
テムまで様 々な機 器や システムが考案 されてお り、多様 な供給 主体によって供給 されて きてい
る
。
2
4
) しか し、 この ような 「工業化」的生産への流れに対 して伝統的な樽発酵へのl
司堀 が、高品質
ワイン生塵 を目指す ワイナ リーで近年広範 に見 られ るように もなって きた。
25) この分類 は、この種のサー ビス ・ビジネスの発展 ・展開が広範に行 なわれて きてい る米国 カ
リフォルニアにおける経綿 を踏 まえてたものである。
26)一郎、次のカスタム ・クラッシュ ・オプシ ョンのハー ド面に偶す ると考えられ る二
l
二
樫 も含む。
27) アカデ ミー ・デュ ・バ ンは、今 r
:
(
、一般消費者向けの 「ワイン学校」 と共に ソム リエ等消費
者 と向 き合 う専門家向けの 「ワイン学校」 として も世界的に認め られている。
2
8
)この領域 に関連 した文献 としては、文献 日 工 [
1
4
]、[
1
5
]が挙げ られる。
29)欧米で使用 され る 「ファイナ ンシャル ・マネージメン ト」 とい う用語 は、財務管男l
ま
に関 る多
くの話局面での経営管理 を嚢 しているとい える。 ここでは、特 に資金会紺 B
j面 を中心 と した経
営管理の ことを指 している。
30)基本的に家族経営が主体の小規模 ワイナ リーで、かつ ワイン醸造 にこだわ りを持 ち、特定の
アイテムに的を絞 りつつ独 巨げ ラン ドの高品質 ワインを小規模に生産す るワイナ リーを指す。
31
)"
Ac
qui
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一
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"に対応す る0
3
2)詳細 は
、
文
献
[日 を参照。
3
3
)この事例では、米 l
藁l
カ リフォルニアの 「ロバ ー ト・モ ンダビ ・ワイナ ]
)-」 とフランス ・ボ
ル ドーの 「シャ トー ・ムー トン ・ロッチル ド」 との提携 による 「オーパ ス ・ワン ・ワイナ リー」
が有名。
3
4
)1
9
9
9
年 1月の通貨統食 (
ユ ーロ誕生) を契機 と し、2
000
年9月にパ リ、アムステル ダム、ブ
リュ ッセルの 3つの証券収引締が合併 して発足 した新証券取引所。
-2
1
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小川滋 晃 :ワイン .ビジネス研究の対象 と謀,
1
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【
参 考文 献 】
日 ]麻井字 介 旺ヒ較 ワ イン文化考 一教饗 と しての 酒学 -県
中央公論新社 、1981年 5月
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4〕麻井寧 介 『ワイ ンづ くりの懸想 一鉱酸 地 神 請 を適 えて 一過、I
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紀におけるアルコール飲料の動態的諸
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5]麻 升字 介 『
麻井手介対論
相』、(輔醸造座業新聞社 、2001年10月
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215-
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