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学習指導案(PDF:2247KB)

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学習指導案(PDF:2247KB)
第1学年
道徳学習指導案
平成25年10月8日(火)第5校時
1
主題名
2
資料名
強い心をもって
内容項目〔1―(3)勇気〕
「せいろくのゆうき」
(出典 彩の国の道徳 道徳教育指導資料集「学級づくりの羅針盤」
埼玉県教育委員会)
3 主題設定の理由
(1)ねらいとする道徳的価値について
本主題は、低学年の内容項目1-(3)「よいことと悪いことの区別をし、よいと思
うことを進んで行う。」ことをねらいとしている。これは、中学年の1-(3)「正しい
と判断したことは、勇気をもって行う。」及び高学年の1-(2)
「より高い目標を立て、
希望と勇気をもってくじけないで努力する。」1-(3)「自由を大切にし、自律的で責
任のある行動をする。」へと発展していく。
人としてやってよいこと、してはならないことをしっかりと区別したり、判断したり
する力は幼い時期から徹底して身に付けていくべきものである。しかし、時に人は、悪
いことと知りつつも周囲に流されてしまったり、自分の弱さに負けてしまったりするこ
とも往々にしてある。そこで本時では、勇気をもって正しいことを主張していくことの
大切さを考えさせていきたいと考え、本主題を設定した。
(2)児童の実態について
本学級の児童は明るく素直で、言われたことをきちんと守り、自分のめあてに向かっ
て努力することができる児童が多い。晴れた日の休み時間には、男女混じって大人数で
鬼ごっこをしたり、ドッジボールをしたりして遊ぶことが大好きである。友だちが困っ
ている時には、優しく声をかける場面もよく見られる。
しかし、その一方で、自らが間違ったことをしてしまった時に、なかなか本当のこと
が言えなかったり、友だちの間違いを見つけた時に、注意することができなかったりす
ることもある。小学校の生活を送っていく中で、自分で考え、正しく行動することので
きる児童を育てたい。
本主題の授業を行うに当たって、次の質問によるアンケート調査を実施した。(平成
25年7月○日実施)※結果省略
1
2
勇気を出してやったことはありますか。
自分より大きい子が悪いことをしています。あなたはどうしますか。
今回の授業においては、自分の弱い心に負けずに正しく判断し、行動することの大切
さを考えさせる。そして、弱い心を乗り越え、不正に対して正しいことを主張するとい
う本当の勇気についても考えさせていく。
(3)資料について
本資料は、自分より大きな男の子3人からいじめられている女の子を見て、一度は知
らないふりをして通り過ぎてしまう主人公せいろくが、友だちの励ましの言葉を思い出
し、思い切って男の子たちに注意をし、勇気を出して行動することができたという話で
ある。
導入では、資料渡しができるよう視聴覚教材を使い「本多静六」という人物や 生ま
れ育った環境について説明する。その際、自然の中で遊ぶことが大好きで、いつも近所
の子どもたちと仲よく遊んでいたせいろくの人柄を考えさせる。
小低 - 1 -
話合いの最初の場面では、女の子をかわいそうに思うが、自分もやられてしまうと思
い、葛藤した末にしりごみをしてしまったせいろくの気持ちを考えさせる。誰にでもあ
りがちな「見て見ぬふりをして逃げ出してしまいたい」という弱い心に共感させたい。
その後、いったん通り過ぎたものの、心の中で「せいちゃんがんばれ」と言われた時
のせいろくの葛藤を〝心のものさし〟を使って考えさせる。なお、せいろくの心の中に
ある「弱い心」は水色を使い、「正しく強い心」はピンクを使って、視覚的にも理解さ
せる。
さらに、肩をつかまれたり恐い顔でにらみつけられたりしても、「いけないことはい
けない」という、せいろくの強い気持ちを、役割演技を用いて捉えさせる。せいろくの
人柄を思い起こし、弱い心を乗り越え、思い切って注意することができたせいろくの心
情を考えさせたい。また、どんなに恐くても、正しい判断に基づいて行動したせいろく
の「勇気」について考えさせたい。
最後に、自分をみつめる部分では、勇気をもって正しいことを行ったせいろくに手紙
を書き、これからのなりたい自分を考えさせる。手紙の後半に「わたしも…」という言
葉を入れたワークシートを用意し、児童が自分の思いや願いをより書けるよう支援する。
4
他の教育活動との関連
事前指導
道徳の時間
事後指導
(4月 生活科)
・学校生活のきまりにつ
いて知る。
(9月)
資料名「してはならないこ
とがある!」
人としてやってよいこ
と、してはならないこと
を区別させ、価値への関
心をもたせる
(学校生活を通じて)
・学級生活の中で、朝の
会や帰りの会において、
児童の勇気ある行動を
賞賛し、学級全体に広
める。
(5月 学級活動)
・掃除や係活動などをし
っかりとやり遂げる。
(7月 学級活動)
・「にじいろまつり」でグ
ループ活動を行う中で、
正しい判断に基づき行
動することの大切さを
考えさせる。
(10月)
資料名「せいろくのゆうき」
・正しい判断に基づき、勇
気をもって行動しようと
する態度を育てる。
(10月 遠足)
・グループ活動を行う中
で、正しい判断に基づ
き行動することの大切
さを考えさせる。
(11月 南小まつり)
・正しいと思うことは、
勇気をもって行おうと
する態度を育てる。
(9月 運動会)
・正しいと思うことは、
勇気をもって行おうと
する態度を育てる。
家庭との連携
・「こころのノート」を持ち帰り、児童が書いた内容を一緒に読んだり、家の人に書い
てもらったりする。
・学級通信等で児童の取組の様子や、授業の様子を伝える。
小低 - 2 -
5 本時の学習指導
(1)ねらい
○正しい判断に基づき、勇気をもって行動しようとする態度を育てる。
(2)展開
段階
学習活動と主な発問 予想される児童の反応
・指導上の留意点
☆評価の観点
(評価方法)
導 気 1 「勇気」につい ・自分より大きい子に ・アンケート調査の結果
入 付
てのアンケート調
は、自分からなかな
を見せ 、「勇気」につ
く
査の結果を見て、
か注意できない。
いて課題意識をもたせ
自分の生活を想い
る。
起こす。
・本時のねらいとする価
値への関心が高まるよ
うにする。
展 と 2 「本多静六」に
開 ら
ついて知る。
え ・登場人物の条件、
る
情況を知る。
時間
資料
2分
アンケー
ト調査の
結果
・視聴覚教材を使いなが 8分
ら 、「本多静六」の生
まれ育った環境につい 写真
て資料を提示し、資料 短冊
への関心を高める。
登場人物
せいろく(主人公)
大きな男の子3人
女の子
条件・情況
せいろくは、久喜市菖蒲で生まれ育ち、自然の中で遊ぶこと
が大好きな少年で、いつも近所の子どもたちと、みんなで遊ん
でいた。
3
資料「せいろく
のゆうき」につい
て知る。
・資料の判読を聞く。
・いつも「みんなで」遊
んでいたせいろくの人
柄を考えさせる。
・主人公「せいろく」の 紙芝居
気持ちになって、考え 場面絵
4 話題の整理と確 ・話合いの方向性をつ
ながら聞かせる。
認をする。
かむ。
・資料について理解しや
○この話を聞いて ・心に残ったことや話
すいように、紙芝居で
心に残ったこと
し合いたいことを発
判読を行う。
や、話し合いた
表する。
・心に残ったことや話し 短冊
いことを発表し
合いたいことを発表さ
ましょう。
せ、児童の思いを生か
しながら話題づくりを
する。
☆教師の判読を聞き、感
想をもつことができた
か。
(発言・観察)
小低 - 3 -
深 5 主人公「せいろ
め
く」の気持ちを中
る
心に話し合う。
・場面絵、短冊を掲示し、5分
視覚的に「せいろく」
の心情が理解できるよ 水色の心
うにする。
①知らないふりを ・相手は3人いて、自 ・知らないふりをしよう
してそっと通り
分は1人だから、負
とする主人公の気持ち
過ぎたせいろく
けるかもしれない。
に十分共感させ、児童
の気持ちを考え ・体も大きいし、やめ
の言葉をまとめ、板書
る。
ろとは言えないな。
する。
○いじめられてい ・後からいじわるをさ ・一度は「助けよう」と
る女の子を見て、 れるかもしれない。
思ったせいろくが、そ
知らないふりを ・知らないふりをすれ
の後、知らないふりを
するせいろくは、 ば、自分は助かるな。 して「そっと」通り過
どんな気持ちで
ぎた時の心の変化を押
いたのでしょう
さえる。
か。
☆知らないふりをして通
り過ぎようとしたせい
ろくの弱さに共感する
ことができたか。
(発言・態度)
②友だちに心の中 〈ピンクの心〉
7分
で「せいちゃん ・やっぱりぼくが助け ・「 助けてあげたい」と
がんばれ」と言
てあげなくちゃ。
いう心と「知らないふ 水色とピ
われた時のせい ・見て見ぬふりはでき
りをしてしまえ」とい ンクの心
ろくの気持ちを
ない。
う心の葛藤を、〝心の
考える。
・自分だけ助かるわけ
ものさし〟を使って表 心のもの
○いったん通り過
にはいかない。
す。
さし
ぎたものの、心 〈水色の心〉
・葛藤する主人公の気持
の中で友だちに ・やっぱり恐いな。
ちに十分共感させ、児
「せいちゃんが ・本当は知らないふり
童の言葉をまとめ、板
んばれ。」と言わ
をして逃げたいな。
書する。
れた時、せいろ
☆主人公の葛藤を〝心の
くはどのような
ものさし〟を使って表
気持ちでいたの
すことができたか。
でしょうか。
(心のものさし・発言)
③顔を真っ赤にし 〈せいろく〉
・悩んだ末に思い切って
てはっきりした 「おい、弱いものいじ
注意するせいろくの心
声で言ったせい
めはよせよ。」
の変化を考えさせ、知
ろくの気持ちを 〈男の子〉
らないふりをして自分
考える。
「何だ。おまえだって、 だけ助かろうとしなか
○肩をつかまれた
いつもいたずらをし
ったせいろくのやさし
り、こわい顔で
ているじゃないか。」 さと勇気ある行動を押
にらみつけられ 〈せいろく〉
さえる。
たりしても、「よ 「でも…」
・いけないことはいけな
せよ。」と言った ・弱い者いじめといた
いという、せいろくの
せいろくの気持
ずらは違うぞ。
強い気持ちを捉えさせ
ちを考え、せい ・弱い者いじめは絶対
るために、役割演技を
小低 - 4 -
7分
ピンクの
心
役割演技
の台詞
ろくになって続
にいけないんだ。
用いる。役割演技は、
きの言葉を考え ・どんなに脅されても
教師が男の子役、児童
てみましょう。
いけないことはいけ
がせいろく役で行う。
ないんだぞ。
・演技を観ている児童に
・大きい子でもだめな
意見を聞き、ねらいに
ことはだめなんだ。
対する考えを深める。
☆役割演技を通して、大
きな男の子に対するせ
いろくの気持ちを考え
ることができたか。
(役割演技・態度)
④女の子に「ほん
とうにありがと
う」と言われた
せいろくの気持
ちを考える。
○にっこりとしな
がら手を振る女
の子を見て、せ
いろくはどんな
ことを思ったの
でしょうか。
・女の子が喜んでくれ ・勇気を出して正しいこ 4分
てよかった。
とをした気持ちよさと
・あの時に逃げないで
充実感を味わわせる。 ピンクの
よかった。
・勇気をもって正しいこ 心
・恐かったけれど勇気
とを主張していくこと
を出して言ってよか
の大切さを押さえる。
った。
・勇気を出して言うこ
とは、大事なことな
んだ。
・正しいことが言えた
から、気持ちがすっ
きりした。
見 6 勇気を出して行 ・いけないことをして ・児童がどの程度ねらい 10分
つ
動したせいろくに
いる人がいたら、先
に迫れたかを確認する
め
手紙を書き、自分
生に言っていたけれ
ために、ワークシート ワークシ
る
を見つめる。
ど、自分で言えるよ
に記入させる。
ート
うになりたい。
・ワークシートの後半に
・見て見ぬふりをしな
「わたしも」という言
いで、勇気を出して
葉を入れ、児童が自分
だめなことはだめと
の思いや願いをより多
言いたい。
く書けるよう支援する
☆これからのなりたい自
分を考えることで自分
を見つめ直し、勇気を
もって正しいことを主
張していこうという意
欲がもてたか。
(ワークシート)
終 ま 7
末 と
め
る
教師の話を聞く。・心が強い人は、やさ ・「 心の強さ」は「やさ 2分
しい人なんだな。
しさ」であることを感
じ取らせ、正しいと思
うことは強い心をもっ
て行おうとする意欲を
小低 - 5 -
高める。
板書計画
7
評価の観点
○児童サイドの評価
☆主人公の気持ちになって、その時の気持ちを考えることができたか。
(発言・役割演技)
☆話合い活動を通して、友だちの話をよく聞き、自分の考えを積極的に発表しようと
していたか。
(態度・発言)
☆自己を見つめ、これからのなりたい自分を考え、勇気をもって行動しようとする意
欲を高めることができたか。
(ワークシート)
○教師サイドの評価
☆場面絵や短冊の掲示物、心のものさしの利用、役割演技は、話し合いを深めるため
に効果があったか。
☆児童の発言や感想をよく聞き、話し合いに生かすことができたか。
☆ねらいとする道徳的価値に迫る発問が適切であったか。
6
せいろくのゆうき
・ し ぜ ん の な か で あ そぶ の が 大 す き
・いつも みんなで あそんでいた
→
そ っととおりすぎる
木にかくれるようにしてみている
ひとり じゃ しょうがない
・あ いて は 三 にん で、 じぶん は ひ とり だか ら、ま ける かも しれ ない
・じぶんより 大きい し、やめろとは いえない
・みなかった ふりをしよう
や っぱ り たす けな きゃ。
・やっぱりこわいな 。
「ありがとう。ほんとうに ありがとう 。
」
・ゆうきを だすことは、だいじなことなんだ。
・ こ わ かっ た け れど 、 ゆ うき を だ し て いっ て よ かっ た 。
にっこり
場面絵
とおせんぼ
・ほんとうは しらないふりして
にげたいな。
・ よわいものいじめは ぜった いに いけないんだよ
おもいきって
絵
・ただしいことが いえたから、きもちが すっ きりした
小低 - 6 -
みて みぬ ふりは でき ない 。
がんばれ!
「おい、よわいものいじめは よせよ 。」
せいちゃん
・いけないことは いけないんだ
場面絵
役割演技の台詞
絵
じぶんだ け たすかるのはずるい。
つよさ
・どんなに おど かされても だめなことは だめなんだ
は
場面絵
やさしさ
こころの
小低 - 7 -
小低 - 8 -
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