Comments
Description
Transcript
改定の背景 - 調布市ホームページ
資料1-2 □改定の背景 1 調布市交通バリアフリー基本構想(現行基本構想)の策定 平成 12 年 11 月に『高齢者,障害者等の公共交通機関を利用した移動の円 滑化の促進に関する法律(通称:交通バリアフリー法)』が制定され,本市でも 平成 18 年度末に交通バリアフリー法の枠組みを活用した『調布市交通バリア フリー基本構想』を策定しました。 なお,策定期間中の平成 18 年 12 月に『高齢者,障害者等の移動等の円滑 化の促進に関する法律(通称:バリアフリー新法)』が施行されましたが,基本 構想策定段階での法改正となるため,まずは交通バリアフリー法に基づく基本 構想を平成 18 年度に策定するものとし,平成 19 年度以降にバリアフリー新 法に基づいた基本構想の重点整備地区も含めた変更等について検討を行うもの としました。 <設定地区配置図> ※各地区の拡大図は調布市交通バリアフリー基本構想[概要版]をご覧ください。 1 <設定地区の考え方> 重点 整備 地区 1 地区:「調布駅・布田駅・国領駅周辺地区」 ○交通バリアフリー法に基づく重点整備地区であり,重点的かつ一体 的にバリアフリー化を進めるべき地区。 ○原則,平成 22 年を目標にバリアフリー化を実施。 3 地区: 「つつじヶ丘周辺地区」 「柴崎駅周辺地区」 「西調布駅周辺地区」 促進 地区 ○主に駅施設を中心とした交通結節点周辺のバリアフリー化を促進 する地区。 ○促進地区では,鉄道事業者との調整・検討を通して駅を中心とした 交通結節点周辺のバリアフリー化を実現するため,調布市独自の促 進地区基本構想を策定しバリアフリー化に取組む。 ○今後,都市計画道路の事業化や地元街づくりの機運の高まりにあわ せ,特定経路などの位置づけが可能となった段階で,目標年次を定 めて一体的なバリアフリー化を図る。 3 地区: 「仙川駅周辺地区」 「飛田給駅周辺地区」 「京王多摩川駅周辺地区」 展開 地区 ○重点整備地区で得られた経験やノウハウを生かし,地元街づくりの 機運の高まりにあわせて,将来的に新たな法制度に基づくバリアフ リー化を検討する地区。 2 2 バリアフリー新法への対応の必要性 バリアフリー新法は,交通バリアフリー法とハートビル法(旧法)を統合・ 拡充して制定された法律です。現行基本構想は旧法に基づき策定されたもので あるため,旧法からの変更点を踏まえたうえでバリアフリー新法に基づいた基 本構想への改定について検討する必要があります。 (1)交通バリアフリー法等(旧法)との違い バリアフリー新法において,旧法(交通バリアフリー法およびハートビル法) で定められている事項に加え,新たに盛り込まれた主な内容を以下に示します。 表 1 旧法からの主な変更点 ① 対象者の拡充 ・身体障害者のみならず,知的・精神・発達障害者など, すべての障害者を対象 ② 対象施設等の拡充 ・バリアフリー化の対象として建築物,路外駐車場,都 市公園,福祉タクシーを追加 ③ 基本構想制度の拡充 ・重点的にバリアフリー化を進める対象エリアについ て,旅客施設を含まない地域にまで拡充 ④ 基本構想策定の際の ・基本構想策定時の協議会制度を法定化 当事者参加 ・住民などからの基本構想の作成提案制度を創設 ⑤ ソフト施策の充実 ・関係者と協力してバリアフリー施策の持続的・段階的 な発展を目指す「スパイラルアップ」を導入 ・国民一人ひとりが高齢者,障害者等が感じている困難 を自らの問題として認識する「心のバリアフリー」を 促進 (2)バリアフリー新法の基本的な枠組みと要点 バリアフリー新法は,大きく4つの枠組みからなっています。 表2 バリアフリー新法の枠組み ① 移動等円滑化の促進 ・移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進するため, に関する基本方針 主務大臣が定める基本的な事項 ※詳細については次項を参照 ② 関係者の責務 ・国及び地方公共団体,国民,施設設置管理者等が努 めなければならない事項 ③ 基準適合義務等 ・施設管理者等が移動等円滑化のために講ずべき措置 ④ 重点整備地区における ・市町村による基本構想の策定および特定事業等の実 移動等円滑化の重点的 施住民等による基本構想の提案制度 かつ一体的な実施 バリアフリー新法の枠組み及び法律の要点については,参考資料を参照ください。 3 3 移動等円滑化の促進に関する基本方針との整合 バリアフリー新法に基づき,平成 18 年 12 月に『移動等円滑化の促進に関 する基本方針』が策定されました。目標年次である平成 22 年を迎え,平成 23 年 3 月には新たな方針や目標を示した基本方針へ改定されました。新たな基本 方針との整合を考慮したうえで基本構想の改定を行う必要があります。 表3 移動等円滑化の促進に関する基本方針 ① 移動等円滑化の意義 及び目標 <改定の概要> ・本格的高齢社会の到来や自立と共生の理念の浸 透などの社会情勢に対応 ・平成 32 年度末を期限として,より高い水準の新 たなバリアフリー化の目標を設定 ② 施設設置管理者が 講ずべき措置 ・情報に係る障害をもつ人への対応を充実 ・PDCA サイクルの中でマニュアル整備や研修実 施への当事者参画を推奨 ③ 基本構想の指針 ・市町村における基本構想の必要性を強調 ・段階的かつ継続的発展を図る「スパイラルアッ プ」をより強く推奨 ④ 移動等円滑化施策に 関する基本的事項その他 ・外見上わかりづらい聴覚,精神,発達障害など 障害に多様な特性があることに留意する必要性 を明示 4 4 その他改定に関連する事項 (1)京王線連続立体交差事業 調布市では,京王線の柴崎駅~西調布駅間約 2.8km の区間と相模原線の調布 駅~京王多摩川駅間約 0.9km の区間を地下化することにより,18 箇所の踏切 道を解消するとともに 8 箇所の都市計画道路を立体化する都市計画事業を実施 しており,平成 24 年度に工事が完了する予定となっています。 これに伴い,現行基本構想でも連続立体交差事業に関わる整備事業について は完了年度を平成 24 年度に設定しています。 基本構想を改定する際には,現行基本構想でまだ目標年次を迎えていない事 業や,今後検討が予想される鉄道の上部利用に関する事業等の位置づけについ て検討する必要があります。 図8 京王線連続立体交差事業工事区間 (2)スポーツ祭東京 2013 の開催 平成 25 年 9 月~10 月に第 68 回国民体育大会及び第 13 回全国障害者スポ ーツ大会(以下, 『スポーツ祭東京 2013』という。)が東京都で開催されます。 大会のメイン会場は『味の素スタジアム』であり,開・閉会式や陸上競技等が 開催される予定です。 特に,全国障害者スポーツ大会の開催時には,車いす利用者や視覚障害者, 聴覚障害者など多くの障害を持った方の来訪が予想され,味の素スタジアムや その周辺(主に旅客施設やバス停及びそこに至るまでの経路)のバリアフリー 化や公共サインなどの整備が必要です。 5 □改定の目的 調布市では,交通バリアフリー基本構想の目標年次を迎え,特定事業の見直 しや再設定,新たな特定事業の設定等が求められています。 また,平成 24 年度末に完成予定の京王線連続立体交差事業や,平成 25 年 度開催のスポーツ祭東京 2013 に向けた整備を進めるうえで,バリアフリー化 の促進は重要な課題であると同時に,バリアフリーのまちづくりを一体的に推 進することができる好機でもあります。 一方,市としてのバリアフリーの考え方を明らかにするとともに,バリアフ リー化事業を積極的に推進していく必要があります。 そこで,バリアフリー新法の枠組みを活用し,調布市内における移動や施設 利用の利便性,安全性の向上を促進することを目的に,市独自の方針設定も含 めバリアフリー基本構想を改定します。 なお,改定に当たっては,市の上位計画である調布市基本構想等の考え方を 踏襲するとともに,バリアフリー新法及び移動等円滑化の促進に関する基本方 針に基づいた検討を行うものとします。 6