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天竜川上流河川事務所河川管理レポート2014
天竜川上流河川事務所 河川管理レポート 2014 中 部 地 方 整 備 局 天竜川上流河川事務所 はじめに 天竜川上流域は、地質構造がもろいことや険しい地形であること、また、山岳部で降水量が多いことなど、土砂災害の発生 しやすい環境下にあります。そのため、過去幾度も災害にみまわれてきました。平成18年7月豪雨災害では、天竜川の堤防が 決壊するなど広範囲に被害が生じました。今後も、このような洪水被害が生じないよう諏訪湖から天竜川までの一体的な整備 を行う必要があります。 さらに、近年における局所的な集中豪雨の頻発等の状況を踏まえると、堤防の決壊や河川のはん濫等による水害を防止又 は軽減していくためには、適切に河川の維持管理を行う必要があります。また、生物の多様な生息・生育・繁殖環境としての 河川環境の保全・整備、地域の活力創出や潤いある生活のための公共空間としての利用に対する要請も高まっており、この ような観点からも適切な維持管理を行う必要があります。一方、高度経済成長期に多くの河川施設の整備が進められてきまし たが、それらが今後更新時期を迎えることとなり、より効率的な施設の維持、更新が求められています。 このような背景を踏まえ、的確かつ効率的な河川維持管理 の実現、及び状態監視に基づく予防保全への移行を目指し、 維持管理における具体的な内容を定めた 『 天竜川上流河川 維持管理計画 』 を作成しました。 河川維持管理計画には、 河川や地域の特性に応じた維持管理の目標や河川の状態把 握の手法、具体的な維持管理対策を定めており、日々の維持 管理は本計画に基づき実施しています。 河川の管理では、従来より河川の変状の発生と対応、出水 等による災害の発生と対策や新たな整備等の繰り返しの中で 順応的に安全性を確保しています。そのため河川維持管理は、 河川巡視、点検による状態把握、維持管理対策を長期間にわ たり繰り返し、それら一連の作業の中で得られた知見を分析・ 評価して、河川維持管理計画あるいは実施内容に反映してい くというPDCAサイクルの体系を構築していくことが重要です。 図 ‐ 1 年間のサイクル型維持管理体型イメージ 本レポートは、年間のサイクル型維持管理 (図- 1参照) のもと、各年度における維持管理の実績を示すとともに、その成果 を報告するものです。 目 1.天竜川上流の概要 次 ・・・・・・・・ 1 2-1 河川維持管理の目標 ・・・・・・・・ 2 2-2 河川維持管理の主な内容 ・・・・・・・・ 3 ・・・・・・・・ 4 4-1 河川の状況把握 ・・・・・・・・ 5 4-2 河川巡視等 ・・・・・・・・ 6 4-3 堤防点検のための環境整備 ・・・・・・・・ 7 4-4 堤防等点検 ・・・・・・・・ 8 4-5 河川区域の維持管理 ・・・・・・・・ 9 4-6 河道の維持管理 ・・・・・・・・ 10 4-7 施設の維持管理 ・・・・・・・・ 11 4-8 河川環境の維持管理 ・・・・・・・・ 12 5-1 水防・防災に関わる取り組み ・・・・・・・・ 13 5-2 許可施設の搬出訓練 ・・・・・・・・ 16 5-3 災害対策車の活用 ・・・・・・・・ 17 6.水質事故に対する対応 ・・・・・・・・ 18 7.地域と連携した活動 ・・・・・・・・ 19 2.天竜川上流の維持管理の概要 3.平成25年度の出水(9月16日台風18号) 4.河川維持管理の取り組み状況 5.水防・防災に関わる取り組み状況 1.天竜川上流の概要 【 河川流域の諸元 】 天竜川は、長野県茅野市の八ヶ岳連峰に位置する赤岳(標高 2,899m)を源とし、諏訪盆地の水を一旦諏訪湖に集めます。 諏訪湖の釜口水門からは、途中、三峰川、小渋川等の支川を 合わせながら、西に中央アルプス(木曽山脈)、東に南アルプス (赤石山脈)に挟まれた伊那谷を経て山岳地帯を流下し、さらに 遠州平野を南流し、遠州灘に注ぐ、幹川流路延長213km、流域 面積5,090km2の一級河川です。 天竜川流域は、長野県、静岡県及び愛知県の3県にまたがり、 関係市町村は10市12町15村からなります。 このうち、長野県 の長野県上伊那郡辰野町平出地先から長野県下伊那郡天龍 村神原(長野県境)までの範囲が天竜川上流河川事務所の管 理区間(以下、天竜川上流区間という。)となっています。 天竜川上流区間の関係市町村は、6市8町14村です。 【天竜川上流区間 管理延長】 ・天竜川本川 110.6km ・支川 : 横川川 0.2km、三峰川 10.8km、 太田切川 2.1km、小渋川 3.1km 天竜川上流 流域内の主な都市と人口 流域面積 天竜川上流 流域内人口(千人) (㎢) (H17 河川現況調査) (H22.10国勢調査値) 564 茅野市 56,391 伊那市 71,093 飯田市 105,335 3,704 1 2.天竜川上流の維持管理の概要 2-1 河川維持管理の目標 河川維持管理の目標は、時間の経過や洪水・地震等の外力、人為的な作用等によって、本来河川に求められる治水・利水・環境 の目的を達成するための機能が低下した場合、これを的確に把握して必要な対策を行うために設けています。可能な限り定量的に 設定しますが、自然公物である河川では目標を工学的な指標等により定量的に設けることが困難な場合が多いため、平成24年5月 に作成した『天竜川上流河川維持管理計画』では、過去の経験、課題等を踏まえて定性的に目標を設定しています。 ② 河川区域等の適正な利用 ① 洪水による災害の防止 1)河道流下断面の確保 洪水等による災害の発生 防止または被害軽減のた めに、確保された流下能力 を維持することを目標とし、 「河道流下断面の維持」[堤 防形状の維持」に努めます。 天竜川 河川区域等が、治水、利水、 環境の目的と合致して適正 に利用されることを目標とし、 河川敷地の不法占用や不法 行為等の防止に努めます。 不法行為(ゴミ等の投棄) H18.7出水 根固沈下(151.4k 右岸) 2)施設の機能維持 河川特性を踏まえて、河 川管理施設の監視・点検・ 修繕を行い、施設の機能を 適切に確保することを目標 とします。対象とする管理施 設は、「堤防」「護岸」「樋管・ 樋門」「観測施設」「許可工 作物」としています。 ③ 河川環境の整備と保全 生物の生息・環境、河川利 用、河川景観の状況等を踏ま え、豊かな自然環境に配慮し た河川環境の整備・保全を目 標とし、地域、関係機関と連 携を図りながら維持管理を行 います。 管理施設点検(祝井沢川樋門 ) 特定外来生物の駆除作業 2 2.天竜川上流の維持管理の概要 2-2 河川維持管理の主な内容 河川の維持管理は、 『天竜川上流河川維持管理計画』に基づき、河川巡視、河川管理施設の点検等により河川の状況把握を 行います。なお、河川管理に支障を及ぼす状態となった場合は、維持修繕工事や施設の補修・更新等を行い、またゴミ投棄等の 異常があった場合は、不法行為への対策を随時実施しています。 水文観測機器点検 環境調査 河川巡視 堤防点検 通信設備点検 河川の実態把握実施状況 機械設備点検 護岸・根固修繕 堤防除草 堆積土砂排除 防災情報の共有化 不法行為に対する注意喚起 河川管理施設の修繕 維持管理対策の実施状況 3 3.平成25年度の出水(9月16日台風18号) 9月13日3時に小笠原の近海で発生した台風18号は、日本の南海上を北西に進みながら、 14日9時に大型となり、15日夕方に四国の南海上に達しました。その後台風は進路を北東 に変え、近畿地方や東海地方を暴風域に巻き込みながら東海道沖を東北に進み、16日8時 前に愛知県豊橋市付近に上陸しました。 この台風は上陸後も勢力を維持したまま北上し、 10時頃に長野県南部を通過した後、暴風域を伴って関東方面を北東に進み、その後東北 地方南部を経て、16日18時に三陸沖に達しました。 長野県では15日~16日にかけて雨が降り、浪合、阿南、南信濃では2日間の降水量合計 が200mmを超え、この大雨により、当事務所管内の伊那富水位観測所では、はん濫注意 水位を上回る水位(1.57m)を観測しました。 阿智村浪合では1時間雨量が観測史上最大の73.5mmに達し、村内の河川がはん濫して 工場が孤立、また国道を含む道路、鉄道では崩落等により交通網が寸断したが、大きな人 的被害はありませんでした。 伊那富水位観測所の水位変化 9月16日 天気図及び累加降水量分布図 4 4.河川維持管理の取り組み状況 4-1 河川の状況把握 水文等観測(雨量、水位、高水流量、低水流量)、水質調査のデータは、治水・利水計画の検討、洪水時の水防活動に 資する情報提供、河川管理施設の保全、渇水調整の実施等の基本となる重要なデータです。また、このほかの観測項目と して、震度観測、風向・風速観測、積雪深観測等多岐にわたる観測があり、天竜川上流区間では必要に応じて河川維持管 理計画に適宜追加します。 河川管理上特に重要となる高水流量観測は所要の地点にて計画的、迅速に実施します。流水の正常な機能の維持の ためには、低水流量の把握が重要であり、必要な箇所と時期にて実施します。水質調査は、長野県の実施する「公共用水 域水質常時監視」の測定地点、項目と整合を図り実施します。 ■ 取り組み状況 平成25年度は、水文等観測、河道状況把握調査、観測施設の点検等を実施しました。 種別 水文等観測 実施項目 実施箇所 頻度 実施方法 雨量観測 32地点 常時 自記観測 毎正時 水位観測 12地点 常時 自記観測 毎正時 高水流量観測 4地点 出水時 現地観測 低水流量観測 4地点 年24回程度 現地観測 天竜川 8地点 月1回 現地採水 三峰川 1地点 月1回 現地採水 天竜川 1地点 年1回 底質採取 月1回 現地点検 年1回 現地点検 水質観測 観測施設等の点検 定期点検 総合点検 水文観測施設 ・機器 備考 5 4.河川維持管理の取り組み状況 4-2 河川巡視等 河川巡視は、河道、河川管理施設及び許可工作物の状況把握、河川区域等における不法行為の把握、河川空間の利 用に関する情報収集、および河川の自然環境等に関する情報収集を目的に平常時と出水時(はん濫注意水位を上回る出 水または地震時発生時)に実施します。 ■ 取り組み状況 平成25年度は、維持管理計画に準じ、平常時は週2回の河川巡視 を実施しました。 平常時の河川巡視において最も報告の多い項目は堤防の状況で 内容は堤防天端の状況、水衝部・根固の状況等です。 また、H25.9出水(台風18号)では出水時の河川巡視を実施し、洪 水時における堤防等河川管理施設の状況把握を実施しました。 実施項目 実施場所 実施頻度 実施体制 一般巡視 直轄管理区間 週2回 2班 車両 目的別巡視 直轄管理区間 年間約50日 2班 徒歩・車両 直轄管理区間 既定の水位 13班 車両 平成25年度 巡視記録件数 実施手段 平常時 河川巡視 出水時 出水時等巡視 6 4.河川維持管理の取り組み状況 4-3 堤防点検のための環境整備 堤防点検、あるいは河川の状態把握のための環境整備として、堤防又は高水敷において除草・集草・焼却の工程で、同じ 範囲を年間2回実施します。 ■ 取り組み状況 平成25年度は堤防除草を2回実施しました。 実施項目 実施場所 除草・集草・焼却 管理区間 除草(肩掛式) 実施時期 面積 5月~6月 約1,420千㎡ 9月~10月 約1,420千㎡ 集 草 焼 却 7 4.河川維持管理の取り組み状況 4-4 堤防等点検 河道、河川管理施設等を対象とした点検を実施します。河道および河川管理施設(機械施設・電気通信施設含む)の点 検は、出水期前、台風期、出水期後等の適切な時期に、徒歩を中心とした目視あるいは計測機器等を使用して実施します。 また、一定規模の地震が発生した場合にも河川管理施設の状況等を点検します。 ■ 取り組み状況 別紙-7-1 整理番号 水系名 平成25年度は、維持管理計画に準じ、 堤防・護岸点検、堤防以外の河川管理 施設点検、機械設備を伴う河川管理施 設点検を実施しました。 岸 別 天竜川 河川名 右 岸 地先名 天竜川 整理番号 中部地方整備局 天竜川上流河川事務所 関澤 俊明 点検年月日 平成26年8月26日 点検者名 飯田市川路 140.2k+190 ~ 場 所 状 況 写 真 堤防点検記録表 飯天R-4 飯天R-4 地先 L=0 〔構造物 ( 橋 ) から 上 ・ 下流 m 全景(旧堤) 〕 上流より ■ 点検箇所 ■ 状況図面 土堤 :堤内地・裏のり面・堤防天端・表のり面・堤外地 横断方向 平面方向 【堤外側】 【堤外側】 【堤内側】 堤防天端 【堤内側】 ■変状状況及び変状の規模 詳細 変状の種類 変状箇所 変状の番 号 変状項目 変状箇所 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法 崩れ、寺勾配化、侵食 天端 張芝のはがれ、堤防植生、表土の状況 小段の逆勾配、局地的な低い箇所 法面・小段の不陸 法面・小段の泥濘化(出水後) 小動物の穴による堤体内の空洞 法面・堤 小動物の穴による陥没(出水後) 土 防護岸・ 樹木の侵入、拡大 堤 小段 坂路・階段取り付け部の路面排水による 洗掘、侵食 土 堤 堤防護岸の目地の開き、亀裂、破損 護岸及びその端部の洗掘、侵食(出水 後) 樋 門 等 構 造 物 周 辺 根固工の変状 水制工の変状 浸透対策の被覆工のシートの露出、破断 変状の規模 No. 変状程度 1 大・中・小 2 大・中・小 大・中・小 単位(m) 幅 深さ 幅 深さ 幅 深さ 変状規模・範囲 0.05 長さ 0.05 箇所数 長さ 箇所数 長さ 箇所数 1 変状項目 変状の 番号 堤内地側より 堤防天端及び法肩に亀裂、陥没、不陸 天端肩部の侵食 堤脚付近の排水不良に伴う浸潤状態 しぼり水でいつも浸潤状態 裏法尻 法尻付近の漏水・噴砂 部 堤脚保護工の変状 局部的に湿性を好む植生種の群生 ドレーンの目詰まり、濁水の排水 堤脚水 堤脚水路の継ぎ目からの漏水・噴砂 路 堤脚水路の閉塞 構造物上部の天端及び法面の抜け上がり や亀裂、幅段差の拡大 構造物 上部の 構造物上部の天端及び法面の堤体法尻 天端・法 部、小段部や堤脚水路より漏水・噴砂等 面 構造物上部の天端及び堤体法尻部、小 段部や堤脚水路の陥没 1 構造物各部の接合部の開き、幅・段差の 接合部 拡大 構造物各部の接合部からの吸出し 函渠のたわみ、折れ曲がり、継ぎ手の開 函渠 き、函渠のクラック 変状に関するコメント ① 旧堤、旧排水施設取付護岸の亀裂及び天端の陥没 ・前回より変化なし 大・中・小 大・中・小 大・中・小 堤防点検 堤防等河川管理施設の点検 <点検表> 8 4.河川維持管理の取り組み状況 4-5 河川区域の維持管理 河川には、河川の流水の利用、河川区域内の土地の利用、土石等の採取、舟運等種々の利用等があり、これらの多様 な河川利用者間の調整を図り、河川環境に配慮しつつ、河川の土地及び空間が公共用物として適正に利用されるように 維持管理を実施します。 そのため、用地境界杭の維持管理や巡視等による不法行為、迷惑行為等の現状把握に努め、支障となる事象が確認さ れた場合は適切な対策を実施します。 ■ 取り組み状況 平成25年度は、河川巡視において河川利用者が安全に利用できるよう、また他者に迷惑の掛かる行為等について看板 の設置、パンフレットの配布等を行い注意喚起を実施しました。 進入禁止の処置(ガードパイプ・看板) パンフレットの配布による啓発 ゴミ捨て禁止のお願い看板 9 4.河川維持管理の取り組み状況 4-6 河道の維持管理 目標とする河道流下断面を確保するため、定期的又は出水後に行う縦横断測量あるいは点検等の結果を踏まえ、流下 能力の変化、施設の安全性に影響を及ぼすような河床の変化、樹木の繁茂状況を把握し、河川管理の支障となる場合は 適切な対策を実施します。 ■ 取り組み状況 平成25年度は、著しく河道流下断面を阻害している支障木に対して、機能維持のために樹木伐採を実施しました。 樹木の繁茂 流下断面を阻害・流木の恐れ 樹木伐採 太田原橋 太田切橋 (枠内:樹木伐採範囲) 太田切川 樹木伐採状況 10 4.河川維持管理の取り組み状況 4-7 施設の維持管理 河川管理施設等の機能を確保するため、河川の状態把握の結果、堤防・護岸、及び河川管理施設(樋管等)、防災対策 施設、許可工作物の現状を把握し、河川管理上の支障となる場合は適切な処置を講じます。 対策にあたっては、各施設の点検の結果から河川管理上支障となる状況及び緊急性を検討して補修等を実施します。 ■ 取り組み状況 平成25年度は、水衝洗掘が進行し護岸基礎部が露出している区間において、護岸の損傷拡大を防止するため、護岸 根固修繕を実施しました。 【 護岸・根固修繕 】 護岸の根継ぎを行い、根固工により護岸を保護 根継ぎ護岸 根 固 工 (天竜川右岸 駒ヶ根市下平地先) (護岸根固修繕状況) 11 4.河川維持管理の取り組み状況 4-8 河川環境の維持管理 河川整備計画に基づいて良好な河川環境が保全されるよう、自然環境や河川利用に係る河川の状態把握を行いながら、 河川環境上の支障となる事象が確認された場合は適切な対策を実施します。 【取り組み状況 】 裸地化が進行し 堤防が弱体化 雑草化した堤防法面の一部植生を チガヤに張替え効果を検証中 堤防法面は、競争力の強い特定外来生物 のオオキンケイギクが繁茂 河原固有の在来植物が減少 生育環境の多様性が喪失 河道内の砂州には、外来種のハリエンジュ が繁茂し樹林化 ハリエンジュを伐採し原風景であるレキ河原を再生 12 5.水防・防災に関わる取り組み状況 5-1 水防・防災に関わる取り組み 出水時における水防活動、あるいは関係自治体及び地域住民における避難に関わる活動等に資するよう、法令等に基づ いて適切に洪水予報や水文データ等の情報提供を実施します。また出水時の対応のため、所要の資材の確保等に努めます。 出水期に備え、関係自治体及び関係機関と連絡体制の確認や、危険個所を情報共有するため水防連絡会の開催及び、洪 水時に迅速かつ的確な水防活動が実施できるよう、重要水防箇所の合同巡視や水防訓練を関係自治体等の防災関係者と 協働して実施します。 ■ 取り組み状況 平成25年度は、各種会議を開催するとともに、天竜川上流水防演習、合同巡視等を関係自治体及び関係機関と協働して実 施しました。天竜川上流水防演習は長野県内では12年ぶりの開催で、飯田市川路地先をメイン会場、伊那市小出島地先をサ テライト会場に、消防団員をはじめ関係機関、地域の皆様を含め約2,300名の方が参加する演習を実施しました。 【実施内容】 ○天竜川上流水防演習 ○水防訓練の実施 天竜川上流水防演習 ○水防DAY開催 ○水防連絡会の開催 水防連絡会 ○重要水防箇所の合同巡視 合同巡視 13 5.水防・防災に関わる取り組み状況 河川合同巡視 梅雨・台風等の出水期を迎え、自治体防災担当者をはじめ関係機 関延べ460人による、当事務所管内(天竜川上流域)の河川合同巡 視を実施しました。この巡視は、水当たりが強く洗掘を受けやすい 水衝部や、堤防が低い箇所、堤防の幅が不足している箇所などの 「重要水防箇所」を重点的に見回って情報共有することで、出水時 の巡視・水防活動が円滑に行えるように毎年実施しています。併せ て、各地の水防倉庫や備蓄資材を確認し出水に備えています。 巡視日 ・天竜川上流河川事務所 ・各消防署、各消防団 6月11日 ・伊那市 の円滑な連携を確認しました。 ・伊那市役所 ・伊那建設事務所 ・各自治会 ・伊那警察署 計89名 ・天竜川上流河川事務所 ・各消防署、各消防団 ・辰野町 6月13日 ・箕輪町 ・南箕輪村 ・辰野町役場 ・伊那建設事務所 ・箕輪町役場 ・伊那警察署 ・南箕輪村役場 計52名 ・天竜川上流河川事務所 ・各消防署、各消防団 6月14日 各地域の消防団をはじめ、多くの防災関係者の参加をいただき、 現地にて予想される被災状況や水防対策工法、通行規制など洪水時 参加関係機関 巡視箇所 ・宮田村 ・駒ヶ根市 ・宮田村役場 ・伊那建設事務所 ・駒ヶ根市役所 ・駒ヶ根警察署 ・各自治会 ・中部電力 計35名 ・天竜川上流河川事務所 ・各消防署、各消防団 ・飯島町 6月17日 ・中川村 ・松川町 ・飯島町役場 ・伊那、飯田建設事務所 ・中川村役場 ・駒ヶ根、飯田警察署 ・松川町役場 ・中部電力 ・各自治会 ・長野地方気象台 計64名 ・天竜川上流河川事務所 ・飯田建設事務所 6月20日 ・飯田市 ・飯田市役所 ・飯田警察署 ・各自治会 ・中部電力 ・各消防署、各消防団 計100名 ・天竜川上流河川事務所 ・飯田建設事務所 6月21日 ・天龍村 ・天龍村役場 ・消防団 ・阿南警察署 ・中部電力 計15名 ・天竜川上流河川事務所 ・各自治会 ・高森町 6月25日 ・喬木村 ・豊丘村 ・高森町役場 ・各消防署、各消防団 ・喬木村役場 ・飯田建設事務所 ・豊丘村役場 ・飯田警察署 計108名 危険個所を確認 水防倉庫の備蓄資材を確認 総 計 463人 14 5.水防・防災に関わる取り組み状況 水防資材の備蓄 ■ 水防の対策として、水防資材の備蓄を行っています。主なブロック、備蓄土砂、玉石は下表のとおりです。 水防資材備蓄箇所 一覧 № 測 点 地 先 備 1 148.4k 右 飯田市上郷 土砂610m3 蓄 資 材 20 185.6k 右 宮田村中越 土砂12000m3 巨石600m3 2 149.6+100 左 喬木村阿島 土砂1220m3 巨石45m3 21 185.6k+100 左 伊那市東春近 カゴ石 90m3 沈床石3m3 玉石360m3 クラックス5t 30個 22 188.0k+100 伊那市西春近表木 188.0k+100 土砂1100m3 六脚ブロック5t 14個 テトラ5t 70個 № 測 点 地 先 備 蓄 沈床石 500m3 カゴ石 100m3 3 150.6+100 左 喬木村阿島 玉石 105m3 4 152.2k 右 高森町下市田 土砂5000m3 テトラ5t 150個 5 155.4k 左 豊丘村河野 土砂3150m3 6 155.8k 右 高森町下平 テトラ5t 185個 三連ブロック5t 95個 7 156.2k 豊丘村河野 土砂530m3 玉石50m3 8 156.8k 右 高森町山吹 玉石165m3 クラックス4t 22個 9 157.6k 右 高森町山吹 十字ブロック2t 12個 六脚ブロック5t 4個 テトラ5t 50個 玉石268m3 ~157.2k 左 伊那市伊那部 新田水防倉庫 砂5m3 カゴ石5m3 玉石 152m3 24 202.3k 左 箕輪町三日町 みのわ水防倉庫 砂5m3 カゴ石2m3 沈床ブロック ≒300m2 25 202.6k 左 箕輪町三日町 三角ブロック5t 7個 中空三角ブロック2t 5個 材 コーケンB 4t 65個 玉石 210m3 ~188.4k 右 カゴ石 400m3 23 192.2k 左 資 コーケン4単位1t 41個 三脚ブロック5t 2個 26 203.0k 右 箕輪町三日町 コーケン2単位2t 2個 10 158.8k+150 左 松川町生田 玉石15m3 11 159.2k 右 松川町大島 土砂6290m3 27 203.4k 右 箕輪町十沢 三連ブロック5t 113個 28 204.2k 右 箕輪町三日町 アクモン2t 22個 カゴ石 21m3 29 204.8k 右 箕輪町北島 ストーンブロック4t 294個 三脚ブロック5t 2個 土砂2200m3 12 160.2k+100 右 松川町大島 土砂135m3 玉石61m3 13 160.8k+20 右 松川町大島 玉石110m3 コーケンブロック2t 8個 14 163.0k 右 中川村南田島 防災倉庫 十字ブロック2t 116個 15 63.2k 左 中川村葛島 土砂500m3 玉石52m3 30 207.8k 右 辰野町伊那富 沈床石480m3 十字ブロック2t 2個 飯島町中平 土砂12000m3 十字ブロック1t 87個 辰野町伊那富 土砂2000m3 32 210.6k 左 辰野町伊那富 辰野防水倉庫 砂5m3 カゴ石5m3 33 三峰川6.4k+100 伊那市上大島 玉石40m3 カゴ石60m3 駒ヶ根市下平 土砂26600m3 34 三峰川7.4k+160 伊那市高遠町 テトラ3t 10個 18 180.0k+100 左 駒ヶ根市中沢 テトラ5t 220個 玉石110m3 35 三峰川7.8k+3 伊那市高遠町 テトラ3t 70個 沈床石300m3 カゴ石180m3 35 三峰川7.8k+3 伊那市高遠町 テトラ3t 70個 玉石31m3 沈床石168m3 36 三峰川8.0k+150 伊那市高遠町 カゴ石 25m3 19 184.2k 右 田切 宮田村大久保 備蓄土砂 玉石等(混合)12m3 17 179.8k 右 ~175.6k 左 堤防 コーケン2単位4t 87個 31 210.2k 右 カゴ石 157m3 16 175.2k 側帯 十字ブロック2t 10個 アクモン5t 47個 三連ブロック4t 56個 三連ブロック5t 115個 根固ブロック(5t) 玉 石 15 5.水防・防災に関わる取り組み状況 5-2 許可施設の搬出訓練 天竜川等の河川敷で占用許可を受けて設置している施設において、出水期前に洪水に備えた占用施設の搬出訓練を実施 します。これは、河川敷に設置されている施設が出水時に放置されたままの状況だと、洪水の際に流下阻害となるばかりか 施設の流出等により河川自体に甚大な被害をもたらす恐れがあるからです。出水時に施設の搬出が確実にできるかどうかを 河川管理者の立会のもと実施します。 ○訓練対象施設 グランド、公園、マレットゴルフ場など16施設 ○点検項目 ・管理を行っている工作物の損傷の有無 ・可搬式工作物、転倒式工作物等の搬出転倒 等の可否及びそれに係る所要時間 ・搬出経路の確認 ・出水時の連絡体制、作業員の出動体制の確 認 ・その他 転倒式工作物等の訓練風景 ❷ ❶ ❸ ❶ ❹ ■ 取り組み状況 平成25年度は三峰川自然園、榛原河川公園、 美篶マレットゴルフ場、高遠スポーツ公園、中 川ふれあい公園、高森カヌー親水公園、川路 多目的広場で実施しました。 ❺ ❻ 中川ふれあい公園 16 5.水防・防災に関わる取り組み状況 5-3 災害対策車の活用 天竜川上流河川事務所では、災害に対応するため、災害対策車(排水ポンプ車3台、照明車2台、対策本部車1台、衛星通 信車1台)を配置しています。また、各市町村の水防訓練や小学校などにて操作訓練や展示を実施します。 ■ 活用状況 平成25年度 災害対応・防災訓練等(使用)状況について 天竜川上流河川事務所 平成26年3月31日現在 日付 場所 名称等 使用災害対策車 建設機械番号 備考 5月26日 飯田市川路・伊那市小出島 天竜川上流水防演習 照明車 11-4513 展示 照明車 20-4508 展示 排水ポンプ車 18-4512 展示 排水ポンプ車 18-4513 展示 対策本部車 13-4507 展示 6月2日 飯田市羽場公民館 飯田市操作訓練 照明車 20-4508 点灯作業 6月27日 天竜川上流河川事務所 天竜塾災害対策車操作訓練 照明車 11-4513 点灯作業 排水ポンプ車 18-4512 展示 対策本部車 13-4507 展示 7月6日 飯田市松尾浄化管理センター 排水ポンプ車操作訓練 排水ポンプ車 18-4512 排水作業 7月24日 中川村天の中川公園 長野ブロック操作訓練 照明車 11-4513 点灯作業 照明車 20-4508 点灯作業 排水ポンプ車 18-4512 排水作業 排水ポンプ車 18-4513 排水作業 8月4日 南信州・飯田産業センター 南信州お仕事キッズタウン 排水ポンプ車 18-4513 展示 9月1日 伊那市長谷小学校 伊那市防災訓練 照明車 11-4513 展示 排水ポンプ車 18-4513 展示 9月1日 駒ヶ根市東伊那小学校 駒ヶ根市地震防災訓練 照明車 20-4508 展示 排水ポンプ車 10-4505 展示 9月1日 飯田市羽場公園 飯田市地震防災訓練 排水ポンプ車 18-4512 展示 10月13日 美和湖公園 南アルプスふるさと祭 照明車 11-4513 展示 11月3日 諏訪湖イベント広場 長野県総合防災訓練 照明車 20-4508 展示 排水ポンプ車 18-4513 展示 衛星通信車 DC-3451 展示 11月15日 飯田広域消防本部 照明車操作訓練 照明車 20-4508 点灯作業 2月27日 太田切橋 太田切川異常減水監視 照明車 11-4513 災害対応 ~ 2月28日 照明車 20-4508 災害対応 合計 訓練:13日間 内訳 ①照明車(11-4513):7日間 災害対応:2日間 ②照明車(20-4508):8日間 ③排水ポンプ車(10-4505):1日間 ④排水ポンプ車(18-4512):5日間 ⑤排水ポンプ車(18-4513):5日間 ⑥対策本部車(13-4507):2日間 ⑦衛星通信車(DC-3451):1日間 照明車(太田切川異常減水監視) 排水ポンプ車(防災協(協力会社)訓練) 17 6.水質事故に対する対応 水質事故が発生した時には、水質事故発生状況に関わる情報収集を行い、速やかに関係機関に通報するとともに、関係 行政機関等と連携し、適切な対応を緊急に講じます。 ■ 取り組み状況 平成25年度は、天竜川水質保全協議会(上流部会)、天竜川水質保全協議会及び水質保全協議会での現地対策訓 練を実施しました。水質事故については9件発生しており、関係機関への情報伝達・現地確認及び対応等について実施し ました。 会 議 名 実 施 内 容 参加人員 天竜川水質保全協議会(上流部会) 平成25年度協議会活動内容報告(上流部会) 52名 天竜川水質保全協議会(委員会・幹事会) 平成25年度協議会活動内容報告、 水質環境基準及び水質事故対策用資材備蓄一覧表の配布 39名 水質事故現地対策訓練 オイルフェンス・オイルマット等の実地訓練 59名 発生日 発生箇所 事故期間 水質事故の種類 H25.4.1 天竜川流入水路 4日間 油類 H25.4.24 天竜川流入水路 6日間 油類 H25.5.20 加賀須川流入水路 7日間 不明 H25.7.26 天竜川流入水路 5時間 油類 H25.8.4 太田切川 3時間 自然現象 H25.12.23 金色洞沢川 2日間 油類 H26.1.16 中田切川 1日間 油類 H26.1.27 大沢川 2日間 油類 H26.1.28 黒川 6日間 油類 水質事故現地対策訓練 18 7.地域と連携した活動 地域住民と一体となって天竜川の協働管理を進めていくためには、現在行っている取り組みを継続し、河川愛護に対する 意識の向上や、協働で行う河川管理を担っていただける地域の人材の育成を図ります。 ■ 取り組み状況 平成25年度は下記の活動を実施しました。 活動名 活動主体 実施内容 実施時期 ①河川清掃 天竜川上流愛護連絡会 天竜川上流河川事務所 河川清掃 6月30日(日)~ 7月27日(土) ②天竜川水辺の自然観察会 天竜川上流河川事務所 一般参加者 魚の解説(魚の捕獲)・特定外来 生物の見分け方(オオキンケイギ 7月7日(日) クの駆除) ③かわらんべ祭り かわらんべ祭り実行委員会 (飯田市川路・龍江・竜丘地区) パネル展示・降雨体験・小川での 7月27日(土) 魚つかみ・ゲーム等 ④水生生物調査 天竜川上流河川事務所 三峰川みらい会議 一般参加者 水生生物の捕獲・種類による水 質判定・記録 ⑤天竜かっぱ祭り 天竜かっぱ祭り実行委員会 (駒ヶ根市下平・中沢・東伊那地区) パネル展示・天竜川ミニミニ水族 8月24日(土) 館 ⑥環境整備(高水敷をきれいに) 伊那市西春近自治協議会・伊那市 天竜川上流河川事務所 草刈・焼却 7月31日(水)~ 8月24日(土) 9月5日(木) 19 7.地域と連携した活動 ① 河川清掃 地域住民の皆様による河川清掃が、13市町村の18会場で行われました。延べ1,665人の方々が参加され、約25m3(軽 トラック約25台分)のゴミ回収のほか、特定外来植物の駆除も行われました。今年度のゴミの回収量は、前2年に比べ て減少しました。これも地域の皆様の継続的な活動によるものです。 天竜川上流河川事務所としましても、これらの取り組みに感謝するととも に、今後も地域の皆様の力をお借りしながら、誰もが天竜川に親しむことが できるように努めてまいります。 2,000 70 1,784 1,640 1,500 1,268 1,359 40 1,000 会場 実施日 実施時間 実施内容 1 6月30日 日 7:00~8:00 河川清掃 2 7月3日 水 8:30~10:00 河川清掃・特定外来植物駆除 3 7月4日 木 8:30~9:30 8:30~9:30 実 施 場 所 150 0.7 80 3.0 29 1.5 木 5 7月5日 金 15:30~17:00 6 7月7日 日 7:00~8:00 河川清掃・特定外来植物駆除 松川町 宮ヶ瀬橋下流 L=2km 7 7月7日 日 7:00~8:00 河川清掃・特定外来植物駆除 泰阜村 門島 L=400m 温田 L=300m 9 10 河川清掃 天龍村 平岡橋上下付近L=100m 河川清掃 阿南町 櫓橋付近(大島地区)L=100m 粗大ゴミ 0.3 合計 50 38 40 25 20 1.0 0.5 2.0 0.5 2.0 8 1.5 150 0.5 80 6.1 2.0 8.1 538 0.4 0.8 1.2 1.0 1.8 - 30 20 500 10 3.0 - 60 0 0 H20 H21 H22 ゴミ合計(m3) H23 H24 H25 参加者(人) 0.5 飯田市 下久堅地区 7月7日 日 9:00~11:00 河川清掃・特定外来植物駆除 飯田市 川路地区 飯田市 竜丘地区 11 飯田市 龍江地区 12 7月13日 土 7:30~10:00 河川清掃・特定外来植物駆除 13 7月12日 金 7:00~8:00 河川清掃 14 7月13日 土 7:30~9:00 河川清掃・特定外来植物駆除 駒ヶ根市 大久保~下平丸塚 5㎞ 15 7月13日 土 7:30~10:00 河川清掃・特定外来植物駆除 16 7月14日 日 6:00~7:00 17 7月16日 火 18 7月27日 土 合計 家庭ゴミ 中川村 天竜川(飯沼~渡場)約6km 4 7月11日 21 ゴミ回収量(m3) 豊丘村 万年橋下流~明神橋L=200m 特定外来植物駆除 天龍村 天竜川橋上下付近L=100m 8 参加 人数 (人) 1,180 30 1,665 飯田市 松尾地区 喬木村 阿島橋付近L=3000m 60 0.8 150 1.5 - 宮田村 大久保えん堤~太田切川合流1.6㎞ 30 1.5 - 河川清掃・特定外来植物駆除 高森町 天竜川右岸万年橋~座光寺境L=6400m 165 0.4 9:00~10:30 河川清掃・特定外来植物駆除 飯島町 天王橋上下流 1.1km 70 0.5 - 6:00~7:00 河川清掃・特定外来植物駆除 南箕輪村 天竜川~大清水川合流点L=1km 155 1,665 0.8 19.2 - 13市町村が18会場で実施 1.5 1.5 0.6 1.0 0.5 5.7 0.8 24.9 地域の皆様の活動状況 20 7.地域と連携した活動 ② 天竜川水辺の自然観察会 天竜川右岸松川町元大島にて、今年で3回目となる天竜川水辺の自然観察会を約30人の一般参加者の皆様と一緒 に行いました。 この観察会は川の環境保全へ理解を深める事を目的として、色々な魚を捕まえて天竜川に棲む生物の多様性を実 感していただきながら外来生物駆除体験を行い、ひいては固有植物の保全につなげる取り組みです。 近年では特定外来生物であるオオキンケイギクの勢力が増しており、悪影響が心配されています。当日は専門家 を招き、外来種と在来種の見分け方、子どもたちが捕まえた魚の種類・名前・解説が行われました。 【特定外来生物】 オオキンケイギク 一般参加者の活動状況 21 7.地域と連携した活動 ③ かわらんべ祭り 天竜川総合学習館「かわらんべ」は防災拠点として、いざという時に備える一方、平常時は天竜川上流域の自然や 防災などをテーマとした、子供から大人まで楽しく学べる体験講座を開催しています。 夏休みとなった7月27日(土)には、地域の皆様と関係機関が一体となって『かわらんべ祭り』が開催されました。 参加総数は1,453名(スタッフ200名を含む)で、過去8回のかわらんべ祭りで最多の参加人員となり、小川での魚つか みや防災について学ぶイベントなどで、多くの親子連れでにぎわいました。 消火器で的当てゲーム 降雨体験車(雨太郎) 小川で魚つかみ 22 7.地域と連携した活動 ④ 水生生物調査 今年で30回目となる天竜川上流域の水生生物調査を12箇所で実施しました。調査時 期に天候不良となり、河川内で一般参加者が安全な生物調査を行っていただくために、 5箇所は主催者により調査を実施し、開催できた箇所では、一般参加者の皆様(延べ 115人)と真夏の暑さの中、数多くの水生生物を捕ることができました。 その結果、天竜川上流域は、今年も全域で「きれいな水」であることがわかりまし た。また、魚を捕まえたり、パックテストを使った水質調査も実施でき、川に親しみ 学ぶことのできる絶好の機会となり、参加した子供達から「楽しい」といった言葉も 聞くことができました。 〔アカザ〕 調査の様子 三峰川みらい会議と共催 水生生物 水生生物による水質判定 23 7.地域と連携した活動 ⑤ 天竜かっぱ祭り 駒ヶ根市かっぱ広場にて「天竜かっぱ祭り」が開催され、 天竜川上流河川事務所も実行委員として参加しました。 昨年に引き続き天竜川に生息する魚を展示して、天竜川ミニ ミニ水族館をオープンしました。 ドジョウやナマズを直接触って魚に親しみ、また、かわら んべからやって来たカメは、人懐っこいため大人気でした。 (パネル展示) 伊那谷遺産・水質 みんなの人気者! 24 7.地域と連携した活動 ⑥ 環境整備(高水敷をきれいに) 伊那市小出島のこの場所は、天竜川上流水防演習(メイン会場:飯田市川路地先)のサテライト会場として広場 の整備をした場所です。西春近自治協議会で跡地利用計画の検討が行われていますが、現状では草が繁茂して草刈 りなどの対策が必要でした。 リモコン草刈車での作業を事前に直営で行い、残った部分を協議会、伊那市、天竜川上流河川事務所、(参加者 38名)により行いました。 3mを超えるオオブタクサに挑む 再び、こんなに広い空間になりました 25 7.地域と連携した活動 地域連携による樹木処理 【 樹木処理の実績】 天竜川上流管内には三峰川みらい会議、天竜川ゆめ会議等のNPO法人があり、 外来種から天竜川の環境を守るため、アレチウリ駆除大作戦等のイベント活動を 行っています。 さらに近年(H17年より)、外来種ハリエンジュ(ニセアカシア)駆除の活動も実施し、 伐採木を薪として活用できるため、最近ブームとなっている薪ストーブ愛好者らに人 気があり、年間約7ha程度の伐採を実施しています。 参加人員 伐採面積 実施地区 H21 1,200名 8.5ha 8地区 H22 1,200名 11.5ha 8地区 H23 1,100名 6.8ha 8地区 H24 625名 3.4ha 5地区 H25 803名 6.4ha 7地区 伐採前 伐採中 伐採後 薪として活用 飯田市川路地区 駒ヶ根市大田切地区 26 7.地域と連携した活動 河川協力団体 自発的に河川の維持、河川環境の保全等に関する活動を行うNPO等の民間団体を国土交通省が支援する『河川 協力団体制度』が創設され、事務所が管理する天竜川等において、平成25年12月18日から河川協力団体を募集し、 審査した結果、5団体が3月14日付けで指定されました。今後は、活動実施計画に基づき、河川協力団体として河川 の維持、河川環境の保全等に活動して頂くことになります。 天竜川 河川協力団体指定 5団体 ○一般社団法人 飯田市天竜川環境整備公社 ○天竜川総合学習館 ○特定非営利活動法人 天竜川ゆめ会議 ○西春近自治協議会 ○三峰川みらい会議 活動状況(シンポジウム) 活動状況(アレチウリ駆除) 活動状況(ハリエンジュ駆除) 27