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(後発)医薬品の品質確保について

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(後発)医薬品の品質確保について
ジェネリック(後発)医薬品の品質確保につ
いて:情報検討会をはじめとした取り組み
国立医薬品食品衛生研究所
薬品部第一室
(ジェネリック医薬品品質情報検討会事務局)
吉田 寛幸 柴田 寛子 伊豆津 健一
1
ジェネリック医薬品品質情報検討会の活動にご協力いただいている皆様
に感謝します。
本資料は作成者の個人的な見解を含み、所属する組織の公式な見解で
はない事をご留意下さい。
品質と信頼確保の重要性
一斉監視指導とジェネリック医薬品品質情報検討会
規格・試験法やガイドラインの整備
原薬の品質と安定供給確保
品質と信頼確保の重要性
一斉監視指導とジェネリック医薬品品質情報検討会
規格・試験法やガイドラインの整備
原薬の品質と安定供給確保
急速な高齢化と医療技術の進歩に伴い医療費が増加する中で、国民
皆保険を基盤として医療の質を確保するため、ジェネリック医薬品の積
極的な使用が促進されている。
後発医薬品安心使用促進プログラム
(平成19年~)
後発医薬品の数量シェアを平成24年度までに30%以上とする
後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ
(平成25年度~)
後発医薬品に置き換えられる先発医薬品および後発医薬品をベースとした数
量シェアを平成30年度までに60%以上とする
1.安定供給
2.品質確保
3.情報提供
4.使用促進にかかる環境整備
5.医療保険上の環境整備
5
品質への信頼はなぜ重要?
国民・支払者の視点
ジェネリック医薬品の普及が進まない要因 (健康保険組合連合会 H23)
医薬品メーカーの対応不足
平成21年
平成23年
医療保険上の対応不足
(設定無し)
提供体制に関する情報不足
国民に対する普及啓発の不足
薬局の対応不足
患者・医療機関の
ジェネリック 医薬品への不安
医療機関の対応不足
0.0
20.0
40.0
60.0
%
80.0
100.0
品質への信頼はなぜ重要?
医療関係者の視点
ジェネリック医薬品の選択に積極的でない医療機関があげた理由
新潟県福祉保健部医務薬事課アンケート
H23
患者への普及啓発不足
薬価差がさほど無い
診療報酬上のメリットが少ない
調剤薬局での対応に不満
納品までに時間がかかる
適切な包装単位がない
安全供給体制に不安
メーカー側からの情報提供に不安
適応症が完全に一致しない
副作用を経験したことがあるため
同等性および有効性に不安
品質および安全性に不安
0
20
40
%
60
後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ
1.安定供給
2.品質確保
<実績>
○ 品質に関する試験検査の実施・結果の公表
○ メーカーによる試験実施・情報提供体制の構築
<課題>
○ 後発医薬品の品質に対する信頼度は大幅に向上したが、医療関係
者に残る不安が積極的な採用を阻む障害となっている
<取り組み>
(国・都道府県)
○ 一斉監視指導の継続
○ ジェネリック医薬品品質情報検討会
(後発医薬品メーカー)
○ 品質管理の徹底
○ 情報収集、対応と提供
○ 海外製造所に対する適切かつ合理的な品質管理
3.情報提供
4.環境整備
5.医療保険制度
8
品質と信頼確保の重要性
一斉監視指導とジェネリック医薬品品質情報検討会
規格・試験法やガイドラインの整備
原薬の品質と安定供給確保
ジェネリック医薬品の評価
後発(ジェネリック)医薬品とは
○ 先発医薬品の特許・再審査等による独占的販売期間終了後に販売
され、先発医薬品と同一の
有効成分
含量
投与経路
用法・用量
効能・効果
を有するもの
ジェネリック医薬品の承認審査
製造方法並びに規格および試験方法
有効成分の同一性
安定性
不純物の種類・量
生物学的同等性
製剤の安定性
についての資料
同一性調査
適合性調査
生物学的同等性
製造の一定性
などの観点から総合的に評価
公的機関による製剤の品質試験・評価
後発医薬品品質確保対策事業 (医薬品等一斉監視指導)
○ 不良な医薬品等の発見や管理体制などの統一的な監視指導が目的
○ 毎年一定期間を設けて厚生労働省と都道府県等が連帯して実施
○ 後発品の品質確保の観点から、検査品目と項目を拡充
○ 広範な医薬品を対象とし、承認規格への適合判定を行う
○ 不適合には薬事法上の対応
ジェネリック医薬品品質情報検討会 (H20~)
○ 後発医薬品の品質確保と、国民と医療関係者の信頼性向上が目的
○ 専門の委員による課題選定と結果の評価
○ 国衛研と地方衛研で構成する製剤試験WGによる測定、分析
○ 先発製剤との同等性確保を重視
○ 規格に設定されていない項目も含めて検討
○ 情報提供と製剤の向上に向けた結果の公表
11
後発医薬品品質確保対策事業 (平成24年度)
事業内容: 都道府県等の協力のもと、市場流通している後発医薬品を入手し、品
質検査を実施。
目
的: 後発医薬品の品質を確認すること
検査品目: 後発医薬品448品目22有効成分(ただし、参照品目として先発医薬品
53品目22有効成分を含む。)
検査内容: 溶出試験※(364品目16有効成分)
溶出試験以外の品質試験(定量試験、確認試験等)(84品目6有効成分)
※ 溶出試験とともに定量試験を実施したものを含む。
検査結果: 適合=447品目22有効成分
不適合=1品目1有効成分(溶出試験を行ったもの1品目1有効成分。
後発医薬品。必要な措置実施済み。)
実施期間: 平成24年7月~平成25年3月
主管: 医薬食品局監視指導・麻薬対策課
協力機関: 35都道府県(北海道、青森県、山形県、秋田県、福島県、茨城県、栃木
県、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、新潟県、富山県、石川
県、福井県、長野県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、
京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、福
岡県、佐賀県、熊本県、沖縄県)、国立医薬品食品衛生研究所、国立感
12
染症研究所
後発医薬品品質確保対策事業 (平成20-24年度)
平成20年度
対象 =31 成分計874 品目(一部で試験未実施分あり)
不適合=2成分2品目
平成21年度
適合 =35成分637品目
不適合=2成分3品目
平成22年度
適合=33成分321品目
不適合=2成分3品目
平成23年度
適合=19成分475品目
5年間の不適合率は0.44%
不適合=2成分3品目
H25からPIC/S対応
平成24年度
品質確保の基本
適合=22成分447品目
不適合=1成分1品目
13
ジェネリック医薬品品質情報検討会
1. 趣旨
ジェネリック医薬品は、生物学的同等性試験結果等に基づき、品質、
有効性及び安全性が先発医薬品と同等であることを確認した上で、薬
事法に基づき承認されたものである。
しかしながら、品質に対する懸念も見られることから、ジェネリック医薬
品普及のためには、その品質の信頼性の向上を図ることが急務となっ
ている。このため、厚生労働省の委託を受けて、国立医薬品食品衛生
研究所が、ジェネリック医薬品の品質に関する意見・質問・情報等につ
いて、学術的観点からの検討を、有識者の協力を得て行うこととした。
具体的には、本研究所の所長を座長とする検討会を設け、ジェネリッ
ク医薬品の品質にかかる懸念に関して、学術的な課題となるものを選
定し、必要に応じて当該品目に関する試験検査を実施し、その品質の
確認を行うこととする。検討結果については、必要に応じ提言を付した
上で、厚生労働省医薬食品局に報告することとする。
ジェネリック医薬品品質情報検討会メンバー (第1回 H20.7)
西島正弘
飯沼雅朗
稲垣明弘
生出泉太郎
武藤正樹
永井恒司
緒方宏泰
青柳伸男
喜多村孝幸
井関健
楠本正明
三上栄一
国立医薬品食品衛生研究所所長(座長)
日本医師会常任理事
日本歯科医師会常務理事
日本薬剤師会副会長
日本ジエネリック医薬品学会理事長
ジェネリック医薬品協議会理事長
明治薬科大学薬剤学教授
医薬品医療機器総合機構顧問
日本医科大学附属病院・脳神経外科准教授
北海道大学病院薬剤部長
舞鶴共済病院薬剤部長
愛知県衛生研究所化学部薬品化学科長
(開催時の所属、敬称略)
ジェネリック医薬品品質情報検討会メンバー (第11回 H25.10)
川西徹
鈴木邦彦
冨山雅史
曽布川和則
西島正弘
武藤正樹
永井恒司
緒方宏泰
喜多村孝幸
檜垣和孝
楠本正明
三上栄一
四方田千佳子
国立医薬品食品衛生研究所所長(座長)
日本医師会常任理事
日本歯科医師会常務理事
日本薬剤師会常務理事
昭和薬科大学学長
日本ジエネリック医薬品学会理事長
ジェネリック医薬品協議会理事長
明治薬科大学名誉教授
日本医科大学武蔵小杉病院教授
岡山大学薬学部教授
あい薬局
愛知県衛生研究所
医薬品医療機器総合機構規格基準部
(敬称略)
2. 検討事項
○ 学会等での発表・研究論文の内容
○ (独)医薬品医療機器総合機構に設置された後発品相談窓口に寄せら
れた意見・質問・情報
○ その他、ジェネリック医薬品の品質に関する懸念等
3. 構成
○ 検討会は年2回定期的に、また特別の場合に開催する。
○ 厚労省医薬食品局 審査管理課、監視指導・麻薬対策課、安全対策課
(独)医薬品医療機器総合機構一般薬等審査部、安全部の協力を得る
○ 国立衛生の薬品部(技術)・総務部(事務)が事務局を担当
○ 試験・評価を目的としてワーキンググループを構成
○ 業界団体は参考人として参加する
品質情報検討会のワーキンググループ
製剤試験ワークキンググループ
○ 製剤の溶出性を中心とした検討
愛知県衛生研究所
大阪府立公衆衛生研究所
神奈川県衛生研究所
富山県薬事研究所
京都府保健環境研究所
埼玉県衛生研究所
静岡県環境衛生科学研究所
東京都健康安全研究センター
兵庫県立健康生活科学研究所
福岡県保健環境研究所
国立医薬品食品衛生研究所
課題毎のワーキンググループ
○ 臨床、大学、行政、国立衛研のメンバー
で構成
○ 球形吸着炭ワーキンググループ
○ イトラコナゾールワーキンググループ
品質に関する情報の評価と検討課題の選定
○ 学会発表・論文等について、日本医薬情報センター (JAPIC) の医薬品情
報データベースから、ジェネリック医薬品の品質と臨床に関する内容を
検索: 問題指摘と、問題なしまたは同等とする報告 (年間約200報)
○ (独)医薬品医療機器総合機構医薬品・医療機器相談室への「後発医薬
品相談」のうち、品質等への懸念に関する内容
○ 委員および厚労省 からの情報
必要に応じて行政での対応を依頼
発表内容のみで品質についての判断が難しい場合は、製剤品質
WGが評価を行う。
専門性の高い課題については、製剤毎のWGを組織して検討
品質に関する情報の評価と検討課題の選定 (2)
○ 内容について評価するとともに、メーカーの対応について妥当性を検討
行政/メーカーによる対応
当該文献等の内容のみでは品質について判断できないものについ
て、WG でさらに検討
ジェネリック医薬品品質情報検討会の評価例
不純物
溶出性
製品の規格は満たすものの、信頼性確保の観点から改善が
望まれる製剤について対応
注射剤における純度試験
表1 注射剤の純度試験実施製剤一覧
製剤
規格
含量
対象製品数
エルカトニン注射液
日局、原薬
10エルカトニン単位 1管
13 (先1, 後12)
注射用オザグレルナトリウム
第一追補
20mg 1瓶
11 (先2, 後9)
オザグレルナトリウム注射液
承認申請書
20mg 1管、80mg 1管
5 (先0, 後5)
注射用セファゾリンナトリウム
第一追補
1g 1瓶
5 (先1, 後4)
ニカルジピン塩酸塩注射液
日局
10mg 1管
7 (先1, 後6)
注射用バンコマイシン塩酸塩
日局
0.5g 1瓶
8 (先1, 後7)
注射用ピペラシリンナトリウム
日局
1g 1瓶
7 (先1, 後6)
注射用ファモチジン
日局
20mg 1管
6 (先0, 後6)
ファモチジン注射液
承認申請書
20mg 1管
1 (先1, 後0)
注射用ミノサイクリン塩酸塩
第一追補
100mg 1瓶
6 (先1, 後5)
注射用ナファモスタットメシル酸塩
承認申請書
10mg 1瓶
15 (先1, 後14)
リトドリン塩酸塩注射液
日局、原薬
50mg 1管
10 (先1, 後9)
合計
94 製剤
(第2回検討会)
注射剤における純度試験 (エルカトニン注射剤の例)
各エルカトニン注射液中のメインピーク以外のピーク面積のエルカトニン面積に対する割合
Peak No.
1
2
3
4
5
6
7
Retention time (min)
4.7
10.4
13.3
23.3
27.6
28
29.1
エルシトニン注10単位
エカトリスト筋注10単位
エルベスタール注10単位
0.62
エルカ筋注10単位
1.31
0.84
エスカトニール筋注10単位
0.58
エルカトニン注10
ラスカルトニン10
エカテニン10注
0.58
ポセビン注10
オステラン注10
2.86*
0.55
0.92
オシテトニン注10
0.8
エリンダシン注10単位
16.02*
1.03
アデビロック注10
0.66
-
合計
0
0
0
0.62
2.15
0.58
0
0
0.58
0
4.33
0.8
17.05
0.66
○ 2製剤の不純物(ピーク2*)は、プレフィルターや製造ラインに残留した
フェノールの混入によることが、メーカーで確認された
○ フェノール含量は、通常の注射剤に保存剤として添加される濃度に比べ
て極僅かであり、安全上の問題は無いと考えられた
リトドリン塩酸塩注射剤の不純物について
○ リトドリン塩酸塩注射液の2製剤で、他に比べ高濃度の不純物が見られた
表3 第2回ジェネリック医薬品品質情報検討会で報告された試験結果
表27 リトドリン注射剤液のメインピーク以外のピーク面積のリトドリン面積に対する割合%
Peak No.
1
2
3
4
5*
6
7
8
9
10**
Retention time (min)
2.39
2.62
3.11
3.70
4.23
5.86
6.45
7.47
7.66
13.73
0.01
0.01
0.01
ウテメリン注50mg
0.00
0.00
0.01
0.04
0.03
0.01
0.01
リトドリン注「科薬」
0.01
0.00
0.05
0.04
0.03
0.01
0.01
ルテオニン注
0.01
0.04
0.02
0.01
0.01
0.03
リメトラーク点滴静注液50mg
0.00
0.15
0.02
1.06
0.08
0.04
0.01
0.01
0.10
ウテロトップ注
0.00
0.00
0.03
0.04
0.02
0.01
0.02
リトドール点滴静注液50mg
0.01
0.04
0.01
0.32
ピロスデン静注液50mg
0.00
0.01
0.04
0.01
0.01
0.01
ウテメナール点滴静注液50mg
0.02
0.04
0.02
0.29
0.12
0.02
0.05
0.05
0.06
0.35
リンドルフ注
0.00
0.01
0.02
0.03
0.01
0.28
ウテロン注
* チラミン体
** トレオ体
○ メーカーによる原因検討により、加熱滅菌過程
での亜硫酸イオン付加が示唆された
○ 原薬の供給先変更や工程の改善
表2 リトドリン注射液のメインピーク以外のピーク面積のリトドリン面積に対する割合(%)
Peak No.
1
2
3
4
5
Retention time (time)
3.2
3.7
5.0
6.4
6.8
0.02
0.01
0.01
ウテメリン注50mg
0.02
0.02
0.01
0.01
ウテロトップ点滴静注液50mg
0.02
0.02
0.01
リトドリン塩酸塩点滴静注液50mg「日医工」
** トレオ体
6
7.9
0.01
0.01
-
7**
11.9
0.05
0.01
0.01
8
24.1
0.02
0.03
0.03
(第2回)
11
20.47
0.03
0.03
0.04
0.05
0.04
12
27.79
0.01
0.04
0.04
0.07
0.01
0.03
0.04
0.08
0.01
トレオ体
以外合計
0.02
0.13
0.19
0.15
1.40
0.17
0.10
0.11
0.81
0.11
(第11回)
9
27.2
0.06
-
トレオ体
以外合計
0.12
0.11
0.08
○ 市販製剤における当該不純物の減少を確認した
○ 臨床関係の情報について、引き続き情報収集を行う
24
シスプラチン注射剤の純度試験
○ シスプラチン注射剤の後発品で腎障害が多いとの研究報告があり、検討
会で評価対象として選定
○ 先発品を含む6製剤について、日本薬局方のシスプラチン(原薬)規定に
準じた方法を含む3条件で純度を検討
(第6, 7回)
○ 試験方法により、類縁物質の分離状態が異なる
○ シスプラチン注射剤の不純物量について、検討に用いた試験条件では、
製剤間で不純物量に大きな差は認められなかった。
注射用スルバクタムNa・アンピシリンNaの不純物に関する検討
○ 後発品9製剤と先発品について検討
○ 承認書に記載の純度試験は個別設定。HPLCを用いて、カラムや
移動相が異なる3種の試験方法を用い、すべての製剤で測定
試験に用いた製剤と
HPLCクロマトグラムの例
(第10回)
○ スルバクタムペニシラミン以外の不純物のピーク面積を評価
○ いずれの試験方法においても製剤間の不純物の種類や量に大きな差
は無いことが確認された
球形吸着炭の品質に関する検討:特殊な製剤の例
○ 活性炭が慢性腎不全における尿毒症毒素を消化管内で吸着し、便と
ともに排泄されることにより,尿毒症症状の改善や透析導入を遅らせる
先発品との同等性に懸念を示す文献 → ワーキンググループ設置
一部の後発品では、
○ 粒子径は同じながら、表面積など構造が異なる
○ 尿毒素関連の指標物質の吸着に差
承認時(H16)に同等性が検
討され、企業による使用成
績調査で有効性が認めら
れるが、臨床効果に差が生
じる可能性を否定できない
遊離インドール
製剤の改善
工程についての記載と試験方法の整備
遊離インドール酢酸
(第1‐4回・継続)
球形吸着炭製剤で、品質課題が生じた理由は?
○ 消化管から吸収されず、血中濃度を同等性の指標と出来ない
○ 薬理効果の判定に用いる指標物質が、統一的に示されていなかった
○ 治療効果の主要評価項目が、統一的に示されていなかった
○ 吸着の評価方法が定められていなかった
○ 後発品の規格設定にあたって、血中濃度以外の指標を同等性評価
に用いる場合には注意が必要
○ 品質担保のため、理化学的な試験法を含めた複合的な規格設定が
求められる
エダラボン注射剤における添加剤の影響
文献
○ エダラボン注射剤(脳保護剤、フリーラジカルスカベンジャー)に含まれ
る抗酸化剤など添加剤の組成は、製剤により異なる
○ In vitroの実験で、先発品(および同じ添加剤を含む後発品)の希釈液は
1,1‐diphenyl‐2‐picrylhydrazy(DDPH) ラジカル消去活性を示すのに対し、
添加剤が異なる製剤の作用は低かった
○ 添加剤の「薬効」により、製剤間で作用が異なるのではないか
学会発表
○ 先発品と添加物が異なる後発品を用いた臨床試験(11例)で、有効性及
び安全性のプロファイル比較で問題となる事例はなかった。
第9, 10回検討会
○ 文献の実験条件は、体内の挙動などを考慮していない
○ エダラボン製剤間で、臨床作用に有意な差を生じるとは考えにくい
生物学的同等性と溶出試験 (1)
○ 先発医薬品に対する後発医薬品の治療学的な同等性の保証を目的に、
生物学的同等性試験が行われる
○ 薬効の発現には、血中に必要量が必要時間存在する事が必要
○ 製剤間で血中濃度推移が同じであれば、標的部位での薬物濃度と臨床
効果に大きな差は生じないとされる
生物学的同等性試験: 通常、健常人を2グループに分け、標準製剤(先発
医薬品)と試験製剤(後発医薬品)を交互に服用し、血中濃度を測定する。
AUCとCmaxが判定パラメータとなる。
後発品開発時の試験結果例
(東和薬品HPより引用)
生物学的同等性と溶出試験 (2)
○ 後発品の開発時や処方の大幅な変更など以外では、ヒトでの試験が困難
○ 先発品と後発品の主薬が、消化管内で同様な速度で溶出すれば、その後
の吸収と血中濃度に顕著な差が生じる可能性は少ない
○ 溶出性は、処方とともに工程変動の影響を受
けやすいため、製剤の開発時だけでなく、継続
的な確認が不可欠
ロット間の品質恒常性確保
A
B
製剤の崩壊
製剤
有効成分(主薬)
の溶出
の特性に依存
有効成分の吸収
主薬
体内での分布
薬効の発現
の特性に依存
先発品と後発品
で異なる可能性
崩壊試験
溶出試験
この段階から著し 生物学的
い差は生じない
同等性試験
生物学的同等性と溶出試験 (3)
過去には、製剤間で溶出性が大きく異なるものがあった
120
1991年当時の市販イ
ブプロフェン錠の溶出
試験結果
100
溶出率 (%)
80
60
製品 A
製品 B
製品 C
40
製品 D
製品 E
20
0
PMDA 四方田先生
国立衛試大阪支所で
の測定データ
0
50
100
時間 (min)
150
200
試験条件:リン酸塩緩衝液(pH 7.2)900mL
回転バスケット法150rpm
生物学的同等性と溶出試験 (品質再評価とオレンジブック)
○ 後発医薬品の生物学的同等性ガイドライン(H9)にもとづき、「品質再評
価」として、1995年(H7)以前に申請された経口製剤の溶出試験を設定
○ パドル法を用いた毎分50回転、4液性(pH 1.2、 4.0、pH 6.8、水)を基本に、
製剤の特性に応じて界面活性剤添加などを行い、試験規格を設定
○ 製剤毎の溶出規格とともに、溶出プロファイルのデータを、医療用医薬
品品質情報集(日本版オレンジブック)に収載した (~H23)
○ メーカーは、品質再評価時標準製剤の溶出プロファイルと同等であること
の定期的な確認と、医療関係者等の求めに応じた、情報提供を行う
検討会における溶出性評価
○ 検討会において、溶出性の検討対象とする製剤を文献情報等から選定
文献情報などによる品質確認 (個別品目)
薬効群など (H22 治療濃度域の狭い薬物、H23 血圧降下剤、H25神
経系に作用する薬剤)
H24 糖尿病薬の例
後発品8品目97製剤のうち、先発品またはオレンジブック収載の溶出挙動との類似性が
確認できなかった製剤
アカルボース錠 1製剤
ベサフィブラート徐放錠 1製剤
34
検討会における溶出性評価 (H24 糖尿病薬の例)
1. 試験製剤と試験方法
○ 市場流通品を試験対象製剤として使用する
○ 規格試験はオレンジブックまたは局方の方法に従い、いずれにも記載が
無い場合は、各製剤の承認申請書記載の方法を用いる
○ 4液性におけるプロファイルを求める試験のみを実施し、溶出規格への
適合性は試験方法が異なるため、参考として記載する
ピオグリダゾン錠の溶出プロファイル例
pH 3.0
pH 1.2
pH 6.8
水
検討会の溶出性評価 (H24 糖尿病薬の例)
2. 試験結果の判定
○ 市販製剤の溶出性の評価にあたって、ロット間のばらつきや、測定機関
による変動要因等を考慮して、後発医薬品の生物学的同等性ガイドライ
ンで設定されている溶出性の類似の許容範囲をやや広げ、これに適合
するものを許容範囲内と判断する (詳細はHP掲載)
○ 最終的に、オレンジブック収載品目では、オレンジブック収載溶出曲線と
先発製剤溶出曲線のいずれにも類似と判断できなかったものを、またオ
レンジブック非収載品目では先発製剤の溶出曲線と類似と判断できな
かったものを、類似性が示せなかった製剤と記載した
アカルボース錠の例
公的溶出規格は、水を試験液とし、
毎分75回転、30分で85%以上
規格に対して問題となる製剤は無いが、
1製剤の溶出プロファイルは、先発品お
よびオレンジブック記載の曲線と類似の
範囲に入らず
グリグラジド錠の溶出性評価
○ グリクラジド20mg錠(血糖降下剤)のうち1製剤が、判定対象となる先発
品、オレンジブックの溶出曲線の類似性の範囲から逸脱していた
○ 同製剤では管理方法(崩壊試験)等の問題もあり、自主回収とその後の
承認整理となった
(第7回)
イトラコナゾール製剤の溶出性評価
○ イトラコナゾール(抗真菌薬)は難溶性であり、結晶状態では消化管で溶
解・吸収されにくいため、先発、後発の経口製剤ともにアモルファス化と
いう特別な工夫がなされている
○ 製剤間でイトラコナゾールの血中濃度に差が見られるとの学会発表が
あり、検討会の検討対象とした (第1回)
○ WGの検討で、先発品がロット間で大きく異なる溶出性を示した
○ 先発企業による試験で、先発製剤の生物学的に同等と判断出来ない
ロットの存在が明らかとなった (規格試験には合格)
○ 臨床情報も勘案し、有効性と安全性への直接的な影響はないとする
メーカーの判断を検討会で了承
○ 本剤の特性について医療機関への情報提供を進める
○ 特別な製剤加工を必要とする医薬品においては、安定した製品供給を
保証するための工程管理や品質評価法が、特に重要となる
改善状況の確認
これまでの検討会において品質に課題が認められた製剤について、各メー
カーの対応状況を確認するとともに、現在の市販製剤の再試験を行う。(平成
25年度~)
メーカーによる対応状況
第2回検討会
リトドリン塩酸塩注射液
第4回検討会
ノルフロキサシン錠
アマンタジン塩酸塩錠
ロキソプロフェンNa
球形吸着炭*
第5回検討会
シメチジン錠
チクロピジン塩酸塩錠
第7回検討会
グリクラジド錠
第9回検討会
ベニジピン塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル
アテノロール錠
工程変更
承認整理
工程変更
工程変更
使用成績調査
工程変更
*WGで評価法に
ついて検討中
工程変更
工程変更
回収、承認整理
工程変更
工程変更
工程変更
39
試験・評価結果の公表
品質情報検討会の試
験・評価の結果は、
国衛研とPMDAの
ホームページで公表
(67品目)
試験製剤のリスト
評価データ
評価概要
製品名を記載し
たデータの公開
○ 医療機関が製剤を選択するための情報提供
○ メーカーの改善促進
後発医薬品メーカーによる安定性の評価状況
○ ジェネリック医薬品の品質に対する信頼性を向上させるため、承認にあ
たって必ずしも実施が求められていない事項について、メーカーで確認
○ 先発品と同様な長期安定性試験と、医療機関での使用時の品質を保証
するための無包装状態安定性試験を実施
取り組みの内容
長期保存試験等、承認条件
でない試験について、未着手
の場合、年度内に100%着手
品質試験の実施
するとともに、医療関係者等
等 (保存安定性)
の求めに応じて、速やかに試
験結果を情報提供(平成19
年度末)
実施状況
長期保存試験
対象品目数6,229品目(すべて着手済)
試験終了品目数 4,261品目(68%)
無包装状態安定性試験
対象品目数 4,045品目(すべて着手済)
試験終了品目数 3,998品目(99%)
(H25.3 JGA集計)
「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラ
ム」の実施状況について(概要)厚生労働省 H25.8
41
品質と信頼確保の重要性
一斉監視指導とジェネリック医薬品品質情報検討会
規格・試験法やガイドラインの整備
原薬の品質と安定供給確保
規格・試験法の整備とリスク管理
多様化する製剤の特性に合わせた合理的な規格設定や工程管理には、
基盤となる試験法等の整備が重要となる
規格・試験方法の設定
出発物質
原薬
添加剤
製剤
保存
輸送
製造工程の管理パラメータ設定
臨床
規格・試験法やガイドラインの整備
後発医薬品の承認にあたっての基本的な資料
規格および試験(主要項目)
安定性
生物学的同等性
含量
定量法
性状 (色・形状等)
確認試験
示性値
純度試験
水分含量
製剤試験
(製剤均一性・溶解性など)
特殊試験
加速試験
健康成人での
血中濃度比較
適合性に関する資料
生物学的同等性試験は、ジェネリック医薬品の承認申請時や大幅な処
方変更にあたって、先発医薬品に対する治療学的な同等性を確保する
ための中心的な役割を担っている。
後発医薬品の生物学的同等性ガイドラインと、処方変更や含量違いの
製剤を対応としたガイドライン群が平成24年2月に改訂され、Q&Aが整備
された。
http://www.nihs.go.jp/drug/DrugDiv‐J.html
44
規格・試験法やガイドラインの整備 (多様な製剤への対応)
ジェネリック医薬品の品質確保に関する各種規定は、製剤の大多数を
占める経口固形製剤や溶液の注射剤を主な対象として設定されてきた
先発医薬品との治療学的な同等性確保に、より多くの情報を必要とす
る(ことがある)製剤
1) その他の投与経路
吸入剤
2) 消化管内で機能するが、全身に影響を与える製剤
吸着剤 を含む製剤
3) 主薬が複雑な構造を持つ医薬品
バイオ後続品
ペプチド医薬品
4) 薬物送達など特定の機能を持たせた製剤
リポソーム
マイクロスフェア
○ 日本薬局方などでの、標準的な評価法の整備
○ 後発品の承認に必要な情報の検討
45
日本薬局方 16局
1.経口投与する製剤1
3.注射により投与する製剤
10.膣に適用する製剤
1‐1. 錠剤
1‐1‐1. 口腔内崩壊錠
1‐1‐2. チュアブル錠
1‐1‐3. 発泡錠
1‐1‐4. 分散錠
1‐1‐5. 溶解錠
1‐2. カプセル剤
1‐3. 顆粒剤
1‐3‐1. 発泡顆粒剤
1‐4. 散剤
1‐5. 経口液剤
1‐5‐1. エリキシル剤
1‐5‐2. 懸濁剤
1‐5‐3. 乳剤
1‐5‐4. リモナーデ剤
1‐6. シロップ剤
1‐6‐1. シロップ用剤
1‐7. 経口ゼリー剤
3‐1. 注射剤
3‐1‐1. 輸液剤
3‐1‐2. 埋め込み注射剤
3‐1‐3. 持続性注射剤
10‐1. 膣錠
10‐2. 膣用坐剤
2.口腔内に適用する製剤
[3] 生薬関連製剤
○ 投与経路に応じた合理的な試験設定
1. エキス剤
2. 丸剤
○
国際調和への対応
8.鼻に適用する製剤
2‐1. 口腔用剤
2‐1‐1. トローチ剤
2‐1‐2. 舌下錠
2‐1‐3. バッカル錠
2‐1‐4. 付着錠
2‐1‐5. ガム剤
2‐2. 口腔用スプレー剤
2‐3. 口腔用半固形剤
2‐4. 含嗽剤
4.透析に用いる製剤
4‐1. 透析用剤
4‐1‐1. 腹膜透析用剤
4‐1‐2. 血液透析用剤
5.気管支・肺に適用する製剤
5‐1. 吸入剤
5‐1‐1. 吸入粉末剤
5‐1‐2. 吸入液剤
5‐1‐3. 吸入エアゾール剤
剤形区分の変更
6.目に投与する製剤
11.皮膚などに適用する製剤
11‐1. 外用固形剤
11‐1‐1. 外用散剤
11‐2. 外用液剤
11‐1‐1. リニメント剤
11‐1‐2. ローション剤
11‐3. スプレー剤
11‐3‐1. 外用エアゾール剤
11‐3‐2. ポンプスプレー剤
11‐4. 軟膏剤
11‐5. クリーム剤
11‐6. ゲル剤
11‐7. 貼付剤
11‐7‐1. テープ剤
11‐7‐2. パップ剤
投与経路/形状/特徴ある剤形
6‐1. 点眼剤
6‐2. 眼軟膏剤
7.耳に投与する製剤
7‐1. 点耳剤
8‐1. 点鼻剤
8‐1‐1. 点鼻粉末剤
8‐1‐2. 点鼻液剤
3. 酒精剤
4. 浸剤・煎剤
5. 茶剤
6. チンキ剤
7. 芳香水剤
8. 流エキス剤
新規試験法の収載
○ 技術進歩に合致した評価
9.直腸に適用する製剤
9‐1. 坐剤
○ 工程の管理手法変化に対応
9‐2. 直腸用半固形剤
9‐3. 注腸剤
46
規格・試験法やガイドラインの整備 (海外における例)
NBCD(non-biological complex drugs)
主薬の特性
複雑な構造や製剤機能を持つ化学薬品
製剤の特性
主薬の物理的な特性の影響が大きいもの
鉄コロイド
血中濃度を指標と
する、一般的な同
等性評価が、製剤
間の比較・同等性
確保に適さない
医薬品
作用が全身循環への取り込みと相関しないもの
・局所作用を目的とした製剤
吸着炭も該当?
個々の製剤に適し
た、評価指標が
必要
主薬の分子構造の多様性により、血中濃度など
の単純な数値化が難しいもの
ヘパリン、抗生物質
製剤機能の同等性がより重要なもの
リポソーム 高分子ミセル
デバイス等との組み合わせ
吸入剤
「例外」をグループ分けし、
ジェネリック製品のGL整
備や審査体制強化
規格・試験法やガイドラインの整備 (海外における設定例)
複雑な構造を持ち、有効性と安全性の両立が特に重要な製剤への対応
後発品申請にあたっての同等性関連試験案
(FDAが作製したサルメテロール・フルチカゾン配合吸入剤の例)
先発製剤の特性に対応した規
格、生物学的同等性(健常人・
血中濃度)とともに、患者グ
ループでの臨床試験を設定
後発品の品質確保
合理的な試験による開発促進
国内において、同様に標準的
な評価法を設定すべきか?
48
品質と信頼確保の重要性
一斉監視指導とジェネリック医薬品品質情報検討会
規格・試験法やガイドラインの整備
原薬の品質と安定供給確保
原薬の品質と安定供給の確保
○ ジェネリック医薬品に対する信頼性向上と使用促進を進める上で、原薬
の品質と安定供給の重要性が増している
○ 昨年起きた、韓国の原薬メーカーにおけるGMP調査(査察)不適合事例
では、同じ原薬を用いる複数のジェネリック医薬品メーカーの製剤(シル
ニジピン等)が供給停止した。
○ ジェネリック医薬品に用いられる原薬や添加剤は多岐にわたり、海外、特
にアジア諸国からの原薬輸入が大きく増加している。
○ 製販会社には、供給元を含めた適切な品質管理がGMPで求められる。
多種の原薬について、海外メーカーのGMP確認を実質的、効率的かつ継
続的に行う方法が課題となっている。
50
原薬の品質と安定供給の確保
薬価基準に収載されている後発医薬品の原薬調達状況(平成23年度)
金額 (出荷ベース)
(百万円)
構成割合
品目数
構成割合
すべての工程を国内で製造する原
薬を 使用する品目
195,251
30.9%
2,896
37.5%
中間体を輸入し、国内で一部の反
応工程を経る原薬を使用する品目
36,443
5.8%
538
7.0%
粗製品または最終品を輸入し、国
内で精製または加工する品目
51,753
8.2%
586
7.6%
輸入した原薬をそのまま使用する
品目
288,888
45.8%
3,672
47.5%
平成24年度ジェネリック医薬品の信頼性向上のための評価
基準等に関する調査検討事業報告書 (H25.3) より作製 51
原薬の品質と安定供給の確保
輸入した原薬をそのまま使用する場合の調達先別の状況 (平成23年度)
企業数
構成割合
合計
アメリカ
メキシコ
フランス
スイス
ドイツ
イタリア
スペイン
ハンガリー
チェコ
イスラエル
中国
韓国
台湾
インド
1539
57
18
54
43
47
332
101
47
16
53
245
226
37
173
3.7%
1.2%
3.5%
2.8%
3.1%
21.6%
6.6%
3.1%
1.0%
3.4%
15.9%
14.7%
2.4%
11.2%
購入金額(万円)
成分数
構成割合
構成割合
6,635,569
1893
243,793
3.7%
64
3.4%
17,773
0.3%
23
1.2%
97,469
1.5%
80
4.2%
177,892
2.7%
47
2.5%
54,794
0.8%
61
3.2%
592,812
8.9%
426 22.5%
659,558
9.9%
127
6.7%
559,413
8.4%
58
3.1%
52,840
0.8%
32
1.7%
233,226
3.5%
74
3.9%
815,755 12.3%
265 14.0%
2,060,048 31.0%
298 15.7%
60,445
0.9%
43
2.3%
475,182
7.2%
194 10.2%
平成24年度ジェネリック医薬品の信頼性向上のための評価
基準等に関する調査検討事業報告書 (H25.3) より作製 52
原薬の品質と安定供給の確保
53
原薬の品質と安定供給の確保
取り組みの例
国
○ PMDAによる調査の強化
○ 海外の原薬流通などに関する調査と情報提供
輸入業者等 (マスターファイル国内管理人)
○ 教育研修等の開催
○ 在り方等に関する委員会の設置
○ 外国製造業者に対する説明会の充実
製造販売業者・業界団体
○ 供給のダブルソース化
○ 海外供給元も含めた品質管理体制の拡充
○ 原薬供給元に対する共同でのGMP確認の検討
○ 問題発生時における代替品情報などの迅速な提供
54
まとめ
○ ジェネリック医薬品の品質確保による信頼性向上は、さらな
る使用促進に向けた基盤となる。
○ 安心使用促進プログラムによりジェネリック医薬品の品質は
大幅に向上したが、規格不適合の製剤は現在も散見される。
○ ジェネリック医薬品品質情報検討会は、品質に関する多様
な情報について学術的観点からの検討と、情報提供・改善
促進により、信頼性確保に向けた取り組みを進めてきた。
○ 品質課題を持つ製剤の早期把握と改善につなげるために、
規格や試験法などの基盤整備と、適切な対象品目の選定
が重要と考えられる。
○ 原薬供給や製造工程管理を含めた総合的なリスク管理によ
る、さらなる品質向上と安定供給の確保が期待される。
55
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