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分布北限の東京湾で 55 年ぶり2 度目の確認 ∼ウシエビの稚エビ発見
分布北限の東京湾で 55 年ぶり2 度目の確認 ∼ウシエビの稚エビ発見について∼ 関 東 地 方 整 備 局 横 浜 港 湾 空 港 技 術 調 査 事 務 所 では、自 然 再 生 の実 験 施 設 として、事 務 所 敷 地 内 に海 水 導 入 池 を整 備 しています。 海 水 導 入 池 での 自 然 再 生 効 果 確 認 のため 、NPO法 人 海 辺 つ くり研 究 会 の ご協 力 を得 ながら、周 辺 海 域 において生 物 調 査 を実 施 していますが、 このたび、分 布 の 北 限 となる東 京 湾 でウシエビの 稚 エビが55年 ぶ りに発 見 されました。 55年 前 に確 認 されたウシエビの 採 集 地 が 不 確 かであった 事 か ら、今 回 の発 見 は、採 集 地 が保 証 されているウシエビとしての北 限 記 録 となります。 今 回 発 見 された稚 エビは、神 奈 川 県 水 産 総 合 研 究 所 によって、詳 しい調 査 を行 った後 、貴 重 な研 究 資 料 として葉 山 しおさい 博 物 館 に登 録 ・収 蔵 さ れる事 となりました。 東 京 湾 に多 様 な生 物 が 生 息 する裏 付 けとなった一 方 、東 京 湾 の 海 域 環 境 が 変 化 してきている兆 しとして捉 える事 も出 来 る事 か ら、今 後 、東 京 湾 の 環 境 監 視 について更 に様 々 な主 体 と連 携 を図 り、モニタリングの 強 化 を進 めていく予 定 です。 国土交通省横浜港湾空港技術調査事務所 ウシエビについて ウシエビ Penaeus monodon は、ブラックタイガーの名 で食 用 にされている大 型 のクルマエビの仲 間 で、インド洋 から西 太 平 洋 の熱 帯 ・亜 熱 帯 域 に広 く分 布 していま す。稚 エビはマングローブなどの汽 水 域 にすみ、成 長 に伴 って沿 岸 の深 みに移 りま す。国 内 では東 京 湾 以 南 に分 布 するとされていますが、その記 録 は大 変 少 なく、県 内 の確 実 な記 録 は三 浦 半 島 の油 壷 のみです。 今 回 発 見 されたエビについて 全 長 は37.8mmで、本 来 はマングローブに住 み着 いている段 階 です。発 見 された海 水 導 入 池 の周 辺 海 域 は淡 水 の影 響 を受 けており、本 来 の生 息 地 に近 い環 境 と思 わ れます。 国 内 で観 賞 用 または養 殖 用 に飼 育 されることはないので、浮 遊 幼 生 期 に生 息 地 から流 されてきた自 然 分 布 と考 えられます。この夏 は黒 潮 が東 京 湾 ・相 模 湾 に非 常 に接 近 しており、黒 潮 によって流 されてきたものと思 われます。幼 生 の期 間 は約 15日 ですが、稚 エビは小 枝 などにつかまって漂 流 する可 能 性 があるため、かなり遠 くからや ってきたものかも知 れません。 文 責 :神 奈 川 県 水 産 総 合 研 究 所 工 藤 孝 浩