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32巻 3号 (2000年12月発行) - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部
32巻 3号 東 平成12年 12月 京 大 学 大学1院,理学系研究1科・ 理 表 紙 の 説 明 シ ャ ミセ ンガ イ とエ ドワ ー ド・ モ ー ス 大森貝塚 の発見者 として、 あるい は東京大学 の動物学初代教授 として世 に知 られ る E.S.モ ースが 1877年 に 日本 を最初 に訪 れたの は、日 本近海 に多産 す る腕足類 の研究 を行 う ことが 主た る 目的であっ た。江 ノ島 に設立 した小 さな実験所 で シ ャ ミセ ンガ イの採集や観察 を行 うかたわ ら、請 われて帝国大 学 の学 生 のための講義 を行 った ことを機 に、帝国大学での二 年間 の教 授職 に招聘 されたので ある。モー スは 日本滞在 中、毎 日日記 をつ けた。 維新後 まもない 日本 の人々 と風物 をつ ぶ さに観察 したその記録 は、西洋文化 とのハ イブ リッ ド形成以前 の 日本 の姿 を今 日に伝 える貴重 な資料 となってい る。 後年、米 国 に帰 国 し腕足 類 な どの研究 を続 けて い たモースが この 日記帳3500ペ ー ジに及 ぶ資料 を出 版す るきっか け とな つたのは、友人 ビゲ ロ ウか らの以 下 の手紙 で あ った。 曰 く。「君 は正直 な所、 日本 人 の方 が 虫 よ りも高等 な有機体 だ と思わな いか。腕足類 なんぞ は溝 へ で も棄 てて 了 え。腕足類 は棄 て ● て置 いて も大丈夫 だ、 いずれ誰 かが世話 をす るにきまって い る。 (中 略 )こ の後十年間 に我 々がかつて 知 った 日本人 はベ レム ナイツの ように、 い な くなって了 うぞ。」 (「 日本 その 日その 日」石川欣 一 訳、平 凡社東洋文庫、 1970年 ) さて、時 は流れ 、 ビゲ ロ ウ博 士 のお っ しゃる通 りとな った。丁髯 腕足類 の世話 をす る人々が 出現 したのだ (そ (ち ょん まげ)の 人 々 は絶滅 し、 の一人 が私 )。 腕足類 は、動物界 にお ける系統学的な位置 がかねて よ り謎 で あった。 また、 その仲間 の一 つで あ るシャ ミセ ンガ イは、古生代 よ りその形態が ほ とん ど変 わ らぬ「生 きて い る化 石」 として ダー ウ ィ ン以 来有名 で あ る。表紙 の写真 は、 か つ て備 中 (現 在 の 岡山県 )で 採集 された ミドリシ ャ ミセ ンガ イ (Lれ 多 滋 ″鵬物α Lamarck)を 示す。本種 は、 長期浮遊型幼生 を擁 し、 日本沿岸 か ら赤 道域 を経 てオース トラ リア まで広 く西太平洋 下 イ ン ド洋海域 に分布 が知 られ る。 この ような広範 囲 に渡 って遺 伝 的均 一 性 が保 たれて い る ことが 形態 の緩進化 の要 因 で あ る とい う説 もな された。 そ こで (ミ トコン ドリア と核 の DNAマ ーカー を用 いて、陸奥湾、有 明海 、 そ して香港 に分布 す る本種個体群 間 の比 較 を実際 に行 ってみた。 その結果、意 外 に もそれぞれ の地域 集 団 は顕著 に遺 伝 的 に分化 して い る ことが 明 らか となった。 また、腕足類 の系統学 的位置 に関 して は、 ミ トコン ドリアゲ ノム に コー ドされて い る遺 伝子 の相対 的 な配 置 を比 較 す る ことに よ り、腕 足類 が 脊索動物 や棘皮動物 な どの後 回動物 で はな く、軟体動物 や 環形動物 な どの前 日動物 に近 縁 で ある こと、 さ らに軟体動物 よ りむ しろ環形動物 に近 縁 で ある ことを 示す結果 を得 た。 これ は、何 の ことはな い、 100年以上 前 にモースが 剛毛 な どの形態学的な知見 に基づ き提唱 して いた 一 しか しあま り顧 み られ る ことの なか った 一 系統仮説 なのであった。 かつて は日本沿岸各地 で見 られた はず の シ ャ ミセ ンガ イ も、最近 で はめっき り数 が減 り、珍 しい存 在 にな って しまった。 その主要 な生息環境 で ある干潟 が つ ぎつ ぎ と破壊 されて きた ことが第 一 の要因 であ ろ う。正直 な ところ、 日本人 の方 が腕足類 よ りも高等 な有機体 だ と私 も思 う。 しか し、何億年 も 姿 を変 えず に生 きて きた動 物 が 、 そのタイム スケールか ら見 れ ば一瞬 に して この世 か らい な くなって しまうとした ら、 それ は とて も悲 しい ことで はあるまいか。 遠 藤 ― 佳 (地 球惑星科学専攻) [email protected]‐ tokyo.ac.jp -2- ● 拗 躙 蠅 愧 撚 輻 欄 栃 蝠 繹 灘 目 次 翻綴辮翻難轟纂豫騨螂蠅灘難難聯 表紙 [シ ャミセンガ イ とエ ドワー ド 0モ ース] 表紙 の説明 … …… …・……… ……… ………………・………………・…・… …………・…………遠藤 ・ 一 佳 ………… 《 就任挨拶》 …………… …… … …… ……… ‐… ………・…… …………………………・岡村 評議員 に就任 して 定矩 …… … 《 新任教官紹介》 真 …… … 5 ………… …………………… …………………………………小木 曽啓示 ……… 着任の ご挨拶 :航 空機観測の面 白さ 《 研究紹介》 ………… ……………… … ……… …………… ………森下 真 ―……… 6 8 ………… ……… ……………………………牧島 一 夫 ……… 10 ……………… …………………………………………… …… ……柴橋 博資 ……… 12 カラビーヤウ多様体 を通 じて データマ イエ ング とゲノム情幸長科学 太陽の100倍 の質量 を持 つ 回転 ブラ ックホール 太陽の内部 を音波で見 る …… ……… … …………… …………・村 上 大気 の進化 :鉱 物 ―水 一大気 の相互作用 か らの推定 地球 システムの変動 とスノーボール・ アース現象 13 英一・…・…・ 14 RIビ ームを用 いたメスバ ウアースペ ク ト測定 _57 Mnか ら生成 した57 Feの 化学状態 …… … …………………………… ……… … ……久保 謙哉 ……… 15 生物時計 と MAPキ ナーゼ 吉孝 ……… 16 秀司・ 石川 統… …… 18 ・………・…………… …… …………………… ……・茂木 立志 ……… 20 ……… … ………・…… …… … ……… … ………・………………森澤 正昭 ………… 22 史昭・ 五十嵐丈 二……… 23 ……… … …… …… …雨宮 健太 ¨……… 24 細胞 内共生細菌のグノム …………………………………………………………………・ ・・深田 …………………………… …………………………重信 解 き明か された大腸菌の呼吸の仕組 み 相模湾 に生物保護 区 を作 る 地下水総合連続観測 ● …………… ……… … …… … ………・田近 隆 ………… (ECD)シ ステムに よる地 殻化学観測 …・…・………・角森 軟 X線 ビーム ラインの建設 :構 造、電子状態、 そして磁性の探求 MAGUNAMプ ロ ジェク ト 譲 ……… 26 …… ……… … ……………… ………… …………………… 28 … … …… ……………………………………………… 29 ……… …………………………………………………………… 30 ー活動銀河核の多波長 モ ニ ター観測 による距離決定 の新手法 …………………………吉井 《その他 》 平成 12年 度理学系研究科技術 シンポジウム実施 され る 技術職員研修「極微小領 域 の分析 技術関係」が実施 され る 平成 12年 度理学部名誉教授懇談会 開催 され る 理学系研究科長 (理 学部長 )と 理学部職員組合 との交渉 人事異動報告 …・………………………………… ………………… 31 ……… … …… ………………・…… …………………………………………………… …………… 33 博 士 (理学 )学 位授与者 ……………………… ……・…………・…………………………………………… …・ 34 -3- 評議員 に就任 して 岡 村 定 矩 (天 文学専攻) [email protected]‐ tokyo.acJp 体 が、想像 を絶す る不見識であった と私 は個人的 には思っ てお ります。 さ らに、「何 ら日本 の高等教育、学術研究 の ビジ ョンもない まま」、 また 国民 が ほ とん どその実態 を理解す る時 間 もな い うちに、平成 11年 7月 に法人化 の 基礎をなす独立行政法人通則法が成立 してしまい ました。 この ことは最近 の この国 のあ りようを端的に示 してお り 極 めて遺 憾 な ことです。国家百年 の計 に関わ るこの よう 濱野先生の後任 として このたび評議員 に選 出 され まし た。 自転車操業 でその 日暮 らしをしてい る身が この よう な大 役 を仰 せつか るとはまさに晴天の扉震で した。私 は 東京大学 の助手 に採用 されて以来、 1991年 に天文学教室 に移 って くるまで13年1間 の研究生活 を長野 県 の木曽観測 所 で過 ごしました。あ ま りに もの どかな環境 であつたせ いか、理学部 。理学系研究 科全体 のあ り方やそれに対す な問題 は、時が時であつた ら、国会議事堂前 を埋 め尽 く すデモが起 こって も不思議ではない ものであった と思 い ます。 しか しなが ら、諸般 の情勢 を見 るに、国立大学 の法人 化 その ものはさけられない事態 であると私 は思 い ます。 文部省では平成 13年 夏頃 には関係法令 の骨子 を固める予 定 で、調査検討会議 を置 いて精力的 な検討 を始 めてい ま す。 この限 られた時 間 の うちに、 目指 すべ き理想の大学 る 自分 の責任 とい つた問題 をほ とん ど意識 しない まま若 い時期 を過 ごして しまい ました。 ましてや東京大学 に関 像 を掲 げ、その追求 に とって益す るような、少 な くとも 妨 げになる ことの決 してないよ うな法人化後 の枠組 みを しては言わず もがなであ りました。本郷 に移 ってか らも 「二つ子 の魂百 まで」 とい うわけで、理学系研究科 には 作 るた め に、東京大学 として全力 を尽 くさなければな り ません。理学系研究科 の諸先 生 を含 む多 くの大学人 の多 方面 へ の働 きか けによって、 国立大 学 の法人化 は「通則 大 した貢献 もで きずに現在 に至 ってお ります。私 は主 に 可視光 で銀河・ 銀河団 の観測的研究 を行 つてい ます。我 が 国 にはこれ まで この分野 の世界最先端 の望遠 鏡 はあ り ませんで した。 このほ どハ ワイに「す ばる」望遠鏡 が完 成 し、私 たちの グループ もその観測装置 の一 つ を開発 し て、 これか らようや く学生の頃夢 に見た ような観測 がで きると期待 して い る この頃 です。 そんな矢先 に評議員 に 法」 をはみ出す必要性 の認識 が高 まった とはいえ、具体 的な制度設計 の大 枠 が見 えて こない限 り最後 まで予 断 は 許 せ ません。理学系研究科 の将来計画委員会 として、 い つ どのような ことをすべ きか はまだ私 には十分わかって い ませんが、引 き続 きこの問題 が 中心的 な検討課題 であ る と認識 してお ります。 法人化 という公務 員制度 の根幹 の変更 を検討 して い る 選 出 されたのは、 これ までのつ けが回つてきたのに違 い あ りません。 一 方 で、何 ら根本的な見直 しのなされ る気配のない定員 理学系研究科 では将来計画委員長 を仰 せつかってぃ ま すが、実 はまだ委員長 として一度 しか委 員会 を開 い てい ない時点 で本稿 を書 いてい ます。将来計画委員会 は今年 削減 の割 り当てな ど、他 にも重 要な問題 は山積 していま す。社会 に対す る大学 の発言力 が昔 よ り低下 してい るよ うに見 える ことも気 になって い ます。 もとより微力 で は 度佐藤委員長 の下 で、東大及 び広 く国立大学の独立法人 化問題 について精力的 な活動 を繰 り広げて こられました。 ございますが、研究科長 を補佐 して理 学系研究科 のため、 また東京大学 のために尽力す るつ もりですので どうぞよ そ もそ もこの問題 が政府 の「行 政改革」 の一環 として、 国立大学 の独立 「行政」法人化 として提起 された こと自 ろしくお願 いいた します。お気 づ きの ことが あれば何な りとご意見 をお寄 せ ください。 ―-4-― 0 新任教官紹介 着任 の ご挨拶 :航 空機観測 の面 白 さ ′ Jヽ 池 真 (地 球惑星科学専攻) [email protected]‐ tokyO acjp れてきました。名古屋大学に在籍 していた時の私たちの 研究グループ も、1990年 代 にアメ リカ NASAの 大型航 空機観測 プロジェク トに参加する機会が何度かあ り、太 平洋や大西洋 を観測機 で飛び回 りなが ら、人間活動が大 気化学環境 に与 える影響な どについて研究 を行ってきま した。 また近年 は、 日本が中心 となった国際航空機観漁」 プロジェク トを、西太平洋熱帯域で実施する上で も積極 的 に関わ ってきました。 10月 16日 付 けで本研究 科地球惑星科学専攻 に着任 いた しました。同研究科の博士課程 を修了 した後、着任前の 約 10年 間 は名古屋大学太陽地球環境研究所 に勤務 してお りました。久 しぶ りに旧 1号 館 の 自分 が昔 いた教室へ戻 っ てみると、 自分 が学生時代 に豆か ら育てて いた コー ヒー の苗木 が、私の卒業後 も誰かの手 によって大事 に育 て ら れて いて教室 の天丼 に届 くほ ど大 き く生長 しているのに 最近 は特 に対流圏の航空機観測 にエ ネル ギー を注 いで い ます。 その醍 醐味 としては、実際 に様 々な現像 が起 き て い る現場 を 自分 が 観 測 機 に乗 って 飛行 す るた め、 (オ ゾン濃度 な ど、観測項 目もリアル タイムで確認 で き ます)、 ここで確 か にある現象が起 きてる とい う 3次 元 的なイ メージが実感 で きることで しょう。地球科学の面 白さのひ とつは、様 々な現象 に地域性 があ り、基本的 に は同 じ法則 に従 った現象 で も場所 によって現れ方 が異 な る ことが あ ります。航空機観測 の場合、熱帯や北極域 を 驚 か された りしました。 これ まで私 は、成層圏や対流圏のオ ゾンや窒素酸化物 といった反応性気体 の観測 。研究 を行 ってきました。私 地表面 か ら成層圏 との境界 まで飛行 しなが ら、 このよ う が大学院 に入学 した1985年 には、ち ょうど南極のオゾン ホールの発見 が論文 として報告 され ました。 それ以 降、 な大気 中の諸現象 の奥深 さを感 じ取 ることがで きます。 また航空機観瀬1は 、比較的少人数で短 い時間の中で測定 成層圏オ ゾンは世界的 にも活発な研究が行われ研究が大 き く進展 しました。私 は人工衛星 のデータ解析、地上 か らの リモー トセンシング、気球 か らの直 接観測等、様 々 器 の開発・ 改良 を行 い、 プ ロジェク ト毎 に様 々に異な っ たグループ とチームを組 みなが ら観測・ 研究 を進 めると な手法の研究 をしましたが、このよ うな時期 に居合わせ、 ク トを立案 した り、細部 を コン トロールで きるサイズの 自分 も研究 を行 うことがで きた ことは幸運 で した。 1990年 代 は、 またグ ローバル スケールでの対流圏大気 科学研究 の手法 で ある ことも、良 い点 であると考 えて い ます。 化学 が大 きく発展 した時期 で もあ りました。対流 圏 とい うのは地表か ら高度 12kmく らい までですが 、人間活動が 最後 に、 これ まで私 が在籍 した大 学の付置研究所以上 に、理学部 。理学研究科 では学生 の教育 。指導 が重 要な 行われ てい る身近 な環境 であるに もかかわ らず、 グロー バル スケールでの各種成分の発生源、輸送過程、大気中 仕事 とな ります。今後 の科学研究 の原動力 となってい く 優秀 な人材 を育て られ るようベ ス トを尽 くした い と思い での変容過程等 が研究 されたのは、 1980年 代後半 になっ てか らです。対流圏 は成層圏 と異 なって雲や高濃度の水 ます。地球科学 は様 々な科学 との複合領域 のひ とつです ので、多 くの研究者や学生 とも交流 を計 りなが ら、研究・ 蒸気 が あるため、人工衛星か らの観測 が容易ではな く、 教育 をしてい きた い と思 ってお ります。皆様 の ご指導 を よろしくお願 い致 します。 その研究 はこれ まで主 として航空機観演1に よって進 め ら -5- い う特徴があ ります。 自分 たちで比 較的柔軟 にプ ロジェ カラ ビーヤウ多様体 を通 じて 小木 曽 啓 示 (数 学科) oguiso@rl■s.u― tokyo.ac.jp 専門 は複素代数幾何学 で、主 に標準束 が 自明 であるよ うが多様体 に関す る研究 をして い る。標 準束 が 自明 であ る多様体 は、ある意味 で無重力状態 におかれた多様体 で あ り、“方 向性 "を つ けるには人工的 に偏極 をあた える 必要があるとい う意味で 自然 に扱 えない面 もあ るが、他 方、周期 に関す る振 る舞 い はよ く、K3曲 面 とよばれ る、 その性質 の美 しさで多 くの数学者 を魅了 して きた 曲面 の 一般化 で もある。従 って、 い ろい ろな、美 し くかつ面 白 abstractな 方法 で あった。 難点 はその 方法 で 得 られ る 結果 は、予想 よ り強 く「本 当 の有限性」 をも導 いて しま うところにあった。従 って、 (「 本当 の有限性」 には反例 のある)第 2チ ャーン類 が消えてしまうようなファイバ ー 空 間構造 には、全 く無力 な方法だ った。昨年 の今 ごろ (10月 頃)、 対極 にあ る、第 2チ ャー ン類 を消 して しま うフ ァイバ ー空 間構造 について も有限性予想 を解決す る ことが 出来た。その解決 には、前段階 として、第 2チ ャー ン類 を消 して しまうようなファイバ ー空間の幾何学的構 い性質 を もって い るに違 い ない と信 じられている多様体 で もある。 その 1つ のクラスが 3次 元 カラビーヤウ多様体 と呼ば 造 をかな り詳細 に明 らかにす ることが必要 になった。対 数的極小 モ デル理論、表現論 な ど、証明 にはいろんな道 れる多様体 で、10年 ほど前 に物理学者 Candelasら によっ て ミラー対称性 と呼 ばれ る純数学的 には予想だ にで きな 具 が (少 な くとも筆者 の方法では)必 要 になったが、結 果的 には非常 に簡明な構造 になって しまうことがわかっ かった意外 な対称性 が発見 された ことで、数学者、物理 学者 の間 に一大 センセ イ シ ョンを巻 き起 こした多様体 の た。 これは筆者 には少 し驚 きで もあ り、 この構造定理 自 身 が予想解決の過程で得 られた副産物 に もなった。 (た クラスで もある。 90年 の 中頃 には e― print serverに 毎 日の様 にタイ トルにカラビー ヤウ とい う文字のはいった preprintが 出 ていた。Candelasら が 実際 に観察 した と だ前提 としていた筆者 の論文 の 1つ に不備 が見 つかって しまい、最初 か らや り直 さなければな らない ところが 出 てきてしま うとい うハ プニ ングはあったが。)フ ァイバ ー 思われ る超 曲面型 カラビーヤウ多様体 に対す る、 ミラー 現象 は、数学者 バ テ レフによる トー リックファノ多様体 空 間予想 の完全解決 には、あ と、特性類 を消 して しまう (仮 想的)フ ァイバ ー空 間構造 へ の フアイバ ー空 間構造 の超 曲面族 に対す る位 相的 ミラーの数学的構成、 コ ンセ ヴィッチ、 マニ ン らによる曲線の安定写像 のモ ジ ュライ 達の収束の解析 にかかわ る問題 が残 ってい るが、力不足 で まだ出来 ていない。 この一連の研究 は、結果や方法 は 理論、量子 コホモ ロジー群 の数学的整備発展 を経 て、最 終的 には数学者 ギヴ ェンタール によって純数学的 にも検 ミラー とは関係 しないのに、 ミラー予想がなかった ら定 式化す る ことに思 い至れたか どうかす らわか らない とい う点 で、 ミラー予想 に大 き く依存 した。 証 され、ある意味で一段落 ついた ところもあるようである。 ところで、筆者 は、川又氏 による 3次 元代数多様体の バ ア ンダ ンス予想の解決に触発 され、92年 頃か ら、ミラー また、 もう一 つ の貴重 な “副産物 "は 、 この研 究 を通 じて、 い ろんな数学者、物理学者 と知 り合 え、時 として とは無関係 に、純代数幾何学的な視点か ら 3次 元カラ ビー ヤウ多様体 の研究 をはじめて いた。 だか ら、その過程 で 海外 の研究集会 に呼んで もらえた り、その時 々に違 うバ ッ クグラウンドをもった研究者の人達 と議論 できた ことだっ 何 とな く感 じて いた ことが、錐予想 と呼 ばれ る、 ミラー た。昨年 1年 はフンボル トフ ェロー として Viehweg氏 の下、 ドイツのエ ッセ ン大学 に滞在 し、氏 と新 しい共同 対称性予想 の 1つ の数学的定式化の中に現れ る予想 と密 接 に関係す る ことを、Morrison氏 か ら指 摘 された時 は 驚 いた。 そ こで錐予想 の幾何学版 であるファイバ ー空間 研究 をす るとい う機会 に恵 まれた (近 く出版予定 )。 そ の研 究 は、す ぐ後 に、氏 によって違 った方法 で一般 の場 予想 (一 般 にはフ ァイバ ー空 間構造 は無限個 あるのに同 型 を法 とすれば有限個 になって しまうとい う予想 )を た 合 に拡張 されて しまった とい う点では必ず しも成功作 と はいえない し、筆者 の貢献度 もあまり大 き くない もので て、 その予想の解決 を目指す ことにした。調 べ てい くう ちに第 2チ ャー ン類 と呼 ばれ る特性類 が問題 とかか わる はあ つたが、 ある種 の楕円曲面族 の準 自明性 とい う今 ま での筆者 の研 究 とは異質な問題であったにもかかわ らず、 カラビーヤウ多様体 の フ ァイバ ー空間構造 を調 べ る時 に 学 んだ楕円 フ ァイバ ー空間構造 に関す るい くつかの技法 ことが わか って きた。 この ことは、“第 2チ ャー ン類 が ある程度大 きい"場 合 に予想 を解決 した Perternell氏 と の共同研究 (98年 出版・ preprintは 96年 頃完成 )で 明 ら か にな った。 この論文 の 方法 は Alexeev氏 の対数的 曲 面のモジュライ空 間 の有界性定理 に基 くもので、比較的 -6- や、 K3曲 面 の研究 によ くでて くる周期写像の考 えが役 だち、そ こで少 しお手伝 い出来た ことがち ょっと嬉 しかっ た。 また、 この研究 と Borcherdsら による先駆 けの仕 0 蛛 が自咽である%の も 事柘鍛発されて、械 )つ のメラスである羅ケー ラー多様諄 (K3量 画つ最 も機 な蕎次油Ю o■ .次欲 伴うどカーを動の ジ辛ンピユ舜難馨を明られにでき濶ことは、出来てしま えば簡単な ことで酪 った錢 綸鵞勢隧 にも蓼 靭よ る11 ,耗 たと思 うがこ⑬研究の軋 感いくつかの毅 嗜 きであ,た Iがヽそσ甕 │]叉 縄曇のこ動濤 薔あつて、蝙 堆 峰:て 取 り除くととが継 ,電 一 うの応馬として欄円K3由 爾の費 ル‐ザー エィュ格子 達の間嗜 あると│と を明らかにしま名 また、閥 審性問題高関する機採燿はなかった温轟ib得 られ終嗽逝 く轟糟阪1轡鬱孵する歌定である。 こ麟議史を,き つかけに、玲痺碁海醸味遣、超ン'ニ ワー てきてぃる。 参機鎖RIX3‐ 曲鷹籾波ルaしし -7- 研究紹介 デ ー タマ イ ニ ング とゲ ノム情報科学 森 下 真 ― (情 報科学科 ) [email protected]― tokyo.ac.jp 平成 11年 9月 に理 学部情報科学科 に赴任 しました森下 真 一です。大規 模 なデー タベ ースか ら経験則 を高速 に抽 出す るためのデータマ イニ ング技術 の研究 と、膨大 なゲ ノム デー タの解析 を、や は り高速 に行 うゲノム情報科学 の研究 をしてお ります。 デ ー タ マ イエ ング (data minil■ g)は 、耳慣 れ な い言 葉 か もしれ ませんが、巨大 なデータベ ースを鉱 山 にた と え、 そこか ら値千金の鉱脈 のような経験則 を発見す ると い う意味 を もつ造語 です。 1993年 ごろか ら IBMア ルマ デ ン研究所で研究が盛 んにな り、特 に ビジネスデータヘ の応用 が著 しく、遺伝子情報 へ も適用 されてい ます。従 来 の回帰分析 な どとの違 いの一つ として、連続量 ではな また、ゲノム上 高精度遺伝子地図の作成 にも取 り組 ん でいます。従来 のゲノム情報科学の貢献 の一つ として、 数百万個 にお よぶ cDNAを デ ー タベ ース化 し、配列 の 類似性 が 高 い cDNAを 探す機能 (Blastな どのツール) を提供 した ことが あ ります。実際、多 くのユ ーザに利用 されて い ます。 しか し cDNA間 の比 較 だ けで は、選択 的 スプライ シング・ プロモー タ配列 な ど転写 に関連す る 重要な情報が見 えない とい う問題 もあ ります。幸 い1999 年後半以降 はヒ トゲノムの公 開 が進展 し、DNA配 列 と い う正確 か つ 完備 な情報 を もつ物差 しの上 に、cDNA をすべ て写像 して上ヒ 較す る ことが不可能 ではな く現実味 を帯 び て きて い ます。 しか し、 数 百万 個 に も及 ぶ全 cDNA配 列 を塩 基 数 約30億 の ヒ トゲ ノム 上 に exon― く離散的 な値 を もつパ ラメータを対象 とし、パ ラメータ の値 がある離散値 と等 しくなる条件 の論理積 を考 え、論 intronの 構造情報 も明 らか に しなが ら高速 に写像 す る 理積 の間 に相 関度 を定義 し、相関度 の高 い組合 せ を高速 に計算す ることが大 きな研究テーマ になっています。パ DNAと ラメータ数 が数百万 にお よぶ ことが稀 ではないため論理 積 の数 は膨 大 にな り、計算 の最適化 が必要 にな ります。 計算中に考慮す べ き論理積 をうま く選択 し、調 べ て も無 動 的計 画法 の利 用が望 ましい のですが 、動 的計 画法 は Blastな どの近 似的解法 に比 べ計算 の負荷 が大 きい とい 駄 な論理 積 の集合 を切 り落 とす prulling法 の設 計 が重 要 にな ります。我々 は相関度 を定義す る統計量 の性質 を DNA配 列 に長 さが数千 の cDNA配 列 を平均10秒 程度 利 用 した pruning法 で あ る ApriOriSMP法 を設計 開発 し、以前 は解法 が難 しい とされたベ ンチマー クテス トを 効率的 に解 くことに成功 しました (1)。 デー タマ イエ ングの応用 として、ゲ ノム情報科学 の研 究 も行 つてお ります。例 えば、ゲ ノム 医科学分野 で は SNPと 呼 ばれ る遺 伝 的多型性 をもつ ゲノム上 の 1塩 基 の変異 を数十万 か ら数百万のオーダーで収集す る計画が あ ります。遺伝病 との相関 の高 い SNPの 組合 せ を計 算 するために ApriOriSMPを 利用することを考 えてい ます。 のは容易 ではあ りませ ん。 また,高 精度 に読 まれた ヒ ト は異 な り cDNA配 列 には読 取 の ミスが 多 く、 このよ うな読取 ミスに も柔軟 に対応 がで きる感度 の高 い う問題 が あ ります。我 々 は現 在、塩基数 が 約 3千 万 の で写像す るソフ トウエ ア技術 を開発 しましたが、 もう 1 桁 の性能向上かで きないか模索 して い ます。 そして近 い 将来 WWWか らゲノム上 高精度遺伝子地図 (図 2参 照) を公 開 したい と考 えて い ます。 参考文献 ● [1]S.MOrishita and」 .Sese."Traversing ltemset Lattices with Statistical Metric Prunillg"Pη ε .げ 4C′ 7(弥 α4Cη g670D‐ 師α4RT(シ 笏夕.θ %Dα ‐ ″み α sι sソ s″ 夕 2S ρODtt pp.226‐ 236,May 2000. [2]T.HiShiki,S.Kawamoto,S.Morishita,K.Okubo: BodhⅣ Iap: a human and mouse gene expression “ ゲノム情報科学 の研究 で は、他 に約 2万 個 の ヒ ト遺伝 子 (mRNA)が 様 々 な異 な る細胞 中 で どれだ け働 い て い る (発現 して い る)か とい う定量的な情報 を公開中の www サーバ ー BodyMap lhttp://bOdymap.ims.u― to― kyo.ac.jp/図 1参 照)を 開発 してい ます (2)。 各細胞 に 発現 している遺 伝子 をその分布 の偏 りか らランキングす (3)、 る機能 発現 の類似性 か ら遺伝子 をグループ化す る ことで機能 の異 なる遺伝子 を分別す る機能 な ど、他 に類 のないユ ニ ー クな情報 を提供す るサーバ ー として認識 さ れ、海外か らのアクセス も過半数 に及んでいます。 -8- database"Attθ ″グ θ 4θ グ ゐ Rω ι απれ Volume 28, Issue l,pp.136-138,January 2000 [3]」 .SeSe,H.NikaidOu,S S Kawalnoto,Y.Minesaki, Ⅳlorishita and K.Okubo.BodyL/1ap incOrporat‐ ed PCR‐ based expressiOn prOfiling data and a gene ranking system. To appear in Stθ ″グ θz4θ Sι αγθ 力 . ― =ds Rι 研究紹介 IHUMAN] GS CaFd GS02085 D― on Homo sapiens hapt● 」obh OP)XNA 4ACC llM 005143 鋤 dCme Hs 75990 ExpFeS31● ll patem by lAIIIP(p山 mer IIID) I・ C121171 BI8 鬱 色 D ロル ヒ 蹂 げ 妻F ど 目 静 WWWサ ー バ ー BodyMap ピ晨 こrQ 〓日4 ざ8〓 ■■ EEけ ■諄 〓rB ヨ ︰ 1 Iヨ ー ロ E 図 http//bOdymapims.u‐ tokyO.acJp/ 図 は遺 伝 子 の 細 胞 別発 現 量 を表 示 した GS Cardの 例 。 _ _ .… 澤 _J.綴 、 _._■ _ __二 __■ 、 ___、 _塁 1 L、 圏熙鞭頭銀暉 _ _… …… ■____ .._l、 ____^警 二_____ 曇_、 環 i _■ 羅 _1 縫 __ ,_塁 i_澤 _ぶ l J難 ■_ヽ _ _、 慰 ___ヽ _、 .´ _■ _11′ _ …ヽヽ _´ _ 爵 _ 』 ―― 重 _、 ■___ 一 一選 ヽミ __´ 、 、 ■ __ _、 ___ ´ _ _´ 、 _ 瑶、 ― 図 2 開発 中 の ゲ ノム上 高精度遺伝子地 図のイメー ジ 21番 染色体 DNA配 列 の一 部 に cDNAを 写像 した結果。 複 数の aLerna‖ ve splicingや プ ロモ ー タ配列 が分 か る。 -9- 研究紹介 太 陽 の 100倍 の質量 をもつ回転 ブラ ックホ ール 牧 島 一 夫 (物 理 学 専 攻 ) maxllna(Dphys.s.u― tokyo ac』 p 重 い星 は、進化 の最期 に潰れてブラックホール (BH) にな る。BHは 、 その質量 に比例 した半径 Rsの 「事象 の地平線」 に囲 まれ、その内側か らは光 も逃 げ出せ ない ので、暗 い夜空 に潜 む BHは 簡単 には発見 で きな い。 系統 的 な X線 分光 を行 って きた。 その結果、 8個 ほ ど の ULXは 標準降着 円盤 のスペ ク トル を示 し [5]、 残 る 3個 ほ どは硬 い「べ き関数 J型 のスペ ク トル をもつ こと を発見 した。後者 は、光学的に薄 い降着円盤 か らの放射 しか し BHと 星 とが 近接連星 をな し、星か ら BHへ と ガスが 降着す ると、 BHの 周 りにで きる降着 円盤 か ら強 であ り、や は り BH連 星 に特有 で ある。 さ らに IC342 い X線 が放射 され、 目立 つ天体 とな る。 は くち ょう座 再観測 した ところ、 一 方 のスペ ク トル は標 準状 態か ら 「 べ き関数」状態 に遷移 し、 また他方 のスペ ク トル は、 にある強 い X線 天体 Cyg X‐ 1が BH連 星 に違 い ない と う達見 を、世界 に先駆 けて1970年 代 はじめに唱えたのは、 本学名誉教授 の小田稔博 士である [1]。 以来、 日本 は BH連 星 の研 究 で世界 の トップ を走 り 続 けて きた。 ある条件で降着 円盤 は、幾何学的 に薄 く光 学的 に厚 い「標準状態」 とな り、 そ こか らの X線 放射 は、各種 の温度 の黒体放射 を一定 の比 率 で混ぜ合わせた 「多温度黒体放射」 にな ると考 えられ る。 この予想 は、 宇宙科学研 の 3世 代 の衛星「てんまJ「 ぎんが」「あすか」 によ り、5個 ほ どの BH候 補 の観測 を通 じて検証 され てきた [2]。 BHを 中性子星 か ら区別す る方法が確立 し、 観測 データか ら求 めた 降着 円盤 の 内縁 の半径 が 3Rsと よ く一 致す ることも見 出 された。 この 3Rsは 、 一 般相 対論 のために安定 な円軌道 が消失す る半径 なので、理論 的な予想 とも辻棲 が合 う。 1996年 には王者 Cyg X‐ 1の 降着円盤 が、 16年 ぶ りに標準状態 とな り、我 々が 開発 し た「あすか」 ガス蛍光比例計数管 (GIS)[3]の 観測 デ ー タか ら Rsを 求 め、そ こか ら BH質 量 を推定 した とこ ろ、 ∼ 1郷化 と求 まった。 これ は光 学対応天体 の軌道 ド ップラー運動か ら求 めた値 とよ く一 致す るため、我 々は 「Cyg X‐ た とい う渦巻 き銀河 にある 2個 の ULXは 、 7年 を隔 て て 偶然 ではあるが逆 向 きに遷 移 した ことが発見 された [6]。 この様 子 を図 に示す。 こ うした遷移 は BH連 星 に固有 な特徴 なので、ULXが ∼ 10M%の は確定的 となった。 BH連 星 であ る こと この結果 には続 きが ある。∼ 100〃 。と重 い BHで は、 降着 円盤の内縁温度 は、理論的 には∼ 05 keVを 越 えな い はずなのに、ULXで 観澳1さ れた内縁温度 は、 いずれ もその 3∼ 4倍 に達す る。我 々 は、BHが 高速 で 回転す る「Kerrブ ラ ック ホール」 になっていて、その場合 に は安定 な 円軌道 が 0.5Rsま で 接近 で きるた め、 円盤 の 内縁温度 が高 くなると考 えてい る。超 高速回転す る重 い BHを どうやって作 るか、そのシナ リオに興味 が もたれる。 こうした進展の一方で2000年 2月 10日 には、「 あすかJ の後継 機 となるべ き ASTRO― E衛 星 が、M― V-4ロ ケ ッ ト1段 目の不調 により、我 々が釜江研 な どと共同で心血 を注 い で 開発 して きた臨 検 出器 もろとも、失われて [7]。 筆舌 に尽 くせない痛手 であるが、皆様 の ご支援 のおかげで、再挑戦 へ の道が 開けつつ ある ことを、 ご報告 かたがた感謝 したい。 しまった 1は 正 真 正銘 の BHで ある」と宣言す るに至 っ [4]。 系外銀河 には新たな驚 きが待 って いた。 20年 も以 前 か ら、近傍 の 渦巻銀河 の腕 には、異常 に明 るい点状 の X 線源が しばしば観測 されてお り、大 きな謎 となっていた。 それ らの X線 光 度 は太 陽光度 の 数百 万倍 に も及 ぶ。 重力 が その 放 射 圧 に勝 つ た め に に は、 中心 天体 に∼ 10Mん もの質量が必要なため、 それ らは BHだ ろうと考 えられて来た。 しか し∼ 10餌 も の BHが 星 の進化 の果 て に作 られ る とい うコンセンサスは無 く、 この考 えは仮説 の域 を出なかった。 我 々 は こ う し た 天 体 を ULX(Ultra_Luminous Compact X‐ ray Sotlrce)と 名付 け、「 あすか」 を用 いて -10- 参考文献 [1]レ ビュー は、M.Oda,動 形 Sc・ 力πθ ιRι υグ αυ s 20,757 `ι (1977) ′ αスリスS′%9ρ ゎs.ェ 308,635(1986) [2]K Makishima θ [3]大 橋隆哉、牧島一夫、物理学会誌、1994年 4月 号、 p.287 α′,4s′ γ [4]T Dotaniι ′ ρ ρtts.′ Lι 滋6485,L87(1997) [5]K.Makishima ι′αス,4s"9ρ のS.ノ 535,632(2000). [6]A Kubota,T.Mizuno,K.Makittima,Y.Fu― kazawa,J.Kotoku,T.Ohnishi&M.Tashiro, スs′ %σρtts.工 ιι ′ ″簿,in press(2001). [7]牧 島一夫、「科学J、 2000年 8月 号、p.642. 研究紹介 図の説明 「 ぁすか」衛星で、1993年 と2000年 に、近傍の渦巻き銀河 Ю342を 観測 した結乳 左の 2つ は光の画像に X線 の画像 (角 分解 能があまり良 くない)を 重ねたもので、Souro,1 と SOurce 2と いう、きわめて明るい 2つの XI線 源が見られる。 1993年 には Source lが souFce 2よ り明るかつたが12000年 には逆転 した。有はそねらの X線 スペ ク トル (装 置の応答を取 り除いたもの) で、 ア年間 に sOurce lは F標準状態」か ら「べ き型状態 へ Source 2 1よ その逆の遷移 をしたことがわかる.. J‐ -11- 研究紹介 太 陽 の 内部 を音波 で見 る 柴 橋 博 資 (天 文学専攻) shibahashi@astron,s.u‐ tOkyo.ac.jp スイカを叩 いて その音色 を聞 き分 け、食 べ ごろを調 べ が誕生 してからその進化の過程 で、中心部は収縮 してい く。角運動量を保存 しなが ら収縮すれば、当然、回転 は る。 これ は音 を使 つてスイカの 内部 を直接 目で見ず に診 断 して い る訳 だ。 これ と同 じ原理 を使 って太 陽 の内部 を 速 くなって い くだろう。 一 方表面 では、太陽風が外 に吹 探 る研究 (「 日震学」 と呼 ぶ)が 進 んで い る。太陽面 で はいつ も約 5分 位 の周期 の振動 が起 こっている。太陽 の き出 しているので、次第 に回転 が遅 くなってい くだろう。 ところが結果 は、表面層の方 が 回転 が速 い。対流層内 の 表面近 くで起 こってい る対流運動 によって太陽全体が い つ も叩かれてい るか ら振動 しているのだ と考 えられてい 自転 は、大雑把 に言 うと表面 で見 られ る自転 と同 じで、 緯度 に強 く依 って いて深 さにはあまり依 って い ない。一 て、観測 されている振動 は、 ガス圧力 を復元力 とす る固 有振動 モー ドが多数重 なった ものである。 この振動 を解 方、内部 の輻射層 は、表 面赤道付近 よ りもゆっ くりした 岡1体 回転 になっている。 析すれば、言わば太陽の音色 を聞 き分 ける ことにな り、 太陽内部 を探 ることが 出来 るのだ。 この対流層 の非一様 回転 か ら輻射層 のほぼ一様 な回転 へ のE移 層 は非常 に薄 い。 この遷移層が、対流層直下で 多数 の固有 モー ドを解析す る事 に よ り、 まず太陽内部 の音速分布 が判 る。音速 は温度 が高 い ほ ど速 いので表面 進化 モ デル より音速 が速い層 に一 致 してい る。進化 モ デ ルで は、対流層直下 の輻射層 で は拡散 によって水 素 が深 か ら深 さと共 に速 くなるが、中心近 くになると逆 に少 し 遅 くなって い る。 これは中心部 でヘ リウムが外 よ り多 く さと共 に僅 かに減少 して い る。音速 は温度 だけでな く化 学組成 にも依 るか ら、 この遷移層で現実の太陽の音速が 含 まれて い ることを示 して い る。中心核 での核反応 の証 拠 と見なす事 が 出来、太陽の年齢 を これか ら決 める事 が 速 いのは、自転 の様子 の急激な変化 に伴 う攪拌のために、 深 さに伴 う水素の減少 をモ デル よりも抑 えて い るか らで 出来 る。太 陽の音色 を聴 くだけで年齢が判 るとは、画期 的 ではないか。太陽中心部 で発生 したエ ネル ギー は輻射 で運 ばれ 、あ る程度 よ り外側 か らは対流で運 ばれ る。中 心か ら約 0.7太 陽半径 ぐらいの ところで音速 の傾 きがガ クッと急 に変わ っていて、 ここが輻射層 と対流層の境で あると判 る。恒星 の一生の過程 を追 う理論 に基づいて作 られた太 陽 の進 化 モデルの音速分布 と、 こうして求めた 現実の太陽内部 の音速分布 を比 べ てみると、全体 として 割合良 く合 っているが、対流層の直下 で、現実 の太 陽の 方が音速 が顕著 に速 い。 太陽が 自転 して い る事 も固有振動数 に影響す る。 そこ ● はないか と、考 えられた。実際、最近 になって太陽の振 動数解析 を更 に進 めて化学組成の分布 も決め られ るよう にな り、水素の深 さ分 布 は攪拌 が起 きて い ることを示唆 す る結果 が得 られるようになった。 日震学 は、太陽 ニ ュー トリノの問題、太陽表面 での リ チウム欠乏の問題、恒星進化 に伴 う内部での角運 動量配 分の問題、太陽活動の問題等、太陽・ 恒星 に関す る重要 な基本的 な問題 に新 たな切 り口 。取 り組み方 を提供 せん としている。 参考 で、詳細 に解析すれば自転 の様子 が深 さや緯度 の関数 と http://ヽ ″ wW.astron.s.u‐ tOkyO.ac.ip/ して どんな風 になっているか を求 める事 が 出来 る。太 陽 group/shibahashi/helioseismology99.htnll ―-12-― 0 研究紹介 大気の進化 :鉱 物 一 水 一 大気の相互作用からの推定 村 上 隆 (地 球惑星科学専攻 ) [email protected]‐ tOkyo.acjp 先 カ ンブ リア時代 (約 46-6億 年前 )に 大気 の組成 は大 き く変化 した と考 えられて い る。例 えば、二酸化炭 年以上前 の古土壌 には風化 生成物 は今 まで発見 されて い なかった。 このよ うな状況で、我々 は当時の大 気 の情報 素 は現在 の 1万 倍 か ら現在程度 まで減少 した と考 えられ て い る。 この減少 には風化反応 (鉱 物 ― 水 一 大気 の相 を直接反映 す る風化生成物 を見出す作業 を行 って きた。 最近 つい にカナダ、 プ ロン トの古土壌か ら、25億 年前 の 互作用 )が 大 きく関与 し、大気中 の二酸化炭素 は主 に炭 酸塩 として地殻 に移 り、大気か らは除去 されていった。 風化生成物 を発 見 したので紹介 した い。 先 カンブ リア時代 における二 酸化炭素の減少の定量的取 り扱 い は、 シ ミュ レー シ ョンで行 われて い る。我々の研 0 究室では、先 カンブ リア時代 の実際 の岩石 か ら推定値 を 導出 しているが、本小稿 で は紙面 の関係 で割愛す る。一 が、 よ り多 く形成 していた。 どの試料 の Rhabdophane 方、地球上の生命活動 によ り生 じた と考 えられて いる酸 素 の増加 は、 シ ミュ レー ションで はな く、地質時代 に起 dOphane中 で も、 全岩 中 で も、 ほぽ一 定 で あった。全 こつた様 々な現象 を元 に、推定 されて い る (図 1の 点 で 示 した領域 )。 このモデルで重要なのは、約20億 年前 の れ らは 当 時 の地 下水 中 で、Ceが Laや Ndと 同様 の挙 動 を して い た こ とを強 く示唆 す る。 現代 の 風 化 で も Rhabdophaneが 形成す ることは知 られて い るが、酸化 2、 3億 年 の間 に、 2桁 か ら 3桁 の急激 な酸素濃度 の上 も Ce― richで あ り、 また La/Ce/Ndの 濃度比 は、Rhab― 岩の希元素 パ ター ンで は Ce anomalyは なかった。 こ 昇 があった とい う点で あ る。 ところが、少な くとも30億 年前 か ら現在 まで酸 素濃度 は大 き く変化 してない とい う 的条件 では、溶出 した Ce(3+)は す ぐに Ce(4+)と な り、 Ce02と して沈殿 し、結果 として、Cerfreeま た は Ce‐ モ デ ル もある (図 1の 線 で示 した領域 )。 我 々の研究室 では、大気 の酸 素濃度 の推定 に古土壌 (paleOsol)と 呼 ばれてい る岩石 を利 用 して い る。現 在 と同様、鉱物 ― poorな Rhabdophaneが 形 成 す る。 即 ち、酸 化 的条件 水 一 大気 の相 互作用 によ り、風化 した岩石・ 土壌 に当 時の大気組成 の情報 が記憶 されているという考 えに基づ く。 しか し、現在の上壌 と異 な り、古土壌 は風 化後、例 外 な く続 成・ 変成作 用 を受 けてお り、実際 には弱変成岩 le 原岩である花聞岩 は Apatite(Ca phosphate)を 多 く 含 んでいる。 この Apatiteの 縁 に、風化 の度合 いが強 く なるにつれ、 Rhabdophane((La,Ce,Nd)P04・ nH20) として存在す る。 一般 には風化生成物 も変質・ 変成す る ので、当然、風化後 の続成・ 変成作用がデータに影響 し、 異 なる解釈 も生 じ、上 記の ように相異 なる結論 が導 き出 され た。 もし、当時の風化生成物が古土壌 に残 つていれ Ndの 挙 動 とは異 なる。一方、Rhabdophaneは 溶解度 が低 く、 また、500 度 まで安定 に存在する ことが実験的 に確 かめられてい る。 以上の ことか ら、プ ロン トの Rhabdophaneは 25億 年前 で は、溶 液 中 での Ceの 挙動 は Laと の風 化時 に生 成 され、 かつ、 その当時 Ceは 3価 として 溶液中を移動 した と考 えられ る。 これは当時の大気が非 酸化 的 であった ことを意 味す る。Apatiteは 花 聞岩 に広 く分布す るので、今後、様 々な時代 の古土壌中 の Rhab‐ dophaneを 調 べ る こ とで、先 カ ンブ リア時代 の大気 の 進化の理解が飛躍的に進展す ると考 えられ る。 ば大気 の進化のよ り深 い理解が可能であろうが、十数億 │ 10・ 0 Stage‖ :Lower Limit 104 104 "■ r く﹂︶〓2 ■ ﹄“〓0●E00 N0 2 10‐ ■ 0 〆 ゛ 4 0 含 C●︶o﹂ヨ00o﹄L 一 ●︼ t ●C N0 10‐ 力υ,dan,P力 rOplaalta, ■od● ●d, Time before present(Ga) 図 1 大気 中の酸 素濃度の変遷 (KasJng(1993)を 一部修正 )。 点で示 した領 域が酸素 の増 加 を表す説 に基づ くもので、 上方 の横線 の領 域 が地 質時代 を通 じ酸 素濃度 はほぼ― 定 であつた とい う説 に基 づ くもの。 ―-13- 図 2 Apalteの 縁 に され た Rhabdophaneの 反 射 電 子 像。 コ ン トラス トの高 い 小 粒子 はす べ て Rhabdophaneo Sは se● cle(aluminOsilicateの 一種 )。 研究紹介 地球 システムの変動 とス ノーボ ール 0ア ース現象 田 近 英 [email protected]‐ 一 (地 球惑星 科学専攻 ) tokyo.acjp 地球環境 は、地球史 を通 じて、基本 的 には現在 とあま り変 わ らない温暖な気候状 態 が維持 されてきた もの と考 の低下 もし くは有機炭 素埋没率 の増加 によって大気海洋 系 に対す る二酸化炭素の正味放出 フラ ックスが低下す る えられて い る。地球 の長期 的 な気候状態 は大気中の二酸 化炭素分圧 の変動 によって支配 されてお り、二酸化炭素 ことで大気中の二酸化炭素濃度 が減少 し、ある臨界値 を 下回る と、 つい には地球 が全球凍結す る ことを見 いだ し 分圧 は炭素循環 によって調節 されている。炭素循環の主 要 プロセスのひ とつに珪酸塩 鉱物 の化学的風化過程 があ た。 この ことは、炭素循環 システム に よる地球環境 の安 定化機構 には限界 が存在す る ことを意味 し、地球 システ るが、それは明瞭 な温度依存性 を持 つ ことが知 られてお り、 このプロセスが地表温度 に対 す る負 のフ ィー ドバ ッ ム 内の擾乱がその限界 を超 えた場合、地球環境 は暴走的 ク機構 として働 く結果、地球の気候 状態 は安定 に保 たれ て きたのではないか と考 えられて きた。 な振 る舞 い をす る可能 性 を示唆 して い る。 ところが 、今 か ら約 7億 5千 万年前のスターチアン氷 全球凍結状態 においては、平均気温 はマイナス40° Cと い う極端 な寒冷状態 とな り、海洋 は表 層約 1000メ ー トル が 完全 に凍結 して しまう。 このような状態 か ら脱 出す る 期 においては、大陸氷床 が赤道域 に存在 していた という 証拠 が見 つかってい る。 さらに、当時の氷河性堆積物 に ためには、大気 中 の二 酸化炭素分圧 が0.2気 圧程度 に ま で増加す る必要があるが、 これは火山ガスが徐 々 に蓄積 は鉄鉱床 が含 まれ、その直上 にはキャップ・ カーボネー す る ことによって達成 され る。 しか し、氷 の融解 は急速 に起 こると推定 されるため、氷 が融解 した直後 には、今 トと呼 ばれ る炭酸塩岩が延々 と堆積 してお り、海水中の 炭素同位体比が異常な挙動 をす るな ど、通常 の氷河時代 にはみ られない大 きな特徴 を持つ ことが明 らかになった。 これ らはすべ て、当時の地球表面の大部分が氷で覆 われ ていた と考 えることによってのみ説明す ることが可能で あ る。 これが、 最近大 きな注 目を集 めて い る、“スノー 度 は地表気温 が60° Cと い う高温環境が実現 される。 スノーボール・ アース現象 は約 1千 万年程度 の時間 ス ケール を持 ち、 その過 程 を通 じて大気中の二 酸化炭素濃 ボール・ アース仮説 "で ある。 この ような現象 は、実 は、 度 と地表温度 は非常 に大 きな振幅 で変動す る (図 参照 )。 スノーボール・ アース現象 とは、単な る氷河期の大規模 今 か ら 8∼ 6億 年前頃 に何度 か繰 り返 し生 じた らしい。 な ものではな く、気候 の安 定状態間の相転移 を伴 うよう 筆者 は、気候 モデル と炭素循環 モ デル とを結合 させて、 スノーボール・ アース現象 にお ける地球 システムの挙動 な特異 な現象な のである。 しか しなが ら、地球全体 が 1 千万年 ものあいだ凍結 した とした ら、生物 は一体 どうやっ てそのよ うな過酷 な環境 を生 き延びたのかな ど、 まだ未 解析、 とくに、支配的な物理化学過程 とそれ らの特性時 間 に注 目 した研究 を行 っている。 その結果、火成活動度 解決 の課題 が多 い。地球環境の安定性の観点か らみて も、 スノーボール・ アース現象 は大変興 味深 い問題 である。 ︵ 田腋︶田 像 a oo O も赳嘔 誦製 100 1 10‐ 10‐ 10… 10‐ 10‐ 2 3 4 5 50 0 ‐ 50 105 10← 7 103年 図 :ス ノーボール ・ アース現象 における大 気 C02分 圧 と全球平均温度 の時 間変化。 -14- ● ● ' 研究紹介 剛 ビーム を用 い た メス バ ウ アースペ ク トル測定 _57Mnか ら生 成 した57 Feの 化学状態 久 保 謙 哉 ヒ学専攻 ) [email protected]― tokyo.ac.jp “ 一 般的 な鉄 のメスバ ウアースペ ク トル は、57 Feを 対 象核種 とし、市販 されて い る半減期 270日 の57c。 が EC 壊変 (57c。 →57 Fe)し て生 成 す る 14.4keVの 57 Feの 第 か らの Mnビ ーム使用 し、KMn04を 試料 として実験 を 行 った。 得 られたスペ ク トル を図 1に 示す。25Kと 155Kい ず 一 励起準位 を利 用 して い る。57 Feに は も う一 つのメス バ ウア ー親核 57 Mnが あるが、半減期 が87秒 と短 いため に57 Mnを 製造 しつつ測定 を行 う必要がある。以前に我 々 は54 cr(α ,p)57Mn反 応 を用 い、 3分 間製造 -3分 間測定 れのスペ ク トル も線幅 の広 いシング レ ッ ト2本 で解析す る ことがで き、 どの ピークについて も四極分裂 が小 さい ことか ら鉄 原子 の周 りの d電 子 の分 布 の歪 みは小 さ く 対称 性 が よい こ とが わ か る。 どち らの スペ ク トル に とい うサイクル を数百回繰返 してクロム金属やク ロム酸 化物 中 に生 成 した57 Mnを 線源 とす る57 Feの メスバ ウ Fe(II)(3d6)の 異性体 シフ ト値 で あ る。 もう一 方 の ピー アースペ ク トル を測定 した [1]。 理化学研究所 リングサイクロ トロンでは、高エネルギー クを与 える鉄化 学種 は Fe(III)よ りも高酸化状態 にあ り、 これまでに報告されてい る安定な鉄化合物 のメスバ ウアー 重イオ ンビーム をターゲ ッ トに照射 し、入射核破砕反応 で生成 す る短寿命 RIを ビーム として取 り出す ことがで パ ラメー タ と比 較 す る と高 ス ピンFe(V)(3d3)ゃ 低 ス ピ ンFe(IV)(3d4)に 近 く、現段 階 で は Fe(VI)以 上 の 高酸 化状態の鉄化学種 は見 つかってい ない。壊変直後 に生成 きる。59c。 をベ リリウム に照 射 す る こ とに よ り57 Mn の ビームが得 られ、 これ を試料 に打込 んで57 Mnを 線源 た [2]。 した高酸化状態 の鉄は短 時間 に還元 されると推定 される。 メスバ ウアー効果 が観測 されるためには試料 が団体 で ある必要 が あるが、57 Mnを 外 か ら ビーム で注入す る こ 鉄 は金 属 か ら生体酵素 まで幅広 い化学形 をとり、酸化 状態 も様 々で あるが、化学的に合成 されているものでは の方法 は多様 な1試 料 に適用可能 である。今後種 々のマ ト リクスに57 Mhを 打込み、通常 の化学的手法 で は作 り出 K2Fe04な どの鉄 酸 化合物 中 で の Fe(VI)(3d2)が 最 高 せない exoacな 鉄化合物の合成 とキャラクタリゼーシ ョ としたメスバ ウアースペ ク トルの測定 が可能 となって き 壊 酸化状態 で ある。57 Mnは β 変 して57 Feに な るが、 壊 変 では原子番号 が 1だ け増 えるか ら、壊変直 後 の娘 原子 の酸化状 態 は、親原子 の酸化状態 と同 じか、壊変 電子が飛び去れば+1だ け大 き くなる。 マ ンガ ンには過 マ β ンガ ン酸 カ リウム KMn04と い う Mn(VII)(3d9)の 化合 物 が あ る。 これ に57 Mnを 打込 めば、壊 変 して生成 し ○ も共通 してみ られ る 0.80 mm s lの ピークは典型的な た57 Feが い ままで にない exoticな 化学状態 を とるので はないか と期待 し、理化学研究所 リングサイク ロ トロン ンを進 めて い く計画 である。 なお この研究 は、理化学研究所、東京理科大学 との共 同研究 である。 参考文献 [1]M.Nakada et al.,Bull.Chem Soc.Japan,65(1), 1‐ 5(1992) [2]Y Kobayashi et al.,Hyp.Int,126,417-420(2000) お一 のC9 E O≧ 葛 3だ ・ 98L -4 -2 .0. _12 Velocity / mm s 4 図 1 過 マ ンガ ン酸 カ リウム 中 に打込 んだワMnを 線源 とす る Feの メスバ ウアースペ ク トル。 上 155K、 下 25K。 通常 の メス バ ウアー吸収 ス ペ ク トル にあ うよ うに横軸 の符号 をか えてある。 5ア ―-15-一 研究紹介 生物時 計 とMAPキ ナ ーゼ 深 e‐ 田 吉 孝 (生 物化学専攻) mail:[email protected]― tokyo.acip 私 たちの睡 眠・ 覚醒 のように、約一 日の周期 をもつ生 物 リズムは概 日 (サ ーカディア ン)リ ズム と呼 ばれ 、体 つ まり(1)MAPキ ナーゼ活性 は明暗情報 のみな らず時計 発振系の制御 を受 けて い る。 一 方、 この酵素の活性変動 内 に存在す る概 日時計 に支配 されている。 この概 日時計 は約 24時 間 (± 4時 間)の 周期で自律的 に分子発振 して い るが 、明暗サイクル な ど外界 の環境 因子 を用 いて周期 が発振系 に及 ぼす効果 を調 べ るため、MAPキ ナーゼ を を24時 間 に補 正す ることがで きる。 つ まり概 日時計 シス テム は自律発振系 の他 に、外界 か らのインプ ッ トとして の (光 )入 力系、 そ して時刻情報 を表現す るた めの 出力 系 か ら成 る。例 えば、脳 内 の松果体 か ら夜間に分泌 され るメラ トニ ンの合成 な どは典型的な出力系 といえる。概 活性化す る酵素 (MEK)に 対 す る阻害 剤 を培養松果 体 に夜間 に投与 した ところ、 メラ トニ ン合成 を制御す る時 計 の位相 が 8時 間 ほ ど後退 した。 つ まりGD MAPキ ナー ゼは発振系の位相 をシフ トし得 る。お気づ きのように、 を併 せ ると、時計発振系 の コアフィー ドバ ックルー プに対 して MAPキ ナーゼは更 にフ ィー ドバ ック効果 を (1)と G〕 もつ ことにな り、サ ブループを形成す る可能性 が高 い。 日時計 機能 が存在す る組織 は多様 であ り、脊椎動物 では 視交叉上核・ 松果体・ 網膜 が主要な時計組織であるが、 MAPキ ナーゼの役割 の一つ として、このようなサブルー 各組織 の重要性 は種 によって異なる。 さて、時計発振機構 の分子 レベル の研究 は、動物 では ショウジ ョウバエ を用 いた解析 が 当初 は圧倒的 に進 んで いた。 ところが 3年 ほど前 か ら、 ヒ トや マ ウスの時計遺 られ る。 また、光入力系 において も重要な役割 を果たす 可能性 が高 いが、 コアループ との正 確 な位 置関係 につい ては、 まだ謎 が多 い。 しか し MAPキ ナーゼの活性 リズ ム は、 ウシガエル網膜や マ ウス視交叉上核 な ど時計組織 伝子 (分 子 )が 同定 されはじめ、高脊椎動物 を用 いた研 究 が爆発的 に展開 した。現在、概 日リズム を生み出すメ カニ ズム として『時計遺伝子の転写・ 翻訳 に基づ く負の に普遍的 な現 象 であることか ら、動物 の時計発振系 にお いて共通 の役割 を果たす可能性が示唆 され る。今後の重 要課題 は、MAPキ ナ ーゼ の上流で活性 リズム を支配 し プ形成 によリコアループ の振動 を安 定化す ることが考 え フ ィー ドバ ックループモ デル』 が提唱 されているが、 こ ている制御分子 と下流の標的分子の同定であろう。 ある のループが24時 間 とい う長 い周期 で安 定 に振動す るメカ ニ ズムや未知 の時計遺伝子の関与、 また光 による位相同 種 の時計分子 の活性や安定性 は リン酸化 によって調節 さ れ ることも知 られて い るので、MAPキ ナ ーゼ は直接的 調や周期 の温度補償性 の問題 な ど、未解決の重要課題 は 多 い。 に時計分子 を リン酸化 して発振系の駆動 に関与 してい る 私共 は光入力系 か ら発振系 へ の連結点 に注 目 して研究 を進 める過程 で、 ニ フ トリ松果体細胞 の MAPキ ナーゼ が光刺激依存的 に脱 リン酸化 されて不活性化す ることを 見出 した。 MAPキ ナーゼ とい うリン酸化酵素 に注 目し 可能性 もある。 参考書 『生 物時計 の分子生物学』 (海 老原 史樹 文・ 深 田 吉孝 編 )シ ュプ リンガーフェアラーク東京 : た理 由は、 この酵素 が 多 くの細胞 において刺激 に応答 し て リン酸化 されて活性化 し、その結果、幅広 いシグナル 文 伝達系 で 中心的役害1を 果 たすか らである。 ところが、松 1)Sanada ι′α′:Role 果体 における MAPキ ナーゼ は、光 とい う細胞外 シグナ ルによって脱 リン酸化 されて不活性化 し、多 くの細胞で ン酸化 されて活性化 )と は逆方 向であ い る点がお もしろ 。 また、 この酵素 の活性 は明暗 に応 答 見 られ る応 答 (リ ● 献 : togen‐ activated of circadian activation of lni― protein kinase in chicken pineal clock oscination.ノ No%γ θ sι ′ ,2α 986-991(2000). 2)Harada ι′α′iCircadian activation of bullfrOg retinal nlitogen‐ activated protein kinase associates with した 日周変動 を示 し、 さらには恒暗条件 において も夜 に oscillator function.ェ 相 当する時間帯に活性化するとい う概 日リズムを示 した。 (2000) ―-16-― Bあ ムC滋 %.,25z37078‐ 37085 ● 研究紹介 視細胞層 日︱︱﹁日︱︱︱︱︱︱︱︱︱︱■ ■ ︱ョー ー■ 外顆粒層 外網状層 内顧粒層 内網状層 神経節細胞層 左 :ウ シガエ ル網膜切 片 に おける活性化型 MAPキ ナーゼ抗 体の 陽性像 (文 献 2よ り改変)。 夜 の時間帯 に活性化 さ れ る MAPキ ナーゼ は、 内顆 粒層 に存在 する三次 ニュー ロンであ― るアマ クリン細胞の一部 に局在 している。 これ らの椰田胞 は網膜の時計細胞である可能性が考 えられる。 内挿図は陽性細胞の 拡大像。 右 :同 ‐切 片の微分干渉像。 -17- 研究紹介 細胞内共生細菌 のゲ ノム 重 信 秀 治 (生 物科学専攻) [email protected] gO ip 石 川 統 (生 物科学専攻) [email protected]‐ tokyo ac ip 地球上 には、温帯地域 を中心 に4,500種 ほ どのアブラ ム シ (ア リマ キ)力 られて い る。 これ らはほぼ例外 な '知 しに、菌細胞 とよばれ る特殊 な細胞 を数十個 もち、それ らσ細胞質 は共生細菌 ブフネラによって満 た されて い る (写 真 )。 アブラム シとブフネラの共生 にはお よそ 2億 年 の歴史 が あ り、 この間 ブフネラは一度 も昆虫の体外 に出 ることな く、 その世代 を越 えて連 綿 と菌細胞 内 に維持 さ ミノ酸生合成系、 とくに宿主昆虫 の合成 で きない必須ア ミノ酸合成系の遺伝子 をほぼ完全 に残 している。同様 に ゲノムサイズの縮小 して い るマ イ コプラズマや リケ ッチ アなどの細胞寄生細菌 と、 ブフネラはこの点 で著 しい対 照 をなす。寄生細菌 は必要なア ミノ酸 を 自分 では合成 せ ず、宿主か ら横取 りして い るのに対 して、 ブフネラは逆 れてきた。 この結果、 アブラムシ とブフネラの間 には、 に必須 ア ミノ酸 を合成 して、 アブラムシに提供 している 強 い証拠 が あ り、遺伝子 ンパー トリー にもその ことが 明 生物界で もっ とも緊密 と位置 づ けられ るほ どの相 互依存 関係 が成立 して い る。 ブフネラを失 ったアブラムシは子 確 に反映 されている。 その一方で、 ブフネラか らは、細 胞 として本来必ず もって いなければな らな い はずの遺伝 孫 を残す ことがで きず、逆 に、菌細胞か らとり出された ブフネラ も増殖 す ることはで きない (文 献 1)。 子が多数失われて い る。 その一例 は リン脂質合成系遺伝 このよ うに緊密な共生の もつ分子生物学的背景 を知 る 目的 で、われわれは最近、理研 GSCの 協力 を得 て、 ブ フネラゲノムの解析 を行 った。 これ は細胞 内共生細菌 に ついて の初 めてのゲノム解析 である (文 献 2)。 ブフネ ラは大腸菌 に非常 に近 い細菌 だが、ゲ ノムサ イズは後者 の約 1/7し かない (文 献 3)。 ゲノム サイズが小 さい ことは解析 に有利 だが、 ブフネラは大腸菌のように培養 子 である。細胞 としてのアイデ ンティテ ィー を保 つため に膜 は不 可欠 の構造 であ り、それに必須の成分が リン脂 質 である。 それにもかかわ らず、 ブフネラは リン脂質合 成系遺伝子 を完全 に失 っている。 ヒ トゲノムの場合 を含 め、ゲノム解析 は生物 の設計 図 を知 る作業 だ と言われ ることが多 い。 しか し、 ブフネラ の場合、その意味 は少 し違 う。 そ こで は、不可欠であ り で増 やす ことはで きない。 このため、われわれ は約 2,00 なが ら捨て去 られた遺 伝子 の働 きが、 どのような形で補 われてい るかを知 ることの方がむ しろ重 要 で ある。 それ 0頭 のアブラム シを解剖 して菌細胞 を とり出 し、 それ ら を知 る ことは、細胞内共生 によって ミトコン ドリアや葉 か らブフネラ細胞 を採取 し、そのゲノム DNAを 精製 し た。 ブフネラが細胞 内 にゲノム DNAを 平均 100コ ピー 以上 もつ、変わ った細菌 で なけれ ば、 よ り多数 の虫 の解 剖 が必要であったろう (文 献 4)。 解析 の結果、 ブフネ ラゲノムは640,681塩 基対 (bp) の環状 二本鎖 DNAか らなることが明 らかになった。 こ のゲノムサイズは、 これ までに解析 されたゲノムの中で は細胞寄生細菌 マ イ コプラズマ の ものに次 いで小 さい。 ブフネラゲ ノムの 中 には、 583個 のタンパ ク質 を コー ド 緑体 を獲 得 した、真核細胞 その ものの起源 と進化の理解 につなが るか らである (文 献 5)。 この意味で、 ブフネ ラ ゲノム解析 の完結 は、 いわゆる「ポス トゲノム」 とは別 の意 味 で、新たな研究 のスター トを意 味 してい る。 文献 1。 「アブラムシの生 物学J石 川 会 Ol 統編、東京大学 出版 (2000)。 ratanabe,M Hattori,Y.Sakaki 2. S.ShigenObu,H.ヽ ヽ す る遺伝子 が含 まれて い る。 その 内訳 は、機能既知 の遺 伝子 が500個 、機能未知 だが 、 これ まで に他 の生物 でみ つか って い た遺伝子が80個 である。 これ らの うちの569 個 までは大腸菌 にホモ ログの知 られてい る遺伝子であ り、 しか もそれ らの大部分 は大腸菌 ホモ ログ と構造 が もっ と and H.Ishikawa(2000)GenOme sequence of the endocenular bacterial symbiont Of aphidも nera sp.APS.Nature 407,81‐ Buch― 86. 3. H.Charles alld H.Ishikawa(1999)Ph“ iCal and genetic map of the genOme Of Buchnera, the も類似 して い る。大腸菌 が約 7倍 の数の遺伝子 をもつ こ primary endosymbiont of tlle pea aphid Acyrt― とを考 え併 せ ると、 これ らの事実 は、 ブフネラ と大腸菌 は比較的最近の祖先 を共有 し、ブフネラはその祖先 の もっ ていた遺伝子 をほぼ一 方的 に失 って現在 に到 った ことを hosiphon pisum.J.Ⅳ lol.Evol.48,142-150. 4. K.Komaki and H Ishikawa(1999)Intracellular bacterial symbionts Of aphids possess many ge‐ 強 く示唆 してい る。言 い換 えれば、 2億 年 に及 ぶアブラ ムシとの細胞内共生 が、 ブフネラにこの ような進化 をも た らしたのだ とも言 える。 nolnic copies per bacterium.」 .A/1ol Evol.48, 717-722. 5。 ゲノムサイズを著 しく縮小 させなが ら、ブフネラはア -18- ● 石川 寄 統、共 に生 きる細菌 たちのゲノム (2000)科 `70, 251-256. 研究紹介 写真説明 :ブ フネラの電子顕微鏡写真 -19- (ノ ヾ― は l μmを 示す). 研究紹介 解 き明 か された大腸菌 の呼吸 の仕組 み 茂 木 立 志 (生 物科学専攻 ) [email protected]― tokyo.ac.jp 大腸菌 は、 現在 で は、DNAや タ ンパ ク質 を簡便 に増 幅生産 させ るためのバ イオキッ トのように広 く用 い られ 過程 は、 フロー フラ ッシュ法 で還元型酵素 と酸素分子 と ている。 しか し、大腸菌 が呼吸す る仕組 みが 、共通 の祖 先 に由来す る ミトコン ドリア と異 なることはあまり知 ら また、部分反応 は酸化型酵素 と過酸化水素 との反応 とし て も解析す る ことがで きる。キ ノール酸化酵素の酸素還 元反応 は、 ウシ心筋 チ トクロム θ酸化酵素 と同様 に、 オ れてい ない。教科書的な呼吸鎖電子伝達系 と異な り、大 腸菌 で はチ トク ロム bι l複 合体、チ トク ロム ι 、チ トク 化酵素 が 失われ てお り、NADH脱 水素酵素や `酸 コハ ク酸脱水素酵素が還元 した細胞膜 内のユビキノ ンは、 θや ι″と呼 ばれ るキノール 酸化酵素 が 酸 チ トク ロム ι ロム 素 分 子 で 直 接 酸 化 し、解 放 され た 自由 エ ネ ル ギ ー で ATP合 成 に用い られ るプ ロ トンの電気化学的勾配 を形 成す る 1)。 培養液 か ら回収 した大腸菌 の菌体 が酸素分圧 が高 い対数増殖期 前期 には赤 く見 え、一方、定常期 には θとみ αが 優先 的 抹茶色 なの は、 それ ぞれ チ トク ロム ろ に発現 されているためである。 ここで は、大腸菌の呼吸 を特徴付 けて い るキノール酸化酵素の中で、グラム陽性 細菌のチ トク ロム ι酸化 酵素 に由来 し、 プロ トンポンプ として働 くチ トク ロム ろ θの作動機構 を紹介す る。 ユニ サブ ッ トIに は、酸化還元金属 中心 として働 く低 ス ピンヘ ム ろと高 ス ピンヘ ム θ‐ CuB複 核 中心 が存在 す る。 これ らの軸配位子 (ヒ スチジ ン残基 )や 周囲の分子 環境 は、電子スピン共鳴法や共鳴 ラマ ン散舌L法 な どを用 いたア ミノ酸置換変異体 の研究 か ら明 らかになった (図 1、 2)。 一 方、低親和性 キノー ル酸化部位 QLは 、系 の反応 を開始す る ことによって追跡す ることができる。 キシ中間体 か ら不安定なペルオキシ中間体 を経 てパ ーフェ リル 中間体 → フェリル 中間体 の順 に進 行する ことが半」っ た (図 3)。 更 に、オキ シ中間体 か らパ ー フェ リル 中間 体 へ の遷移過程で は、還元型 ヘ ム θに結合 した酸 素分子 の O-0結 合 が、酸塩基触媒 として働 く近傍 の T″ 288 か らの電子移動 を伴 うプ ロ トン供与 によって解裂 され、 パ ーフェ リル 中間体 はチ ロ シン中性 ラジカル を伴 うオキ ソ フ ェ リル 型 ● (FeIV=0)で あ る こ とが 判 っ た。 Tyr288の OH基 はヘ ム θの 2-ヒ ドロ キ シエ チ ル フ ァ ル ネ シル側鎖 の OH基 との水素結合 に よって (大 腸菌 でチ トクロム ιθのみが用 い る)ヘ ム θを複核 中心 にター ゲテ ィ ングさせ、 また、Tyr288は 側鎖間で共有結合す る His284に よる CuBの 配位 や CuBか ら酸素分子 へ の 電子移動 にも重要な役割 を果 して い る。 プ ロ トン輸送 に伴 うタ ンパ ク動態 につ いては、 フー リ エ変 換赤外分光法 を用 いた研究 か ら、現在、酸化型 か ら 還 元 型 へ の 過 程 で ヘ リ ッ ク ス VIの His284-Glu286‐ Tyr288領 域 が構造変化 を起 こす ことが半Jっ た (図 2)。 Glu286と Tyr288は それぞれ Dチ ャネル と Kチ ャネル 統的 に合成 したキノンアナ ログを用 いた解析 か ら基質認 識機構 が明 らかにされ、阻害剤耐性変異のマ ッピングに よってサ ブ ユニ ッ トⅡ の C端 の親水性 ドメイ ンの膜側 の末端 に位置 してお り、 この領域 がスイ ッチ ドメインと して複核 中心 での酸化還元反応 と共役 したプ ロ トン輸送 (ヘ ム み倶1)に 存在す ることが示 された (図 1)。 また、 われわれが発見 した高親和性基質結合部位 QHは 、 セ ミ キノ ンアニオ ンラジカル を安定化 す ることによって QL 部位 とヘ ム ι間の電子移動 を媒介する。この QH部 位 は、 今後、ア ミノ酸置換変異 と安定 同位体標識 を武器 に研究 を進 めることにより、イオ ンポンプ研究の最先端 にある バ クテ リオ ロ ドプシンの反応機構 の レベル に到達で きる に重 要な役割 を果 して い るので はないか と考 えて い る。 もの と期待 している2,3)。 可視吸収 や共 鳴 ラ マ ン散乱 な どに よって推定 された よ うにサ ブ ユニ ッ トIの ヘ ム みの近 傍 に存在 す る こ とが 1)茂 木立志 (図 1)、 最近、岩 田 らによるX線 結晶構造解析 とア ミ ノ酸置換変異体 の研究 で確認 され、チ トク ロム め の全 ての酸化還元反応場 と分子内電子伝達の全体像が明 らか 2)茂 木 立志 (1991)「 生体膜工学 」pp.179‐ 221、 丸善 3)茂 木立志 。神取秀樹 (1999)蛋 自質核 酸酵素 44,51‐ 31、 になった。 プ ロ トンポンプ を駆動す る複核中心 での酸素分子還元 ―-20-― 56 (2000)「 生体膜 の エ ネル ギ ー装置」pp.11- 共立出版 0 研究紹介 Oxy (570 mm) み }i!1「 :卜\f)Il: 3。 3‐ x104 sⅢ l PerfeHvI 682 nm) 図 1 立 体構造 モ デル と酸化還 元 中心 FerryI ● 657 nm) H284 Y288 0対 dized 09 nm) E286 “ 図2 図3 ヘ ム θ“ CuB複 核 中心 の構造 ―-21-― 酸素 分子還元機構 研究紹介 相模湾 に生卑 護区 を作 る 森 澤 正 昭 (臨 海実験所 ) [email protected]― tokyo.ac.jp 臨海実験所 は三 浦半島 の西南端 に位置 してい る。半島 の東側 は東京湾、西側 は相模湾 に面 し、晴れ た 日には富 士 。箱根・ 天城 山等 が一望 され る。 この実験所周辺の海 本水産増殖学会長 )の 5名 のメンバ ーか らなる、相模湾 環境保全利用懇談会 を企画 した。 そ こでは相模湾 におけ 域及び相模湾の環境 は岩礁帯、砂泥帯、藻場、砂浜、河 研究 の収集 と整理、調査対象 7海 域 での詳細 な資料 の整 理、県指定名勝 。天然記念物 で ある天神島周辺での小規 口など多様性 に富 み、多 くの潮間帯生物群集が見 られ る。 また、 間近 に深海 を控 えるため圧倒的 に多様 な生物 が見 られ る。 この ことが1886年 (明 治 19年 )に 三崎 の町 にわ が 国最初 の、又世界 で も最 も古 い臨海実験所 の 1つ が建 て られた大 きな理 由である。 る生物保護 区の制定 をめざし、相模湾全域 の過去の調査 模 な現地調査の実施、保全手法導入 モ デル地域 の選定 な どの活動 を行 っていた。 そして昨年 までに海洋生物保護 区制度 の導入策 の試案 を練 るに至 って いた。 今年度、動物分類学、生殖生物学、内分泌学、遺伝子 相模湾 は東京、横浜 な ど大都市 に近接 してお り、特 に レジ ャー の影響 を受 けやす く、現在 ではか な り海浜 の汚 科学、環境科学、海洋学研究者 の協力の もとで相模湾 の 全体像 を把 握 す る目的で森澤 が研究代表者 にな り地域 染 が進み生物 の死 滅 が 次々に起 こっている。このことは、 臨海 実験所 の研究教育活動 を著 しく低下 させ る。一 方、 連携 して提出 した文部省科学研究費補助 金、地域連携推進経費 『相模湾環境保全へ 向けての生物 相模湾 は産 業 の影響 の強 い東京湾 に比 べ てその破壊 の程 度 は深刻 ではな く、又、湾 口が広 く海水 の入れ替 えも頻 保護 区制定 のための学術的研究』 が採択 された。具体的 な研究 内容 は、相模湾 の生物 をなるべ くた くさん採集 し、 繁 で あ り、更 に良 い ことに は相模湾 は海辺 か らす ぐに 1,000m以 上 の深海 となるので、 かな り速 く汚染か ら回 記載 し、 それ をデジタルカメラで記録 し、イ ンター ネ ッ トで全ての人がその記録 を共有す る、貴重生物、絶滅危 復 する ことが期待 で きる。従 つて、 この海域 に 自然 を残 す モ デル地 区 として「生物保護 区」 を作 り同様 の試みを 惧種 な どの遺伝子 を解析 しそれ らを保存す る、更 に相模 湾の海洋汚染の実態 と海洋学的 な相模湾 の実体 を明 らか 全国に広 げてい けば、少なか らず、 そ して少 しずつ、 自 然 と人の活動 との調和 を実現で きるのではないか と考 え (神 奈川県)と にす るな どである。相模湾 の全てを基礎 学問 の立場 か ら られるのである。大 きな目で見れば、相模湾 は地球環境 明 らかにして、それ をもとに相模湾 に生物保護 区を制定 す る試 みが始 まったのである。現在、本 プ ロジェク トで 問題 を止揚す る格好 なモ デル地 区 とな りうるのである。 森澤 は平 成 4年 、神奈川県 に相模湾 に生物保護 区を制 は神奈川県庁、神奈川県傘下 の、 セ ンター、博物館、水 産試験場及び、民間企業 な どの協力得 て研究 が進 められ 定す るための提言 を提出 した。 その後、神奈川県企画部 政策調整課 が森澤 を含 め新堀豊彦 (神 奈川県 自然保護協 てお り、相 模湾 における生物保護 区制定 の試みが飛躍的 会会長 )、 広崎芳次 (元 江 ノ島水族館長 )、 横濱康継 (元 筑波大学臨海実験所長 )、 出 口吉 昭 (日 本大学/教 授 。日 ―-22- ● な速度 で発展 しつつ ある。相 模湾 にお ける生物保護区の 設立実現 に向けての第 一歩 が踏み出 されてい る。 ● 研究紹介 κ総合連続観 測 (ECD)シ ス テ ム による地 殻化学観測 角 森 史 昭 (地 殻化学実験施設) ftlmi@eqchem s.u‐ tokyO.ac.jp 五 十嵐 丈 二 (地 殻化学実験施設) [email protected]‐ tokyo.ac.ip 2000年 は 3月 31日 か らの有珠山の噴火、 6月 30日 か ら の雄 山 (三 宅 島)の 噴 火、 10月 6日 の鳥 取 県西部 地 震 (M7.3)と 、立 て続 けに災害がお きました。災害 に遭 りません。 そ こで、 これ までの観測項 目に加 え、地下水 に溶 け込 んでいるガスの組成 を調 べ ることにしました。 地下水 に溶 け込 んでいるガスは、中空糸膜 を東ねた気 われた方 には心か らのお見舞 い を申 し上 げます。「災害 体交換 モジュール によって地下水 か ら抽 出 され ます。 こ の 中空糸膜 のガス抽出性能 が一 定 となる条件 の もとでは、 は忘れた ころにや って くる」 といい ますが、みな さんの 災害 に対す る備 えは十分で しょうか ?日 ごろか ら意識 し ていれば、何 もして いない よ りずっ と的確 に行動 で きる と思 い ます。 ● 災害 に対す る備 えは個人 レベル だ けでな く、 さまざま な レベル で行われてはじめて十全 とい えるのではないで 抽 出 ガスの組成 は地下水 中のガス組成 と中空糸膜 のガス 分別特性 によって決 ま ります。ガス組成 の計測 には四重 極質量分析計 を用 い ます。 この装置 では、同時 に12種 類 の 質量 数 を分 析 す る こ とが 可能 で、現在、 H2、 He、 C02、 Krに 注 目 して計測 してい ます。 これ らのガス組成 は地殻変動 に敏 CH4、 H20、 N2、 02、 しょうか。私たちの実験施設では、 1977以 来、福 島県東 部地方、南 関東地方、東海地方 に合計 15本 の地 下水観測 用井戸 を展 開 し、 と くに、地下水 に現れ る地震発生 の先 行現象 を理解 し、地震予測 につなげるための研究 を行 っ て い ます。 その結果、地震 に先行す るい くつか の現象 を 見出 しましたが、予測す るまでには至 っていません。な ぜ な ら、地下水の変 動 と地 震発生 のメカニ ズムの関係 が まだ よ くわかって い ないか らです。 地下水 に現れ る地 震 の先行現象 としては、 ラ ドンガス の濃度上昇、塩化物 イオ ン濃度の増加、水位・ 水温の急 激 な変化、な どが見出 されてい ます。 しか し、 これ らの 指標 だけでは地 震発生のメカニ ズム との関係 を議論す る ことが 困難 であることがわか って きたのです。われわれ 人間の健康診断では、体温や脈拍だ けでな く血液中の成 分や X線 による体 の 内部 の観察 な ど、 さまざまな角度 か ら見て総合的に判断 します。 これ と同 じように、地球 内 部 で起 きて い る現象 を理解 しようとすれば、 もっ と地球 感 に反応 し、地震に先行 して変化す ると期待 されています。 運用 を開始 した地 下水総合連続観測 (ECD)シ ステ ムでは、各項 目の観測 には コン ピュータで制御可能 な装 置 を使 っています。 そのため、各観測所 に ロー カル ネ ッ トワー クを作 り、それ らをインターネ ッ トを通 じて接続 す ることがで きるようになっています。近 い うちに、観 測デー タを リアル タイムで イ ンター ネ ッ ト上 に公 開 して い こうと考 えて い ます。 地下水 に溶 けて い るガス組成 の連続観測 と水位や水温 な どの観測 とを併 せた、地下水 の総合的な連続観測 は、 これ まで行われた ことが あ りませんで した。 この ような 発想 は、地球内部 の ことを「化学」 の 日で見 ようとする 姿勢か ら生 まれて きた とい えます。今後 は、地下水溶存 ガスの組成変動 と地震の発生 メカニ ズムの関係 に関する 議論を行 い、将来的には地震の発生予測 につなげたい と 考 えて い ます。 内部 の ことを教 えて くれる指標の測定 を行わなけれ ばな 図 36 Ar、 40 Ar、 地下水総合連続 観 測 (ECD)シ ステム ―-23-一 研究紹介 軟 X線 ビーム ライ ンの建ヨ 設 構造、電子状態、 そ して磁1生の探求 : 雨 宮 健 太 (ス ペ ク トル化学研究センター) [email protected]― tokyo.ac.jp スペ ク トル化学研究 セ ンターで は、 高 エ ネル ギーカロ 速 ミラーに付着 して しまった ことによる。 このよ うに軟 X 器研究機構 (高 工研 )・ 放射光研究施設 において、高 エ 研 の協力 の もとで新 しい軟 X線 ビームライ ン (BL‐ 7A) 線 の ビーム ライ ンでは ミラー の汚染 に最大限注意する必 要があ り、そのために常 に ビーム ライン全体 を超 高真空 を建設 して きた。今秋 か ら本格的な立ち上 げを開始 した に保 つている。 ビーム ライン完成後 は主 に固体表面 を対象 に、直線偏 光 を用 いた X線 吸収微細構造 (XAFS)と X線光電子分 ので、その状況 と将来計画 を紹介す る。 図 1に ビーム ラインの概略図 を、図 2に その中心 とな る部分 の写真 を示す。 このライ ンは100eVか ら1,500eV の軟 X線 (炭 素、酸素 な どの K吸 収端、 および 3d遷 移 金属の L吸 収端 が含 まれ る)を 供給す ることを目的 とし、 光 (XPS)、 お よび 円偏 光 を用 いた X線 磁 気 円二 色性 (XMCD)測 定 を行 う。 これ らの手法 はいずれ もX線 の内殻吸収 を利用するため、元素選択性 をもち、 また極 そのための分光器 として不等刻線間隔回析格子 (刻 線密 度 が位置 によって徐 々 に変わ る回折格子 )を 用 いた方式 めて 感 度 が 高 い とい う特徴 が あ る。 そ こで XAFSと XPSを 用 いれ ば、固体表面 に吸着 した 1層 以下の分子 を採用 した。電子蓄積 リングか ら得 られ る白色放射光 は につ いて、その配 向や吸着サイ トとい った局所構造、 お よび電子状態 を調 べ る ことが 出来 る。一方 XMCDは 注 2つ の 円筒鏡 (MO、 Ml)│こ よって入射 ス リッ ト (Sl) に集光 され、球面 鏡 (M2)と 不 等刻線 間 隔 回折格 子 (VLSG)お よび出射 ス リッ ト (S2)か らなる分光器 に よって単色化 され る。S2を 通 った 単色光 は トロイダル 目す る元 素 のス ピン磁気 モーメン トと軌道磁気 モーメン トを分離 して定量的 に決定 で きるため、磁性研究 におい て極 めて強力 な手法 で ある。 これ を用 い て金 属超薄膜 鏡 (Mf)に よって試料位置 に集光 され る。 また Mcは 光 のエ ネル ギーによる反射率 の違 い を利用 して高次回析 つつ ある、分子吸着の薄膜磁性 へ の影響、 さらには吸着 光 を取 り除 くための 2枚 組 ミラーシステムで ある。試料 位置 にお いて得 られ る単色光 の 強度 は、分解能 E/△ 分子 の磁性 についての研究 を行 う予定である。 さらに、 表面分散型 XAFS法 "の 開発 を 新 しい実験手法 として “ E=10000に お い て109 予定 してい る。従来 の XAFS測 定 は単色光 のエ ネル ギー photons/s、 1000で は101l pho‐ tons/sを 予定 して い る。 今年 の10月 にはじめてビームライ ンに放射光 を導入 し、 10月 末 でおお まか な調整 を終 えた。図 3は 得 られ る単色 光 の光 強度 の分布 で あ るが、 2枚 の 回折格子 (l lm あた りの刻線密度 N=300″ lnmお よび650〃 mm)を 使 い分 ける ことで、 100eVか ら1500eV以 上 までの軟 X線 (1層 前後 )の 磁性 を研究す るとともに、最近注 目され を変 えなが ら測定 を行 っていたが、 この新手法 は試料位 置 において場所 によってエ ネル ギ ーが少 しずつ異なる光 を当てることによって吸収 スペ ク トル を一度 に得 るもの で、 2桁 程度 の時間短縮 が可能 で ある。 これ を用 いて表 面 における化学反応 の追 跡 を行 いた い。 なお、 このビームライ ンは全国共同利用 にも供 され る ことになってお り、 もちろん理 学部・ 理学系研究科 の方 が得 られ ることがわか る。今後 もう一枚 回折格子 を組 み 込む ことになってお り、 さらに広 い範囲 の軟 X線 が利用 で きる よ うにな る予 定 で あ る。 なお、 300eVと 550eV 付近 に見 られ る強度の落 ち込みはそれぞれ炭 素、酸素 が ● 々 も利用 す る ことが 出来 る。詳細 につ い て は私 まで ご 連 絡 い た だ くか、 放 射 光 研 究 施 設 の ホ ー ム ペ ー ジ -24-― (http://pfWWW.kek,jp)等 を参照 されたい。 ● │ 研究紹介 4.0 Top view 1 4 VLSG Side view 図 0。 M2 S2 M2 Mc 軟 X線 ビームライ ン BL‐ 7Aの 概 略 図。 SR 電子蓄 積 リン グ、 MO,Ml: 円筒鏡、Si:入 射ス リツ ト、 球面鏡、 出射 ス リッ ト、 Mi 後置集光鏡 (ト ロイグル)、 Mα 高次光除去 ミラー システム VLSG: 不等 刻線 間隔 回析格 子、 S2: 図2 球面鏡 (M2)と 回折格 子 (VLSG)部 分 の外観 。 ステ ン レス製 の超 高真空チ ェンバ ー 内 に M2と VLSGが 設 置 されて い る。 oこL oこQ︶Xコ一 ︵ り のCo一 ﹂C〇一 ヽ 2.0 * -3001/mrn ・ ……6501ノ rnrn ……… l oto 1.OX10 0.0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 Photon Ene‐ rgy⇔V) 図3 ビームラインか ら得 られる単色光の強度分布。刻線密度の異なる 2枚 の回折格子を 真空中で切 り替えることで、広 いェネルギー範囲の軟 X線 を得ることが出来る。 -25- 研究紹介 MAGNUMプ ロジ ェク ト 舌動銀河核 の多波長 モ ニ ター観測 に よる距離決定 の新手法 吉 譲 (天 文学教育研究 セ ンター) 井 yosh五 @mtk.loa s.u― tokyo.acjp “ 宇宙膨 張 が無 限 に続 くか、 いずれ収縮 に転 じるか" は現代天文学 の重要課題 である。この問 いに答 えるには、 膨張宇宙 モ デル に含 まれ る基本 パ ラメータ (ハ ッブル定 温 ダス ト層 にまで到達す る時間 の遅れを伴 って近赤外光 度 が変動す る。 これをグス ト反響 と呼 ぶ。活動銀河核 の 数、密度 パ ラメータ、宇宙項 )を 決 める ことが必要であ る。赤方偏移 が大 き くて、我々か ら遠 く離 れた天体 まで 定 して赤方偏移 と見 か けの明るさか ら推定 した絶対光 度 をプ ロ ッ トする と、遅延時間 と絶対光度 との間 に良 い相 の距離 を直 接測定すれば、測定距離 と膨張宇宙 モ デル に 基 づいた距離 とを比 較 して、宇 宙パ ラメー タを決 めるこ とがで きる。我 々 は、 クエーサーな ど中心核活動 を示す 関 が存在す る ことが分 か る (図 2)。 したがって、活動銀 河 を紫外 や可視 と近赤外域 でモニ ター観測 し、その遅延 遠方銀河の紫外線や可視光線 と近赤外線 の変光 デー タを 取得 し、新 しい手法 で距離測定 を目指す MAGNUMプ ロジェク トを推進 している。MAGNUMと は Multi― co― 数少ない遅延時間測定 デー タ と、適 当な宇宙 モ デル を仮 時間 を測定すれば、中心核 か ら高温 ダス ト層 までの距離 が求 まり、 さらに中心核 の絶対光 度 が求 まる。 この絶対 光度 と見 かけの光度 を上ヒ 較す ると、 その活動銀河 までの 光度距離が求まり、ついには宇宙膨張 の未来 を決定できる。 MAGNUMプ lor Active Galactic NUclei Monitoring の頭文字 を ニ とった ものであ り、活動銀河核 の多波長 モ ター観測 と い うプ ロ ジェク トの観測 目的 を表現 して い る。 活動銀河核 の近 赤外域 の放射 スペ ク トル は約 1500Kの 黒体 放射 を示 し、 これは活動銀河核 に普遍 な性質 である と考 えられて い る。 この熱的成分 は中心核 が放射す る紫 0 ロ ジェク トは、観測 の適地で あるハ ワ イ州 マ ウイ島ハ レアカラ山頂 (標 高3055m)に モニ ター 観測専用 の回径 2m望 遠鏡 を設 置 し、 9月 15日 に現地 で 完成式 を迎 え、望遠鏡稼働 を開始 した。 この回径 2m望 遠鏡 は、 モニ ター観測専用望遠鏡 としては世界最大級 で あ り、 ハ ワ イ 大 学 との 学 術 協 力 で 実 現 に至 っ た。 MAGNUM望 外線 や可視光 によって温 め られた 中心核周囲 に存在す る 高温 のダス ト層 か らの ものである (図 1)。 黒体放射の温 遠鏡 は赤外可視撮像測光器 を装着 し、 こ の測 光器 には、256× 256の InSb赤 外線 ア レイ検 出器 と 1024× 1024の 可視用 CCDが 搭載 されて い る。 モニ ター 度 は高温 ダス トの主成分 グラファイ トの融解温度 に対応 してい る。 このダス トは中心核 か らの放射 と熱平衡 にあ 観測 その ものは、単純 な観測 を長期間継続す るので、無 人遠隔 自動観測 が基本 である。現在、望遠鏡や カメラの ると考 えられ、 またダス トの融解温度 は物性 により決 ま ることか ら、 中心核 か ら高温ダス ト層 までの距離 は中心 調整お よび試験観測 を続 ける一 方 で、観測 の 自動化 を進 めなが ら徐 々 に活動銀河核 をターゲ ッ トとした本観測 ヘ 核 の絶対光度 と一意的な関係をもつ と期待 される。一 方、 中心核光度 が時間的に変動すれば、紫外線や可視光が高 移行 しつつある。 ハ レアカラ山頂 に於て、 MAGNUM望 遠鏡完成式当 日の記念写真。左か ら、Alan H Teramura(SeniOr vice President 小田 稔 (東 京情報大学学長)、 Robett A McLaren onteHm Director,lnsutute fOr Astronomy,Universly of Hawali)、 蓮賞 重彦 (東 京大学総長)、 佐藤 勝彦 (ビ ッグバ ン宇宙国際研究センター長)、 吉 井 譲 (天 文学教育研究センター長、MAGNUMプ ロジェ ク ト責任者 )、 小間 篤 (理 学系研究科長)の 各氏。 for Reasearch,UnⅢ ersly of Hawali)、 ―-26-― 01 研究紹介 図 1:活 動銀河構造の概念図 帽 ∞ 0 よ 1 LB∝ (At)2 GQ Com ae NCC NGC 1566 NGC 4■ 5■ -22 -20 MB(等 級 ) 図 2:遅 延時間と絶対光度の相 関図 -27- ― ■8 -16 MB=-2.51og LB+const. 平成 12年 度理学系研究科技術 シンポジウム実施 される 9月 14日 午後 1時 より、理学部 旧 1号 館 150号室 において、「第 17回 理学系研 究科技術 シンポジウム」 が 開催 された。 このシンポジウム は、理学系研究科 に所属す る技術職員が 日頃の業務や研究 の中で得 られた成果 を発表す る場 で、毎 年開催 され今年 で17回 を迎 えた。 はじめ に、評議員の濱野先生の挨拶 が あ り、引 き続 き各技術職員 の発表 に移 った。今回は招待講演 として教養学部共 通技術室 Jヽ 田嶋豊技術官 に演題「 カメ リング・ オ ンネス研 究所 で学 んだ こと」 を講演 して頂 き、盛会 であった。 また、生物科学石川統教授 による特別講演「ゲ ノム解析 でわか ることと、わか らぬ こと」 は、生 き物 の計 り知れない 不思議 さ等、貴重 な講演 に興味深 く聞 き入 った。 当 日の プログラムは次 の通 りである。 1.EPMA用 カーボン蒸着装置の開発等、技術業務 のまとめ 立川 統 (地球惑星科学 ) 2.分 類標本園の整備・ 管理 出野 貴仁 (附 属植物園本園) 島田 敦子 (生物科学 ) 樽沢 賢一・ 吉 田 重臣 3。 メダカを用 いた生殖細胞突然変異成 立機 構 の解析 4. 2KCCDチ ップの表面形状 の測定 (天 文学教育研究 セ ンター木 曽) 5。 三 崎臨海実験所周辺 の生 き物たち 関藤 守 (附 属臨海実験所) 小田嶋 豊 (教養学部共通技術室 ) 石川 統 教授 (生 物科学 ) 招待講演 カメ リング・ オ ンネス研究所 で学 んだ こ と 特別講演 ゲノム解析 でわか る ことと、わか らぬ こと シンポジ ウム終了後、懇親会 が行われた。近藤教授 による乾杯 の挨拶のあ と、石川教授、小田嶋技術官 を交 え、 か に歓談 し、技術職員 の親睦 を深 め盛会 に終わ った。 ―-28-― そ の 他 技術職員研修「極微小領域の分析技術関係Jが 実施される 10月 24日 (火 )か ら10月 26日 (木 )ま での 3日 間 にわ た り、平成 12年 度東京大学技術職員研修のひ とつで ある 「極微小領域の分析技術関係 」が昨年 に引 き続 き理学部 。 理学系研究科 で実施 された。 これは全学 の技術職員 に対 し、極微小領域分析技術 の 基礎 を習得 させ、資質の向上 を図る と共 に、技術 の継承 を目的に企画 された研修 で ある。 この研修 には今年 も受 け入れ定員 を越 える申し込みが全学か らあった。今回 は、 3部 局 7名 が受講 し、会場 は 5号 館 の地球惑星 科学専攻 セ ミナー室で行われた。 開講式 は小 間研究科長 を迎 えて行 い、講義 は地 球惑星 科学専攻の教 官 にお願 い し、二 日目の午前中 まで 7つ 講 義 が行われ た。二 日目の午後か らは実習 に移 り、地球惑 ● 星科学専攻 の立 川 ‐ 統・ 吉田英人技術官が担 当 し、走査 型電子顕 微鏡 (SEM)で 桜 島火 山1914年 の大正溶岩 を 観察 しなが らエ ネ ル ギー分散轍 分光器 (EDS)で 定 性 。定 量 分 析 の 実 習 を 行 い、 波 長 分 散 整 線 分 光 器 (WDS)で 浅間火 山1783年 の天明 の噴火 の溶 岩 と納沙 布 llF貫 入岩 について点 。線・ 面分析 が行われた。 さらに 透過型電子 顕微鏡 (TEM)を 用 い、開間岳火 山のかん 開講 式 で挨 拶 を行 う小 間研 究科長 らん石の電子線回折像及 び超高分解能像 を得 る実 習 が行 われた。研修生 は、様 々な分析機器 に戸惑 いなが らも実 習 の課題 をこなした。 最 後 に佐藤評議員 を迎 えて開講式 を行 い 3日 間 の充実 した研修 を終了 した。 なお、講義 の内容 はつぎの通 りである。 TEA/1,SEMに よる極微小領域分析 の必要性 村上 隆 教授 TEMの 結像理論 と結晶構造解析 小暮敏博 助教授 講義 のよ うす 新 しい結晶学 (五 角形 のふ しぎ) 杉山和正 助教授 太陽系形成過程解明に必 要な極微小領域分析 について 高橋 (永 原 )裕子 助教授 EDS,WDSの 原理 と分析時の注意点 吉田英人 技術官 試料作成法 立川 統 技術官 分析試料 の予備知識 立川 統 技術官・ 吉田英人 技術官 実習のようす -29-― その 他 平成 12年 度理学部名誉教授懇談会開催 される 12月 1日 (金 )午 後 5時 30分 赤門学士会館分館 におい て、恒例の理学部名誉教授懇談会が34名 の名誉教授 の先 生方にご出席いただき、理学部 か らは小間学部長、佐藤 評議員、壽榮松元学部長、植田事務長が出席 し開催された。 最初 に物理学専攻の塚田 捷教授 に│よ る「 ナノスケー ル構造 の科学」 と題 した講演 が行われ質疑応答が あり、 中庭 で記念撮影が行われた。 「き続 き懇談会に移 り、小間学部長の挨拶 と理学部の 弓 近況報告、出席の名誉教授の最長老 である今井 功先生 のご発声 による乾杯の後、名誉教授全員から、 ご近況や 現役時代 の思い出話等 をお話 しいただき、和やかに会 は 進行 し、最後 に小間学部長 の閉会 の挨拶が あ り、午後 8 時過 ぎ散会 となつた。 輝 ヽ朴 許 ゛ 珂 ′ “営4承 碑 )釧 ´`學 ゝ 5射 球 洋 ヾ ミい ぶ ,い くぜ告 素ミ 職襲 i樺 燕 燥理 年 ぶヽ 躙 0午 :卜 十 タ 菫 隻計 嘔ヽ 汁 浄學 丼 ヽ・ や 平成12年度理学部名誉教授懇談会 -30- 1 =≦ 宰共 J軍 H12.12.1 棚 響 ヤ荘受 ・ (ヽ《 こ 督 岬十螺導 ぷ<鰹 率 40 F OX囃 筏 そ の 他 理 学系研究科長 (理 学部長 )と 理 学部職員組合 との交渉 2000年 10月 2日 に小 間研究科長、植田事務長 と理 学部 て い るが、実現性 は低 いよ うだ、 その中で図書 は 2掛 に 職員組合 (理 職)と の間 で定例研究科長交渉が行われた。 主な内容 は以下の とお りである。 してシフ トア ップす る形で要求 を出 してい る と答 えた。 2。 国立大学の法人化 について 1.昇 格改善等 について 度行 (― )昇 格 に関す る理 学部当局の尽力 につい て、謝 10月 の交渉で理職 は、 この間 の文部省、国大協、東大 の動 きについて尋ねた。科長 は、東大では総長の私的諮 問機関 である「制度研究会 Jが 7月 に中間報告 を出 し、 意 を表 明 した。 10月 初旬 には最終報告 が 出る予定 で あるが、その報告 は 10月 の交渉 で理職 は、 7月 に明 らかになった、2000年 理職 は事務官 の2001年 度昇任要求等 に関す る本部人事 課 と理 学部 の ヒア リングの 日程 を尋ね、事務長 は、理学 部 は10月 26日 の予定 である と答 えた。理職 は、 4級 か ら 5。 6級 へ の昇格 が非常 に厳 しい状況 であ り、特 に女性 東大 の正式の意志決定 とは関係 がない と答 えた。 さらに 科長 は、今度、評議会 の下 に法人化問題 と関連 して東京 大学のあ り方 を検討す る懇談会 を置 くことにな り、座長 は総長 が あた り、両副学長、研究所長、学部長、事務局 長等 がメンバ ー となる、その下 に個別 の問題 ごとにワー のたまりこみの解消 に取 り組 んでいただきたい と要求 し、 後 日事務職員 の昇任要望者 の リス トを提出 した。 キ ンググループ を置 き、そ こには総長補佐、元総長補佐 も加わ る、 この懇談会 は東京大学 として正 式の意志決定 をす るための もので、各部局 に検討内容 を下 ろして議論 す るとい うや り方 をとると答 えた。 さらに文部省 につい 理職 は、理学部 の技術部 が発足 して 9年 になるが、技 術職員 に定員削減 の しわ寄 せがお しつ けられ、今後 の技 術部 のあ り方な ど、真剣 に考 える時期 に来 ているので、 で きれば技術委員会 の教官 メンバ ー とも率直 に当面す る 問題 について、意見交換 した い と申 し入れた。科長 は、 研究重点大学の技術部 のあ り方な ど検討す る必要 は感 じ て い る、 また技術職員 の定員削減問題 は人事委 員会 に考 ては、法律案 を2002年 の春 あた りに出 したい意向だ と思 われ、現在、文部省では 4つ のグループ (各 グループ15 人 )に 分 かれて問題 が検討 されているが、国大協、直轄 研究所 において も、 同様 のグループに分 かれて検討 がお こなわれて い る、文部省 の検討会 は各 グループが 月 1回 のペー ス (全 体 では毎週 1回 のペー ス)で 議論 されてい る、最初 の 3∼ 4回 は基本 に立 ち返 った議論 か ら始 めて い るようだ と答 えた。 えて もらってい ると答 えた。 理職 は、今年度 5級 に昇格 した 図書職員 について は、 定年 が近 いた め 6級 昇格 へ早急 に取 り組 んで いただ きた い と要望 した。理職 は、現在、図書職員の待遇 を専 門職 にふ さわ しい待遇 に と取 り組 んでお り、東大、文部省 が 認 めるところまで きたが 、人事院が認 めていない状況 を 訴 えた。科長 は、図書職員の待遇 に問題 があることはよ く認識 してお り、技術系職 員 のいる部局 の全学的 な会 議 (年 に 1、 2回 開催 )の 席上で も、話題 になっている、 教官 にとっては現場資料 に精通 した図書職員が最 も有用 であ り専門性が高 い と考 えているが 、人事院 の認識 はそ うではない ようだ と答 えた。理職 は、 自然科学系分野 で 理職 は、東大 の懇談会での検討内容 は各部局 に下 ろさ れ るとの ことだが、 この問題 は職員や助手 にもかかわ る 問題 であ り、東大 の正 式の意志決定 につなが るもので も あ り、教授会 メンバ ーだ けでな く、職員や助手の意見 も 反映 させ る仕組 みが必要だ、何 らかの方法 を検討 してい ただ きた い と要求 した。科長 は、助手の方 々について は 拡大教官集会 な どの場 を設 ける ことで対応で きるか もし れない、職員 の方々 については意見 を聞 く何 らかの仕組 みが必 要だろうか ら懇談会 でその 旨意見 として述 べ た い と思 う、 と答 えた。 はオ ンライ ンジ ャー ナル化 も先行 してお り、 こうい った 専門性 を処遇面で も反映 させてほ しい と要望 した。科長 はオ ンライ ンジ ャーナルが充実 してきて理学部 は雑誌関 3.教 官の定年延長問題 について 係 が大分良 くなって きた、電子化 により業務 の高度化 が 進 んで い るので、図書の専門性 について もふさわ しい評 価 がなされるべ きで あると考 えて い る、一方学 科図書室 10月 の交渉 で理職 は、定年延長 その ものは、生活権 の 問題 として理解 で きるとは思 うが、 これ とか らめて任期 制 が議論 になっていること、大学院重点化以来若手のポ は規模 が小 さいので待遇改善 のためには何 らかの工夫が 必要 であろうとの認識 を示 した。 ス トが減少 してお り、若手 にます ます しわ寄 せが来 る可 能性がある こと、職員の定年延長問題が置 き去 りにされ 理職 は、2001年 度概算要求で、理学部 の事務機構 が ど う扱 われてい るか尋ねた。事務長 は、1部 3課 で要求 し た形 になっていること、 の 3点 は問題 である、 とくに任 期制 の問題 は、導入 を進 めている部局 もあると聞 くが、 大変危険な動 きだ と考 えて い る、 もともと筋 の違 う問題 ―-31-― そ の 他 であ り、慎 重 な対応をお願 い した い と要望 した。科長 は、 5。 任期制の導入 につ いて は慎重 に対応 した い、定年延長問 題 に関 して理 学部では、60歳 で 出て い くことを励 ます よ (1)勤 勉手当 について うな仕組 みが必要 だ とい う こと、研究室 の長 として留 ま 10月 の交渉 で理職 は、2000年夏の人 事院勧告 で、 12月 るのではな く、経験 を活か して教 育面 で活躍 していただ の勤勉手 当 が、0.6ヶ 月 か ら0.55ヶ 月 に減 らされ ること になったが、東大 ではこれまでの差別支給 0.7ヶ 月 とo.6ヶ くな どの方法 を考 える こと、 の 2点 が議論 として 出 てい た、任期制 については、定年 が延 びた場合 に60歳 で辞 め ようとす ると勧奨退職扱 いにな らな い ことへの対応 とし て、「便法」 としてでて きた面が ある と答 えた。 理職 は、現行 の規則 で も、勤続年数等 によっては定年 その他 月 を今後 どの ように扱 うのかを尋ねた。事務長 は、 まだ 法案 は通過 していないが、そうなれば、0.65ヶ 月 と0.55ヶ 月 に して、0.lヶ 月 の差 を付 ける方針 と聞 いて い る と答 えた。 前 でやめて も勧奨退職扱 い となる規定 がある と聞 いてい る ど述 べ、科長 は資料 が あればいただ きた い と答 え、理 (2)特 別昇給 について 職 は後 日手渡 した。理職 は、任期制 を入れ るか どうかは、 各部局 で勝手 に決め られるのか、各専攻 ごと、あ るい は 理職 は、2000年 7月 の特別昇給者 の人 数 を尋ね、事務 長 は、今 回は教職員会わせて、51名 で あ ると答 えた。理 大講座 ごとに決 めることもで きるのか尋ねた。科長 は、 部局 か らの提案 によ り評議会 で決定す る ことになってお 職 は、2000年 度の特昇 か ら、技 術専門官 と技術専門職員 の扱 いが 役職者扱 い となった点 について尋ねた。事務長 り、 この とき、特定の分野 や講座 に任期制 を入れ るよう 提案す る こともできる、 と答 えた。 は、技術専門官 と技術専門職員 はこれ まで、部局長 の専 決 であったが、今年度 か ら、総長の専決 となった、一般 4.定 員削減 について 職及 び技官 3級 までが部局長 の専決 で、掛主任以上及 び 技術専門官・ 技術専門職員 は部局の推薦 を受 けて、総長 の専決 となると答 えた。 10月 の交渉 で理職 は、定員削減 について尋 ねた。科長 は、第 9次 定員肖J減 の2001年 度分 につ いて は、定年者 を 含め、 3名 となっている、第 10次 がすでに2001年 1月 か (3)理 学部 1号 館 の 2期 工 事 について ら 5年 間、約5.1パ ーセ ン トきてお り、 9次 よ り厳 しい 理職 は、実現の可育旨性について、情報が あるか尋ねた が、科長 はまだ何 とも言 えない。五分 五分 と思 う、 と答 状況 で あ る、 と答 えた。 えた。 -32-― 毛の他 人 事 異‐ 動報告 m), 茄 屈 地 感 動数置 小 池1 名 轍 真 が ダトレ 〃 岡 本 裕 巳 地‐ 饗 節 鍵 天 1文 1鍵 ル 土 居 物 理 夫 文│セ ● 民、 曹 職 総 之 守 教 授 折 戸 層 治 働融 調 出 紺 ‖ 哲 夫 月日 凱 皿 ■6 ュ 吐 異動相響 任1 転 1界 .降 礁 考 名古屋大学よ1り ‐ 岡崎嘩 蟄 ユ 11.恥 ″ 議師よ勁 " 2底 14苑 2岨 匙 纂 瀞 入真学勤手よ1り 世 任 国融 1舗雄 ‐ 働 罰 生 科 助 手 物 理 〃 轟 木 痢 彦 層 〃 有 回11尭 太郎 』 堺 .″ 麟 如 蒲 陽 ‐ ‐ ル │″ ″ 砂 '鰈 拓 職 1豪 任 》 ″ 福 瀬 世 灘 壇 殻 〃 角 野 著 典 天文セ 〃 宮 期1陽 態 驀 硼 浩:司 2 7 絋 鎌 爛 繭 鉢 廟 カ 捌 ' 班 lm1 辞 ″ 学 学 ふ錮 本 勝 ‐ 化 化 襲 』 ″ ′ 囀 -33- 13つ 繁301ま で そ の 他 博 士 (理 学 )学 位授与者 平成 12年 9月 25日 付学位授与者 (10名 ) 種 別 論文博士 〃 〃 専 攻 物 理 学 球惑 皆 曇 球惑 緯 曇 申 請 者 名 論 文 題 目 新 井 宗 仁 タンパ ク質 のフォールディングの速度論的研究 宮 本 英 昭 流体流動 を伴 う地球型惑星表層地形の形成 」、 竹 美 子 啓 伸 知的 ユーザ イ ンターフェースの実現 に向けた視線パ ター ンの解析 と検証 ガラス中グルマニ ウム微粒子 の光学的性質 GPSデ ータ解析 に基づ く西太平洋 のテク トニ クスの研究 課程博 士 情報科学 高 木 〃 物 理 学 齊 藤 晶 〃 物 理 学 中 西 岡1 司 田 隆 対流圏 の鉛直微細構造 に関す る研究 海底境界 層 モ デル を組 み込 んだ海洋大循環 モ デルに よる深 層循環 の研究 〃 〃 球惑 曇 球惑 皆 曇 砦 中 中 野 英 之 平 正 輝 Sr14 XCaxCu24041の 圧力誘起超伝導状態 に関す る実験 的研究 ニウ ルテ ム の 定 料中 〃 化 学 宮田佳樹 0後 あ 暑 管 実 究E昌 事 発 晃 質幣2黎琴 禦 雷 樫 篠 愛 滸 〃 生物 化 学 本 X3品 受容体 フラ ッツル ドはネ トリンの局在 制御 を 業 界 7グ ラ 貧 を考 ぢ 平成 12年 9月 29日 付学位授与者 課程博士 情報科学 戸 次 大 介 シュタイナー ・ローランド (12名 ) 構成的言語理論のための型付 き動的理論 化 文法 にお ける文法外入力 の頑健 な処理 のための規則 〃 1青 報科学 〃 物 理 学 玉 川 徹 〃 物 理 学 中 野 譲 円筒型検 出器系 を用 いたダブル ラムダハ イパー核 の実験的研究 〃 物 理 学 上 杉 智 教 シンクロ トロ ンにお ける空間電荷効果 による半整数共鳴 の実験的研究 鬼 澤 真 也 地震波速度構造解析か ら推定 した伊 豆大 島火山のマ グマ供給 システム 滝 川 雅 之 成層圏硫酸 エ ア ロ ゾル の気候変動 に及ぼす影響 につ いて 小松原 純 子 〃 〃 〃 球惑 曇 響 球惑 緯 曇 球惑 斡 最 〃 化 学 〃 生物科学 ・ディア ・ソット アリボ 阿 渉 部 轟曹菫鰤 1析 戦略 9Be(K ,K十 )反 応 を用 いた準 自由 Ξ Σ芳奥蓬 生 成 の研究 統野島層群 の堆積相解析 に もとづ く日本海拡大初期 の淡水堆積 類元素 :粒 子反応性、0異 常、 お よび水塊の地球化学的キ 零少 方多す参 ー シ ョ ン あ素轟雰姦翠 ム シ属 お よび近 縁 属 (緩 歩 動 物 門 :ヨ ロ イ トゲ ク マ ム シ科 ) '的 研究 〃 生物科学 小 泉 好 司 維管東分化 の空 間的制御 に関す る遺 伝学的研究 〃 生物科学 三 澤 計 治 多数 の OTUと 遺伝子座 を用 いた分子系統解析 に関す る理論的研究 平成12年 10月 課程博士 情報科学 日 置 尋 久 16日 付学位授与者 (1名 ) 適応的光投影法 による二次元 シー ン計測 ―-34-― 鱚壽 :移 前 直 治 l③ 祓 辟 籐 軸 sugira@國 鑢癒=離 卿輌晰, 画 回 生 部 (璧 劉 明 等 刻 曲 Qがd恩 」:障駆ha喩 わ 小 ,棒 直 樹 騰罪麟饗諄魏鋤 1醸 243,7 04476 │ %│@臨 240鮮 4 utd噴 再減纂謝pi な '未 晶 (蠅 爾轟星酔鶉鯰濾 shoOlqぉふrb懸 .ac.Ip 牧 島――‐夫 礫薩穿導理, %。 1動料純癒kyS鰤 館 野 環 政 櫛麟 料) tatenoO頭動輛‐ m 34‐ 51‐ l・ 1 24171 24006 t… Ⅲ Ⅲ¨40こ ■ ●● ⅢⅢⅢ・ ● Ⅲ ⅢⅢ ・ ・ ・ ・¨ ■ ・ ・● 鰤 ・・ Ⅲ・ 事鍮印刷株式会社 …Ⅲ “ ,・ ・ 11● ,