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多孔体中の気液2相流に関する実験的研究 平成21 年2月 長谷川 純也

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多孔体中の気液2相流に関する実験的研究 平成21 年2月 長谷川 純也
多孔体中の気液2相流に関する実験的研究
平成21 年2月
長谷川 純也
要旨
目的
近年,製油所,油層所では,油汚染が問題となっており,国内では土壌汚染対策法施行に伴
い,製油所,油層所でも土壌汚染未然防止,汚染拡散防止の観点から,迅速で安全な土壌汚染
把握技術が求められている.しかし,油や有機汚染物質で汚染された現場では,早急に汚染の
拡散の防止策を講じなければならない反面,地中には燃料配管や電気配線などが交差し,防災
上,安全,迅速,効果的に汚染状況を把握できない.
そこで,直接土壌を採取して油分を分析しなくとも,ガスの濃度分布を手がかりに迅速・簡
易に地中の油分分布を調査する方法が開発されてきている.土中の微生物は,油を分解する際
に二酸化炭素やメタンを発生し,これらのガス濃度分布と汚染土壌の分布には関連性が見られ
ることがすでに分かっている.また,二酸化炭素やメタンは,不飽和土壌中を移流や拡散によ
り移動するが,土壌水への溶解・溶出がその移動過程に影響を与えることが予想される.
本研究では,汚染土壌中のガス挙動や地下水の動向を想定し,一次元カラムに飽和および不
飽和土壌をつくり排水実験を行うことで,空気や水の挙動を測定する.また,本実験では間隙
空気圧計で間隙空気圧を,テンシオメーターで間隙水圧を測定し,土壌水と土壌空気の同時 2
相流れを調べるものである.
方法
① 鉛直一次元カラムに豊浦標準砂を充填する.
② カラムに脱気水を注入,ついで排水させる過程で,間隙空気圧と間隙水圧,排
水量の経時変化を測定する.
③ 間隙空気圧 Pa と間隙水圧 Pw との差から,毛管圧を求める.
④ 豊浦砂の土壌水分特性曲線を実験で求めておき,毛管圧から水分分布を求める.
特徴
土壌水分ヒステリシスが空気と水の挙動に与える影響について考察する.
結論
① 土壌水分ヒステリシスの影響によって,毛管圧の値が同じでも飽和度が異なるため,
排水量に差がでてくる.
② 土壌水分特性曲線を使って毛管圧から水分量を求める方法で,カラム内の水分量が
徐々に減っていく過程を求めることができる.
指導教官 藤縄 克之 教授
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