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2016 年度第 1 回の学習会は「豚」について 5 月 22 日に 15 名が参加し

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2016 年度第 1 回の学習会は「豚」について 5 月 22 日に 15 名が参加し
2016 年度第 1 回の学習会は「豚」について
5 月 22 日に 15 名が参加して豚の育つ環境について学習しました。3 月の学習会で参加者
の方から豚について知りたいという声が多かったので、スタッフ 3 名が厚真町に放牧豚を
見に行ってきました。まずはその時の報告をと思いきや、なんと 2 頭の豚さん登場!豚舎
で食っちゃ寝、食っちゃ寝の生活を送ってきたふっくらした豚さんと、野山を走り回り、
たっぷり遊び暮らした豚さんでした。
次に厚真町の希望農場の代表取締役の中島道
義氏からお聞きしたことを、見学したスタッフ
が報告しました。北海道産の原料でウインナー
やハムを製造するファーマーズジャパンから
の誘いで放牧を始めた。豚舎は天井の高いカナ
ダ製の白いテントで、おがくず、もみ殻、バク
テリア、発酵剤を敷いていて、冬でも発酵熱で温
かい。放牧は 1 頭につき 10 ㎡の規格で 90 日以
上行っている。水やエサは豚舎に戻って摂る。エ
サは NON-GM のトウモロコシ、
大豆、大豆かす、
小麦、ライムギなどを与えている。6 か月半~7
か月で 120 ㎏に育て出荷している。放牧で動き回
るため代謝がよくなり脂身がおいしくなる。
アニマルウェルフェアに基づいて始めたわけで
はなく、放牧も手がかかって大変だが、嬉しそう
な豚の様子と、放牧を付加価値として評価してく
れる消費者がいるから続けて行ける。
見学報告の後、帯広畜産大学畜産学部講師の瀬尾哲也先生から「豚飼育の現状と問題点」
をお聞きしました。初めに動画で見た豚の生態は知らない事ばかりでした。子ブタが乳に
吸い付く順番が生後 3 日ほどで決まり、その序列が守られるという事には驚きましたが、
ブタは好奇心旺盛で探査行動と採食でとにかくほじくり返すこと、夏は泥遊びで体温を下
げ、寒い時は群れること、トイレと寝る場所を区別していること、巣をつくることなども
知ることができました。
イノシシを改良した豚は沢山の肉を
取れるように腹や尻を大きくし、子
の生まれる数も多くした結果、子豚
は小さくなり、母豚が踏みつけるリ
スクが増したため、分娩ストールで
母豚が動き回れないように固定する
ようになった。子ブタが乳を飲みや
すくはなるが、母豚は体の向きを変
えることも大変で、歩くこともでき
ないところが多い。分娩ストールで
は巣を作れない事も、授乳のために長く固定されることも母豚のストレスとなるので、早
目に広い部屋に入れて暖かい場所を作って、子豚がいつも母豚のそばに行かないようにす
れば、母豚に踏みつけられるリスクが減る。母豚の乳房を傷つけ授乳拒否が起きないよう
子豚の歯切りが行われることもあるが、EU では必要な時だけ歯を削る。アメリカは歯の先
端を削っている。また、ストレスで他の豚の尾をかじる行動を防ぐため断尾が行われるこ
ともあるが、EU では禁止されている。
適正な規模の放牧は豚の正常行動が発現され、エサをよく食べ、疾病、死亡率も減るなど
のメリットがあるが、舎飼いでも頭数制限して密度を減らすことで、アニマルウェルフェ
アに適うということでした。参加者からは EU やアメリカとの違いなどの質問もありまし
た。EU などでは基準も厳しいが、放牧やオーガニックは価格も高く、生産者も消費者も理
解が進んでいるのだと感じました。
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