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「健康シリーズ」~こころの健康づくり

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「健康シリーズ」~こころの健康づくり
健康シリーズ
こころの健康づくり
千葉県精神保健福祉センター長 「健康シリーズ」〜こころの健康づくり〜
5
岡 田 眞 一
こころの健康を保ち、
高めるため、
また、
うつ病などの精神疾患を予防するためにも、
健康づくりが大
切で、
それは人任せではなく、
「自分の健康は自分で守る」
という意思をもって実行することが、
自分と自
分の周囲の人を大切にすることにつながります。
こころの健康づくりには、
まず生活習慣を整えることが重要なのは体の健康づくりと同様です。
ここ
では睡眠、
食事、
運動について簡単に述べます。
睡眠時間は7時間程度が理想ですが、
必要時間には個人差があります。
休日の寝だめは疲労回復にあ
まり効果がありません。
仕事で就寝時間が遅くなっても、
起床時刻を毎日大体同じにした方がリズムは
崩れません。
毎日の睡眠時間が5時間を切るとうつ病になるリスクが高まります。
残業のためであれば、
仕事量の調整が必要です。
食事は、
魚、
特に青魚に含まれる、
オメガ3系脂肪酸
(EPA、
DHA、
αリノレン酸等)
をとることや野菜、
果物、
大豆製品、
きのこ、
緑茶等の高摂取により特徴づけられる
「健康日本食パターン」
がうつ病予防効果
があると報告されています。
定期的な運動は、
生活習慣病の予防に大切ですが、
うつ病などの予防に一日5,000歩以上の歩行・運
動が効果的であるという報告があります。
また、
うつ病の治療にも運動療法が注目されています。
リラ
クゼーション
(腹式呼吸)
、
ヨガ、
ストレッチも有効です。
また、
行動面では、
親しい人との交流、
仕事を離れた趣味、
好きなことができる時間を持つこと、
笑うこ
とがこころの健康に大切です。
逆に、
これらの行動が減ったら、
黄色信号です。
お酒の飲み方は注意が必要です。
落ち込んだり、
追いつめられた気持ちを和らげたりするための飲酒
は逆効果です。
また、
不眠解消のための寝酒も勧められません。
こころの健康を守るためには、
メンタルヘルス・リテラシーを高めることも重要です。
こころの耳
(http://kokoro.mhlw.go.jp/)
は働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトで、
「メンタルヘルス対策の
基礎知識」
「セルフ・チェックリスト」
「相談機関や精神科医療施設の情報」
「悩みを乗り越えた方の体験
談」
等が見られる総合的な情報提供サイトです。
「こころのケア―学校の先生へ」
というコーナーもあり
ます。
3月、
4月は卒業式、
入学式などの行事が多く多忙で、
また、
異動、
業務の変更など変化が多い時期です。
身の周りに起こる変化は、
いいものも悪いものもストレスです。
変化が多い時期はメンタルヘルス不調
に陥りやすいので、
避けられる変化は避ける、
できるだけ変化を重ねない配慮が必要です。
不眠
(朝起き
た時に睡眠の満足感がなく、
それによって何らかの支障を感じている状態)
や検査で異常のない身体不
調
(食欲低下、
体重減少、
倦怠感など)
が続くようであれば、
早めに専門医等に相談をしてください。
こころの健康チェック表 K 6
この1カ月の間にどれくらいの頻度で次のことがありましたか?
下の選択基準を見て、
カッコの中に点数を記入してください。
1. 自分が神経過敏になっていると感じましたか?
( )
2. 自分がそわそわ、
落ち着かなくなっていると感じましたか?
( )
3. 気分が沈み込んで、
何が起こっても気が晴れないように感じましたか?
( )
4. 何をするのも骨折りだと感じましたか?
( )
5. 絶望的だと感じましたか?
( )
6. 自分は価値のない人間だと感じましたか?
( )
〔選択基準〕全くない=0点、
少しだけ=1点、
ときどき=2点、
たいてい=3点、
いつも=4点
※合計15点以上であれば、
うつ病や不安障害の可能性があり、
相談機関にご相談ください。
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