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減塩のすすめ

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減塩のすすめ
減塩のすすめ
平成18年8月
安藤 忠夫(千種区)
最近話題の「メタボリックシンドローム」は、肥満に加えて高血圧、高脂血症、糖尿病の
危険因子のうちの 2 つが重なった状態を言います。チョット血圧が高い、チョット中性脂肪
が多い、チョット血糖が高いけれど、どれも単独では治療するほどでもない。しかし、それ
らが重なると心臓病や脳卒中の危険がとても高くなるので“チョットだけ”でも軽視できな
いのです。どの危険因子も食生活や運動習慣などの生活習慣に起因しています。そのうちで
も塩分の取り方には注意が必要です。
高血圧の原因はいろいろありますが、大部分を占めるのは本態性高血圧症で、その真犯人
は食塩です。日本人は食塩を 1 日 12 グラム摂取しており、タバコ中毒と同じで食塩中毒にな
っているのです。これを半分の 6 グラムに減らすだけで、高血圧症が減って医療費も少なく
なると言われています。石器時代の人の食塩摂取量は 1.5 グラムを超えることはなかったし、
現在でも南米のアマゾン源流に住むヤノマモインディアンは無塩人種(1 日の食塩接種は 0.06
グラム)で彼らの血圧は 100mmHg 前後で、加齢による血圧上昇もないのです。
魚の血圧は 10∼15mmHg で、水中では血圧維持機構は重要でなかった。3 億年前に両生類
となって腎臓に血圧を維持する装置(傍糸球体装置)を獲得して陸に上がった。陸上では血
圧維持調節が必要になり、循環血液量を決めるのは食塩であるが、それを調節するためにレ
ニン・アルドステロン系といわれるホルモン調節機構ができました。すなわちナトリウムの
リサイクル装置です。陸上の自然環境では塩は過剰に摂取できるものではなく、生存のため
に如何にその不足に対処するかが問題であったのです。そのためにリサイクル装置が出来て
きた。塩分の過剰摂取が高血圧の真犯人である理由がここにあります。
減塩する方法は、1 週間毎に 5%の食塩を減らすと味が薄いと感じることなく減塩できると
言われています(例えば、1 グラムと 0.95 グラムの味の差は殆ど分からない)ので、10 週間
で 12 グラムから 6 グラムに減塩できるはずです。
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