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第3学年道徳学習指導案
第3学年道徳学習指導案 1 主題名 自然を大切に思う心(3-① 自然愛) 2 資料名 「 ど う し た の か な 」( ぬ く も り 3 ・ 4 年 ) 3 主題設定の理由 (1) 価 値 に つ い て 第3学年及び学年の内容項目3-①は「自然のすばらしさや不思議さを知り、自然や動 植 物 を 大 切 に す る 。」 と な っ て い る 。 私たち人類は、この一世紀の間に科学や科学技術の著しい進歩を遂げ、日常生活の中で その恩恵を受けて暮らしている。しかし、その反面、科学の進歩とともに自然破壊や環境 汚染などの事態を生む結果にもなっている。 自然は、私たち人間の力をはるかに超えた不思議な物で、すばらしく、そして美しい物 である。人類はそれを知りながら、自分たちに都合の良いことに目を奪われ、偉大な自然 の中に生きていることに気を配るのを怠ったために自然破壊が急速に進み、環境問題は、 地球全体の問題となっている。 今、我々人類は改めて、自然と人間との関わりについての見直しを図り、生き物すべて の土台は自然であり、それに調和し、順応しながら生きていかなければならないことをし っかり自覚する必要がある。 (2 ) 資 料 に つ い て 資料「どうしたのかな」は、津屋崎町や海の中道に卵を産みに来るアカウミガメが海岸 で死んでいる写真である。アカウミガメは絶滅危惧種に指定されている生物である。卵か ら孵ったアカウミガメが海岸に卵を生みに来るまで20年以上かかる。その上卵から孵っ たアカウミガメが大人になれる確率は5000分の1なのである。それなのに、多くのア カウミガメが海に捨てられたゴミを餌と間違えて食べ、死んでいっているのである。自分 たちの身近な場所に、珍しいカメが卵を産みに来ていることは子どもにとって意外な事実 で あ る は ず だ 。そ の カ メ が 捨 て ら れ た ゴ ミ に よ っ て 、絶 滅 の 危 機 に あ る こ と に 気 付 か せ る 。 自分たちの何気ない行動が自然に影響を与えていることを理解し、自分にできる範囲で自 然環境をよくしようという気持ちをもたせたい。 4 配 指導計画 2時間計画 時 学 習 活 動 「アカウミガメはどうして死んだのか」 1時 と言う問題を考えることで、環境問題 (本時) について考えさせ、自分のできる範囲 で自然環境をよくしようという思いを もたせる。 2時 マリンワールド 質問をしたりす ぐる環境問題に 理解を深め、環 う意識をもつ。 の人 るこ つい 境を の話 とで てよ 守っ を ウ り て 聞い ミガ いっ いこ たり メを そう うと 、 め の い 教 師 の 支 援 ・絶滅の危機にあるアカウミガメの ことを知る。 ・ゴミがアカウミガメの命を奪って いることを知る。 ・自分たちもができることについて 考える。 ・マリンワールドの人に、人間が環 境を悪化させることによって生物が どのような影響を受けているかの話 を聞く。 ・事前に疑問点や詳しく聞きたいこ とを考えさせておく。 5 本時の指導 (1)ねらい 「アカウミガメはどうして死んだのか」と言う問題を考えることで、環境問題について考 えさせ、自分のできる範囲で自然環境をよくしようという思いを持たせる。 (2)展開 導 入 学 習 活 動 1.ウミガメについて知る。 ○ 何 の 写 真 で し ょ う か 。( 海 岸 に 残 っ た カ メ の 足 跡) ・車のあとかな。 ・生きのの足跡かも。 ・カメの写真だったんだ。 指 導 上 の 留 意 点 ・いきなり写真を見せることで子 どもの好奇心を揺さぶる。 ・テンポ良くヒントを出し、授業 に引き込む。 ・お互いのカメについての内部情 ○カメについて何か知っていることはありません 報を共有化させる。 か。 ・アカウミガメについての情報を 与える。 ○ 実はね。このウミガメは「アカウミガメとい ・写真を多く見せることで、子ど -1- う カ メ な ん で す 。」 福 岡 県 で は 、 福 岡 市 と ほ か に も が 情 報 を 得 ら れ や す く す る 。 4 カ 所 で カ メ が 卵 を 産 み に 上 陸 し て き ま す 。卵 は 、 2ヶ月すると子亀になります。5千匹の卵が産ま れても無事にせいちょうするのはそのうち1匹く らいです。子どもが海に帰っているところです。 海を泳いでいるすがたです。このくらいの大きさ になるには20年から30年かかります。 ○実はこのアカウミガメたち困ったことがおこ っているのです。 展 開 前 段 展 開 後 段 終 末 2.アカウミガメを苦しめるゴミについて考え る ○このカメはいったいどうしたのでしょう? ・寝ているのかな。 ・死んでいるようだ。 ・悪い物を食べたんだ。 「この死んだカメのお腹の中からでてきた物なん です。 カメはね、いかとクラゲが大好きです。 ゴ ミ を 間 違 え て 食 べ て し ま う の で す 。」 ○アカウミガメは、絶滅寸前の動物です。このま までは、あと何年くらいで絶滅してしまうと思い ますか? ・10年くらいかな。 ・100年くらいかな。 「10年で数が半分になって20年で一匹もいな く な っ て し ま う と 言 わ れ て い ま す 。」 ○それで、カメを助けようと思った人達が、海に ゴミをすてないように看板をたてました。 どうな ったでしょう? ・ゴミがなくなった。 「 実 は 、 そ の 看 板 の 写 真 で す 。」 ○これを見てどのように思いますか?感想を発表 しましょう。 ・ひどい。 ・ゴミを捨てる人が許せない。 3.自分たちの行動をふり返る ○ところで、ゴミをゴミ箱以外の場所に棄てたり 落としたりしたことのある人はいますか? 運動場 にゴミが落ちているのを見たらほとんどの場合ゴ ミを拾うと思う人? ○これはね、運動場に落ちていたゴミです。 「実はね?カメが死んでしまうのは、海に棄てた ゴミだけじゃないのですよ。その辺りに棄てたゴ ミが風に舞ったり、川に落ちたりして海までとど い て し ま う の で す 。」 ○カメのためにあなたたちができることはどんな ことがありますか?考えて思いつくだけ書きまし ょう。 ・ゴミを捨てないようにする。 ・落ちているゴミを拾う。 ・ゴミを捨てる人を注意する。 4.カメと自然を守る活動をしている人を知る 「 実 は ね 、『 恋 の 浦 ウ ミ ガ メ の 会 』 と い う カ メ を 守 る 人 達 が い ま す 。こ の 人 達 を 中 心 に し て ね 。 毎年100人以上の人が集まって、ゴミを拾っ たりウミガメがくる6月から9月まで交代で夜 の12時から2時まで、見張っていたりしてい る の で す 。 会 の 人 が 言 っ て い ま す 。『 今 年 の 調 査には私の教える子ども参加しましたが、どの 子も感動していました。ウミガメには興味があ りますが、やはりウミガメの来ることができる 自然環境を守ることが一番大切なことではない で し ょ う か 。』 」 -2- ・ ど の 答 え も 認 め て 、「 な る ほ ど 」 と聞く。 ・アカウミガメの腹の中から出て きた、ゴミの写真を見せる。 ・挙手で確認する。 ・ゴミを捨てるなと言う看板の前 に捨てられたたくさんの写真を見 せる。 ・カメの気持ちになって考えさせ ることで、ゴミを捨てることへ怒 りを感じさせる。 ・挙手で素早く確認。 ・自分たちが日頃、ゴミをどのよ うに扱っているのかを思い出させ る。 ・運動場に落ちていたお菓子の袋 などのゴミを1つずつ見せる。 ・じっくり考えさせるために、学 習プリントに書き込ませる。 ・ねらいとする価値のまとめをす る。