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富山大学附属図書館ヘルン文庫展 小泉八雲とその蔵書

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富山大学附属図書館ヘルン文庫展 小泉八雲とその蔵書
『怪談』などの著作で知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は,数多くの著作を通して明治の日本を欧
米に紹介しました。小泉八雲の人生や執筆活動に影響を与えたその蔵書は,一九二三年の関東大震災のあと,
安全に保管し研究に役立てるため,遺族から旧制富山高等学校(富山大学の前身の一つ)に譲られました。
現在,貴重なコレクションの一部を千代田図書館で公開しています。
11.24(月)
2008.
1.23(金)
~2009.
千代田区立千代田図書館 9 階
東京都千代田区九段南1-2-1 千代田区役所本庁舎内
電話 03-5211-4289・4290
開館時間 月~金 10:00~22:00/土 10:00~19:00/日・祝・12/29~31 10:00~17:00
閉館日 12/21(日),12/28(日),1/1(木)~3(土)
主催:富山大学,千代田区立千代田図書館
後援:アイルランド大使館
協力:富山八雲会
東京メトロ東西線、半蔵門線・都営新宿線
「九段下」駅 4 番・6 番出口から徒歩 5 分
ヘルン文庫の由来
富山大学ヘルン文庫
ラフカデ ィオ・ ハーン (Lafcadio Hearn,
こいずみ や く も
小泉八雲 1850-1904)が所蔵していた蔵
書を集めたものがヘルン文庫です。ハーン(ヘ
ルンとも呼ばれていました)は明治 23 年
(1890)に来日してから,松江,熊本,神
戸,東京に住んだことはありますが,富山に
来たことはありません。なぜ,このような文
庫が富山大学にあるのでしょうか。
がゆうきだん
『臥遊奇談』
『怪談』中の「耳なし芳一」は『臥遊奇談』
巻二の「琵琶秘曲泣幽霊」から再話したもの。
やそうきだん
『夜窗鬼談』
『霊の日本』中の「宿世の恋」は『夜窗鬼談』
上巻の「牡丹燈」から再話したもの。
ハーン亡き後,小泉家では蔵書を大切に保存
し,その蔵書は研究者に利用されていました。
大正 12 年(1923)9 月には関東大震災が
起こり,東京では多くの貴重な文献が焼失し
ました。これを目の当たりにした小泉家では,
ハーンの蔵書も失うことになるのではないか
と危惧を感じるようになりました。そこで,
これらの蔵書を安全に保管できる大学へ一括
して譲渡したいという強い意向を持つに至り
ました。
ちょうどその頃,旧制富山高等学校(大正 12
年 10 月創立,現富山大学の前身校の一つ)の
なんにちつね た ろ う
創設準備のため,初代校長となる南日恒太郎
氏が上京していました。その南日校長の実弟
た な べ りゅうじ
田部隆次氏は女子学習院教授でハーンの高弟
でもあり『小泉八雲全集』の出版などで小泉
セツ夫人の助力をしていました。その田部氏
から小泉家の意向を聞いた南日校長は,新設
の富山高等学校へ全国から優秀な研究者を集
めるには何としても確保したい蔵書であると
思い,富山高等学校へ譲渡して欲しいという
強い希望を小泉家へ伝えるよう田部氏に依頼
しました。
そのような経緯から南日校長は北前船の交易
で資産家であった現富山市東岩瀬の馬場家
(富山高等学校創設のための資金を富山県に
寄附した)の馬場はる氏に購入資金の援助を
懇請し,それを受けた馬場家が小泉家から蔵
書を買い取り,富山高等学校の開校を記念し
て寄贈しました。
長男一雄氏による父ハーン像(版画)
(富山大学附属図書館蔵)
このようにしてハーンの蔵書が現在の富山大
学に引き継がれています。
ハーンは蔵書印として「へるん印」(上の左
2つ)を好んで使っていたが,帰化してから
入手した蔵書には「小泉八雲印」
(上の右端)
が押されているものもあり,アメリカ時代の
蔵書のなかには「Lafcadio Hearn」のゴム
印(下)が押されているものもある。
『The Soul of the Far East』
by Percival Lowell
もともと日本へ行ってみたいというハーン
の気持ちを決定的にしたと言われている
ローエル著『極東の魂』。
「ヘルン文庫」については中央図書館ホーム
ページで御覧いただけます。
〒930-8555
富山市五福 3190 番地
富山大学附属図書館
Tel 076 (445) 6895
http://www.lib.u-toyama.ac.jp/
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