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光の反射と屈折 - Biglobe
38 第2章 波 6 光の反射と屈折 §1 光の反射と屈折 反射・屈折 光が異なる倍質の境界面に達すると,一部は反射して残りは屈折する。 v1,l1 入射光 ● 反射光 反射の法則 入射角 i =反射角 i ′ i i' 媒質Ⅰ 媒質Ⅱ r 屈折光 v2,l2 ● 光の絶対屈折率(屈折率) )で,他の媒質中を伝わるときは 光は真空中を伝わるときが最速(c≒3.0×108〔m/s〕 遅くなる。 例えば,水中を伝わるときの速さは 3.0×108〔m/s〕 1.33 ≒2.66×10 ≒ 2.66×108〔m/s〕になる。 この 1.33 を真空に対する水の屈折率 → 水の絶対屈折率という。 絶対屈折率 n の媒質中では光の速さは ● c n になる。 屈折率 n の媒質中の高速 c ′ ,波長 ′ ,振動数 真空中 波長 l ′ 屈折率nの媒質中 l 波長 l'= n c′ = c n , ′ = n ,f′ =f 振動数は媒質が変わっても同じ 物理Ⅰ 光速度c 光速度c'= 振動数 f 振動数 f' 新基礎演習 c n hp1k0010 39 第2章 波 ● 屈折の法則 sin i sin r 入射角 v1 1 2 c 振動数 f l1 i = = 絶対屈折率n1の 媒質1 n1 c = n2 n1 n2 不変 境界面 絶対屈折率n2の 媒質2 1 = 2 1 2 屈折率n1,n2で表すと r 屈折角 = 波長 v2 振動数 f l2 sin i sin r 屈折光線 = n2 n1 となるので,分母,分子を逆 にして間違えることが多い。 n1 sin i = n2 sin r 積の形で覚えると, 媒質 1 での量 媒質 2 での量 覚えやすい! 媒質 1 に対する媒質 2 の相対屈折率n12は n 12= ● n2 n1 全反射 光が屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ入射する場合 入射角 < 屈折角 (i) (r) 屈折角が 90°になるときの入射角を臨 r (屈折率小) (屈折率大) 界角という n1 r=90° i n2 i0 臨界角 屈折の法則より n1 sin 90°= n2 sin i0 sin i0 = 物理Ⅰ 新基礎演習 n1 n2 hp1k0010 40 第2章 波 入射角i(>i0)のとき屈折光はなくなり,全て反射光になる。 i ● i 全反射 反射のときの位相の変化 屈折率大 (光学的に密) 山→山 位相変化 なし 屈折率小 (光学的に疎) 山→谷 位相変化 π 屈折率大 (固定端型) (光学的に密) 屈折率小 (自由端型) (光学的に疎) 光の分散 白色光がプリズム等に入射すると,波長の違いにより屈折率が異なるために,白色光 は色の違うスペクトルに分かれる。 → 光の分散という。 (虹の七色) 白色光 (プリズム) ~ 赤 紫 波長大 熱 作 用 赤 橙 黄 緑 青 藍 紫 赤 外 線 紫 外 線 日 焼 け 等 振動数大 物理Ⅰ 新基礎演習 hp1k0010 41 第2章 波 §2 凸レンズと凹レンズ 凸レンズと凹レンズ 凸 レ ン ズ 凹 レ ン ズ 中央部が周辺部より厚い。 中央部が周辺部より薄い。 光軸,焦点(焦面) ● 光軸 … レンズの両球面の中心O1,O2を結ぶ直線。 r2 O1 O O2 ● 光軸 r1 焦点 焦点 F 軸に平行に入射した光は凸レンズ通過後,焦点に集中す る。 焦点距離 軸に平行に入射した光は凹レンズ通過後,物体の焦点か ら光が出てきたように進む。 焦点 焦点距離 ● 焦面 → 焦点を通って軸に垂直な平面 焦面 平行光線はすべて焦面上の一点に集まる。 F F' 物理Ⅰ 新基礎演習 hp1k0010 42 第2章 波 像の作図 ● 像を作図するときに使う光線 ① A ③ ① → 光軸に平行な光線 F1 …屈折後,焦点F1に向かう O F2 A′ ② → 焦点F2を通る光線 ② …屈折後,光軸に平行に進む A:光源 ③ → レンズの中心 O を通る光線 A′ :像 ● …屈折しないで直進 3 つの基本作図 凸レンズ a > f a f F F 物 体 凹レンズ 凸レンズ 0 < a < f a 倒 立 の 実 像 f b F O f F O 正 物 立 体 の 虚 像 b b a 物 体 F 正 立 の 虚 像 O F a:物体とレンズとの距離 b:像とレンズとの距離 :焦点距離 凸レンズの公式 ● )→ 倒立実像 物体を焦点の外側に置く場合(a> A P F B 物体 △ABO∽△A′ B′ O より 焦点 O a f b A′′ B …① = a AB B′ 実像 b △POF∽△A′ B′ F より A′ b- A′′ B = AB …② ①,②より b a 物理Ⅰ = b- 新基礎演習 1 a + 1 b = 1 倍率= b a hp1k0010 43 第2章 波 ● 物体を焦点の内側に置く場合 (0<a< )→ 正立虚像 △ ABO∽△A′ B′ O より A′ P A F O a B′ b B b A′′ B …③ = a AB → f △POF∽△A′ B′ F より b+ A′′ B = AB → …④ ③,④より b b+ = a 1 a - 1 b = 1 公式の導出は出題されることがあるため,自力で導けるようにしよう。 凹レンズの公式 正立像 A (a) P (c) A' 光軸 三角形の相似より レンズ公式 F F B 物 体 B' 虚 像 O 焦 点 (b) 1 - a 1 =- b 1 倍率 f b m= a b a (a , b , f はすべて正とする) レンズの公式のまとめ レンズ公式 1 a 倍率 1 + b = 1 m= b a 左の値が正 左の値が負 a レンズの前方(実物体) レンズの後方(虚物体) b レンズの後方(実像) レンズの前方(虚像) f 凸レンズ 凹レンズ 倒立像 正立像 b a 物理Ⅰ 新基礎演習 入射光線側 (レンズの前) レ ン a>0(実光源) ズ b<0(虚 像) 屈折光線側 (レンズの後) b>0(実 像) a<0(虚光源) hp1k0010