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7.石 盛 遺跡

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7.石 盛 遺跡
いしもり い せ き
7.石盛遺跡
所 在 地:森田北東部土地区画整理事業
48 街区
調査原因:森田北東部土地区画整理事業
調査期間:平成 24 年7月2日~
平成 24 年 11 月 30 日
調査主体:福井市文化財保護センター
調査面積:1,415 ㎡
時
代:弥生時代~近世
位置図(S=1/50,000)
石盛遺跡は、福井市の北東部、九頭竜川の右岸に位置しています。調査地
調査の概要
は、石盛町集落西方で、平成 23・24 年度の2ヵ年において発掘調査を実施しました。
平成 23 年度の調査では、古墳時代の竪穴式住居・掘立柱建物、律令期の掘立柱建物が
見つかっています。平成 24 年度の調査では、弥生時代の溝、古墳時代の溝、律令期の
掘立柱建物、溝、井戸、中世の溝、井戸、近世の溝が見つかりました。ここでは、古墳
時代と律令期について報告します。
古墳時代 東西方向に延びる古墳時代前~後期の溝を確認しました。溝底で出土する古
墳時代前期の遺物は、多量の壷・甕・高杯とともに、勾玉1点があり、祭祀に使用した
ふいご
土器などを一括投棄したことがうかがえます。また、土師器高杯の脚部を転用した鞴 の
さい
羽口と椀形滓が出土し、鍛冶を行っていたことが明らかとなりました。
溝上層で出土する古墳時代後期の遺物には、完形の須恵器蓋杯・はそう・横瓶の他に
馬もしくは牛とみられる大型の獣骨1点があります。須恵器杯の底面には赤色顔料を用
いて記号の描かれたものがあり、大型の獣骨とともに出土したことを考えあわせると、
殺牛殺馬を伴う祭祀を行っていた可能性も考えられます。
律令期 8~9世紀の掘立柱建物5棟、井戸、溝が見つかっています。建物のうち、最
大のものは、3間×4間を測ります。
遺物には多量の須恵器のほか、畿内産暗文土師器椀の在地品、近江産緑釉陶器・濃尾
産灰釉陶器が数点出土しています。
まとめ 今回の調査地では、平成 23・24 年度にわたり実施した発掘調査により、石盛
遺跡で初めてとなる律令期の遺構、遺物を確認しました。10 棟以上の掘立柱建物と畿
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じ
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内産暗文土師器椀の在地品や円面硯・風字硯が出土していることなどから、一般的な集
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落とは考えにくく、官衙ないし荘家であったと考えられます。
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