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PDF(628KB) - DNP 大日本印刷
2010.11
● お菓子の購買行動
メディアバリューレポート
(図 1)
。外食費が抑えられる一方で、巣篭もり消費が話題に
なり、お取り寄 せ
図 1 家計消費支出の推移(二人以上の世帯)
スイーツやコンビ
320,000
ニスイーツに話題
(円)
消費支出
5,100
菓子類
310,000
が集まるなど、甘
5,000
305,000
いものの楽しみは
300,000
拡 大して い る の
295,000
だ。 今号では、生
290,000
4,900
4,800
4,700
285,000
活者のお菓子との
4,600
280,000
関わり方と購買行
動に注目する。
5,200
(円)
315,000
275,000
2000 01
02
03
04
05
06
07
08
4,500
09(年)
総務省「家計調査」
320000
新しい商品よりも
“お墨付き”
315000
「お金をかけてもよい」という意識の上昇とともに、お菓子へ
310000
の関心は高まっている(図 2)
。一方、
305000 購入するお菓子は、食
300000
べた経験や「周囲の評判」をもとに選ぶ傾向が強まっている。
295000
特に「使用経験」は、美味しさや安全性などの
「品質・性能」と
290000
285000
並んで重視されるようになった
(図 3)
。お菓子を楽しみたい
280000
という気持ちはあるものの、経験したことのない美味しさや
275000
5200 食べたことがあり美味
自分の好きな商品を探求するよりも、
5100
しいと分かっているものや、周囲や身近な人が評価する
“お墨
5000
付き”のお菓子を安心して選びたいという、
生活者のお菓子
図 2 菓子類への関心の変化
100
(%)
4900
との関わり方が見て
4800
とれる。
食べる
4700
(自分で利用する)
4600
80
関心がある
4500
60
新商品の情報が気になる
40
お金をかけてもよい
20
0
MV
2005
MV
2006
MV
2007
MV
2008
「DNP メディアバリュー研究 2010」
100
MV
2009
MV
2010
実 際、売 れ筋をみる
と、定番ブランドのバ
Vol.
年々減少する中、菓子類への支出は 2005 年以降伸びている
脱・お墨付き~お菓子で始まる新しい関係づくり
長引く不況による節約意識の高まりから家計消費支出が
40
商品が店頭に並ぶな
か、手に取ったことの
ないお菓子を生活者
図 3 菓子類を比較・検討する際、
重視する内容
60
(%)
品質・性能
50
割安感
が購 入するきっかけ
を つくるた めに は、
「美味しさ」の提供だ
けではなく、新しいコ
使用経験
40
周囲の評判
30
ブランド・メーカー
20
ミュニケーションにつ
ながる「買う理由」を
創 ることが 重 要 に
なっている。
10
0
MV
2005
MV
2006
MV
2007
MV
2008
MV
2009
MV
2010
「DNP メディアバリュー研究 2010」
商品との出会いを創る
「買う理由」
バレンタインデーやホワイトデー、季節限定商品、大人向けの
60
商品など、菓子業界はこれまで、様々な「買う理由」を定着さ
50
せ、市場を活性化させてきた。 記憶に新しいものには、受験
40
生のための願かけ商品がある。最近では、
「買う理由」の提
30
案にとどまらず、実現する仕組みまでを準備するなど、その展
開も進化している。
20
よく知られているものでは、10
ネスレと郵便局による
「キットカッ
0
トメール」。キットカットのパッケージに切手、
宛名、受験生へ
のメッセージを書いてポストに投函すると、郵便で届けられ
る。受験生のためのお菓子として店頭などで訴求するだけ
でなく、受験生を取り巻く人々のコミュニケーションを支援す
る仕組みまでを提供することで、贈った人も贈られた人にとっ
ても、記憶に残るお菓子となる。またロッテは、カーネー
ションの赤から発想し「母の日にガーナ」を贈る、新しい「買う
理由」を創造し、パッケージにメッセージを書いて贈ることな
リエーション商品が上
どを提案している。どちらも生活者が気軽に参加できる仕掛
位を占め、失敗しない
けを提供し、
商品の購入に結びつけることに成功している。
“お墨付き”の商品が
日々の生活に彩りを与えるお菓子のような商品ジャンルで
購入されていること
は、生活者が参加したくなるコミュニケーション(=「買う理
が確認できる。
由」)
を生み出し、
その実現までをサポートしていくことが求め
生活者が幼少期から
られている。そこでは、生活者と商品との新しい関係が生ま
関わってきたなじみ
れるとともに、安心して選ぶことのできる
“お墨付き”
の商品と
のあるロングセラー
してだけではない、
新しい魅力が引き出されるのだ。
女性の お菓 子との関わり
ふだんからお菓子を食べる機会が多い女性。
ここでは、お菓子を楽しんでいる 3 つの世代に注目し、彼女たちのお菓子との関わりを紐解いていく。
[ お菓子・デザートを食べる割合と変化 ]
大学・専門学生(18 ∼ 24 歳)
• 2002∼2009 年にかけて、お菓子・デザートを食べる割合はいずれの世代も伸びている。
• お菓子・デザートを食べる割合が高いのは中学・高校生女性。また、ミドルミセス
(50 ∼ 60 代主婦)は、2002∼2009 年にかけて食べる割合が最も伸びている。
60
(%)
男性
女性
をする機会が多く、ビスケットやクラッカーなどお腹にたまりやすいお菓
子が伸びている。友達と一緒に食べる、学校で友達にくばるなどコミュ
いる。
ヤングミセス
中学・高校生
大学・専門学生
40
ミドルミセス
全体
20∼40代未婚
お菓子・デザートを食べる割合
80
(%ポイント)
20
(%)
15
2002∼2009 年の変化
60
10
5
大学・専門学生
30
0
40
-5
20∼40代既婚
20∼40代未婚
-10
50∼60代既婚
20
-15
-20
あられ、
せんべい
和菓子
氷菓
︵アイス
キャンデーなど︶
ゼリー
プリン
4 (%ポイント)5
3
ビスケット、
クラッカー
2
アメ、
キャンディー、
ドロップ
1
お菓子・デザートを食べる割合(2002∼2009年の伸び)※
ヨーグルト
0
スナック類
0
洋菓子
※スナック類、チョコレート、アイスクリームなど、
13 種類のお菓子やデザートを食べる割合の平均
チューインガム
0
アイスクリーム
20
チョコレート
お菓子・デザートを食べる割合︵2009年︶※
ニケーションツールとしても利用しており、お菓子を口コミの話題にして
中学・高校生
50
● おやつ時間にお菓子でコミュニケーション
チョコやガムなど、どこでも気軽に食べられる甘いお菓子が好き。間食
-25
「JNN データバンク全国調査 2002 年
(n =132)
/ 2009 年
(n =156)
」
「JNN データバンク全国調査 2002 年(n =7412)/ 2009 年(n =7422)」
ヤングミセス(20 ∼ 40 代主婦)
ミドルミセス(50 ∼ 60 代主婦)
● 家族とわいわい楽しむお菓子
● ひとりでゆったり味わうプチ贅沢
食事もお菓子も家で家族と食べることが多いため、安く大容量に入手で
子供が自立して自分の時間が増え、おいしいものをゆったり楽しむ。健
きるディスカウントショップで購入。伸び率の高いスナック類は、野菜・
康を意識する人が多いためか、家で食べる定番お菓子は和菓子だが、
ノンフライなど健康感のある商品の登場と、食べやすいサイズ・パッケー
今後注目したいのは伸び率が高いチョコレートや洋菓子。デパ地下で
ジの増加で気軽に楽しめるようになり、おやつや夕食後に子供と一緒に
買ったスイーツやプレミアム感のあるお菓子で、自分のための、ちょっと
食べている。
したぜいたく気分を味わうのが楽しみ。
お菓子・デザートを食べる割合
80
(%ポイント)
(%)
2002∼2009 年の変化
60
40
20
(%ポイント)
12
2002∼2009 年の変化
10
8
60
6
4
40
2
0
20
-2
氷菓
︵アイス
キャンデーなど︶
スナック類
ゼリー
ビスケット、
クラッカー
チューインガム
プリン
アメ、
キャンディー、
ドロップ
アイスクリーム
チョコレート
洋菓子
あられ、
せんべい
0
和菓子
「JNN データバンク全国調査 2002 年(n =1412)/ 2009 年(n =1384)」
お菓子・デザートを食べる割合
80
(%)
ヨーグルト
ゼリー
氷菓
︵アイス
キャンデーなど︶
ビスケット、
クラッカー
チューインガム
プリン
和菓子
あられ、
せんべい
アメ、
キャンディー、
ドロップ
アイスクリーム
洋菓子
スナック類
ヨーグルト
チョコレート
0
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-4
「JNN データバンク全国調査 2002 年
(n =1055)
/ 2009 年
(n =1101)
」
メディアバリューレポート 40 号編集協力:
(株)
ウェーブプラネット
メディアバリュー研究とは
お問い合わせはこちらまで
● DNP 独自の調査・分析をベースに、
マーケティングの新しい「視点」
を提案するプロジェクトです。
●情報環境が変化する中で、生活者のコミュニケーションチャネル
(メディア・チャネル)
を多面的に捉え、企業と生活者との
コミュニケーションデザインをトータルにサポートいたします。
●ご紹介した内容は、メディアバリュー研究「コミュニケーション接点調査」
(訪問留置法、15 ∼ 69 歳男女 900 名対象、
実施:2009 年 10 月)
分析結果を基にしています。
こちらからバックナンバーもご覧になれます。
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C&I事業部 マーケティング開発室
〒141-8001 東京都品川区西五反田3-5-20 URL http://www.dnp.co.jp/cio/ いかなる形式でも本紙の一部または全部の複製および無断転載をお断り致します。内容は2010年11月現在のものです。
お断りなしに変更することがあります。
©大日本印刷株式会社 2010 printed in japan
10.11
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