Comments
Description
Transcript
翼をください・世界に一つだけの花 2
高校講座 学習メモ 2 音楽 Ⅰ 講師:馬 淵 明 彦 翼をください・世界に一つだけの花 今回は、愛唱歌として幅広く歌われている「翼をください」と、アイドル・グループの 「SMAP」によって歌われた「世界に一つだけの花」を歌ってゆきましょう。 ■「翼をください」 まずはじめに、1971 年に発表されてあっという間に日本中に広まった、5 人組のフォーク・コーラスグループ「赤い鳥」が歌う「翼をください」を聴い てみましょう。 今から約 40 年近くも昔に作られ、歌われたフォークソングですが、今こう して聴いていてもその時間の隔たりをまったく感じさせない、美しいコーラス の響きではないでしょうか。 このグループ「赤い鳥」は、1967 年から兵庫県尼崎市で毎月1回定期的に 始められた<赤い屋根のコンサート>が母体となって、1968 年に誕生しまし ▼ た。 1970 年からプロとしての活動が始まり、5年余りで 600 回のコンサート をこなしました。音楽の教科書に載り、日韓共催サッカーW杯の日本代表応援 歌としても歌われたこの「翼をください」は、今もなお多くの人から親しまれ、 歌われています。 「翼をください」の作曲家で、また「赤い鳥」などのプロデューサーでもあ る村井邦彦は、1945 年東京に生まれ、1960 年代後半のグループサウンズ全 盛期に新進気鋭の作曲家としてデビューしました。「エメラルドの伝説」「白い サンゴ礁」「ある日突然」「翼をください」などのヒット曲を作り、札幌オリン ピック(1972 年)ではテーマソング「虹と雪のバラード」を作曲しています。 またプロデューサーとしては、「赤い鳥」、松任谷由実、「ハイ・ファイ・セット」、 「YMO」などを世に送り出しています。 やまがみ みち お 作詞者の山 上路 夫 は 1936 年生まれ。1987 年の「お先にどうぞ」は第 20 回日本作詩大賞優秀作品賞を受賞、「翼をください」の他、「世界は二人のため に」 「瀬戸の花嫁」 「二人でお酒を」などのヒット曲を次々と飛ばしていきました。 ではこれから歌ってまいりましょう。歌ってくださるのはテノール歌手の田 中豊輝さん、ピアノ伴奏は竹之内純子さんです。 この曲は途中から二つの声部に分かれますので、まず上のメロディーを1番 の歌詞で歌って頂き、2番では、4段目最後の4拍目から最後まで下のメロ ディーで歌って頂きますので、皆さんは1番も2番も上のメロディーを歌って −− 高校講座 学習メモ 音楽 Ⅰ 第 2 回:翼をください・世界に一つだけの花 みてください。2番では途中から田中さんとデュエットになります。 いかがだったでしょうか?それでは竹之内さんにピアノ伴奏を弾いて頂きま すので、どうぞ二人で、後半にあるデュエットのところでは声を重ね合わせて、 そのひびきを楽しみながら歌ってみてください。 「赤い鳥」は 1970 年から5年間の活動の後、1974 年に2つのグループ、 「紙 ふうせん」と「ハイ・ファイ・セット」に分かれて、それぞれ独自の路線を歩 んでゆきました。 ■「世界に一つだけの花」 次に、皆さんもよくご存知のアイドル・グループ「SMAP」が歌って一躍 有名になった「世界に一つだけの花」を歌ってまいりましょう。 「SMAP」についてはよく知っている方も多いと思いますので、ここでは この歌のことに少し触れます。この曲が世間一般に知れ渡るようになったのは、 くさなぎ つよし 「SMAP」のメンバー草彅 剛 が主演したテレビドラマ『僕の生きる道』の ▼ 主題歌となったことからでした。 まきはらのりゆき 作曲者の槇原敬之は 1969 年大阪生まれのシンガーソングライターで、中学 2年の時から作曲を始めました。作詞家、作曲家、編曲家としても大活躍し、 「AXIA MUSIC AUDITION '89」でグランプリ獲得と「一万人審査員賞」を受賞 しています。 では、「世界に一つだけの花」を歌ってまいりましょう。教科書では、一般 に知られている歌の順序とは少し異なっていますから、教科書をよく見て歌っ てください。またオリジナルではイ長調で歌われていますが、ここではホ長調 に下げて書かれています。 はじめに田中さんの歌、竹之内さんのピアノ伴奏で歌います。二声になった ところでは、主旋律は下の旋律として書かれていますから、気をつけて楽譜を よく見ながら歌ってください。 それでは竹之内さんにピアノ伴奏して頂きますので、二人で声を合わせて デュエットを楽しんでみてください。 いかがだったでしょうか?リズムを正確に歌うのはたいへん難しいことだと 思いますが、そこにあまりこだわりすぎると歌を楽しめなくなることにもなり かねませんので、ビートにしっかり乗って、言葉の意味をかみしめながら歌う ことを楽しんでほしいと思います。 −−